腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します 申し訳ありませんが書く時間を最優先にしたいのでリコメは基本的に致しません。 要望・お礼などは「日記」記事でお応えしますが、タイムラグがあることも多いです。

ショーから始まる恋もある

ショーから始まる恋もある 122

 ユキの痴態とかその恍惚とした表情にともすれば注意力が持って行かれそうになるのを辛うじて理性で止める。
 ユキの身体の敏感さに――生まれつきという面も多分有るだろうが、オレが一晩でたっぷりと教え込んだせいもあるだろう――加えて薬物が入っているからだろうが、その華麗な乱れっぷりをつい見入ってしまいがちになるには充分過ぎるほどの魅惑の宮殿のようだった。
『いえ、肌に触れなければ大丈夫ですよ。
 患者様の場合は幻覚とか妄想を抱くステージではないですので』 
 スマホの向こうからテキパキとはしているものの、意外そうな響きも微妙に混じっている声が聞こえて来た。
 オレがした質問が想定外だという感じで。そういうことを聞く人間がいなかったのかもしれないなと思いながら一安心した。
 新田先生の言葉には、「怖い」意味も含まれていたことにやっと気づいた。
 「ステージ」とお医者さんが言っているのはドラマなどで割と観ていた。ガンの場合だとステージ4だと絶望的とかいう話だった。
 そしてユキの体内に入っている薬も、そういえば被害妄想などを引き起こす「ステージ」という名の深い依存が有る。
 そういう怖い精神状態にユキを陥らせたくはない。まぁ、ユキの場合は一回きりの摂取だからこの41時間を――時間が過ぎるのは意識していると遅く感じるとかいう話だったが、いつの間にか一時間は経っていたらしい――無事(?)乗り切ったら大丈夫だろうが。
 しかし、実家と縁を切ると言い切っていたユキだったが、オレがヘマを仕出かして薬の「イイ」点を身体が覚えてしまったりすると、入手しやすい立場に居ることには変わりがない。
 単なる大学生が覚せい剤を入手する――以前は合法ドラッグとか報道されてヒンシュクを買ったようなクスリの類は反グレと呼ばれる人間が居るような怪しげな店に行けば手に入るらしいのでごくごく一般の大学生でも勇気があれば店に行けるだろう。そして物欲しそうな感じでイカツくてイキった恰好をしている人間に近づいたら向こうから声を掛けてくれそうだ。
 基本的にそういうイキった恰好をしている若者も反社会勢力として世間からは抹消されがちな893の遊撃隊めいた働きをしていると聞いている。
 昔は暴走族を経て組に入るのが一般的(?)だったようだが、一旦、そういう組織の構成員になってしまうと銀行口座が作れなかったり生命保険に入れなかったりするらしい。
 だから、あえて構成員にならずにお金だけ上納するという関係になったと聞いている。
 ユキの場合は、身体が依存を覚えてしまうと、実家関係の知り合いとか関西の大組織のお嬢様でもあったお母さんの関係者に頼めば融通が利きそうな気がする。
 オレはアルコールやニコチン依存ではないけれど、アル中の人間が体内にアルコールが無くなってしまった時には何が何でも酒が飲みたくてたまらなくなるし、意志だけで止められるモノでもないらしい。もちろん、アルコールもニコチンもそこいらで売っている「合法的」なモノだ。
 お国によって違うとか聞いているが、法律で規制されていない――少なくとも成人済みなら――モノでも危険なのに、一グラム当たり懲役一年とかいう覚せい剤はさらに危険なのは言うまでもない。
 そしてユキの場合は一般人よりもその気になれば入手しやすいのも確かなことだし。
「そうですか。有難うございます。
 妄想とかは幸いなことに起こっていないです。そのう――素肌が敏感になってはいるのですが」
 努めて事務的に報告した積りだったが、内心は波立っていた。
 ただ、ユキの痴態を見ているのが辛かったので仕方ないだろうが。
『そうですか……。何とか後41時間は耐えて下さい。
 しかし、お一人の力では限界だ!と一瞬でも思われたなら、即座に連絡してください。
 そのための病院なのですから』
 心配そうな声がスマホから聞こえた。そして新田先生も時間をキチンと覚えてくれていることに何となく安堵と信頼の気持ちが芽生えた。
「リョウっ……イイようっ……!!」
 ユキの嬌声がスマホ越しに聞こえないかどうかも気になった。
 そういう声はオレだけで独占したかったので。
「分かりました。
 とりま――じゃない、取り敢えず脈拍を気にしておけば良いのですね?そして、一人では限界だと判断した時点で先生にお願いすることになるかもしれませんので、その時にはどうか宜しくお願い致します」
 普段よりも早口かつ「とりま」という先生が多分知らない言葉を口走ってしまったのは、早く電話を切ってユキの嬌声とか、淫らに粘った水音とか肌を擦る音を聞かせたくない一心からだった。
 とりま、いや……とりあえずまあ、だが……声で攻めるのはアリだと知ってそれだけで今は充分だった。
『分かりました。ではお大事になさってください。貴方が倒れると共倒れになりますので、その点だけには注意してくださいね』 
 親身な感じの声に何だか元気が出て来た。
 オレが倒れてしまったら確かにユキは悲惨な目に遭ってしまうだろう。
 この部屋から出られないとか、食事も水分も摂れないという状況になるので。
「有難うございます。覚悟は決めた積りですが、やはり……」
 新田先生の話を病院で聞いていた時には(何とかなる)と思っていたが、予想と実体験はやはり違ってしまっていて、少し弱気になってしまっていたようだ。
『お察し致します。貴方しか居ない豪華な部屋なのですよね?タワマンと言えば聞こえは良いですが……、特に最高層階は陸の孤島と似ていますから。
 では、また何かありましたらお電話下さい。24時間いつでも大丈夫なのでお気軽にどうぞ』
 陸の孤島……最高層階……、特に何故高層階だと知っているのだろうか?と疑問に思っていると電話は切れた。
 まあ、新田先生だって他の患者さんも居るだろうからそうそう電話ばかりしては居られないのだろう。
 通話が切れた瞬間に、パッと閃いた。



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最後まで読んで下さいまして有難うございます。。人気ブログランキングのインポイント数を見てしまって「頑張って続き書こう」と密かな決意した結果です。

こういう応援、本当に励みになります。有難うございます。
 
このお話ももうすぐ終わりますが、それまでお付き合い下されば嬉しいです。

  こうやま みか



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ショーから始まる恋もある 121

「ユキ、聞こえているか?」
 念のために確かめてみることにした。職業柄――と言ってもオレの場合泡姫と呼ばれる風俗嬢で、かつ薬物に近い場所にいるお得意さんは居ないのでまた聞きだったが――薬物に対して少しばかり知識めいたものはカタギの勤め人よりも持っていると思う。
 まあ、女医をしている常連客に言わせるとカタギの勤め人ばかりでなくて深窓のマダムにもこっそりと麻薬は蔓延しているそうだが、そういう人はあからさまに語ったりはしないだろう。
 オレの覚え間違いでなければLSDと呼ばれる麻薬を体内に入れると聴覚に変化が起こる場合が多いとか読んだ覚えがある。音楽を聴くとそれが脳内で心地よく変換されたり、音だけでなく光とか風景として認識されたりするらしい。
 そういう薬物の場合は音楽が――これも音の一種だろう、多分――実体に「脳内では」見えてしまったりするらしい。
 そういう場合だとオレの言葉はユキの脳内では違った言語に「翻訳」されかねない。そうだったらオレの努力(?)はムダというか無意味なモノにしか過ぎなくなるので。
「オレの言葉が聞こえたら、右手を上にあげてくれ」
 祈るような気持ちでそう告げたら、ユキの華奢な紅に染まった右腕が掲げられた。手専用のモデルよりも鮮烈な色香を纏って。
 聞こえているんだな……と一安心した。
 声で逝かせるという手段は我ながら名案だと思った。別に自画自賛の積りはないけれど。
 肉体的な快感だと身体が覚えてしまうだろうが、耳からの刺激ならば夢うつつの今のユキには有効だろうけれど完全に薬が抜けてクリアになった意識からはすっぽりと抜け落ちているような気がした。
 新田先生にもっと聞いておけば良かったと思ったけれども文字通り後の祭り……と思った瞬間に、電話という文明の利器があることに今更ながら気づいた。
「ユキ、好きなトコロを手で弄っておくと良い。
 それをオレは目で犯すので……」
 ことさら低くねっとりとした声で――お客さんにも物凄く評判が良い――ユキの桜色の耳朶に触れないようにだけ注意して囁いた。
 ユキが両足を大きく広げて小さくすぼんだ穴に指を二本挿れているのを見ながらスマホを手に取った。
「あ、もしもし。今五分ほどお時間宜しいですか?」
 先生も律儀なタイプらしくオレの番号を登録してくれていたらしい。名乗る前にオレだと分かったような雰囲気に内心ほっとした。
 患者さんとその縁者(?)全員にしているわけではないだろうが、詩織莉さん効果はすさまじいものがあるなと感心してしまう。
『大丈夫です。患者様のご様子はいかがでしょうか?
 脈拍が非常に早かったり、幻覚に怯えたりはなさっていませんでしょうか?』
 スマホ越しに心配そうな声が伝わって来た。ただ、落ち着いた感じでてきぱきとした感じなのは職業上だろう。
「脈拍……それは触っても大丈夫でしょうか?幻覚はなさそうなのですが」
 もともとユキは物凄く敏感なタイプだ。皮膚が薄いということもあって物凄く反応が良い。
 それが薬剤によって増幅されていたらどうしようかと思うと迂闊には触れられない。
「手首の脈の取り方は分かりますか?掌の――いわゆる内側ですね――そこの動脈、つまり脈打っている血管です――を人差し指と中指、そして薬指に軽く当てて1分間計るのですが?
 手首を触る程度なら問題はないと、少なくとも論文には書かれています」
 お偉い学者先生が書いているのだから大丈夫なのだろう。
 ユキの華奢な手首を取ってトクトクと打っている脈を計ることにした。
 普段は脈打っているのが当たり前で、言うなれば空気のようなモノなのだが、今日ばかりはユキが確かに生きている証のようで物凄く嬉しかった。まるで奇跡を目にしたのと同じように。医療ドラマから得た知識では脈拍とか呼吸、そして血圧などの数値のことをバイタル・サイン、つまりは命のサインと呼ばれているらしいが、その意味を体現しているような気分になった。
「一分で76ですが?」
 オレの拙い知識だと「正常」の範囲内だと思ったが、もしかしたら間違っているかも知れない。
 きっちりと一分間黙って数えていた。新田先生もオレが何をしているのか察したらしくスマホ越しに黙っていてくれた。
 まあ、本職の医師や看護師などは他のことをしながらとか、話しながらでも計れるらしいがそんな高等なスキルは当然持ち合わせてはいない。
 合っているかどうか内心でドキドキしながら先生の返事を待った。
『正常値ですね。その値なら問題はないです。脈拍が早くなった場合は要注意です。1分で100を超えるようなら遠慮せずにご連絡下さい』
 新田先生のキビキビとした声に安堵の溜め息が出た。ついでに一分を数えている間につられたように息も殺していたので深呼吸もしてしまったが。
 100を超えたら電話……と脳にメモをしながら口を動かした。
 ユキの紅色の指がさらに紅い媚肉の中に出たり入ったりしているのを眺めながら。
「分かりました。先生は『触れるのは禁止』とおっしゃいましたよね?その中に声は入っていますか?」
 先生が何だか息を呑む感じの音を漏らしている。
 素人考えが甘かったのかも知れないし、無知過ぎて失笑を通り越していたのかもしれないなと思いながらスマホを握りしめた、指が痛くなるほど。


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何とか更新出来ました。。。(実はこれが本日のノルマ達成の最後だったりします。後は予約投稿済みなのです)
拍手を下さったり、ランキングをタップして下さった方がいらっしゃるので頑張れています。
本当に有難うございます!!
最後まで読んで頂ければ良いなと願いつつ。
リョウの見せ場作りに頑張ります。
            こうやま みか



ショーから始まる恋もある 120

 ユキの小さな穴から白い液が飛び散っているのを見ることが出来たのは何だか役得のような気もする。普通の「そういう行為」の時にそんな光景を拝んだことは当然ない。
 しかし、そんな細やかな役得に浸る間もなく――ユキの身体から忌まわしい薬が抜けた後に、心行くまでさっきの「絶景」を堪能しようと心に誓いつつだったが――絶頂を極めたユキの紅色の身体を見ることにした。
 床の上にぺたりと身体を預けていたものの、お尻の穴には指が三本も入ったままという乱れた身体とか、紅色の腹部が白い粘液を載せて激しく動いているのも壮絶に色っぽかった。
 ユキを――昨日「そういう行為」が初めてだったにも関わらず乱れてくれたのも嬉しかったが――好きな理由の第一が綺麗とか、そういう見た目の問題ではなくて頭の切れるところとか、ぼんやりしているようにしか見えないのに色々と考えているという腹の据わった人間だからだった。
 確かに整った古典的な顔は上品な美しさを持ってはいるけれども、そしてユキには悪いが詩織莉さんの方が整っていると思う。
 これはオレだけの意見ではなくて百人の男女にランダムにインタビューしたら八割がたの答えが詩織莉さんを選ぶだろう。
 それにユキも度胸も据わっているものの、腹違いの兄弟でもばっちりと性格と外見も血の繋がりを感じてしまう佇まいと知性は詩織莉さんも持ち合わせている。
 ま、オレの場合女性に「そういう」下心を持てないだけで、ユキの方が断然好みだったし、オレに開発された身体は一夜にして淫らに変わったと思うが、それでも硬質な輝きを宿している。
 そんなユキがしどけない紅色の腹部に白い液を散らして横たわっているのはギャップが有って物凄く綺麗で淫らだった。
 第三者というか客観的に見たら姉である詩織莉さんの方が綺麗だと言われるだろうが、そんなことはむしろどうでも良かった。
 そんなことを考えてしまったのは、恋人でもあるユキのあられもない痴態を「その気」になって見入ってしまうからだった。
 かさついてしまっている――ちなみにオレは唇の保湿にも職業柄、気を配っている――唇を舌で湿らせながらそんなことを考えないと思わず手と身体をユキの一糸纏わない身体に近寄らせて、そして新田先生のアドバイスを破ってしまいそうになる衝動に駆られてしまいそうだったからだ。
 どうすれば気を散らすことが出来るだろうか……と頭をフル回転させた。
 時計をチラリと見たが、驚くほど時間が経っていないのにも腹が立ってしまったが。
「気持ち、良かったか?」
 何時もよりも低い声で、そしてゆっくりと言葉を掛けた。
 店の常連客には「リョウって顔も良いけれども、物凄いイケボ」と感嘆の溜め息とキャーという黄色い声は聞き慣れている。
 声で逝かせよう。
 そう思った。
 新田先生は「身体、特に性感帯には触れてはダメだ」とか仰っていた。もちろん本番行為も厳禁だとも。
 しかし、声については何も言っていなかった。
 お客さんの中に女医さんが居るが、その女性の話によるとご臨終の時に最も長く残っているのが聴覚だし、女性の中には声だけで頂点を極める人が居るらしい。
 その上、ユキの身体に一切触れずに逝かせることも出来そうな気がした。覚せい剤もどきの薬も関係なさそうだし、多分。素人考えだったけれども合っているだろう。
「うん……。とっても気持ち良かったよぉ。
 でも、リョウさんの熱くて大きなモノをココに挿れた方が……もっとイイって思うけどっ……」
 若いだけあって、一回極めたハズなのにもう天を衝くように復活している。
 その先端部分にさっきの名残りの白濁の雫が宿っているのもとても魅惑的だった。
 そしてユキは、もどかしそうに腰を浮かして、尻の穴を見せびらかすような感じで腰を浮かせている。
 オレのように男にしか欲情しない人間でなくとも、アダ〇トDVDなどでも有りがちで男の夢と妄想を掻き立てるM字の足の運びが物凄くソソる。
「それはダメだ。
 しかし、もっとイイコトをしてやるので、ユキはオレの声のままに振る舞っていればそれで良いだろう?」
 取って置きの声を低音で囁いた、ねっとりと。
 その声に合わせてユキはヒクリヒクリと身体をうねらせている。
 桃色の肌とか、白い粘液が飛び散った腹部、そして物欲しそうに動いては指を挿れている場所も紅の花を咲かせているのも物凄くクル。
 どう言えばユキをもっと感じさせることが出来て、そしてあわよくば昇天したまま失神させることが出来るだろうとある意味ムシの良い考えを必死に巡らせた。
 オレには経験がなかったが、女の人が逝ってから気を失うというのはアダルトDVDではありがちな展開だったし、そういうのが単なるフィクションでないことを祈りたい。
 それにユキが逝き過ぎて失神でもしてくれたら、少なくとも一時間程度の時間は稼げそうだ。
 新田先生は48時間ほど経過させろと仰っていたので、なるべく時間を稼ぎたい一心だった。
 何と言えば効果的だろうか?



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今日は比較的時間があったので、調子に乗って書いてしまいました。
騒がせ致しましたが、ウチのWi-Fiが障害のために使えなくなって少し焦りました><
今は復旧したようで何よりです。
拍手下さった読者様も増えてとても嬉しいです。

明日も更新頑張りますのでお付き合い下さればとても嬉しいです!!
最後まで読んで下さって有難うございます。
    こうやま みか






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ショーから始まる恋もある 119

「ああ、イって良いぞ。
 ただ、ユキの感じやすいトコってその二点だけではなかったな。
 乳首も大好きだろう?だったらそっちも弄れば良い。自分で……」
 手伝ってやりたい気持ちは山のように有ったが、この状態――そもそも二人で決めた行為中に呼ぶ名前すら間違っているというか、頭の中から吹っ飛んでしまっている現在のユキの様子を見る限り、下手にオレが手を出さない方が良い。
 自分で慰めるという行為でこんなに感じ切っている――足の指が丸まっているのは紛れもなくヨがっているからだ。
 確か新田先生は「最後まではしないでください」とかアドバイスをくれたような気がする。
 それは絶対に!何が有っても守る積りでいたが「途中の手出し」について何か言っていただろうか?何だかユキの艶姿を見ているとそんな些細なことは頭から吹っ飛んでしまうくらいに扇情的過ぎた。だから新田先生の事細かな注意がオレのキャパの低い頭だと吹っ飛んでしまっている。
 可憐な花のような乳首も熟す直前の紅い色に染まっているのもとても綺麗だったし。
 必死で身体の奥まで指を挿れようと背中を丸めて入り口で鉤のように折った指とかその中の清楚なピンク色の柔らかい肉とかもキュート過ぎてクラクラしそうだ。
 何だか天使が密かにイケナイ一人遊びをしているような奇妙な背徳感さえ覚えて背筋から脳にかけて震えが起こってしまった。
「あ、キョウさん。弄ってくれないっ……の」
 涙交じりの甘くて幾分高い声が切れ切れに聞こえる。
 確かに散々そこを弄ったのは他ならぬオレで、ユキは――薬物のせいで夢見心地だろうが――そういう記憶は途切れ途切れでも持っているようだった。
 ただ、オレの部屋で愛し合った時には「シン」と呼んでいたし、何よりも薬は一切使っていない。
 薬と言えばショーの時も催淫剤かなにかを塗りこまれていた。そのせいで感じやすい体質は持ってはいたけれどもさらに感度が上がって「ああいう」痴態を舞台の上で晒してくれた。
 素人考えだが、今のユキの場合は昨日のショーと同じような――いや薬としては忌々しいことに今の方が効果は高い――状態になっていて、覚せい剤に似た薬の作用とも相俟ってもしかしたらショーに出ていると朧な頭で認識しているのかも知れないなとも思ってしまう。
 現実逃避に似た感じで――そうでないとユキに手を伸ばしてしまいそうだった――そんなことを考えていると、ユキの薔薇色に染まった華奢な指――しかも前を弄っていたので水晶のような雫を宿していて、その量が多かったのでユキの指が動くたびにポトポトと床に落ちていく。
 その淫らな無垢さが際立っている液体が宙を舞うことすら煌めいていてとても綺麗だったが。
「やだっ……感じすぎておかしくなっちゃう。
 リョウさんの指の方がもっと良いんだけど。
 でもって……お尻の穴を弄りながら乳首を転がすのって……とっても気持ちイイっ」
 ユキの濡れそぼった指のせいで乳首も濡れて艶めかしく光を放っている。
 それにユキの華奢な指が可憐な乳首の先端を転がしては僅かに大きくしていっている様子も絶品だった。
「転がすのも良いけど、先端部分を爪で弾いた方がもっと快感を得られると思う」
 お尻の穴を大きく開いているのも、そしてその柔らかな秘められた肉を――多分昨夜オレが教えたコツで開いているのだろう。
 その指と肉――正しくは筋肉だけれど――が触れる音も熱さと甘さで濡れていた。
 そして乳首を弾くたびに聞こえるユキの艶っぽい声に紛れてごく小さな水音が混じって聞こえている。
 一人遊びをさせるのは恋人として物凄く不甲斐ない気がするが、この際は仕様がない。
 ただ、ユキの記憶からこの行為全部が消え去って欲しいと強く強く望んでしまう。
 恥ずかしがりやで初心なユキにこんな一人で慰めるショーをオレだけにとはいえ開陳したのを知ったらどうなるのか分からない。
「やんっ!!イイって!!リョウさんっ!!イク、イクって。嫌だぁ」
 ユキが触れていない男性の象徴がそそり立っていて、限界を訴えるようにビクンビクンと震えている。もちろんピンク色に染まった身体も全部が綺麗な金魚のように舞っているようだった。
 嫌というのは女の人が「イイ」の代わりに使う例の言葉なのだろうか?それともユキはオレが挿れていないことが「嫌」なのだろうか?
 まあ、本人に聞いてもそんな喘ぎ声交じりの艶やかな声で告げている言葉の意味は分からないのかも知れない。
 オレは手出し出来ないので――実際はしたくてしたくて堪らなかったが――声で煽ることに専念しようと思った。
 薬でぶっ飛んでいるとはいえ、オレの言葉は耳に入っているようだった。その証拠に野イチゴのような乳首を水晶が滴っている指で転がすのをやめて弾いていたし。
 その弾く動作のたびに真っ赤に熟れていく乳首をやるせない思いで見てしまう。
「やんっ……もうっ……我慢出来ないっ!!イクっ、イっちゃう!!」
 一際大きな声が濡れているような感じだった。
「良いぞ、イって」
 オレが取って置きの言葉で唆した。
 昨日から散々聞いた低い声を――もちろんソレ用の声だ――覚えていたのかユキの身体がブルリと震えた。
 そして、小さな穴からプリュリと噴き出した白い蜜がとても綺麗だった。
 それに逝っている最中にそんな細部までじっくり見たことは当然ない。だから淫らな清々しさに満ちた光景を思わずガン見してしまう。
 出来るなら録画したいような綺麗な光景で、それが叶わないのだからせめて目や脳に焼き付けておくしかない。
 オレの手とかの手練手管で逝ったわけではないのが物凄く残念だったがそれはある意味仕方ないだろう。
 それに、オレが手を出したらユキの身体はまさに禁断の快楽――なんでも物凄くイイらしい――を覚えてしまうのだから、出来そうにない我慢でもしなければならない。

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ショーから始まる恋もある 118




 自覚はしたが、ここでユキに「薬物を含む」深すぎるほどの悦楽を与えてはならないということは分かっていたので、ともすれば押し倒しそうな、そして行為に雪崩れ込んで行きそうな衝動を必死で堪えた。
 そんなことをすれば詩織莉さんに申し訳が立たないし、薬物に頼った「行為」で安易に快楽を与えればユキにとっても「薬物依存」という重すぎる枷にもなってしまう。
 それだけはどうしても耐えなければならない。思わず奥歯を噛みしめながらそう心に誓って敢えて心を鬼、いや鉄の鎧で覆うことにした。
 ユキのピンク色の穴はいやらしくヒクヒクと動いているし、その中に指を入れて一定のリズムで蹂躙している様子は何だか物凄く淫靡で艶めかしかった。
 それは認めざるを得ないし、理性では逸らそうとしている視線が釘付けになってしまうのは仕方がないだろう。
 初めて会ったショーの時のユキも初心者とは思えないような艶やかさだったが、一度「恋人」としてのそういう行為をした後なのでその艶やかさはより一層の鮮やかさだった。
 あ!ショーの時……。
 必死でユキの魔性めいた姿態から理性を取り戻そうとして良いことを思いついた。
 ショーの時には詩織莉さんの「好意」でユキの相手役になった。しかし、彼女と一緒に見に行った「そういう」ショーでは観客として参加した時の方が断然多い。
 そもそも詩織莉さんだって主役が愛する弟のユキだからこそオレに相手役を振ってきただけで、何の関係もない人達が愛し合うショーの時にはただの観客として観て来た。まあ、それが当たり前だろうが。
 気分を変えるように思いっきり頭を振ってユキが開いているピンクの穴とか淡い胡蝶蘭のような指を「他人事」として観るようにしようと決意を新たにする。
 そもそもユキを好きになったのは容姿ではなくて性格とか賢明さの方だった。
 ユキだって充分綺麗な容姿はしているものの、オレのド・ストライクかというと少々微妙という面も少なからずは有ったので。
 まあ、今となってはユキの身体ごと愛してはいるが、それはユキの怜悧さとか好ましい性格も含めたことだった。
 そして、今のユキは――薬のせいなので彼のせいではないものの――あの忌々しいユリなどのように、肉欲とか情欲の虜になっている。
 そう、詩織莉さんと行った数々のショーの舞台の上にいる人たちのように。そして、胸糞悪いユリのように。
 目の前で乱れた胡蝶蘭の痴態を繰り広げるユキの姿は確かに扇情的過ぎて頭がアヘンを――だったと思うが定かではない――吸引した時のような極楽の極みにまで持って行かれそうになるが、これは「舞台の上で繰り広げられた」ショーだと思おう!痴態を鑑賞するのは良いがオレは舞台の下に居てただ単にそれを観て楽しんでいるだけの「立場」だと思い込ませようとした。
 ま、ユキの可愛いピンク色の穴に指が挿っていって――ただユキの最も感じるトコロはユキの指では届かないのも知っている――もどかしげに身体をくねらせて丸まっている。
 指がもっと奥深くに挿れるようにするための苦肉の策なのだろうが。
 ただ、それだけでは届かない場所にユキのイイ処があるのも知っている。オレの指は長い方だがそれでも無理な場所にユキの最も感じる場所が有るのは知っている。オレの男性の象徴――大きさと長さにはいささか自信がある――しか届かない場所、なのだから指では無理だ。
 もどかしげにくねるユキの一糸纏わぬ姿が紅色の蛇のように可憐に、そして色っぽくオレの目を魅了している。
 だが、これは「ショー」で、オレは観客の一人に過ぎない!!そう思っていなければ、辛うじて残った理性のタガが簡単に弾け跳ぶくらいには魅惑的だった。
「リョウっ……。来てっ。ひどくしてもイイからっあぁっ。
 大きくて長い物で思い切り抉ってっ!!イイけどっ!!物足りないっ!リョウのじゃなきゃヤだぁっ!!」
 床に付いたユキの後頭部からそう長くはない髪の毛がぱさぱさと物欲しげに揺れるのもとても綺麗だった。口調は物欲しげな欲情に濡れている感じの甘い声だったが。
 ただ、オレの名前を本名から取った「シン」と呼ぶとユキは言っていた。それなのに源氏名で呼んでいるのもユキに理性が残っていないからなのだろう、多分。
 薄紅色に染まった頬から涙を流して懇願するユキの艶姿にはぐらりと理性が揺らぎそうになるが、詩織莉さんと行った――今は異なるようだったが「無理やり系」とかそっちの方が彼女は好きだったので、おのずと店外デートは「そういう」ショーを見に行く機会が多かった。
 その中でも「恋人がいるのに他の男と無理やり、しかも『恋人』が居る前で――」というシュチュエーションが有ったような気がする。
 そういうショーだと思えば少しは割り切れるような気がした。
 詩織莉さんとの店外デートは――今は少し関係性が異なるが――あくまでも仕事の一環だったし、ショーもそれなりに楽しんだとはいえ全くの他人事だった。
 その経験がまさかこんなところで役に立つとは思ってもみなかった。
 人間、やはり経験しておくものだな……と、ともすればユキの痴態に挑みかかりそうな本能を必死に抑えながら考えていた。
「やっ!イイっ!!イクっ!!イクっ」
 足の指が丸まっていたし、ユキの身体もビクビクと跳ねる紅色の白魚のようだった。
 その可憐で妖艶な痴態に眩暈がした。
 口の中がからからになって来たことに気づいたが。


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