「物凄く……良いです……。聡は極上の花園の中もそうですが、唇や咽喉で……私を愛するのが上手ですね……」
絶頂に達してしまわないように必死で律しながら甘く低い言葉を零しながら最愛の人の凝った場所をコリコリと転がした。
薄紅色の指と几帳面に切りそろえた爪がツンと尖ったルビーを摘まんでは転がしている様子も物凄く艶やかで扇情的だったが。
竿の部分を唇で挟んで笛を吹くように動かされるのも堪らなく悦い。
しかも根元まで唇が動いたかと思うと唇と舌で二つの果実を愛されるのも。
最愛の人が奏でる淫らな水音と祐樹の熱い呼吸が静まり返ったホテルの部屋を甘く淫らな官能の空間に変えていくようだった。
「その紅色に染まったお顔に……真珠の放埓をばら撒いても……良いですか……」
最愛の人が咽喉の奥を望んでいるのは知っている。
その要望に応えるのもやぶさかではないものの――祐樹の八つ当たりというかワガママなのも承知の上だ――咽喉の奥では祐樹の目には見えない。
その点怜悧な端整な整った顔立ち、しかも愛の交歓の真っ最中なだけあって紅色に染まっている素肌だと目でも確認することが出来る。
最愛の人が潤んだ眼差しで同意めいた目配せを送ってきたのを確かめた後に禁を放った。
「あっ……祐樹の……熱いっ……」
紅色に染まった頬や額、そして睫毛にまで真珠の放埓が飛び散って紅色の薔薇の花弁にミルクよりも艶のある液体が宿っている様子は絶品だった。
しかも、その真珠の雫が鈍い輝きを放ちながら滴っている。
そして、顔に掛けられたことが花園にまで伝わったのか、凝った部分とかその周りが強く緩く祐樹の指を包み込んで更に奥処へと導こうとしてくれている。
こういう甘く乱れた最愛の人、しかも端整で怜悧な印象しか普段は与えない人がこういうしどけなさ過ぎる姿を晒すのは祐樹の前だけだと思うとよりいっそう興奮してしまう。
「真珠が飛び散った綺麗なお顔を是非、ご自分でもご覧になってください」
指を付け根まで絡めて、姿見の鏡の前に移動した。
最愛の人は祐樹の淫らな示唆通り、ワイシャツのボタンはいつの間にか全て外していて、細く長い指で慰めていたルビーの煌めきとか、しなやかな腹部まで部屋の空気に露わに曝け出している。ネクタイはそのままという点が最高にそそる。
ボタンを全て外して二つのルビーが艶めかしく存在感を誇示しているし、祐樹のリクエストで下半身も生まれたままの姿で色香だけを纏っている。
そして、ネクタイのノットだけが几帳面に結ばれているというのは何も纏っていないよりも却って色っぽかった。
「こういう姿になっている聡を見ることが出来るのは私だけかと思うと物凄く興奮します。
貴方にラブレターを渡した学生も、そして屋上に誘って『いけないコト』を企んだ人達もまさかこれほど色っぽくて艶っぽくなるとは思ってもいないでしょうね。
もちろん、こんな姿は私以外に見せないでしょうが……。そう思うと優越感まで抱きますよ……。紅色に染まったお顔に真珠の玉を宿して満足げに微笑む聡は本当に綺麗です。
ルビーの尖りも普段よりも紅く煌めいていますね?」
最愛の人が鏡に映った自分の顔を何だか甘く蕩けた艶っぽい視線で眺めている。
「祐樹以外とこういう行為は一生しないと決めているので……。
どれだけ誘われようが私は別にイエスと答える積りはない、な。
私にとって愛の交歓をしたいのは生涯で一人、祐樹だけと決めているので。
それに、私が祐樹以外の男性とこんな行為をしてしまったら、祐樹は見放すだろうし、愛してもくれなくなるだろう?
それが最も怖いので……」
健気な言葉を紡ぐ紅色の唇に真珠の滴りが一滴宿っていた。そして肢体を動かしたせいで、祐樹がばら撒いた真珠の白濁が位置を変えて、顔から下へと転がっている。
その内の一滴がルビー色の尖りに宿っているのも、何だかルビーと真珠で出来た装身具みたいだった。
それに訥々と語ってくれる最愛の人の言葉に先程まで感じていた嫉妬が揮発していくようだった。
「ベッドに行きましょうか。キチンと聡を愛したいので……」
薄紅色の長く細い首が不思議そうに傾げられた。その拍子に真珠の白濁がもう一滴ルビーに宿っている。
今度は白珠が小さかったので、紅いルビーが透けて見えている。紅い薔薇の上に宿った紅色のサンゴのようでとても綺麗だったが。
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