「もっとっ……奥までっ……欲しっ……」
艶めいた小さな声が蜂蜜の甘さと色に満ちているようだった。
「分かりました。一旦出てから奥に強く激しく挿れます。その瞬間を狙って聡も腰を上に動かして下さい。出来ますよね?」
凝った蕾の辺りを祐樹の愛情と欲情の象徴で擦りながらそう告げた。凝った蕾の弾力と濡れた厚く熱いシルクの伸縮が堪らなく悦くて気を抜くと即座に頂点を極めてしまいそうになるのを必死で耐えながらだったが。
「出来るっ……」
上半身をシーツの上下に動かしているのは蕾と快楽が直結している尖りを押し付けているのだろう。紅色の肢体が無垢に悦楽へと耽っているのを見ると視覚も焼き切れそうな気がした。
熱く滾ったモノを抜くと、熟れた白桃のような双丘を両手で思いっきり開いた。
花園の門も開閉を繰り返しているのが無垢な淫らさを醸し出しているし、ちらりと見える花園も先ほどよりも紅く染まっているのも欲情をそそった。
「ああっ……祐樹っ……悦っぃっ……。えっ?」
喘ぎ声でだいたいのことは分かる。凝った場所を衝いた瞬間に彼が真珠の放埓をばら撒きそうになっていたので育ち切った花芯をギュッと握ったのが意外だったのだろう。
「今達してしまうと、奥処のさらに奥で感じる悦楽がぼやけてしまいます。花園の感触だけに集中してください……」
ヒクリヒクリと震える花芯の弾けそうな熱さを指で押さえながら花園の中を嵐のような激しさで蹂躙した。
祐樹の動きに従って水音と粘膜のこすれ合う熱く淫らな協奏曲が寝室に小さく奏でられている。奥処まで迎え入れられたと思った瞬間に彼の腰が上に突き出されて紅の背中が優美な猫のような弧を描いた。
同時に祐樹の先端部分が極上の花園のさらに奥の祐樹だけをもてなす場所に迎え入れられた。そこは厚いシルクというよりも熱いゼリーのような感じで包み込んでくれている。
「祐樹っ……。とてもっ……悦いっ……。身体中が……剥き出しのっ……神経に……なったみたいでっ……。怖いほどっ……感じるっ……。だからっ……。お願いだからっ……、指を……離してっ……欲しっ……」
愛の交歓の時も比較的正確な言葉遣いをする人がこんなふうに切れ切れに言葉を紡いでいるのは脳を含むあらゆる場所が乱れているからだろう。
先端部分で感じる最高に熱くて甘い場所もだけれども、幹の部分も熱く厚い濡れたシルクの花びらが強く弱く祐樹を唆してくれている。その祐樹だけの天国に居ると長くは保たないのも自覚していたので指を離した。
「ああっ……もっ……。祐樹はっ……?」
甘く濡れた声が脳へと届いた瞬間に真珠の放埓を奥処の奥へと真珠色の飛沫をばら撒いた。何時もよりも長い放出だったような気がする。
「祐樹……とても悦かった……。祐樹に抱かれるのは……常に体中が歓喜の声を上げているのだけれども、今回のは神経全てが研ぎ澄まされているようで……、そして奥の奥で祐樹の飛沫を受け止めて……何だか深い悦楽の深淵に叩き落されているような、そして天国に昇ったような感じで……」
紅の額に汗の雫を宿らせている最愛の人に額を合わせた。祐樹の前髪が若干邪魔だったけれども。
「私もとても良かったです……。聡の極上の花園の奥処の奥は私の天国ですから……。お互いが天国に行ったということで……。不本意な探偵役だった私達は生まれ変わったということで良いのではないでしょうか?
明日からは本来の外科医の仕事に戻れますよ……」
最愛の人の紅の細く長い指が祐樹の前髪を梳いてくれた。
「そうだな……。しかし、生まれ変わっても恋人というのは継続するのだろう?」
生まれ変わりというのはキリスト教の概念にはなくて確か「最後の審判」の時に一度蘇生して裁きを受けるとかそう言ったモノだと記憶している。それに、狭義のキリスト教では同性愛という点でアウトのような気がする。輪廻転生は仏教の教えだと脳裏を過ったけれども、最愛の人もそういう点は知っていながら言っているようなのでそんな些細な点を指摘するのも無粋だろう。
そんな考えはさっさと忘れて愛おしさの余り愛の交歓のせいで紅く彩られた唇に唇を落としながらおもむろに告げた。
「最高に愛し合う恋人同士という点は何度生まれ変わっても変わらないです。探偵役は不本意でしたけれど、聡の恋人は本望ですから」
<了>
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やっと<了>が打てました。158話ですから、約半年続けていた計算になります。最後まで読んで下さった方がどの程度いらっしゃるか分かりませんが、感謝です。後日談めいた話は一応有るので(祐樹が貯めていた領収書が経費になるかとか、色々問題の有る太田医院がどうなったかなど)時折更新したいと思っております。
こうやま みか拝
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