祐樹の腹部にも最愛の人の育ち切った先端部分から淫らな動きに合わせて大粒の水晶の雫が点々と跡を付けている。
真珠の熱い迸りの噴出をなるべく後に回したいと尖った場所を強く掴んでいたが、その指の合間からもルビーよりも紅く煌めく蠱惑的な光が漏れていてとても綺麗だった。
「ゆ……祐樹っ……、腰を……引かないでっ……欲しっ……」
根本まで挿れていたら即座に極めてしまいそうなので、腰を落とそうとする最愛の人に抗って少しでも長く保たせようとしたのを焦らしていると誤解されたようだった。
閉じた瞳から水晶の細い川が紅色の頬を流れているのも無垢な妖艶さに満ちている。
繋がった場所から淫らで甘美な協奏曲が絶え間なく響いていて耳までが愛の行為の薔薇色に染まっていくような気がした。
「そろそろ……限界が……近いです……」
祐樹にしか許されていない最愛の人の最上の花園の中は今まで以上に蠱惑的な動きで祐樹を包み込んできつく弱く動いているのだから堪らない。
「放つなら……奥処にっ……欲しっ……」
最愛の人の腰の動きが丸く円を描く動きから垂直方向へと変わって、祐樹の欲情と愛情の象徴をより深く肢体に埋め込んでいく。
「ゆ……祐樹っ……私もっ……もうっ……」
最愛の人の紅色の肢体が強張っているし、育ち切った先端部分から絶え間なく大粒の水晶が滴り落ちている。祐樹が密かに危惧していたのは一人で暴発することだった。それが回避出来るのなら、何も問題はない。
「一緒に……」
祐樹が腰を突き上げる動きと最愛の人が腰を落とす瞬間が重なり合って、奥の奥まで祐樹の灼熱の楔が到達した瞬間に最愛の人は涙の雫を撒き散らして紅色の首を左右に振っている。
「ああっ……悦っいっ…」
腹部に熱い迸りを感じた。それを感知して祐樹も禁を放ってしまった。
「聡……とても良かったです。愛している聡があんなに乱れて下さって……花園の中は言わずもがなですが……身体の上で淫らなダンスを披露して下さったでしょう?あの壮絶に艶っぽい動きは目に焼き付いています」
荒い呼吸が鎮まるのを待って祐樹の身体に凭れ掛かるように落ちて来た最愛の人の汗の雫を纏った肢体を抱き締めながらそう囁いた。
「祐樹……私も愛している。ただ、乾いた……絶頂がずっと……続いていただろう?だから、最初はなかなか挿れ辛かった……。普段はもっとスムーズに迎え入れることが出来たのに……。その代わりと言っては何だが……根本まで迎え入れた時の……達成感とか快感は倍増したけれども……」
愛の交歓の後の甘い香りを纏った最愛の人の紅色の唇に唇を重ねた。二人して快感に耽る時間も勿論至福の時間だが、終わった後に交わす口づけとか後の戯れはまた違った意味で最高に幸福な時間だ。
「乾いた絶頂の時も花園の中は少し硬直していますよね?だから挿れるのには少しコツがあります。しかし全部納めると普段の愛の交歓の時以上に緻密で繊細な花びら達の動きが愉しめるので多少の挿れ辛さは取って置きの悦楽のご褒美で充分お釣りが来るほどです……。尖りもルビーよりも蠱惑的に煌めいていますよね……。私の身体の上でこんなに綺麗な色が動くのですから堪りませんよ、視覚的にも……」
まだ熱と硬度を保ったままの尖りを指で辿ると甘く蕩けた吐息が零れた。
「大きさは初めての夜から変わっていませんけれども、色は夜を重ねるにつれて蠱惑に満ちたルビーの色になって下さいましたよね……。蠱惑に満ちた変化という点では花園の中も同じですけれど……。聡が私の腹部にばら撒いた真珠の迸りを一粒宿したいのですが、こんなに綺麗な紅を他の色で暈かしたくないのです……。以前は赤い珊瑚色だったので真珠の色も良く映えたと思いますが……。今は単色で愉しみたい気分です……。何も加えなくてもとても綺麗ですので……。ああ、赤い薔薇のスカーフの件はお忘れではないですよね……?」
以前は愛の行為の最中に口走った言葉は無我夢中過ぎて忘れていることが多かった最愛の人だったけれども、今では理性が頭の片隅に常に存在することを知っている。だから確認ではなくて愛の交歓の後の睦言の積りでそう告げた。
「忘れていない……。スカーフを衣服っぽく纏った後に愛を交わすのだろう?祐樹が喜んでくれるなら、喜んで結び方を研究する……。赤っぽい色のスカーフで纏めれば良いのだろう?」
何だか具体的なプランを頭に描いているような感じで極上の言葉を紡いでくれている。難点はシルクのスカーフに染みが付いた場合落とすのが厄介だというコトくらいだろう。クリーニング屋さんに持って行くのがベストだが、流石に独特の香りのする白い染みが付いたモノを持って行くのは憚られる。まあ、染みを付けないように細心の注意を払って愛の行為をすれば良いだけの話だが。バックの取っ手に巻くとかいう細いのは何という名前だっただろうか? 一回だけ祐樹に凭れ掛かって満足そうな笑みの花を唇に咲かせている人が言っていたような気がしたが。
「バッグの取っ手に巻く細いのも……手首に巻いたら綺麗でしょうね……。肝心な場所ではないですけれども、ああいう飾りをシルクよりも煌めく素肌に纏っているのも素敵だと思いますよ……」両手を縛ると何だか異なった方向性、つまりSMプレイっぽくなってしまうような気がした。最愛の人も多分違和感を覚えるだろうし、祐樹もそういう趣味はない、多分。
最愛の人はどう答えてくれるだろうかと紅色に染まった唇を見ていた。
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