腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します 申し訳ありませんが書く時間を最優先にしたいのでリコメは基本的に致しません。 要望・お礼などは「日記」記事でお応えしますが、タイムラグがあることも多いです。

小説

気分は下剋上 学会準備編 290

「そうですね……。紅茶ではなくてシャンパンの方がもっと合うかと思います。
 あ、良いです。私が注ぎます」
 後半はウエイターの人に向けた言葉だった。
 このホテルは斉藤病院長を始めとする病院関係者ご用達のようだったので――いくらホテルマンの口の堅さを信じているものの――軽率な言動は慎むべきだろう。
 第二の愛の巣とも呼ぶべき大阪のホテルではかなり大っぴらに振る舞ってはいたものの、それはホテル側が「二人の関係」を心得ているという安心感が根底にある。
「有難う」
 酸っぱさと塩味が精緻なバランスで同居するこのピクルスにもシャンパンは良く似合う。
「しかし、病院長選挙に出るのは至極ご尤もなので――内田教授にでも唆されたとかで。あの先生も革命家としてのカリスマは持ち合わせていると判断していますが、教授職のキャリアとか、病院内外の知名度から言えば貴方の方がより上を行くのは明白なので、敢えて譲るという選択肢を選んだと勝手に考えていました――何の疑問も抱いていなかったのですが、そして貴方が教授職にあまりにも自然に就いていらっしゃるのでそれ以上のことはあいにく考えが及ばなかったです。
 生粋の病院育ちなのに、見抜けなかったことが何となく悔しいです」
 「悔しい」と言いながらも祐樹の輝く瞳とか太陽よりも眩しい笑みを見ていると、このタイミングで知って貰った方が良かったと思う。
 そして、祐樹がフルートグラスを空中にかざした。
「未来の医学部長に」
「未来の田中教授に」
 視線と共にクラスも熱く涼しい音が絡まり合った。
 その後に飲みほしたシャンパンが殊更に咽喉を冷やすような、そして焼くような不思議な感触だった。
「お母様の具合はどうだった?」
 先程は清水氏が居たので詳しく聞けなかった一番の懸念を聞いてしまう。昼間のシャンパンはキスよりも甘く熱く理性を解くようだったし。
 それにこの程度は聞いても良い質問だと朧に霞んだ理性が告げている。
「ああ、母ですか……。元気そうでしたよ。何でも久米先生に実の母は『絶対に』切れない絆が有るけれども、奥さんは逃げられたら終わりの赤の他人だと思って接しなさいとか言っているらしいです。
 何だか久米先生も感銘を受けたようで……そんな話しを私にしてきました。
 別にそんなことを一々言わなくてもこちらは一向に構わないのですが、ね」
 口ではそんなことを言っているが久米先生のことを実の弟のように可愛がっているのは知っているのでむしろ微笑ましい。
「確かに奥さんは離婚したら、赤の他人になるのも事実だが?」
 祐樹のお母様を褒めた積もりだった。
「私は生涯の伴侶と思い定めた人を逃がすような馬鹿げた真似は絶対しませんが……。
 だから……」
 「覚悟して下さい」と唇が告げている。
 その輝く瞳や言葉に射られたように頬が上気してしまう。ただ、シャンパンを呑んでいるので不審には思われないだろうが。
 了解という意味を込めた眼差しの煌めきを送った。
「…………明日のパーティの時に、お母様の体調不良に気を配って貰うのは森技官が良いだろうか?それとも呉先生に頼むか?」
 二人とも割と話しやすいという理由から同じテーブルに配置したが、呉先生は精神科医としては卓越した能力を持っているものの、高度に細分化した大学病院では外科と精神科は異世界と言っても過言ではない。
 それに森技官は病院に査察のため派遣されると聞いていたが、どこぞの大学病院の病院長だかに「皮膚科ではないと紹介状は書けない」と言われたと本人が言っていた。
 皮膚科でもガンなど放置すればマズい病気もあるものの、数日程度の猶予は有るので専門医に相談してからでも充分間に合う。救急救命医としての資格も持ち合わせている裕樹などは一分の遅れが文字通り致命的になるような場所に居合わせることもないのだろう。
「究極の二択というか……、消去法に消去法を重ねた場合には、ですけれども……呉先生の方が無難ですよ。
 医師としての力量ではなくて、病院内部の人なので、ウチの医局の……それこそ久米先生にでも事前に会わせておけばより完璧だと思いますが……。斉藤病院長が呼んだ然るべき人々に悟られずに立食パーティのスペースに行けるでしょう?」
 確かに医局員はテーブル席ではなくて控えの間っぽい立食の場所に居るようになっている。
 ただ立食の方が目立たないので、そっと退席したとしてもそう目立たないだろう。
「久米先生が窓口になってくれれば母の最新のバイタルなどを把握しているのでより一層心強いです。
 あんな――まあ、背負っているものが異なるからかもしれませんが清水先生とは精神年齢が大人と子供ほど違う――人ですが、医師としての腕は確かです」
 大人と子供……、確かに病院長レベルの人事まで見通している視野の広さは持ち合わせていないが……祐樹の親しみのこもった憎まれ口を薔薇色に泡立つ心で受け止めると、心の中がよりいっそう煌めく紅さに染まっていく。
「大人と子供……それは言い過ぎだろう。七年程度ではないか?」
 シャンパンが全身を紅く染めていくような気がした。祐樹の眼差しの優しげな輝きも相俟って。
「七歳異なるというと男女の性差のようですね。
 ただ、13歳と20歳だったら、七年の違いは有る上に大人と子供と言えますよね?
 それはともかく、久米先生だったら他の救急救命の医師も即座に呼べますし、適役かと思います。
 どうせそこいらに医師が居るので彼も心強いでしょう」
 口ではまだまだ祐樹には敵わないと――と言っても勝つ気はそもそも無かったが――唇が笑みを深くしてしまう。
 アルコールのせいではない薔薇色の陶酔が身体中に浸透していくような気がして、この時間が続けば良いという思いと、早く明日が来てほしいというワガママかつ贅沢な心を持て余してしまっていた。







______________________________________

宜しければ文字をクリック(タップ)お願い致します~!更新のモチベーションが上がります!




2クリック有難うございました!!更新のモチベーションが上がりました!






 

 
 

◆◆◆お詫び◆◆◆

今後もこのブログは不定期更新しか無理かと思います……

ただ、アイパッドで隙間時間OKのこちらのサイトでは何かしら更新します。
下記サイトはアプリで登録しておくと通知が来るので便利かと思います。


勝手を申しましてすみません!!




◆◆◆宜しくです◆◆◆

ツイッタ―もしています!
更新時間が本当にバラバラになってしまうので、ヤフーブログの更新を呟いているだけのアカですが、ぶろぐ村や人気ブログランキングよりも先に反映しますので「いち早く知りたい」という方(いらっしゃるのか……???)はフォローお願い致します。


最近はブログ村の新着に載らなかったり、更新時間も滅茶苦茶になっているので、ツイッターアカウントをお持ちの方は無言フォローで大丈夫なので、登録して下されば見逃さずに済むかと思います!!宜しくお願いします。




◇◇◇お知らせ◇◇◇



あと、BL小説以外も(ごく稀にですが……)書きたくなってしまうようになりました。
本業(本趣味)はもちろんBLなのですが。

こちらでそういった作品を公開していきたいと思っています。




「下剋上」シリーズは一人称視点で書いていますので、他の人がどう考えているのかは想像するしかないのですが、こちらはそういう脇役がこんなことを考えているとか書いています。
今は、久米先生が医局に入れてハッピー!な話とかですね。

スマホで読んで頂ければと思います。その方が読み勝手が良いかと。

落ち着くまでは私ですら「いつ時間が空くか分からない」という過酷な(?)現実でして、ブログを更新していなくてもノベルバさんには投稿しているということもあります。
なので、お手数ですが「お気に入り登録」していただくか、ツイッターを見て頂ければと思います。




更新出来る時は頑張りますが、不定期更新となります。すみません!!

すみません、ただ今職場とクリニックのハシゴ&(しょぼい)相続会議紛糾中でして、心身共に疲れ果てています。

不定期更新に拍車掛かりますが何卒ご了承ください。


       こうやま みか拝

気分は下剋上 学会準備編 289

「シャンパンのお代わりは如何ですか?」
 イチゴと共に呑むシャンパンは普段以上に美味だった。ただ、明日の「披露宴」を控えていつになく感傷的になっているのも自覚していた。
 アルコールには耐性が有る体質ではあるものの、その時の体調によってどんな作用が出るか分からない。
 それにアルコールの麻酔作用は、手術の時に使う麻酔薬と同様の効果だ。それでもアルコールが手術に用いられないのは効く時間が人によってマチマチだという点だ。
 こんな感情の揺れ幅が大きい今日この日にはあまり過ごさない方が良いだろう。
「いえ、アフタヌーンティがとても美味しそうなので、紅茶に致します」
 ウエイターを務めているスタッフに目配せをした時に、清水氏のスマホが鳴った。
「おや、斉藤からです。噂をすれば……というやつですかな。
 少々失礼します」
 清水氏は酔った感じの歩き方で別室に消えた。ただ、夢にも思っていなかったご子息の「教授職」の野望に酔っているのかも知れなかったが。
「驚きました」
 テーブルに残った二人から異口同音の声がした。
 滅多なことでは動じない祐樹もさすがに寝耳に水の教授職というのは驚異だったのだろう。
「病院長選挙に出馬なさると伺っていて……それは現場の医師やナースそして、技師達も含めた――いわば内田教授が普段から取り組んでいらっしゃる――病院内改革を医療従事者目線で進めるのが目的だとばかり思っていました。
 それなのに、私を後継者に……?
 医局に居る以上は――どこぞの公立大学とか私立大学に招かれるのなら別の話になってしまいますが――停年時に准教授のポジションだろうなと。
 それが……」
 祐樹が黒く輝く瞳が戸惑ったような光を放っていて、そういう類いの輝きは見たことがないので新鮮だった。
「いえ、香川教授が病院長に就任された暁には当然教授職は空くことになりますし、医局の内でも異論は出ないのでは?
 何しろ執刀重視の科だというのは全国中、いや世界レベルかも知れませんが……響き渡っていますよね。
 それに田中先生の香川教授にどこか似てはいるものの、ダイナミックさと華麗さが天才的な執刀医振りも一部では有名です。
 あれは教授の手技をベースにして田中先生のアレンジを加えたモノですよね?
 そして医局の他の先生方も田中先生が執刀することについて特に異存はないとのことですよ。久米先生に聞いたのですが。
 彼は医局の愛されキャラですよね。あの愛すべき天然さを見ていれば分かりますが。
 それに医局内で田中先生の人望は厚いですし、妥当だと思います。柏木先生は生涯教授のサポート役に回るという選択をなさったようですが、田中先生の手技や――そして教授には大変失礼なのですが……」
 医局に所属していない――籍はまだ精神科だが、どうやら外科に目覚めた清水研修医は暇を見つけては手術のモニタールームまで見に来ている感じだった。
 普通の研修医には――「夏の事件」の狂気の元研修医も割と好き勝手をしていたようだったが、それは当時の教授に莫大な金銭を人知れず送っていたからだ――そんな暇はないのが普通だが、清水研修医のお父様が斉藤病院長の「親友」であることから精神科の真殿 
教授も大目に見ているのだろう。
 それに、清水研修医は地震の時も精神科から「快く」貸し出したということは、真殿教授の側近には良く思われていないような気がする。
 真殿教授と大喧嘩をして医局を出てブランチを立ち上げた呉先生の方にシンパシーを感じているのも知っていた。
 そして、清水研修医は京都一の私立病院の後継者に相応しい感じで、全体を良く俯瞰して見ているなと感心してしまう。
 まあ、救急救命室で裕樹や柏木先生、そして久米先生とも夜を過ごすので、暇な時は色々と会話を交わせるのでそういう結論に至ったのかもしれないが。
 ただ、清水研修医は――地震の時が初対面だった――最初から歯に衣着せぬ、かつ説得力のある意見を恐れ気もなく言って来た人なので肝も据わっているのだろう。
「失礼……ですか?いえ、岡目八目という言葉が有るように……当事者には中々気付けない点が有りますし。
 しかも、清水先生の意見は的確ですし、毎回ためになっています」
 祐樹は黒く輝く瞳に牽制めいた光を宿して清水研修医を見ていたが。
「では、申し上げます。教授は絶対のカリスマ性で医局を運用していらっしゃいますよね?それはそれで凄いことなのですが。
 そして手に余ることを適材適所で割り振っていらして、拝見していてとても清々しいです」
 清々しいという評価は初めてのような気がする。
 目を見開いて祐樹を見ると、祐樹も同感という感じの目配せを送ってくれた。
「清々しいですか……。私は自分の手に余ることと自分の出来ることに分けて考えています。
 前者はより適任者が居るのですから、そちらに回しているだけだったのですが。
 そもそも私は手技の実績で招聘されているので、病院への貢献はまずそこでしょう」
 学生への指導などは、コミュニュケーション能力が必要で、そして黒木准教授の方が持ち合わせている。だから職務の一環を振っただけだ。誰もが向き不向きがあるので。
「医師は理系なので合理性を追求しがちですが、教授のは――間違ったプライドとか体面だけを考えてつじつま合わせをしている――他の教授達と一線を画しますね」
 祐樹がムッとした感じで何かを言おうとした時に清水氏がこちらの部屋に戻って来た。
「『あの』吉田さんが――ダメ元で斉藤が招待状を送っていたらしいですね――応援演説のついでとはいえ、今日・明日は京都にいらっしゃっていると。いずれ首相にとの呼び声も高い人です、ご存知でしょうが……」
 全国レベルの知名度を誇る政治家だけに清水氏が更に酔ったようになるのも別に不思議ではない。
「その方のお嬢様がウチの病院に入院なさっていますよ。ちなみに主治医は田中です」
 百合香ちゃんは順調に体力を付けて来ている。お父様もご多忙中ながらも、パーティに顔を出して下さるのは、御礼代わりに違いない。
 ただ、御礼は別のモノで充分貰っている気がするが。
「えっ!そうなのですか?早速ご挨拶に伺わないとなりません。
 この部屋でゆっくりとお寛ぎ下さい。御帰りの際はスタッフまで仰って下されば大丈夫なようにしておきますから」
 慌ただしい感じで親子二人が退室して行くのを座ったまま見送った。そうするようにジェスチャーで伝えられたので。
 このくらいのバイタリティというか精力的に動かないと「京都一の私立病院」として君臨し続けられないのだろう。
「このピクルスはとても美味しい……」
 酸っぱさ加減が絶妙だった。それにキュウリも畑から直接取って来たのかと思えるほどだったし。
「そうですか?ああ、本当に美味しいですね……。これは紅茶ではなくて、シャンパンの方が合いますね……。
 それはそうと」
 祐樹が可笑しそうな光を宿して自分を見ていた。新しいフルート・グラスにシャンパンが注がれる。
 その泡のようなため息を零してしまう、薔薇色の。




______________________________________

宜しければ文字をクリック(タップ)お願い致します~!更新のモチベーションが上がります!




2クリック有難うございました!!更新のモチベーションが上がりました!






 

 
 

◆◆◆お詫び◆◆◆

今後もこのブログは不定期更新しか無理かと思います……

ただ、アイパッドで隙間時間OKのこちらのサイトでは何かしら更新します。
下記サイトはアプリで登録しておくと通知が来るので便利かと思います。


勝手を申しましてすみません!!




◆◆◆宜しくです◆◆◆

ツイッタ―もしています!
更新時間が本当にバラバラになってしまうので、ヤフーブログの更新を呟いているだけのアカですが、ぶろぐ村や人気ブログランキングよりも先に反映しますので「いち早く知りたい」という方(いらっしゃるのか……???)はフォローお願い致します。


最近はブログ村の新着に載らなかったり、更新時間も滅茶苦茶になっているので、ツイッターアカウントをお持ちの方は無言フォローで大丈夫なので、登録して下されば見逃さずに済むかと思います!!宜しくお願いします。




◇◇◇お知らせ◇◇◇



あと、BL小説以外も(ごく稀にですが……)書きたくなってしまうようになりました。
本業(本趣味)はもちろんBLなのですが。

こちらでそういった作品を公開していきたいと思っています。




「下剋上」シリーズは一人称視点で書いていますので、他の人がどう考えているのかは想像するしかないのですが、こちらはそういう脇役がこんなことを考えているとか書いています。
今は、久米先生が医局に入れてハッピー!な話とかですね。

スマホで読んで頂ければと思います。その方が読み勝手が良いかと。

落ち着くまでは私ですら「いつ時間が空くか分からない」という過酷な(?)現実でして、ブログを更新していなくてもノベルバさんには投稿しているということもあります。
なので、お手数ですが「お気に入り登録」していただくか、ツイッターを見て頂ければと思います。




更新出来る時は頑張りますが、不定期更新となります。すみません!!

すみません、ただ今職場とクリニックのハシゴ&(しょぼい)相続会議紛糾中でして、心身共に疲れ果てています。

不定期更新に拍車掛かりますが何卒ご了承ください。


       こうやま みか拝

気分は下剋上 学会準備編 288

「そうか。それは良かった。ただ先程も言ったが念のために検査を受けて貰わないとならない、な」
 今まで気が回らなかったが折角病院に来るのだったら、医局をチラリと覗いて貰って裕樹の仕事振りを実際に見て貰った上で――裕樹がどれほど職務熱心かつ患者さんに慕われているか実際に体感して欲しい――教授執務室でコーヒーでも振る舞おうと思った。
「教授……ですか……清水教授……ううむ、良い響きですね。
 そう言えば『白い巨○』の小説でも『教授にはなれないが、教授の義父にはなれる』と主人公に娘を嫁がせるシーンが有りましたが、それをまさか実体験出来るとは……」
 長期に亘って放映されたドラマを観たが、札束がポンポン出てくるお義父さんだった。
 ただ、あの小説は昭和40年代の大学病院が舞台なので今とは状況が異なる。お義父さんは産婦人科の医院経営者という設定だが、昭和四十年代の出生率の高さでは充分需要が有っただろうが、この少子高齢化の今は出産する女性も限られている上に訴訟リスクも高い。
 森技官の実家も代々の産婦人科だったと記憶しているが、多分お祖父様の時代が最も儲かっていたのではないかと思う。ただ、厚労省とのパイプも太いので跡継ぎのお姉さまは不妊治療などにも力を入れているなら話は別になって来るが。
「実体験……。ただ、斉藤病院長の親友としてあらゆるバックアップを惜しまなかったと仄聞しておりますが?」
 親友が「憧れ」の教授職に――自分の場合は向こうから勝手に転がり込んで来たという経緯も有って有難味は薄いのが実際のところだ――就くことで充分だと思うのだが。いや、肉親の縁が薄い自分には分からない感情が有るのかもしれないが。
「親友は血が繋がっていませんから。それでも充分過ぎるほどの達成感は味わえましたが。
 もちろん、香川教授の医学部長兼病院長選挙にも斉藤の時よりも頑張らせて頂きます。
 今の教授の実績とか人望の厚さなどを鑑みるに大丈夫だという気は致しますが、念には念を入れろとか、石橋を叩いて渡れなどと言いますから。
 それに、香川教授が病院長になって下さっていた方が愚息の教授職選挙にも有利でしょう。
 ああ、もしかして香川教授の後継者は田中先生とお考えなのでしょうか……?
 実力重視の医局だと仄聞しておりますし、執刀医は教授と田中先生ですね。その上に院内政治にも長けていらっしゃると愚息が申しておりましたし」
 清水氏の爆弾発言に一瞬戸惑ってしまった、その通りだったので。祐樹も今気付いたような感じで目を大きく開けている。
 本当のことを言って良いかどうか逡巡していたのも一瞬だった。
 清水氏が教授選挙からの歴戦の勇者なのは知っている。だったら一気に味方に付けた方が得策だろう。
「流石ですね。その通りです。そもそも手技しか出来ない私と異なってこの田中先生はむしろ教授に向いていると思って見て参りました。もちろん、手技が劣っていたら話にならないのでこれから病院内外で修業を積む必要が有りますが。
 しかし、斉藤病院長が停年を迎える頃には立派な外科医として名前を国内外に轟かす心臓外科医になっていると断言しても良いかと思います。
 その際も宜しくお願いします」
 祐樹が心の底から驚いたような眼差しで自分を見ていた。その輝く眼差しに笑みを含んだ視線を絡ませた。
 それだけで目の前で細かく泡を立てているシャンパンよりも幸せな色が煌めいては弾けるような気持ちになった。
「お父さん、オレ……いや私とかお兄さんに病院を譲って盆栽三昧の老後を送る!とか言っていたけど、まだまだすべきことが残っていて本当に良かったね。
 認知症に――まだ原因が解明されていないアルツハイマーなら仕方ないけど――なる暇なんてないよ……。オレが教授になるまで現役で頑張って欲しいな。
 ま、子としては親が長生きしてくれるだけで嬉しいけど、バックアップしてくれたらもっと嬉しい」
 清水研修医が偉大なる父親を見る感じと切々とした口調だった。
「分かった!いやあ『教授の父』ううむ、良い響きだ……。
 しかも『白い○塔』は婿養子という血の繋がりの無い人間を――いや、才能は充分認めていたとは思いますが――援助するだけでもあれだけのことをしていたので、血の繋がった実の息子だと思えばよりいっそう力が入ります。
 それはさておいて……ウチの病院では長男も跡継ぎとして修業中ですが、外科医が二人という贅沢過ぎる悩みを抱えています。
 清水『教授』という金看板に――それだけで喜びで背中が震えますが――対抗させるためにはどうすれば良いか……」
 優秀な息子を二人も持っているだけでも羨望の的だろう、多分。
「ああ、それでしたら病院経営のために然るべき大学院でMBA取得をすればいかがでしょう?
 大学病院もその例に漏れませんが、今や病院でも破綻する時代ですので、お父様がお元気でご活躍中にそういう資格を取得するのが最も宜しいかと思います。
 ウチの病院でも事務局長はMBAホルダーですし、教授会にも出席する権限を持っています。
 忌憚ない意見で――いささかやり過ぎだと個人的には思ってしまうのですが――バサバサと経費節減の大ナタを振るっています。
 そうですよね?教授」
 祐樹のプレゼン能力はまるで本人がMBAホルダーのような立て板に水かつ説得力に富んでいた。
 そういう頼もしい恋人を持てたことだけで心が薔薇色の波で満たされるようだった。





______________________________________

宜しければ文字をクリック(タップ)お願い致します~!更新のモチベーションが上がります!




2クリック有難うございました!!更新のモチベーションが上がりました!






 

 
 

◆◆◆お詫び◆◆◆

今後もこのブログは不定期更新しか無理かと思います……

ただ、アイパッドで隙間時間OKのこちらのサイトでは何かしら更新します。
下記サイトはアプリで登録しておくと通知が来るので便利かと思います。


勝手を申しましてすみません!!




◆◆◆宜しくです◆◆◆

ツイッタ―もしています!
更新時間が本当にバラバラになってしまうので、ヤフーブログの更新を呟いているだけのアカですが、ぶろぐ村や人気ブログランキングよりも先に反映しますので「いち早く知りたい」という方(いらっしゃるのか……???)はフォローお願い致します。


最近はブログ村の新着に載らなかったり、更新時間も滅茶苦茶になっているので、ツイッターアカウントをお持ちの方は無言フォローで大丈夫なので、登録して下されば見逃さずに済むかと思います!!宜しくお願いします。




◇◇◇お知らせ◇◇◇



あと、BL小説以外も(ごく稀にですが……)書きたくなってしまうようになりました。
本業(本趣味)はもちろんBLなのですが。

こちらでそういった作品を公開していきたいと思っています。




「下剋上」シリーズは一人称視点で書いていますので、他の人がどう考えているのかは想像するしかないのですが、こちらはそういう脇役がこんなことを考えているとか書いています。
今は、久米先生が医局に入れてハッピー!な話とかですね。

スマホで読んで頂ければと思います。その方が読み勝手が良いかと。

落ち着くまでは私ですら「いつ時間が空くか分からない」という過酷な(?)現実でして、ブログを更新していなくてもノベルバさんには投稿しているということもあります。
なので、お手数ですが「お気に入り登録」していただくか、ツイッターを見て頂ければと思います。




更新出来る時は頑張りますが、不定期更新となります。すみません!!






 

       こうやま みか拝

気分は下剋上 学会準備編 287

「きょ……キョウジュっ……!!」
 斉藤病院長の「親友・戦友」として教授選から医学部長・病院長選挙まで経験しているので、絶対に修羅場をくぐり抜けているハズなのにグラスを取り落そうとしている。
「父がこのように取り乱すのは初めて見ました。しかし、本当に……そんなチャンスを与えて下さるのですか?」
 滅多に動じない清水研修医も、若干早口かつ上擦った声だった。
 祐樹が可笑しそうな笑みを浮かべて麗しい親子愛を見た後に自分を見詰めて来る。そういう秘密めいた目配せを送り合うのも心に黄金色のシャンパンの泡が細かく弾けるような感じだった。
「ウチの病院限定ですが……、脳外科は白河教授の年齢を考えると充分教授職狙えますよね」
 祐樹が畳み掛けるように言ってくれた。
 年齢差で考えるとその発言は妥当だったが、祐樹は何故自分が病院長選挙に臨むかまでは思い至らなかったようだ。
 まあ、目の前のタスクを――幸せ過ぎるモノばかりだ、最近は――こなすことで流石の祐樹もキャパを超えそうなのかも知れないが。
「そっ!!そうですねっ!!いやぁ、産まれて来て良かった……というか、愚息を斉藤病院長や香川教授に預けて本当に良かったと申した方がより正確です……」
 さほど呑んでもいないのに――とはいえ清水氏のアルコール分解酵素がどの程度体内に存在するかは分からないが――清水氏の顔は泥酔者のような色に染まっている。
「あ、失礼します。電話が……。久米先生からです」
 久米先生と聞いて清水研修医は咄嗟に仕事か明日のパーティのことだと察したらしい。
「田中先生、奥に寝室が有るので、宜しければそちらでお話し下されば大丈夫です」
 病院関係者御用達、つまりは斉藤病院長も良く使っているホテルなだけに通い慣れている感じだった。
「有難うございます。では教授、少し席を外して宜しいですか?」
 総回診の時の、患者さんを前にしたのと同じ感じの恭しさで「お伺い」を立ててくるのは清水氏の目を気にしてのことだろう。
 ただ、普段の清水氏は「権謀術数腹黒タヌキ」とあだ名で呼ばれている斉藤病院長の親友に相応しい対応を多分見せるハズだったが、今は気持ちが宙に浮いている感じを受けるので大丈夫っぽいが。
「もちろん。こちらは大丈夫だからゆっくり話して来たら良い。『例の』患者さんのことかも知れないので慎重に対処しなければならない」
 久米先生からの電話ということは祐樹のお母様を医師の視点で診た結果報告だろう。そちらも当然ながら気になっていたので。
「承りました。では少しの間、失礼します」
 祐樹が携帯を持って清水研修医が丁重に指で示した方角へと足早に歩み去った。
「医学部教授の父親と――と言っても医者の不養生を地でいっていますので生きていられるか分かりませんが、こうなれば意地でも長生きしなければならないと思ってしまいます――ウチの病院の立派な跡取りという贅沢過ぎる二者択一が出来る己の幸福を噛みしめるばかりです。
 独立行政法人になったとはいえ、身分は公務員に準ずるので副業は禁止でしたよね?教授職は……。籍は大学病院に置いてウチの病院にというのが最高なのですが……。ああ、教授、遠慮せずにどんどん召し上がって下さい。いや、これだと少ないでしょうか?何か追加オーダーをしますか?」
 艶々と黒く煌めくキャビアの――何だか祐樹の眼差しに似た光だったのもとても嬉しい――味と良く調和しているクラッカー状の物を唇に運んでいると、分厚いメニューを寄越すようにウエイターに目で合図を送っている清水氏が目に入った。
「いえ、私はこれで充分です」
 それでなくともテーブルの上には山のように軽食類が並んでいる。
「教授、イチゴがお好きだと田中先生にお聞きした覚えがありますが、このシャンパンに最も合うイチゴが有れば……」
 清水研修医が躊躇なく言い募ってきた。確かにイチゴは大好きだし、その程度はご馳走になっても良いような気がした。
「そうですね。在庫が有ればそれをお願いします」
 清水氏は何だかイチゴ農家に――どこに有るのかは知らないが――本当に行きそうな勢いでスタッフに食いついていた。
「先程のお話しですが、そもそも大学病院に籍を置くことなくアメリカに行ってしまった人間が教授職として出戻って来るという事態も旧来の常識にはかからないと思います。
 ただ、海外で実績を積んだ人間が教授職や准教授職で招聘される例も多くなってきましたよね。
 ですから白河教授が停年を迎えるまでの長い時間にはどんなことが起こるか分からないです。もしかしたら兼業可能になっているかもしれません。
 日本の社会も働き方改革とか色々変わって来ていますので」
 清水研修医がなるほどという感じで頷いている。どうやら脳外科に移籍する話しに乗り気のようだった。
 そう言えば、彼のお兄さんが外科に一時籍を置いていたので選択肢から外されたという兄弟の確執が有ったようだった。
 家族として普通に仲は良さそうな感じだが、家庭内のことは誰にも分からない上に自分も、そして祐樹も一人っ子なので兄弟がどんな感情を持つかなど分かるハズもない。
 ただ、日本史を紐解けば兄弟間でも血で血を洗う抗争とかも有ったようだし、清水研修医だって鬱屈した思いを抱いていた感じだった。まあ、精神科の真殿教授に対して反感を抱いているせいもあったのかも知れないが。
「兼業が可能になったら良いですね。その辺りは運動を継続しつつ様子見です……。
 ああ、教授チルドのなら有るようですよ、御所望のイチゴが」
 夢見るキツネといった感じの清水氏が教えてくれた。
「教授『例の』患者は、当面の間は何の問題もないようです。念のために引き続き様子を診るようですが。
 ご存知の通り久米先生は慎重ですからね……。医局での職務上に限って申し上げれば……」
 祐樹が足早に戻って来て席に優雅かつ尊大な感じで腰を下ろした。
 ただ「久米先生は慎重」と話した時に清水研修医が何か言いたそうにして慌てて唇を閉ざしたのを見ていたのだろう、動じずに言葉を付け足していた。
 「医局内」を持ち出せば、清水研修医には確かめようがないのも計算の内なのだろう。




______________________________________

宜しければ文字をクリック(タップ)お願い致します~!更新のモチベーションが上がります!




2クリック有難うございました!!更新のモチベーションが上がりました!






 

 
 

◆◆◆お詫び◆◆◆

今後もこのブログは不定期更新しか無理かと思います……

ただ、アイパッドで隙間時間OKのこちらのサイトでは何かしら更新します。
下記サイトはアプリで登録しておくと通知が来るので便利かと思います。


勝手を申しましてすみません!!




◆◆◆宜しくです◆◆◆

ツイッタ―もしています!
更新時間が本当にバラバラになってしまうので、ヤフーブログの更新を呟いているだけのアカですが、ぶろぐ村や人気ブログランキングよりも先に反映しますので「いち早く知りたい」という方(いらっしゃるのか……???)はフォローお願い致します。


最近はブログ村の新着に載らなかったり、更新時間も滅茶苦茶になっているので、ツイッターアカウントをお持ちの方は無言フォローで大丈夫なので、登録して下されば見逃さずに済むかと思います!!宜しくお願いします。




◇◇◇お知らせ◇◇◇



あと、BL小説以外も(ごく稀にですが……)書きたくなってしまうようになりました。
本業(本趣味)はもちろんBLなのですが。

こちらでそういった作品を公開していきたいと思っています。




「下剋上」シリーズは一人称視点で書いていますので、他の人がどう考えているのかは想像するしかないのですが、こちらはそういう脇役がこんなことを考えているとか書いています。
今は、久米先生が医局に入れてハッピー!な話とかですね。

スマホで読んで頂ければと思います。その方が読み勝手が良いかと。

落ち着くまでは私ですら「いつ時間が空くか分からない」という過酷な(?)現実でして、ブログを更新していなくてもノベルバさんには投稿しているということもあります。
なので、お手数ですが「お気に入り登録」していただくか、ツイッターを見て頂ければと思います。




更新出来る時は頑張りますが、不定期更新となります。すみません!!



不定期更新に拍車掛かりますが何卒ご了承ください。
しかも、クリニックではなく「大きな病院紹介するかも」と言われていまして……しょんぼりしています><;




 

       こうやま みか拝

気分は下剋上 学会準備編 286

「香川教授と田中先生のこれからの益々のご清栄を祝って」
 ホテルの客室では有ったものの、レストランのようにウエイターだかスタッフだかは分からないものの従業員がきびきびと動き回っている。
 その中で繊細なフルートグラスが澄んだ音を響かせている。
 清水研修医もこういう場所に来慣れているのだろう、普段よりも寛いだ笑みを浮かべている。
 そして祐樹も如才ない笑みを――しかも着実に医師としての清々しい貫録が付いた感じで――浮かべてグラスを合わせている。
 シャンパンの泡が細かく立ち昇る――視界と心の両方で――爽快感と共にグラスを傾けた。
「香川教授は愚息に『多次元尺度構成法』……でしたか?そういうモノを作るように頼まれたとか。
 斉藤の時は、人脈と資金力で勝負したのですが、世の中変わりますね。医療も進化していますが、大学病院の病院長選挙も愚息の意見を聞いて変わったなとつくづく思いました。
 いや、変わらない部分はもちろんご助力を惜しみませんが」
 清水氏は息子さんの方へと頼もしそうなそして満足そうな眼差しを注いでいる。
 多次元尺度構成法とは、とある人間が誰をどれだけのプラスかマイナスの感情を抱いているかを調べ上げて相関図を作り出すというモノで、それは清水研修医が提案してくれていたので、仲の良さそうなお父様の耳には入るだろうと思っていたら案の定だった。
「その節はご助力を賜れば幸いです。何しろ全く未知な分野ですので。
 もちろん、御礼はさせて頂きます」
 御礼と言っても、この何でも持っている人に何を差し出せば良いのか全く分からなかったので、祐樹へと目配せをした。
「救急救命室でご一緒させて頂いています。
 外科医の才能も充分お有りのようですね?そして清水先生も精神科には未練もないと伺っております。
 それでしたら、香川の医局は無理ですが……それこそ親の七光りなどとウワサになってしまいますし、久米という研修医が既におりますので尚更に反発も大きいかと存じますので、研修医不在のままの脳外科に行って貰うという心積もりは有りませんか?」
 その手が有ったかと内心で舌を巻いた。白河教授はウチの医局、特に裕樹には「唯々諾々」という言葉が相応しいほどだったし、研修医を補充することも後回しになっていたのも事実だった。
 清水親子の手がピタッと止まった。
「ほ……本当ですか?確かに医局である程度の箔を付けた後に……ウチに戻って来る方が確かに良いです……。講師などのブランドは輝きますから……」
 確かに清水氏の言う通りだった。というか街中のクリニック程度だと医学部卒とか博士課程で――ちなみに昔は6年間医学部の修士課程まで進んだ後に2年の博士課程も取得するのが当たり前で、確か清水氏もそうだったと記憶しているが、今は修士課程のみの医師も多いし、そもそも自分も博士号は持っていない――充分だが、清水氏の病院だともっと上のポジションを持っていた方が何かと有利だ。
「え?本当に良いのですか?」
 普段は物事に動じない清水研修医も呆気に取られた感じで瞳を輝かせていた。
「はい。外科の親睦会で脳外科の白河教授は清水先生を気に入って下さっていましたし、病院長からの口添えさえあればすんなり決まるでしょう。
 それに、脳外科では『あの』悪性脳腫瘍の手術実用化を目指して術式を模索中です」
 清水氏が繊細極まりないフルートグラスを折りそうな勢いで握り締めている。
「悪性脳腫瘍ですか!!手の施しようのない病気ですよね……。ウチでも当然対応はしていますが、いわゆるホスピス的な治療法しかしていません。ま、患者さんはいわゆるガンのように苦痛を感じることもなくずっと眠っていらっしゃるだけですが、そんな画期的なことが?」
 俄かに信じられないのだろう、頭上に煌めくシャンデリアを感極まった感じで見上げている清水氏と、何だかここが東京の高層ホテルの最上階から都心を一望しているような遠い目をした清水研修医を裕樹が口角を優雅に上げて見ている。
「画期的な手技を確立したチームの一員になっていれば、国際的な知名度すら上がります。
 良いお話しだと思うのですが?」
 脳外科が見つけたというよりも悪性新生物科の――いわゆるガンだ――手術職人こと桜木先生が教授の丸投げの手術を行っている過程で見つけた方法だったが、そういう細かいことは良いだろう。
「こ……国際的知名度!!
 今回の田中先生よりも……ですよ……ね?いや、それも大変素晴らしい快挙ですが……。それ以上……」
 祐樹の場合は気まぐれな医療の神様が降臨してくれる一瞬をすかさず掴んだ「だけ」で――いや、それでも凡庸な医師は一生どころか三回生まれ変わっても巡り合えないと言われているが――術式を構築するのとでは全く異なる話しだった。
「そうですね。私達は先人の快挙を模倣しているに過ぎません。
 今現在の大学病院でパイオニアになりそうな科は脳外科でしょうね。そちらに移るようにした方が将来のためになりますよ。
 それこそ、講師ではなくて、アメリカかヨーロッパの有名大学の教授職のオファーが来てもおかしくないレベルの話です」
 そもそも自分達の世界では「教授」はそれほどの権威はない。それよりも国際公開手術を成功させる方が注目度は上がる。
 ただ、清水氏の概念では「講師」でブランドだと言っていたので「教授」職は――しかも、誰でも知っているような医科大学だと尚更――ブルーダイアモンドよりも稀少価値が有りそうな感じだった。
 祐樹だからこそ、この場で思い出して交渉出来た快挙に、自分の目はブルーダイアモンドよりも煌めいて惚れ惚れと見詰めてしまう。




______________________________________

宜しければ文字をクリック(タップ)お願い致します~!更新のモチベーションが上がります!




2クリック有難うございました!!更新のモチベーションが上がりました!






 

 
 

◆◆◆お詫び◆◆◆

今後もこのブログは不定期更新しか無理かと思います……

ただ、アイパッドで隙間時間OKのこちらのサイトでは何かしら更新します。
下記サイトはアプリで登録しておくと通知が来るので便利かと思います。


勝手を申しましてすみません!!




◆◆◆宜しくです◆◆◆

ツイッタ―もしています!
更新時間が本当にバラバラになってしまうので、ヤフーブログの更新を呟いているだけのアカですが、ぶろぐ村や人気ブログランキングよりも先に反映しますので「いち早く知りたい」という方(いらっしゃるのか……???)はフォローお願い致します。


最近はブログ村の新着に載らなかったり、更新時間も滅茶苦茶になっているので、ツイッターアカウントをお持ちの方は無言フォローで大丈夫なので、登録して下されば見逃さずに済むかと思います!!宜しくお願いします。




◇◇◇お知らせ◇◇◇



あと、BL小説以外も(ごく稀にですが……)書きたくなってしまうようになりました。
本業(本趣味)はもちろんBLなのですが。

こちらでそういった作品を公開していきたいと思っています。




「下剋上」シリーズは一人称視点で書いていますので、他の人がどう考えているのかは想像するしかないのですが、こちらはそういう脇役がこんなことを考えているとか書いています。
今は、久米先生が医局に入れてハッピー!な話とかですね。

スマホで読んで頂ければと思います。その方が読み勝手が良いかと。

落ち着くまでは私ですら「いつ時間が空くか分からない」という過酷な(?)現実でして、ブログを更新していなくてもノベルバさんには投稿しているということもあります。
なので、お手数ですが「お気に入り登録」していただくか、ツイッターを見て頂ければと思います。




更新出来る時は頑張りますが、不定期更新となります。すみません!!

すみません、ただ今職場とクリニックのハシゴ&(しょぼい)相続会議紛糾中でして、心身共に疲れ果てています。

不定期更新に拍車掛かりますが何卒ご了承ください。
しかも、クリニックではなく「大きな病院紹介するかも」と言われていまして……しょんぼりしています><;




 

       こうやま みか拝
このブログには
このブログにはアフィリエイト広告を使用しております。
Twitter プロフィール
創作BL小説を書いています。ご理解の有る方のみ読んで下されば嬉しいです。
最新コメント
アニメイト
ギャラリー
  • 気分は下剋上 お花見 43  2025
  • 気分は下剋上 お花見 27 2025
  • ありがとうございます。そしてお知らせ
  • ◇謹賀新年◇
  • メリークリスマス!
  • メリークリスマス!
  • ご心配をおかけしてすみません。
  • ご心配をおかけしてすみません。
  • 感謝です!そして今後のコト。
人気ブログランキング
にほんブログ村
カテゴリー
資産運用
楽天市場
  • ライブドアブログ