敢えてベッドではなくて、絨毯の上へとしなやかな肢体を押し倒した。
「先ずは、咽喉の奥がお望みなのでしょう。
私は聡の白皙で理知的な顔が薄紅色に染まった滑らかな素肌に真珠の飛沫が飛び散る様子を拝見したかったのです。しかも大学生のような雰囲気を醸し出している今夜の聡のお顔に、ね。
メガネ姿というのもある意味新鮮でしたし。
しかし、それでは私の一方的な満足でしか有り得ません。いわばワガママですよね。
ですから、今度は聡のご意見を尊重しましょう。
この身体の向きでお分かりかと思いますが……」
祐樹が話し掛けているのは最愛の人の顔ではなく下半身で、そして祐樹の欲情と愛情の象徴は最愛の人の甘く乱れた息が掛かっている。
「ただし、先にお断りしておきますが、あれからちっとも上手くなっていません、よ。唇とか口で愛する術は聡の方が断然上ですから……。
聡は私のコレを口で愛するの『も』とても上手ですからね。
天国に居るかのような花園の素敵な包み込み具合は、ある意味共同作業というか……、元々素質が有ったのを私が丹精を込めた証しで、こんなにも見事に咲き誇りましたが、咽喉の開け方とかは生来のモノでしょうね……。
聡の身体能力の高さと一途に愛して下さろうとする健気さも加わっているとは思いますが、頭で分かっていてもなかなか出来ないのが少し悲しいです」」
祐樹に見詰められていると意識したせいか、先程はそうでもなかった場所が半ば立ち上がっている。
先端部分だけを舌全体を使って弾くようにしながら舐めると、湿った音がホテルの無機質な部屋に湿った愛の音が奏でられるようだった。
そして、足の付け根も要を失った扇のように開いて行くのもこの上もなく蠱惑的な眺めだった。
何をして欲しいのかが素直に分かってしまう点も、愛の交歓の時のこの人の肢体の正直さ、だった。
「ああっ……。ゆ……祐樹っ……」
同じ動きをしていてくれていた最愛の人が、堪りかねたような薔薇色の吐息混じりの甘い声を零している。
「指を挿れただけで、聡の極上の花園はヒタリと包み込んで下さいます、よ?精緻な動きで奥に誘い込もうとする感触は最高です。
聡が育てた私の愛情と欲情の厚い楔を早くココの中に挿れたいです。
もちろん、一度、咽喉奥に放ってから……に、なりますが……」
舌と咽喉を――と言っても自己申告通り祐樹は咽喉奥まで開くという器用な真似は到底出来ないのが妙に悔しい――使ってお互いの欲情と愛情の灼熱を育てていると何だか自分のモノを口でしているような錯覚まで覚えてしまう。背徳感と倒錯に満ちた感情がどこからか溢れてくる。
最愛の人に一回コツを聞いてみたことが有ったが、「何となく出来た」というある意味愛らしくて、そして抽象的な回答しか返って来なかったのがある意味祐樹最愛の人らしいとつい笑ってしまったが。
「あっ……。ゆ……祐樹っ……」
先端部の近くのくびれをやや薄めの唇で愛してくれていた最愛の人が熱さを感じる甘い声を上げた。
「分かっています……。私のも……限界なので……、奥まで挿れて下さい……。それがお望みなのでしょ……う」
最愛の人が早く頂点を極めるために花園の凝った部分を――そこと胸の尖りが連動して快楽が二倍どころか二乗になるのも知っていた――指で衝いていたのは、ほんのちょっとした小細工だと思う。
ただ、そうでもしなければ最愛の人の口での愛の動きが余りにも素晴らし過ぎて、同時に極めるタイミングを逸してしまいそうなのも厳然たる事実だった。
「上顎のザラザラ感とか……咽喉の締め付け具合なども……最高に悦いです。私も……そろそろ……」
そう低く熱く告げると、最愛の人は咽喉の締め付けだけでなくて頭部を上下に動かしてくれて、その健気な動きに愛おしさがより勝ってしまう。
最愛の人は自分から「そういう行為」を調べることもせずに――今時の高校生の方がPCではなくてスマホで検索している確率は極めて高い――良く言えば祐樹に完全に合わせてくれているので、早さなどは全く気にしないのが救いだった。
最愛の人とこういう関係になる前にはもっと長く保っていたハズの祐樹の欲情と愛情の楔は彼の口や極上の花園に囚われると魔法のように早くなってしまっている。
最愛の人はそういう、ある意味余計な情報は興味がないのかシャットダウンしてくれているのが有り難い。
早いというのは決して男として誇れることではないのも知っている。
ただ、最愛の人にして貰うと快感が頭の中の理想像をあっけなく打ち砕くのも事実だった。
祐樹が真珠の飛沫を最愛の人の咽喉の奥にばら撒くのと、祐樹の口の中に独特の味が広がるのはほぼ同時だった。
「これで満足ですか……?」
荒い息を必死に押し殺して聞いてみた。「満足」という言葉が帰ってくるか、頷きとか目配せで知らせてくれるかと思いきや、まさかの答えが返ってきた。
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