腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します 申し訳ありませんが書く時間を最優先にしたいのでリコメは基本的に致しません。 要望・お礼などは「日記」記事でお応えしますが、タイムラグがあることも多いです。

気分は~「不本意ながら探偵役」<夏休み>の後

気分は下剋上 二人がどうして探偵役?(I8禁)最終話

「もっとっ……奥までっ……欲しっ……」
 艶めいた小さな声が蜂蜜(ハチミツ)の甘さと色に満ちているようだった。
「分かりました。一旦出てから奥に強く激しく()れます。その瞬間を狙って聡も腰を上に動かして下さい。出来ますよね?」
 凝った蕾の辺りを祐樹の愛情と欲情の象徴で擦りながらそう告げた。凝った蕾の弾力と濡れた厚く熱いシルクの伸縮が堪らなく()くて気を抜くと即座に頂点を極めてしまいそうになるのを必死で耐えながらだったが。
「出来るっ……」
 上半身をシーツの上下に動かしているのは蕾と快楽が直結している尖りを押し付けているのだろう。紅色の肢体が無垢に悦楽へと耽っているのを見ると視覚も焼き切れそうな気がした。
 熱く滾ったモノを抜くと、熟れた白桃のような双丘を両手で思いっきり開いた。
 花園の門も開閉を繰り返しているのが無垢な淫らさを醸し出しているし、ちらりと見える花園も先ほどよりも紅く染まっているのも欲情をそそった。
 「ああっ……祐樹っ……()っぃっ……。えっ?」
 喘ぎ声でだいたいのことは分かる。凝った場所を衝いた瞬間に彼が真珠の放埓をばら撒きそうになっていたので育ち切った花芯をギュッと握ったのが意外だったのだろう。
「今達してしまうと、奥処のさらに奥で感じる悦楽がぼやけてしまいます。花園の感触だけに集中してください……」
 ヒクリヒクリと震える花芯の弾けそうな熱さを指で押さえながら花園の中を嵐のような激しさで蹂躙(じゅうりん)した。
 祐樹の動きに従って水音と粘膜のこすれ合う熱く淫らな協奏曲が寝室に小さく奏でられている。奥処まで迎え入れられたと思った瞬間に彼の腰が上に突き出されて紅の背中が優美な猫のような弧を描いた。
 同時に祐樹の先端部分が極上の花園のさらに奥の祐樹だけをもてなす場所に迎え入れられた。そこは厚いシルクというよりも熱いゼリーのような感じで包み込んでくれている。
「祐樹っ……。とてもっ……()いっ……。身体中が……剥き出しのっ……神経に……なったみたいでっ……。怖いほどっ……感じるっ……。だからっ……。お願いだからっ……、指を……離してっ……欲しっ……」
 愛の交歓の時も比較的正確な言葉遣いをする人がこんなふうに切れ切れに言葉を紡いでいるのは脳を含むあらゆる場所が乱れているからだろう。
 先端部分で感じる最高に熱くて甘い場所もだけれども、幹の部分も熱く厚い濡れたシルクの花びらが強く弱く祐樹を唆してくれている。その祐樹だけの天国に居ると長くは保たないのも自覚していたので指を離した。
「ああっ……もっ……。祐樹はっ……?」
 甘く濡れた声が脳へと届いた瞬間に真珠の放埓を奥処の奥へと真珠色の飛沫をばら撒いた。何時もよりも長い放出だったような気がする。
「祐樹……とても悦かった……。祐樹に抱かれるのは……常に体中が歓喜の声を上げているのだけれども、今回のは神経全てが研ぎ澄まされているようで……、そして奥の奥で祐樹の飛沫(しぶき)を受け止めて……何だか深い悦楽の深淵に叩き落されているような、そして天国に昇ったような感じで……」
 紅の額に汗の雫を宿らせている最愛の人に額を合わせた。祐樹の前髪が若干邪魔だったけれども。
「私もとても良かったです……。聡の極上の花園の奥処の奥は私の天国ですから……。お互いが天国に行ったということで……。不本意な探偵役だった私達は生まれ変わったということで良いのではないでしょうか?
 明日からは本来の外科医の仕事に戻れますよ……」
 最愛の人の紅の細く長い指が祐樹の前髪を梳いてくれた。
「そうだな……。しかし、生まれ変わっても恋人というのは継続するのだろう?」
 生まれ変わりというのはキリスト教の概念にはなくて確か「最後の審判」の時に一度蘇生して裁きを受けるとかそう言ったモノだと記憶している。それに、狭義のキリスト教では同性愛という点でアウトのような気がする。輪廻転生は仏教の教えだと脳裏を(よぎ)ったけれども、最愛の人もそういう点は知っていながら言っているようなのでそんな些細な点を指摘するのも無粋だろう。
 そんな考えはさっさと忘れて愛おしさの余り愛の交歓のせいで紅く彩られた唇に唇を落としながらおもむろに告げた。
「最高に愛し合う恋人同士という点は何度生まれ変わっても変わらないです。探偵役は不本意でしたけれど、聡の恋人は本望ですから」

  <了>







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やっと<了>が打てました。158話ですから、約半年続けていた計算になります。最後まで読んで下さった方がどの程度いらっしゃるか分かりませんが、感謝です。後日談めいた話は一応有るので(祐樹が貯めていた領収書が経費になるかとか、色々問題の有る太田医院がどうなったかなど)時折更新したいと思っております。
 こうやま みか拝



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気分は下剋上 二人がどうして探偵役?(I8禁)157

 最愛の人の濡れて煌めく薄紅色の肢体がベッドの上で猫の優雅さで動く力を利用して双丘の奥の花園の門へと指を添わせた。
 薄紅色の長い指が二つの尖りを自ら弾いているのも蠱惑に満ちている。
 そしてチラリと見えた花芯も育ち切って先端から水晶の雫が零れそうになっているのも最高にそそる。
「ゆ……祐樹っ……指を……中にっ……()れてっ……欲しいっ……」
 艶やかな声が寝室に愛の花を散らせているような雰囲気だった。愛の交歓の後のようにぷっくりと紅く染まってはいなかったものの、しどけなく開いて紅色の花襞がチラリと見えているのも最高の眺めだった。
 経験人数が実質祐樹一人だとしてもそれなりのペースで愛してきた花園の門は使い込んだら色素沈着が起きてもおかしくないのに薄紅色の薔薇のような愛らしさをずっと保っている。
 そういう奇跡のような場所を愛おしく思いながら指を花園の中にゆっくりと()れた。普通はローションがないとすんなりとはいかない場所なのに、熱く厚いシルクが祐樹の指を誘ってくれている。
 その極上の密着感も最高だった。指先で凝った場所を探し出してごく小さい先端を優しく叩く。最愛の人が胸の尖りを自分で愛しているせいで、その凝った蕾も硬度を増している。
「ああっ……ゆ……祐樹っ……指を増やしてキュっと……摘まんで……欲しっ……」
 無垢な口調に(あで)やかさが加わって天上の音楽のような声だった。
「こうですか?」
 タクシーの中から待ち焦がれていたと言っていた。その言葉がウソでない証拠に足した二本の指も難なく花園の門を通過して紅壁へと招き入れられた。
「聡がご自分で尖りを愛されている姿もとても艶っぽくて素敵なのですけれども連動は難しいでしょうね……。片一方は私に任せて下さいませんか……?」
 最愛の人の二つの尖りと紅壁の凝った蕾は連動していて同じリズムで愛するとより一層の悦楽を得ることは知っていた。
「ああ、祐樹の……指の方が……よりいっそう……()いっ」
 背後から手を回して最愛の人の長くて細い紅の指が自らを愛撫していた証拠のように硬度だけではなくて熱さも増している。その小さな粒を親指と中指で強く摘まんで先端を人差し指で宥めるように優しく撫でた。勿論花園の中の凝った蕾も同じ動きで愛した。
「ゆ……祐樹っ……とても感じるっ……。頭の中の……薔薇の花びら達が……燃えて爆ぜているよう……でっ……。とてもっ……」
 紡がれる快楽の言葉と共に最愛の人の足が扇のように開いていく様子も絶品だった。
「愛していますよ、聡」
 紅に染まった耳朶(じだ)を甘く噛んでから真摯に告げると紅い情痕が小花のように散っている背中が綺麗な弧を描いている。
「ああっ……()っい……。()過ぎて、紅い電流が……身体中に……火花を……散らしているようでっ……。頭も……焼き切れそうな……感じっ……。ああっ」
 最愛の人は愛の交歓の時の声は――あくまでも祐樹の経験による比較だった。「そういう」DVDも観たことは有るけれどもあれは演技が入っているのでアテには出来ない――性格を反映しているのか慎ましやかでこのマンションの寝室ではなくて祐樹の学生時代から住んでいるマンションを僭称しているアパートの薄い壁でも隣室には聞こえない音量だった。
 花芯から真珠の迸りをばら撒いたかな?と肩越しに見たらすっかり育ち切った花芯が先端から水晶の雫をとめどなく零していて、シーツに落ちる束の間の時間に煌めいているだけだった。
「ああ、乾いた絶頂でしたか……。何度でも快楽の大波が襲ってくるのですよね?そちらで愉しまれますか?」
 祐樹としては居酒屋の打ち上げで最愛の人の鬱屈した気持ちを聞いていた。だからその解消にも話だけでなくて肢体に最高の悦楽を感じさせることで全てを解き放って欲しいと思っていた。
 ルビーの紅さと硬さに育った尖りが祐樹の指で果物を()感じで捻った花園の同じようしたのは言うまでもない
あっ祐樹また快楽の大きな
 ベッド上で甘美な感じで震えて最愛の紅色肢体からは汗の雫シーツへと落ちていくのも最高の眺めだった
いや、それだと祐樹気持ち良くなれないだろう私が一方的感じているだけで私は祐樹と一緒気持ち良くああっまた桃色の渦に
 艶やかな健気な言葉を紡ぐ最愛のへの愛おしさ余りに花園の中凝った胸の尖り先端部分強く叩いたら紅色肢体艶美弧を描いて白いシーツの上に仰向け倒れ込んだ
それは嬉しいです聡の極上の花園に(はい)
りたくて、もうこんなになっていますから」
 桃の果実のような双丘へと臨戦態勢になっている祐樹の愛情と欲情の象徴を押し付けた。
「祐樹の……熱くて硬いのを……花園の……奥の奥まで……感じたいっ」
 若干華奢な紅色の腰を高く掲げたままの最愛の人は和扇のように足を開いて祐樹の指が(はい)ったままの紅い薔薇のような門の内部をよりさらけ出している姿は淫らな神々しさに満ちていた。
「あっ……ん」
 名残惜しそうな響きと動きで祐樹が指を抜くのを惜しんでくれるのも薔薇色の魅惑に富んでいた。
「えっ…ゆ……祐樹っ……。それはっ……」
 後ろ手で祐樹の頭を軽く掴んで押し戻そうとしている。
「この綺麗で淫らな場所を舌でも確かめたいですし、何より花園が綻んでいるとはいえ濡らさないと明日に響きますよ……」
 取って置きの甘くて低い声で告げてから舌の動きを再開した。普段は最愛の人が嫌がるのでしない愛の動作だったけれども乾いた絶頂を数度極めた後なので頭も普段通りには動かないのだろう。
 薄紅色に染まった門の入り口をたっぷりと唾液を載せた舌で舐めると、猫がミルクを美味しそうに飲んでいるような音が微かに響いている。
 そして尖らせた舌をしどけなく開いた花園の内部へと侵入させると熱く厚いシルクの感触が祐樹の舌を強く弱く包み込んでくれている。
「もう大丈夫そうですね……。迎え入れる準備は整っているようです……」
 紅い薔薇の花壁が祐樹の舌を追って来ているのも健気で淫らな魅惑に満ちている。
「一気に奥まで()れますよ……」
 そう告げてからしどけなく開いた花園の門に先端部分を押し付けて紅壁を深くまで穿った。
「あっ……祐樹っ……割り開かれる……感じが……とてもっ…、()ぃっ。……ただっ……」
 艶やかさと瑞々しさを増した声が寝室の愛の温度を上げているような気がした。
「ただ……何ですか?」





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気分は下剋上 二人がどうして探偵役? 156

「え?奢って貰うという点では一緒だろう?祐樹の財布からだろうと病院の事務局から出る経費でも料理の味は変わらないし……」
 ベッドの上の最愛の人とは――いや愛の交歓はベッドの上とは限らないが――異なってリアリストというか物事にあまり(こだわ)らないというかそういう返事だった。
 思わず苦笑を浮かべてしまったのを見た最愛の人は慌てた感じで薄紅色の唇を開いていた。
「祐樹と一緒に食事をするのも私にとっては悦びの一つなのだから。……最も悦いのはこれからするコトなのだけれども……」
 消え入りそうな声には艶やかさを帯びていて何だか秋の花のような可憐さだった。ここが大通りでなかったら横に立っている人にしなやかな肢体に思わず愛の悪戯(ぜんぎ)を試みてしまうほどの魅惑に満ちていた。
「ああ、明日からはやっと本来の仕事に専念出来るかと思うと本当に嬉しい」
 タクシーの後部座席で最愛の人が晴れ晴れとした感じで言うと、運転席から「失礼ながら、香川教授と田中先生ですよね?違っていたら申し訳ありませんが」という声が遠慮がちに掛けられた。
 京都では珍しい――第二の愛の巣とも言うべき大阪では良く有る――客と話すのが好きな運転手さんに当たったらしい。
「はい、その通りです。お会い出来てというか乗り合わせてしまって光栄です」
 「例の地震」のニュースやその後のドキュメンタリー番組やトーク番組に出たせいで京都での認知度は格段に上がっているけれども、京都の街の人は有名な俳優さんを見かけても大阪の人のように話しかけたりはしない人の方が多い。この運転手さんは例外のようだったけれど。
「地震の時はちょうど非番でしてね。ああいう地震が有ったらニュースを観てしまって、それでお顔とお名前を知ったわけです」
 となると迂闊(うかつ)なことは話せないなと思ってしまう。こういう話し好きな人の場合は「あの女優を乗せた」とかペラペラ話す可能性が高くなるので。
 救急救命室の凪の時間に暇に任せて読んだ古いエッセーの中に「あの清純派女優、実はヘビースモーカーでして吸い殻を見せましょうか?」と作者に言った運転手さんがいるらしい。そして吸い殻までも取っておく行為を批判的に書いてあった。タクシーが全面禁煙になる前の、随分と昔の話らしいけれども。
「香川教授、学術誌のインタビューが終わってそう思われる気持ちは分かりますけれども、文字起こしをしたゲラがご自宅にFAXで届くのですよね?数値的なことは私がチェックして、全体的な内容は教授がなさるのでしょう?
 まだ終わったわけではないですよ、編集者との打ち上げが終わっただけですからまだまだ安心は出来ないです」
 二人が同じマンションに住んでいることは内緒にしてあるので咄嗟に言い訳を考えた。
「ああ、そうだな……。最大の山場は終わったのでつい安心してしまったけれどもまだ一仕事残っていた。訂正箇所を書いたFAXを送り返すまでが雑誌の仕事なのだな」
 以前とは異なってその程度のウソは()けるようになっている最愛の人が調子を合わせてくれた。
「色々な仕事が有るのですね。手術だけに専念出来ないのは何だか惜しいような気がします」
 感心したかのような返事が却って来た。
「あの学術誌は国際的な知名度を誇るので万に一つも間違いは許せませんので気を抜けませんよ。インタビューが終わっただけですから……。手術(オペ)と医局の責任者としての仕事に加えて心臓バイバス術の緻密かつ綿密なインタビューに備えてろくに睡眠も取っていらっしゃらないのでしょう?ご自宅に着いたらお起こししますので(しばら)く仮眠でもなさった(ほう)が良いかと存じます」
 ミラーの死角で「イエスと言って」と最愛の人の手の甲に指文字を書いた。
 多分、先程の扇情的な愛撫のせいで過敏になっているのだろう、手の甲が指の動きに従って白魚のように跳ねている。
「そうだな……流石に疲れたので少し眠る」
 最愛の人は多分ワザと、普段とは異なって祐樹の肩ではなくてタクシーの扉の方へと身体を傾げている。
「話好きな運転手さんでしたね」
 マンションのエントランスホールに入ると美人の受付嬢が親し気な笑みを浮かべて「お帰りなさいませ」と出迎えてくれる。
 この捜査の時は別だけれども普段は彼女達の勤務時間外に帰宅する祐樹にはある意味新鮮だった。朝は「行ってらっしゃいませ」と送り出してくれるけれども。
 そして会釈を返す最愛の人の笑みは大ぶりの花瓶に活けられた胡蝶蘭よりも綺麗だった。
「祐樹が運転手さんの相手をしてくれていたので、私は祐樹に抱かれるのを待ち焦がれる気持ちをじっくりと味わうことが出来た……」
 部屋のドアを閉めて鍵をかけたら指を付け根まで絡ませてくれた最愛の人が祐樹の唇に瑞々しい唇を重ねてくれた。
「探偵ごっこの打ち上げを兼ねて普段とは異なった感じで愛の交歓を行っても良いですか……」
 ジャケットとかネクタイをお互いの手で脱がしたり(ほど)いたりする指が薄紅色に染まって僅かに震えているのも待ち焦がれた証しだろう。
「異なった……?それは任せるけれども……」
 祐樹の手で素肌を露わにすると小さな桃色の尖りが健気な感じで存在を主張して健康的な煌めきを放っている。「『おとなのおもちゃ』なんて使いませんよ……」
 艶やかな声に僅かな困惑の色が混ざっているのはそういうモノを使うかもといった懸念が有ったからだろう。
 安堵の吐息を零す最愛の人の二つの尖りを指で強く()まんでキュっと(ひね)ると濡れた薔薇色の嬌声を微かに溢している。
「まだ鮮やかなルビーの煌めきまでは行きませんけれども紅く染まって綺麗ですよ……」
 祐樹の指の動きに連動して綺麗な弧を描く肢体を抱き留めながら色香しか纏っていない肢体をベッドへと導いた。「うつ伏せになって下さい……」
 取って置きの甘く低い声でそう告げると薄紅色に上気した細く長い首が怪訝そうな動きをした後に、納得した感じに振られたのは「異なった感じで」と祐樹が言ったのを思い出したのだろう。
「ゆ……祐樹っ……胸がシーツに当たって……擦れる感じが……もどかしいっ……」
 先ほど祐樹がワザと硬度と感度を増したのだからそうだろうなと思いながら短く切られた後ろ髪を更にかき上げて、唇と歯で甘く噛んだ。
「そこも……()っ……」
 祐樹が丹精を込めた最愛の人の肢体の「弱い場所」は彼自身よりも知悉している。先ほど二つの尖りをツンと花開かせたのも、ハウスキーパーさんがシーツに(のり)を効かせてくれているのを知っていたからだった。
 うつ伏せになった最愛の人の薄紅色の肢体の上に身体を重ねて肩甲骨の下の瑞々しい素肌にも紅の情痕を刻んで行く。
 祐樹の身体の下でヒクリと跳ねる肢体の熱が心地よい。背骨に沿って指をツーっと下半身へと這わすと紅に染まった上半身がしなやかに弧を描いている。
「普段は仰向(あおむ)けで愛し合っていましたので(たま)にはこういうのも新鮮で良いでしょう?シーツで物足りなかったら、ご自分の指で尖りを弄って下さい……。そういう乱れる姿態も最高に欲情しますので。
 ベッドに膝をついて薄紅色の肢体を座った状態になさっても良いですよ……」






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気分は下剋上 二人がどうして探偵役? 155

「そうか?あの時は早く仕上げて皆に見せて早く帰りたいと思っていたので、普段よりもペースを上げた」
 面映ゆそうな笑みを浮かべている最愛の人の表情もまた良い。
「貴方の今回の働きも見事でしたよね。特に二カ月周期であんなに数値が変化することに気付けた点とか分析力と記憶力に脱帽です。ただ、貴方が人間の気持ちの醜い部分を見たいと思わないし、それを見たり聞いたりすることに拒絶反応が有るのならば話は別です。
 あんな恨みつらみを普通に生きていたら聞くことも有りませんし。
 病院長選挙に向けての支援者作り程度は今の貴方の活き活きとした笑みで大丈夫です。
 以前の貴方は近寄り難いオーラを纏っていましたので皆が遠巻きにしていたでしょう?それが今は皆から声や心の籠った会釈をされるようになったのは人知れず努力なさった成果だと思いますし、それだけで充分です。
 これから森技官経由で病院長が新しい事件を振って来たとしても断れば良いと思います。
 我々はあくまでも心臓外科の医師なので」
 いや最愛の人と祐樹は同じ外科医でも一緒に分類するのは畏れ多い気もしたけれどここは押し切るべきだろう。明太子のとろろ焼きを美味しそうに食べていた人が箸を置いて姿勢を正した。
「良いのか?祐樹は割と楽しんでいただろう?私も初めは楽しかったのも否めないけれども……」
 祐樹もお箸を置いて真っ直ぐに最愛の人の目を見た。
「貴方の精神が消耗することの方が大問題です。謎解きゲームは推理小説ででも楽しめますから。貴方も私も戦場は手術室です。そちらに集中したいと言えば、森技官も斎藤病院長も納得するハズです。
 それでも森技官がどうしてもと言ってくるようならば、データだけ貰って分析するとかそういうのって安楽(アーム)椅子(チェア)探偵(ディテクティブ)とか言いましたっけ?そういうのに徹したら良いかと思います。それなら(なま)の情念に触れることはないでしょう」
 最愛の人が安堵したように微笑んだ。
「そうだな。祐樹の言う通りだ。心のしこりみたいなものが祐樹の言葉で綺麗に取れた。有難う、祐樹」
 軽く頭を下げた最愛の人は心の底から晴れ晴れとしたような、清々したような笑みを浮かべている。
「いえいえ、ではこの件は一件落着ということで……。西ケ花さんが殺人罪に問われるかどうかも分からないですけれど、長年苦労をして来た佳世さんの望み通りに遺産が分割されるようになって良かったです。それを祝って乾杯といきましょう」
 再びジョッキを合わせて微笑み合い呑むビールは格段に美味しい。
「ああ、あの端末で料理を注文しても良いだろうか?祐樹に心の鬱屈(うっくつ)を聞いてもらったので、そして以後はこういう仕事は受けなくて済むと思ったら色々と頼みたくなった」
 興味津々といった感じでタブレットを操作している長くて形の良い指が鮮やかな印象を紡ぎ出している。
「勿論です。料理やお酒の種類だけでなくて数量まで選べるのですね……」
 最愛の人と一緒の時にはしないけれども、久米先生とかと呑みに来る機会が有ったら、同じ料理を『操作ミス』ということにして10個とか頼んでみようかな?と思える心の余裕が出て来た。
 久米先生はお育ちが良いのでテーブルに来た料理は完食するように躾けられている。目を白黒させて全部食べようと頑張っている様子を(さかな)に酒を呑むのも一興だ。
「この飲食代も経費で落ちますかね?」
 デザートの柚子(ゆず)シャーベットを味わいながら聞いてみた。
「あの事務局長がどういう判断をするかは分からないけれども、教科書通りなら『交際費』として認められるだろうな。一回五千円以上なので……。一応領収書は貰っておいた方が良い」
 最愛の人の満足そうな笑みが店の照明にも鮮やかな艶やかさを放っている。
「そう言えば以前の貴方は愛の交歓の後にしか本音を仰らないというクセと言うか習慣がありましたよね?そういうのが無くなって何でも話して下さるのは心を許して下さったからでしょうか?」
 ダメ元で領収書を貰って店外に出ながら聞いてみた。
「それは……祐樹には何を言っても嫌われないと分かってきたからだろうな……」
 こういう庶民的な居酒屋ではデットスペースも無駄だと考えているのだろう、ちょっとした階段の裏とかのいわば「大人の遊び心」的な空間がないのが唯一の欠点だった。
 キスくらいは交わせるのにと思うと下半身のスイッチが入ってしまったような気がした。
「打ち上げ……食欲は満たされましたが、別の欲望が、ね?」
 敢えてエレベーターではなくて雑居ビルの階段を下りながら双丘を意味ありげに、そして扇情的に撫でたら最愛の人の白皙の顔に紅い紅を注したようになった。
「祐樹……ここではダメだ。寝室のベッドまで待って欲しい……」
 艶やかな眼差しも期待に満ちて煌めいているようだった。
「タクシー到着まであと7分だそうですよ?」
 タクシー配車アプリで確認して最愛の人の表情を確かめると愛される期待に満ちた花のような風情だった。
「それはそうと愛人の思考回路が知りたくて参考になればと思って小説を読んだという話はしたと思いますけれども、同じ作家さんの本もついでに読んでみました。その本によると『交際費として領収書を貰うことの出来る場面でも自腹を切って払うと好感度が上がる』と書いてあって。貴方もそうなのですか?」
 多分、慣れない仕事を無事に終えたという達成感からかふつふつと湧きあがる欲望を散らそうと関係ない話をしてみた。





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気分は下剋上 二人がどうして探偵役? 154

「私が長楽寺氏の佳世さんとか野上さん、そして瑠璃子さんへの非道な振る舞いに憤りを感じたり直哉さんに対しては――まあ、こちらは仕事面でのことも有るので差し引いて考える必要が有るかもしれないけれども――同情の気持ちを抱いたり、あまつさえ西ケ花さんに対しても憐憫(れんびん)の情を持ったりして早くこの件から手を引きたいと考えていたことを祐樹は非難しないのか?」
 呑みかけていたビールジョッキを置いて姿勢を正した。
「いえ、貴方が推理小説を読むように誰にも感情移入せずにゲーム感覚で捜査を進めていく(ほう)が人としておかしいのではないかと思います。そういう貴方だからこそ大好きですよ?」
 最愛の人の顔がアルコール由来ではなく上気している。
「そうか……?」
 まだ疑いの光を瞳に宿して祐樹を見ている。
「そうです!絶対にそう思います。ほら、付き合っ……知り合った頃に貴方は『人の気持ちは数量化も具体化も出来ないから分からない』と仰っていましたよね?」
 店員さんが揚げ出し豆腐をテーブルに置いているので言葉を選んだ。
「ああ、その頃は確かにそう思っていたな……」
 イカの刺身を箸で挟んで口に入れている最愛の人の歯は醤油の掛かっていない白い部分よりも綺麗な白さで煌めいている。
「でしょう?それが今回は色々な人の気持ちを汲み取って辛く思ったのですよね?数量化も具体化も出来ない『感情』を。それは進歩だと思います」
 最愛の人は驚いたように切れ長の目を大きく(みは)っていた。
「確かにその通りだ……」
 祐樹は揚げ出し豆腐を、最愛の人は明太子のとろろ焼きを口にしながら話を続けた。
「ま、今回のことは西ケ花さんに相続放棄させると確約してくれた森技官ですから、それで良かったのではないのですか?
 長谷川警部補に聞いたのですが『警官は刑法と刑事訴訟法は座学として習うけれども民法はサッパリでそれで一般人に民事訴訟なんて放置しろ』とアドバイスして恨まれたとか……」
 先ほどの憂いが雲散霧消している晴れ晴れとした笑みが魅惑に富んでいる。
「え?そう言えば私が発言している間に何か話していたな。民事訴訟は例えば私が祐樹に100万円を借りて返さなかったとするだろう?それに怒った祐樹が訴状を自作で作ったり弁護士に作って貰ったりして裁判所に提起する。
 私か私の代理人が指定された時間に裁判所に行かなかったら100万円払えとか利子を付けて払えという祐樹の主張が全面的に認められるシステムだ。来ないイコール認めたと認定されるので、異議が有れば絶対に行かなければならない。……そうか、あの場に居る人皆が法律にも詳しいと思っていたのだけれども違っていたのだな……」
 明太子のとろろ焼きに優雅に箸を入れて一口大に切っている。
「森技官が言っていた相続放棄は貴方にとっても意外な提案だったのでしょう?相続放棄は想定されていなかったのですよね?そもそも相続放棄って一体?いや、言葉の意味で何となく分かるのですけれども」
 この際最愛の人の言いたいこと、そして祐樹の聞きたいことを全部聞いてからこの事件を「過去」に分類された頭の中のゴミ箱に放り込んでしまいたい。
「相続放棄は法定相続人が『あの人の遺産は貰いたくない』とか『借金も引き継ぐとプラスどころかマイナスになるかも』とかそういう理由で『自分』から相続を放棄する旨を家庭裁判所に申し立てをするシステムだ。
 西ケ花さんはほら、お金に執着するタイプの女性だろう?だから自分から放棄の申し立てをするとは思ってもいなかったので……。被相続人の命を奪った人間がその遺産を相続するのは明らかにおかしいだろう。だからその人には相続権が剥奪される相続欠格が妥当だと踏んでいた」
 確かに事件化が難しい以上、相続欠格は現実的ではない。それよりも森技官が――まあご本人が取り調べを担当しないだろうけれど――西ケ花さんから相続放棄をする代わりに何かのメリットを与えるような駆け引きをするように指示出来るだろう。
 人を使ったとしても森技官の交渉術は――個人的には大変悔しいけれど――秀逸だし。
「なるほど参考になりました。それにしても貴方の書類作成能力の早さと的確さには舌を巻きました。ああいうふうになさっているので定時上りが可能なのですね。一文字もミスがなくあんな速さで書類を作ることが出来る人は初めて見ました。ああいう優れた能力までお持ちとは思っていなかったです。
 二人で事情聴取に回っていた時も――まあ、色々な人が色々と怒りとか恨みを持っていた点は確かに重い気持ちにはなりましたけれど――それはそれとして楽しかったです。
 しかし、今夜のあの見事な手さばきには惚れ直しました……」
 祐樹は恨みや妬みなどの負の感情に対しても「ああ、そう思うだろうな」的な感想しか持たないし、魑魅魍魎が跋扈する大学病院はさながら江戸城の大奥のようにマイナスの情念で渦巻いている世界に生きて来た。だから最愛の人のように衝撃は受けなかったのも事実だ。
 何事にもサッパリとしているアメリカで実績と名声を上げた最愛の人はそういうマイナスの感情とは無縁だったのだろう。いや、仮にマイナスの感情を突き付けられても何も察していないということも有り得ただろうけれども。





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