腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します 申し訳ありませんが書く時間を最優先にしたいのでリコメは基本的に致しません。 要望・お礼などは「日記」記事でお応えしますが、タイムラグがあることも多いです。

気分は 防衛大学編~学会準備編の後

気分は下剋上 横浜編 4 (I5禁)




「物凄く……良いです……。聡は極上の花園の中もそうですが、唇や咽喉で……私を愛するのが上手ですね……」

 絶頂に達してしまわないように必死で律しながら甘く低い言葉を零しながら最愛の人の凝った場所をコリコリと転がした。

 薄紅色の指と几帳面に切りそろえた爪がツンと尖ったルビーを摘まんでは転がしている様子も物凄く艶やかで扇情的だったが。

 竿の部分を唇で挟んで笛を吹くように動かされるのも堪らなく悦い。

 しかも根元まで唇が動いたかと思うと唇と舌で二つの果実を愛されるのも。

 最愛の人が奏でる淫らな水音と祐樹の熱い呼吸が静まり返ったホテルの部屋を甘く淫らな官能の空間に変えていくようだった。

「その紅色に染まったお顔に……真珠の放埓をばら撒いても……良いですか……」

 最愛の人が咽喉の奥を望んでいるのは知っている。

 その要望に応えるのもやぶさかではないものの――祐樹の八つ当たりというかワガママなのも承知の上だ――咽喉の奥では祐樹の目には見えない。

 その点怜悧な端整な整った顔立ち、しかも愛の交歓の真っ最中なだけあって紅色に染まっている素肌だと目でも確認することが出来る。

 最愛の人が潤んだ眼差しで同意めいた目配せを送ってきたのを確かめた後に禁を放った。

「あっ……祐樹の……熱いっ……」

 紅色に染まった頬や額、そして睫毛にまで真珠の放埓が飛び散って紅色の薔薇の花弁にミルクよりも艶のある液体が宿っている様子は絶品だった。

 しかも、その真珠の雫が鈍い輝きを放ちながら滴っている。

 そして、顔に掛けられたことが花園にまで伝わったのか、凝った部分とかその周りが強く緩く祐樹の指を包み込んで更に奥処へと導こうとしてくれている。

 こういう甘く乱れた最愛の人、しかも端整で怜悧な印象しか普段は与えない人がこういうしどけなさ過ぎる姿を晒すのは祐樹の前だけだと思うとよりいっそう興奮してしまう。

「真珠が飛び散った綺麗なお顔を是非、ご自分でもご覧になってください」

 指を付け根まで絡めて、姿見の鏡の前に移動した。

 最愛の人は祐樹の淫らな示唆通り、ワイシャツのボタンはいつの間にか全て外していて、細く長い指で慰めていたルビーの煌めきとか、しなやかな腹部まで部屋の空気に露わに曝け出している。ネクタイはそのままという点が最高にそそる。

 ボタンを全て外して二つのルビーが艶めかしく存在感を誇示しているし、祐樹のリクエストで下半身も生まれたままの姿で色香だけを纏っている。

 そして、ネクタイのノットだけが几帳面に結ばれているというのは何も纏っていないよりも却って色っぽかった。

「こういう姿になっている聡を見ることが出来るのは私だけかと思うと物凄く興奮します。

 貴方にラブレターを渡した学生も、そして屋上に誘って『いけないコト』を企んだ人達もまさかこれほど色っぽくて艶っぽくなるとは思ってもいないでしょうね。

 もちろん、こんな姿は私以外に見せないでしょうが……。そう思うと優越感まで抱きますよ……。紅色に染まったお顔に真珠の玉を宿して満足げに微笑む聡は本当に綺麗です。

 ルビーの尖りも普段よりも紅く煌めいていますね?」

 最愛の人が鏡に映った自分の顔を何だか甘く蕩けた艶っぽい視線で眺めている。

「祐樹以外とこういう行為は一生しないと決めているので……。

 どれだけ誘われようが私は別にイエスと答える積りはない、な。

 私にとって愛の交歓をしたいのは生涯で一人、祐樹だけと決めているので。

 それに、私が祐樹以外の男性とこんな行為をしてしまったら、祐樹は見放すだろうし、愛してもくれなくなるだろう?

 それが最も怖いので……」

 健気な言葉を紡ぐ紅色の唇に真珠の滴りが一滴宿っていた。そして肢体を動かしたせいで、祐樹がばら撒いた真珠の白濁が位置を変えて、顔から下へと転がっている。

 その内の一滴がルビー色の尖りに宿っているのも、何だかルビーと真珠で出来た装身具みたいだった。

 それに訥々と語ってくれる最愛の人の言葉に先程まで感じていた嫉妬が揮発していくようだった。

「ベッドに行きましょうか。キチンと聡を愛したいので……」

 薄紅色の長く細い首が不思議そうに傾げられた。その拍子に真珠の白濁がもう一滴ルビーに宿っている。

 今度は白珠が小さかったので、紅いルビーが透けて見えている。紅い薔薇の上に宿った紅色のサンゴのようでとても綺麗だったが。

--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが上がりますので、宜しくお願い致します!!


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村




小説(BL)ランキング













PVアクセスランキング にほんブログ村



最後まで読んで下さって有り難うございます。
この原稿は、書きかけで放置していたのを思い出しまして←
残りを書いて投稿します。
 
寒くなりましたがお風邪やインフルにはお気を付け下さい。


気分は下剋上 横浜編 3(I5禁)


 もちろん最愛の人は全く悪くないし、以前よりは自分の外見的魅力について――まだまだ低めに見積もっていることは知っているが――それなりの自覚を持っている。

 そして、以前よりも「他人が本当は何を望んでこう発言しているのか」という言葉のニュアンスというか発せられた言葉をただ受け止めるだけではなくて、その裏に存在する何かが有るのではないか?とも考えるようにはなってきた。

 以前は言葉の額面通りを受け取っていただけだから大変進歩したのは祐樹にとって喜びではあったが、やはりというか恋愛面に関しては――というか、ここまで直球で来られることの方が珍しかったし「教授職」というポジションなのである意味皆が自制してくれる――まだまだ疎いと思ってしまう。

「こういうことを、私以外としないと……約束して下さい。五秒以内に仰って下さらないと、もっと手ひどく抱きます、よ?」

 妄想に依る八つ当たりなことも分かっていたし、そんなことで目くじらを立てるのも大人げないとは思っていた。

 それに、胸の尖りを弾かれてルビー色がシャツの布地をはだけた部分からチラリと煌めいて見える。しかも祐樹の指の動きに合わせて無垢な艶やかさと共に濡れたシルクのような甘い声を唇から紡いでいて、ホテルの部屋をルビー色に染めていくような錯覚を覚える。

「えっ……祐樹……何をっ……言った?

 ルビーが爆ぜるようなっ……感覚がっ……立て続けにっ……」

 最愛の人の怜悧で端整な顔が紅に染まっている。しかも切れ長の目は閉じられてはいるものの、睫毛には涙の雫が宿っている。そして何より祐樹が指で弄っている二か所の弱い場所の硬度が増している上に、紅色に染まったしなやかな肢体が――と言っても下半身しか露わにしていないが――若木のように反っては戻っている。

 その上育ち切った愛情と欲情の象徴は真珠の白濁をばら撒いていないので、乾いた絶頂を迎えているのは間違いないだろう。

 そんな時に言葉を全部聞いて欲しいと思うのが間違っていると理性では分かっているものの、駄々っ子のような独占欲とか、先程の大学生達の当たって砕けろ精神に――いや、当たる前に砕けても良いとか思っていそうだ――思いっきり嫉妬してしまっている。

「5秒以内に。こんなことは私以外としないと約束して下さいと申し上げたのです。

 そして5秒はとっくに経過しています。

 もっと手ひどく抱きますよと」

 幼子に聞かせるような感じでゆっくりと発音した。

 祐樹最愛の人は、乾いた絶頂の波が次々と押し寄せてきているようで、紅く染まった頬に涙の小さな川が出来て、それが唇の端で合流している。

 そんな淫らな肢体なのに、無垢さを感じてしまうのは何時ものことだったが。

 だからゆっくりと言葉を発してしまったのだろうか。

 いや、祐樹の身勝手な独占欲と嫉妬心で最愛の人を縛ってしまいたいと思っていて、その一方的かつ理不尽な要求を突きつけているだけのような気もした。

「手ひどくでも……優しくでも……祐樹にされるのはっ……何だって嬉しいっ……。

 それに、こんな行為を許すのはっ……祐樹だけだっ……」

 その健気極まりない最愛の人の言葉に乗じて普段は自制していたことを全部してしまおうかと思った。

 祐樹も下半身だけ着衣を床に脱ぎ捨てると、最愛の人の紅色の喘ぎ声と艶めいた吐息を零している唇に昂ぶったモノを押し付けた。

「唇と咽喉で愛して下さい。そして、胸の尖りは両方ともご自分で強く捻ったり、弾いたりして下さい。

 花園の中の凝った場所は私が指で愛しますので」

 つまりは乾いた絶頂の中を揺蕩っている最愛の人にその甘い責め苦を出来るだけ長引かせながら、祐樹の愛情と欲情の楔を唇と咽喉で奉仕させようという目論見だった。

「分かったっ……。ただ、シャツの……ボタンは外してもっ?」

 祐樹はボタン三つ分しか開けていなかったので、いくら器用な彼でも、乾いた絶頂の大きな波とか、唇での愛の仕草をしながらでは指が上手く動かないのだろう。

「もちろん良いですよ。

 布地越しにチラッと見えるルビーの尖りも扇情的で素敵ですが、滑らかな素肌に慎ましく煌めくのも物凄く良い眺めですので。

 しかも、その細くて長い紅色の指がご自分を慰めていると思うとそれだけで物凄く興奮します……」 

 紅色に染まった綺麗な指がシャツのボタンを外して行くのを思わず眺めてしまった。

 乾いた絶頂に震えている最中の最愛の人の身体の状態は分かっていたものの、何だかそれだけを見ると、背徳感に震えながら自分で慰めようかどうしようかと悩んでいるような風情だった。紅色に染まった指が更に紅いルビーの尖りにおずおずと近付いて行っているというのも、最高に扇情的で目を奪われてしまう。

 ただ、こんな時にも律義で素直な最愛の人は祐樹の先端部分を舌全体を使って愛してくれている。猫がミルクを舐めるような音がホテルの密室に響いては溶けて行く。

 その余りの気持ち良さに全てを委ねたくなったものの、最愛の人がしてくれる愛の仕草に自分も約束を守らなければならないと、育ち切った場所を注意深く避けながら、しどけなく開いた花園の中に指を挿れた。

 と同時に、最愛の人は咽喉を大きく開いて祐樹の熱く滾ったモノを迎え入れてくれる。

 祐樹が丹精を込めた極上の花園の居心地も最高だったが、咽喉は咽喉で締め付け具合が素晴らしい。

 しかも、今は乾いた絶頂の中に居るために肢体がランダムな感じで反っていて、その動きが咽喉まで来るので余計に悦楽が深まっている。

 指先で感じる凝った場所も、その周辺も祐樹の指をヒタリと吸い付いて離さないし。

 それに花園の中も妖しく動いては祐樹を誘ってくる。

 指ではなくてもっと太いモノを……という感じの花園の動きだった。



--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが上がりますので、宜しくお願い致します!!



にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村




小説(BL)ランキング



現在ノベルバ様で「下剋上」シリーズのスピンオフ作品を書いております。

もし、読みたいという方は是非!!
こちらでもお待ちしております。

https://novelba.com/publish/works/884955/episodes/9398607
↑ ↑

すみません!試したらノベルバ様のトップページにしか飛べなかったので、「こうやまみか」と検索して頂ければと思います!!
最近、アプリの不具合かノベルバ様から更新通知が来ないのです……。
基本的にこちらのブログを更新した日は何かしら更新しておりますので、読んで頂ければ幸いです。



ツイッターしています。更新情報をメインに呟きますので(エブリスタ様とかノベルバ様のも)気になる方は無言でも構わないのでフォローお願いします!(画面左上のリンクの方から跳んで頂く方が早いかもです)


@mika_kouyama02

















最後まで読んで下さいまして有り難うございます。現在、体調がイマイチだったり低浮上したりで更新は出来る時に頑張りますのでご理解とご寛恕下さい。
体調が悪い時には本当にQOLがダダ下がりしてしまってPCに向かえなかったりで(泣)
今日は何とか薬が効いているようですが、薬(月に2万円もする新薬です……)が効かない日も有るので本当に自分でもその日にならないと更新予定すらたてられないという……。

ちなみに、エブリスタ様経由で知り合った創作系の方は割とコメントなども貰っているようで、コメントが来ない未熟さを恥じながら頑張りたいと思っています。







気分は下剋上 横浜編 2(I5禁)



「布越しとはいえ触られて感じましたか?」

 あの無礼な学生の――だろう、多分――手つきを再現しながら聞いてみた。

 ただし、三秒なんて短い時間ではなくてしなやかな肌を紅色に染める勢いで手を動かした。

 手が動く度に滑らかな素肌が熱を帯びて行くのも感じつつ。それに双丘だけをこんなふうに撫で続けるのも新鮮だった。

 普段は双丘の奥にひっそりと息づく極上の花園の門を開くことに気を取られてしまっていたので。

「祐樹の指とか手は別だが、その他の人に触れられても別段何とも……。それに別段感じる場所ではないのは、祐樹も知っているだろう?」

 それはそうなのだが、祐樹だけが独占したい肢体の一部に布越しとはいえ触れられて良い気分がするわけはない。

 しかも、こんなに艶やかで祐樹の指の熱さが伝染したように薄紅に染まる素肌を。

「それは何よりです。先ほど、屋上に誘われた件も申し上げましたが、海を見るわけでもなくて、こういう目的というか、下心ですよ?」

 片手で双丘の狭間を開いて、もう片方はジャケットのボタンを素早く外して、ワイシャツの上から勝手知ったる尖りを指で触れた。

 まだ、そこは可憐な感じの柔らかさだったが、祐樹の指の動きと共に布地をツンと押し上げるほどの硬さに開花していく。

 薔薇色のため息を零す最愛の人の感度の良さを愉しみながら、双丘を開いて指を挿れた。

「ゆ……祐樹っ……。するのは構わないというか大歓迎なのだが、屋上に誘ってくれたのは三人だ。こういうのは、二人きりでするモノ……だろうっ……。ああっ、その凝った場所を衝かれると……、物凄く……悦いっ……」

 祐樹最愛の人は、祐樹との愛の交歓の時は積極的に応えてくれるものの、それ以外は「そういう」行為に関心がないようだった。

 だから複数の人間との行為というものがこの世にあることを知らないらしい。

 ただ、ネットとかでそういう類いのことを検索しようともしない人だからこそ余計に愛しさは募ってしまうが。

「二人は見張り役かも知れませんよ……」

 そんなワケはなくて、何だか当たって砕けろ!的な――そして、当たっても砕けなければ物凄く幸せ――熱を帯びた視線が白皙の顔とかしなやかな肢体に向けられていたのをこの目で見たので確かだ。

 そういうギラギラというか下心たっぷりの視線は祐樹などからすれば一目瞭然だったが、頭は良いのにそういうことには疎い最愛の人には分かないのが不思議と言えば不思議だった。

 そして、三人が交互に……とか、一人は祐樹だけの極上の花園の中に挿れて思うさまに突きまくって、もう一人は薄紅色の唇で……そして三人目は手で慰めて貰っているという、祐樹にとっては悪夢のような光景が脳裏を過ってしまった。

 まあ、この人がそんな行為をするとは考えられないし、祐樹の行き過ぎた妄想だとは分かってはいたものの、着衣を肝心な場所だけ乱して、屈強な三人に延々攻められるという悪夢のような情景を思い浮かべてしまったのだから仕方ない。

 普段から身体も鍛えているだけに何度でもいや、何周でもなのかもしれない可能そうだった。それに最愛の人は見かけと異なって体力も人並み以上なので身体は保つだろうし。

「ああっ……祐樹っ……。尖りも、直接っ……弾いたり……転がしたりして……欲しっ」

 最愛の人が双丘の狭間の中央に指を挿れられた上に、凝った部分を突かれながら、甘く蕩けた吐息と声でこういうことを強請るのは祐樹だけだと分かってはいた、理性では。

「そんなに感じますか?

 ココを指で円を描くように転がされながら、胸の尖りをこうして弾かれるのは」

 ワイシャツのボタンを三つだけ外してツンと尖った慎ましげな場所を爪で強く弾いた。

 何時もよりも力が籠ってしまったのは祐樹の「自分勝手な」嫉妬心からだった。

「とてもっ……感じるっ……。紅いルビーが小さなっ……爆発を……繰り返して……居るようでっ……。

 ただ……それ以上されるとっ……」

 最愛の人が胸の尖りと花園の中の浅い部分に有る凝った場所を同時に愛されると乾いた絶頂に至ってしまうことも知っていた。

 そういう祐樹にしか見せない無垢な淫らさを持ち合わせている人なのは分かってはいたし、あの三人組もまさかこんな痴態を晒しているとは想像も出来ないだろうな……と思うと少しは気分が良い。

 ただ、思わず脳裏を過ってしまった、嬉しそうに、そして少し苦しそうな表情を紅に染まった肌に浮かべて唇で若くて逞しいアレを愛おしげに味わっている様子とか、紅色の頬にピタピタを打ちつけられている光景などを想像してしまった。

 絶対にこの人はそんなことをしないという確信は持ってはいたし、それは太陽が東から昇るのと同じ程度の信頼はしている。

 しかし、あんなに熱意とか劣情とかそれは人それぞれだったものの下心満々の眼差しを向けられていたのは想定以上だった。

 本当に付いて来て良かったと思う。

 祐樹の奔放過ぎる最愛の人の姿の妄想とは異なっていることも知ってはいたが、何だか胸を焦がす嫉妬心をまだ持ってしまっている。

 その行き場のない気持ちをどう昇華させようかと頭の中で必死に考えた。




--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが上がりますので、宜しくお願い致します!!


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村



小説(BL)ランキング



現在ノベルバ様で「下剋上」シリーズのスピンオフ作品を書いております。

もし、読みたいという方は是非!!
こちらでもお待ちしております。

https://novelba.com/publish/works/884955/episodes/9398607
↑ ↑

すみません!試したらノベルバ様のトップページにしか飛べなかったので、「こうやまみか」と検索して頂ければと思います!!
最近、アプリの不具合かノベルバ様から更新通知が来ないのです……。
基本的にこちらのブログを更新した日は何かしら更新しておりますので、読んで頂ければ幸いです。



















PVアクセスランキング にほんブログ村


気分は下剋上 横浜編 1

「だから、あれほど申し上げましたでしょう?

 それなのに貴方ときたら、もう全く……、自覚がないにもほどが有ります」

 かのマッカーサーも新婚旅行の時と敗戦直後GHGが設立される前に泊まったという老舗ホテルで、最小限の荷物をホテルマンに運んで貰いながら、その由緒ある佇まいとか年月を経た建物だけが持つ重厚感や瀟洒な雰囲気を味わう暇もなく最愛の人に今まで我慢してきた言葉をぶつけてしまう。

 ただ、ホテルマンの存在が有るので言葉は選んでいたが。

「いや、それは『質問したいことが有ります』と真剣な顔で言って来たので、当然講演内容についてだろうと思ったから……」

 祐樹が見る限り「真剣な顔」ではなくて「思い詰めた」表情と言う方が正解だったが。

「私があの人の身体中の拒否のオーラをものともせずに割って入らなかったら、何をされ……もとい、何を言われたか分かっていますか?」

 最愛の人は困惑の表情を湛えて祐樹の眼差しを受け止めている。

「何をされるって、大学の敷地内だろう。人の目もたくさんあるし……。

 実害はないと思っていたのだが……」

 「地震災害時に於ける医療所の設営について」という題で神奈川県の港に有る防衛大学の講師として招かれた最愛の人に、あんな死ぬかと思うほどのスケジュールをこなして同行したのは本当に良かったと思った。

 「臀部を触られていましたよね」とは流石に言えない。

「あんなに恋ぶ……いや、手紙も貰っていましたよね?

 ――それに、三人連れに付いて行こうとされていました」

 流石は未来の幹部候補生とはいえ、将来は自衛官になる人間が多いので身体も鍛えている大学生三人組に取り囲まれて、何やら言っていたのを引き離したのも祐樹だった。

「あれは、海と、丁度停泊しているイージス艦を見ませんか?と屋上に誘われただけで……」

 最愛の人は――以前ほどではなくなったとはいえ――相手の言葉を額面通りに受け取るタイプだ。

 祐樹などの認識では屋上イコールサボったり、交際している男女がこっそりと忍び逢ったりする場所だ。

 祐樹最愛の人は祐樹同様大学まで男女共学だったのに、そういう下世話なこととは無縁で来たのは知ってはいたが、実践されると物凄く腹が立った。というより、嫉妬で焼け死ぬかと思った。

「こちらで御座います。お部屋の説明をさせて頂き」

 ホテルマンは――内心は分からないが――丁重極まりない態度で鞄を荷物置きに下ろしてからそう告げたのを遮った。

「いえ、大丈夫です。だいたい分かりますから。有難うございました。何か有ったら電話して伺っても構いませんか?」

 波立った心のままに強い口調でそう告げると、ホテルマンは穏やかな笑みと共に部屋から出て行った。

 マッカーサーの時代からの旧館ではなくて、新築された上層階からの海や港の眺めは見事だったが、それすら目の端にしか入っていない。

「まず、手紙ですね。これが恋文じゃなくて一体なんなのですかね?」

 キチンと封筒に入ったのも有れば大学の購買部で売っている特製のレポート用紙にしたためられた文字を読みあげた。

「ずっと憧れていました。本日が来るのを一日千秋の想いで待ち焦がれていました」「恋人は居ますか?居ても僕は諦めません」

 最愛の人は祐樹の権幕に濃い困惑の色を露わにしている。

「いや、恋人の有無は直接聞かれただろう?その時ハッキリと『居る』と答えた……」

 確かにそれはこの耳で聞いた。その時優越感に浸ったのは内緒だが。

「臀部も撫でられていたでしょう?」

 その光景を見た時には、手を触れた学生を麻酔なしで心臓でも脳でも手術してやろうかと思うくらいに逆上していた。多分表情には出ていないと思いたいが、自信はない。

 キャンパスでは男同士でも肩を組んだり、腰に腕を回していたりする学生も多かったので、そういう校風なのかなと思っていた……。それに3秒間に亘って一撫でされただけだったし。手が滑ったとかそういうことかなと。

 ほら、男子校の生徒はああいうスキンシップも良くすると聞いていたので、その一種かとも思った。

 それに3秒間だけ臀部を撫でられた程度で騒ぎ立てるほどのことでもないかと……思って……」

 祐樹の眉が物凄く顰めているのとか、嫉妬の怒りに漲っている眼差しの光りの強さを察したのか、最愛の人の声が徐々に小さくなって行く。確かに彼は悪くないし、落ち度もないのは確かだったが、我ながら理不尽だと思ってしまう嫉妬の火は燃え広がるばかりだった。

「屋上で海やイージス艦を眺めるなんて口実ですよ。見られるのは貴方の素肌で、見られるだけではなくて、もっと先に進みますよ。それでも良かったのですか?」

 何だかもっと酷い言葉を投げつけそうになって、慌てて唇を閉ざした。

 言い過ぎなのも分かっていたし。

 最愛の人が涼しげな眼を見開いて困惑の度合いを高めている。

「祐樹がどんな気持ちになるか分かっていなかった。それは謝る。本当に申し訳ない。

 どのようにして償えばいいだろう?」

 最愛の人が透明な贖罪の瞳の光りに揺れている。

「そうですね……。まずは、触れられた場所を露わにして下さい。消毒をしないと……。あの毒気が抜けなくなりますので」

 最愛の人の白いままのしなやかな指がベルトやスラックスを床に落としていく。

 普段の愛の交歓の時にも自らの指で着衣を乱すことがなかったわけではないものの、薄紅色に染まった指で、だった。

 そして、下半身だけを露わにした白桃のような双丘を祐樹の方へ向けている。

 もぎたての果実のようでいて、しかも滑らかな白い肌とその優美な曲線が祐樹の劣情と激情を煽ってしまっているのを自覚した。


--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが上がりますので、宜しくお願い致します!!


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村



小説(BL)ランキング



宿題の多い身の上ですが、遥か以前にリクエストを頂いた防〇大学講演編です。
待って下さっていれば良いのですが……。

時系列的には、披露宴が終わって香港に行ってからしばらく経った頃になります。

いつものように不定期更新ですが、最後まで読んで下されば嬉しいです。





現在ノベルバ様で「下剋上」シリーズのスピンオフ作品を書いております。

もし、読みたいという方は是非!!
こちらでもお待ちしております。

https://novelba.com/publish/works/884955/episodes/9398607
↑ ↑

すみません!試したらノベルバ様のトップページにしか飛べなかったので、「こうやまみか」と検索して頂ければと思います!!


最近、アプリの不具合かノベルバ様から更新通知が来ないのです……。
基本的にこちらのブログを更新した日は何かしら更新しておりますので、読んで頂ければ幸いです。



















PVアクセスランキング にほんブログ村








最後まで読んで頂き有り難うございます。人気ブログランキングは何故かエラー表示になってしまっています。

多分、毎日何かしらの記事は更新しますので、拙ブログを覗いて下されば嬉しいです。






このブログには
このブログにはアフィリエイト広告を使用しております。
Twitter プロフィール
創作BL小説を書いています。ご理解の有る方のみ読んで下されば嬉しいです。
最新コメント
アニメイト
ギャラリー
  • 気分は下剋上 お花見 43  2025
  • 気分は下剋上 お花見 27 2025
  • ありがとうございます。そしてお知らせ
  • ◇謹賀新年◇
  • メリークリスマス!
  • メリークリスマス!
  • ご心配をおかけしてすみません。
  • ご心配をおかけしてすみません。
  • 感謝です!そして今後のコト。
人気ブログランキング
にほんブログ村
カテゴリー
資産運用
楽天市場
  • ライブドアブログ