「駄目……か?」
細く長い指で輪を作って祐樹の根元から先端部分までを柔らかく締めながら動いている。
「いえ、とても嬉しいですし、とても悦いです。聡の花園の中も極上ですけれども、手で愛されるのも、大好きです、よ?」
右手の指の付け根だけ祐樹の舌と唇で愛して欲しいと言ってきた彼は左手で祐樹の愛情と欲情の象徴を再び育て上げようとしてくるために違いない。最愛の人も利き手は右だが、国際公開手術の成功で一気に広がった祐樹の周囲の優れた外科医は利き手と同じように左手も使える人ばかりだ。その彼の器用な指が動くと湿った淫らな水音が星空に上っていくような気がした。胸の二つの尖りを指で摘まんで強く捩じる。
「あ……っ、視界にも……星々が見えて……脳には流星が爆ぜて……いる感じだ……っ」
祐樹の屹立を巧みに育てながら背筋を反らせて愛撫を強請る仕草も無垢な淫らさだ。
「背中、寒くないですか?」
ラグらしきモノを敷いたとはいえ下は雪なのだから気になった。
「それは大丈夫だ。むしろ、火照った身体が冷やされて気持ちが良い……。あっ……っ……」
尖り切った二つの慎ましやかな粒を親指の爪で強く弾くと彼にしては大きな声が零れては空中に溶けていく。祐樹の身体の下で切れ切れの嬌声を上げている彼はそれでも祐樹の括れを愛してくれたかと思うと二つの果実を一緒に掌に包み込んで擦り合わせてくれている。
「あ……また流れ星……」
艶やかな声に怜悧な響きが加わって宝石の煌めきのような響きだ。
「流れ星よりも、私を見て下さると嬉しいのですが……」
充分に見られている自覚はあったが冗談の積もりで言ってみた。
「ゆ……っ、祐樹の……っ指というか……胸の……っ……感覚に……っ、集中したら……っ、そのう……」
言いにくそうに口ごもった彼の奥ゆかしさにも愛しさが募る。付き合って長いのだからそれなりの自己主張が有っても良いと思っているが、彼の辞書にはワガママとか自己主張の文字はないらしいので。しかもその上、彼がワガママと認識しているモノは祐樹からするとワガママの範疇には入らない些細なことだ。
「聡が下さった最高のクリスマスプレゼントのお返しというか、遅いクリスマスプレゼントですよ?この行為を含めて……。だから何でも仰って下さい、ね?」
唆すように両親指の爪で尖りを強く弾いた。
「あ……っ、悦……っ。先ほどから……っ、そのう……下半身が……ジンジンと……熱を……っ発していて……怪我を……したみたいに……疼いて……っ」
彼の花芯もすっかり育ち切って水晶の雫を零しているのは肌で感じていたが、そこまで切羽詰まっているとは思いもしなかった。
「私の手で聡の花芯を手で愛しますか?それとも二本まとめて擦り合いをしますか?」
後者の方が背徳的で淫靡な行為かも知れない。多分同じことを考えたのか祐樹の身体の下の彼がヒクリと震えた。
「クリスマスプレゼント……なのだろう?だったら、祐樹の……灼熱の楔を……っ、もう一度身体の中で感じたい……っ……と思うのは……っ、ワガママなのだろうか……?」
爪で尖りをはじき続けていたので嬌声が乱高下するのも素敵過ぎる。そしてやはり祐樹が考えるワガママと彼とでは全く異なっている点も。
「いえ、大歓迎ですよ、愛する聡」
すらりと起き上がった紅色の肢体が雪明りに照らされて絶品だった。そして手で祐樹の身体を優しく押してラグの上に倒してくれる。この愛の営みの形では祐樹こそプレゼントを貰っているような気がしたが、最愛の人が望むならばそれで良いと思うことにしよう。
「せめてダウンコートは羽織って下さいね?風邪を引いたら大変なので」
祐樹の言葉に紅色の細く長い首が縦に振られた。頬に宿っているオパールの雫が一際鮮やかに煌めいているのも最高の眺めだ。若干華奢な肩にダウンコートを羽織っただけの彼が祐樹の腰の上に舞い降りたかのような風情も。そして直ぐに祐樹の先端部分がしどけなく開いた花園の門に触れたかと思うと一気に腰を落としてくれた。
「ああ……、拓いていく……感じが……っ、堪らない……っ」
一段と艶めきを増した声とお互いの素肌が奏でる音が雪を紅に変えるような錯覚を覚えた。
「とても……気持ちが良いです。天国に居る気分です。聡はお好きなように動いて下さいね……。私の身体の上で淫らなダンスを踊って下さい……。今宵も、そしてこれからもずっと」
生涯に亘るパートナーに腕を差し伸べた。
<了>
--------------------------------------------------
最後まで読んで頂き有難うございました。
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが劇的に上がりますので、どうか宜しくお願い致します!!
にほんブログ村
小説(BL)ランキング
2ポチ有難うございました<m(__)m>
本記事下にはアフィリエイト広告が含まれております。