
「だから、身体が火照って辛い一人寝の時には『おもちゃ』を俺の代わりに使って下さっても良いですよ。
浮気されるのは物凄く辛いですので、それは止めて頂かないと困りますが『おもちゃ』で延々と痴態を晒してご自分を慰める分には問題ないですからね……。
それに随分と気に入って下さっているようですし……」
勝気な恋人はこういうふうに言うと「絶対に使わない」とムキになることも想定内だった。
「えっ……。それって……こんなふうに……なるのはっ……お前が……見ているから、だろっ。
一人で……そんな……寂しい……コト……出来ないっ……」
おもちゃを激しく出し入れする淫らに湿った音と振動音がそんな言葉を裏切っている。
そして腰を覆っているシーツもピンと立ってその中央部分から滴るほどの水晶の液を零していたし。
「そうですか?
乳首用の『おもちゃ』はもっと強く挟み込むのがお好きなのですよね?
これではご不満ですか?初心者用っていうコトでこれにしたのですが……」
ポップなピンク色のクリップと乳首が触れ合う場所に温感クリームをこれ見よがしに塗ってから思い切り開いてパチンと音がしそうなほどの勢いで留めた。
「ああっ……イィっ……。凄く……感じるけどっ……。
でも、それは……お前の前だから……でっ……」
両の乳首にはクリップを挟んで、しかもシーツに覆われているとはいえピンと立った場所とかしとどに濡れた中心部とかが丸分かりだったし、腰を高く掲げているせいで今にもハラリとシーツが落ちてしまいそうだった。まあ、先走りの液である意味固定されているから大丈夫なのかもしれないが。
ただ、俺の放った白い液にも助けられているのか、おもちゃを奥の奥にまで挿れて振動はマックスに設定した俺の恋人は物凄く妖艶かつ淫らな感じの恍惚、いや法悦といった感じの表情を浮かべていた。
「では、おもちゃを買って来たらこのテーブルに放置しても良いですか?
医療用のパッケージと同じで、破いたらすぐに分かるようになっています。
一人寝の寂しさを感じたならば使って下さっても構いません。
ああ、パッケージごと使うというのはお勧め出来ませんよ?
体内に挿れるということは雑菌とかのリスクを負うことですからね……。貴方も医者の端くれならば常識でしょうが……。
そして、出張から帰って来た時にパッケージが破かれてない状態ならば次の『おもちゃ』でプレイしましょう」
俺の恋人はおもちゃに甘く熱く苛まれて蕩けた高い声を上げているのも物凄くクる。
「え?
雑菌って……言うなら……、今夜、生で出したのもっ……危ないだろっ……。そんくらい、分かれよな……。
それに、一人で……なんて……絶対に、しないからっ……。そんな……みっともない……コトっ……」
普段はゴムを着けている。まあ後始末が大変という意味合いも有ったが、直腸内に必ず存在する雑菌で俺の大事な息子に炎症が起こってしまったりしない用心だったが。
性病予防という観点は俺の恋人限定では無かったけれども。
たまに、つまみ食いをする人間には絶対にゴム無しではしないのは当然の防御だった。性病なんて貰ってしまったら、職業柄医師は多数知っているものの、だからこそ余計に行き辛い。
それにたまに許してくれる俺の恋人の「生」の行為は、どんなに薄いゴムを使っても拭い切れない距離感を感じることがないのでかなり気に入っている。
「今度はどんなのに致しましょうか?ああそうだ。〇ーターを先に挿れてもっと太いおもちゃで奥の奥まで挿れましょうか?
振動は有った方が良いですよね?
楽しそうなグッツ専門店には色々なバリエーションのモノが置いてありましたよ?
昔から有ったと思しき男性を模した……というか、もっと大きくディフォルメされたモノとか……。
ああいうものの味も是非味わって頂きたいものですね……」
俺の言葉のせいなのかおもちゃの効果だかは分からなかったものの、シーツから出ている華奢な脚が紅色の弧を描いて跳ねた。しかも足の指は丸まっていたので、絶頂まではもう直ぐだろう。
「吸盤付きの〇―ターも有りましたよ。
乳首に吸い付いて細かく振動を与えてくれます。
そういうのを買って来ますので……」
ベッドの白いシーツの――といっても愛の行為の後なのでくしゃくしゃに乱れているばかりかお互いの体液で濡れそぼっている――上で紅色の華奢な身体が金魚のように跳ねているのも眼福の至りだった。
「ああっ……イィっ……。なんか、さっきみたいに……身体の中から……ジワっと……快感が……溢れる……感じでっ……」
細くて綺麗な眉が寄って、その下の目は閉じられている。ただ睫毛は長いのでそこには涙の雫が宿ってとても綺麗で艶っぽかったが。
「前立腺を刺激するのは必須事項みたいですね……。
そんな甘く蕩けた顔とか高い声まで出して貰えるとは、買って来た甲斐がありました。
で、次回は吸盤付きの〇―ターで乳首と、そして下の可愛い口もそして、今ピンと立っている場所も繊細な動きで乱れてみませんか?」
単に逝くというのならば俺にだって身に覚えは有り過ぎる。だから「その」瞬間は何も考えられないことも知っている、あまりの快感のせいで。
しかし、ドライで逝くというのはどの程度聴覚が残っているかなんて全く知らないので、返事は特に期待していなかったのだが。
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最後まで読んで下さいまして誠に有難うございます。
「公認カップル~」でベッドの横のテーブルに何故あんなモノが置かれていたのかまでは書くことが出来ましたが、読者様の想像は当たっていましたか?
あと、一話か多くても二話でこの話も終わりです。最後までお付き合い下さればとても嬉しいです。
こうやま みか拝




