「ああっ……ゆ、祐樹っ……とても、悦いっ……。
深くまで……届いてっ……、いてっ……。あ、そこっ……すごく……感じるっ……。その……動きを……続けてっ……欲しっ……」
最愛の人の花園の中で一際、貪婪な感じで動いては包み込む場所が感じるのではないかと思って突いたらビンゴだった。
純白のシーツに跳ねる紅色の肢体が半ば浮き上がって、祐樹の腰に回した足で辛うじて身体を支えている。
真っ白なシーツの上に舞う紅い蝶のような最愛の人の姿を見ることが出来るのは祐樹だけだと思うと、愛しさが加速してしまって、浅く深く花園を蹂躙していた。
「あっ……その……凝った……場所っ……そんなにされたらっ……花火が連続して……爆ぜて、しまっ!あっ」
見下ろした最愛の人の紅色に染まった端整な顔が法悦に歪んでいるのも物凄く艶っぽくて、ついつい動きを止めて見惚れてしまいそうになる。
「あっ……もうっ……」
一際甘くて切羽詰まった声と共に長い睫毛から零れ落ちる涙の雫が大粒になっている。
しかし、予想していた腹部に飛び散った感覚は無くて、その代わりというか花園の中が熱くて厚いベルベットがヒクリヒクリと大きく動きながら包み込んでくれている。緻密で繊細な動きと嵐に吹かれた布のような感じも相俟って祐樹をこの上もなく愛おしげに、そして熱い物狂おしさに駆り立ててくれる。
「乾いた頂点にいらっしゃる……聡の……そのお顔は……、普段よりももっと……艶やかさと紅い瑞々しさに……満ちていて……素敵過ぎます……。
そのお顔だけでなくて、極上の花園の……精緻な動きで、私を昂ぶらせて……下さっているのも、天国に……近い場所……ですね。
油断すると、直ぐに……爆発してしまいそうです……。
どちらが良いですか?奥処にばら撒くのと……凝った場所に……当てるのと……では?」
今回の場合は、祐樹一人の勝手な嫉妬と独占欲だと理性では分かっている。
最愛の人に何ら落ち度が有ったわけでもないし、独りよがりというか勝手な「一目惚れ」を――まあ、あれほどの勢いで来られるとは思いも寄らなかったが――冷淡かつキッパリと断って良いのは高校生の時くらいだろう。
社会人として普通の対応をしていただけだとは分かっている。まあ、屋上に誘われた時には警戒していなかったのは物凄く気になるが、最愛の人のある意味「鈍感さ」も加味すれば仕方ないのかもしれない。
だから、その贖罪の代わりに最愛の人の望む形で、一回目の愛の行為はピリオドを打ちたかった。
「奥の奥まで……濡らして欲しい、祐樹の……でっ」
紅色に染まった頬に水晶のような涙の川が流れているのもとても綺麗だった。
そして紅いシルクのような唇から甘い声を紡いでいるのも。
「分かりました……」
いったん門の辺りまで退いて、凝った場所の心地よい弾力を先端部分で二回味わっていると最愛の人の唇がシルクを引き裂いたような妙なる声を零している。ついでに唇の端からも水晶の雫も転がり落ちている。
「聡の……極上の花園……いつも以上に、素敵な動きで……包み込んで下さって、いますね。もう、限界です」
ベッドの軋む音が一際高く部屋に響いた。
「ああっ……悦っ……。頭の中っ……真っ赤と真っ白の……」
祐樹の腰にクロスした最愛の人の脚の力が強くなったかと思った瞬間に、祐樹も禁を放った。
同時に腹部にも暖かい白い蜜が飛び散ったのを感じた。
「すみませんでした。大人げなく嫉妬してしまって……」
嫉妬の理由を説明しようかと一瞬思ったものの、何だか言い訳がましくなるような気がして、唇を重ねるだけに留めた。
「どうしてだ?嫉妬は愛情の裏返しなのだろう……。だから逆に嬉しかった。
ほら、世界の名言集にそういう言葉が書いてあった。『愛情の反対は無関心』とかも有ったな……。世界中の誰でもなくて、祐樹だけにこんなに愛されているのかと思うと嬉しかった。
最初は正直戸惑ったが……。
ただ、私も祐樹が綺麗な男性に囲まれていて、しかも満更でないような笑顔を――今は祐樹が内心どう思っているか何となく分かるようになったが――浮かべていたら、心が物凄くざわめいてしまうだろうから、お互い様だと思う」
一つの枕の上で額がくっつくほどの距離で向かい合っていると、それだけで幸せだった。
心も身体もお互いで満たされていくような。
「今夜の愛の交歓で思い知りました。
貴方が公的な場所で涼しげで端整な雰囲気を纏った『高嶺の花』として誰もが称賛を浴びせるのはある意味当然なのですが、こういうふうに瑞々しい艶やかさとか乱れた肢体を見せるのは私限定なのですよね?」
「当たり前だ」という答えを期待していたが、祐樹の腕に頭を載せた最愛の人は戸惑った表情をしている。
そういう無防備な顔を見るのは心が弾むものの、何故そこで戸惑うのかが分からない。
「もしかして、他の人にも見せたいのですか?」
それはないだろうと思ってはいたが、愛の行為の後の戯れの一環として聞いてみた。
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何とか瀕死のパソが動いているウチにと書きました。
雑談記事とかなら、アイパッドで大丈夫なのですが、小説はやはりPCでしか書けないです。
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