「故障中の為このトイレは使用不可能です」との――素っ気ない文面と商売っ気が全く感じられない感じがこの建物には相応しいプレートだったが、今の祐樹には大歓迎の内容だったので弾んだ気持ちと身体の昂ぶりを一時抑えて、音がしないように扉を開けた。
ジャズの演奏会という催し物が開催されてはいるし、メイン会場とか屋台のスペースにはかなりの人出があったが――国宝級の展示物などが一般公開されているわけでもないので――警備員の数とか、守るべき重要な物がほぼない感じだったので、警備員の気も多分弛んでいるだろうし、事実今までガードマンの姿は見たことがなかったのでよほど職務に燃えた警備員が変に思ってトイレのドアを開ける可能性は低いだろうし、呑み過ぎて切羽詰まった人間が居たとしてもこのプレートを見たら――女性用だったら話は別だが――最悪外で用を足そうとするだろう。何しろ周りは芝生と木立しかない閑散とした場所なので、男性だったら闇に紛れることは充分可能だ。
古い建物にありがちな、密閉感を重視した作りなだけに祐樹がプレートを下げたトイレのドアは一般家庭の普通のドアと同じく隙間がないので光は漏れないように作られているのも好都合だった。
煌煌と明かりの点いた空間をワザと足音を殺して歩いていく最中にも期待に胸が弾んだ。本当に「密会」というか「慌ただしい情事」を企んでいる気分になってウーロン茶で潤したハズの咽喉が乾いた感じは久方振りのことだったので却って新鮮だった。
一番奥の個室のドアを必要最低限の音を立てて二回ノックしてからきっかり十秒後にもう一度ノックした。十秒という時間がやけに長く感じたのは、多分中に居る最愛の人も同じだろうが。
カチリと鍵の開く音と共に重厚なドアが僅かに開いた。
素早く個室に忍び込んでドアを後ろ手で閉めて鍵を掛けながら最愛の人の濃い紅色に染まった艶っぽい容貌や肢体を眺めた。
蛍光灯ではなく、ランプの灯りに照らされたしなやかな肢体は肝心の場所だけが素肌を晒しているのも扇情的で更に色香を放っていた。
「お待たせしました、か?」
襟ぐりが深い伸縮性のあるサマーニットとはいえ、両のルビーの尖りを肩から下ろして空気に晒すのは不可能だったのだろう、滑らかな紅色の引き締まった下腹部からたくし上げられている様子も絶品だった。
スラックスも下着ごと中途半端な感じで素肌を晒しては育ちきった先端から水晶の雫が煌めいている。
「待ち焦がれて……いた、祐樹を」
艶やかな紅色に染まった紅い唇が震えながら健気な言葉を紡いで接吻を強請るように花のように綻ぶのもとても綺麗な蠱惑に満ちている。
「ああ、せっかくですから、窓を開けましょうか?方向的にジャズの音色が拾えるハズです」
潤んだ瞳が羞恥に揺れているのも綺麗で、正直ジャズの演奏はどうでも良かったものの嬌声を必死で耐える最愛の人の艶姿をこの目で見たくて窓を僅かに開けた。
「ゆ……祐樹っ」
羞恥に震える紅い唇を唇で塞いで制止する声を防ぐ。揺れる眼差しは必死に訴えているのをワザと気付かないフリをして、薄い唇の輪郭を舌で辿りながら合わせ目が綻ぶのを待った。
ジャズの旋律が微かに風に乗って運ばれてくる。
諦めたのか、それとも肢体の熱に煽られたのか最愛の人の唇が花よりも綺麗に綻んで祐樹の舌を空中で絡め取った。
祐樹の背中に縋るように回された腕も微かに熱く震えているのも「密会」に相応しい秘め事めいた香りがする。
「声や気配を……極力殺して下さいね。不審に思って誰かが入って来たら聡が嫌でしょう?
この個室までは誰も入って来られないとは思いますが……、聞き耳を立てられる程度のことは覚悟しておいた方が宜しいかと思いますので」
唇を僅かに離して言い聞かせるように瞳と額を合わせて念を押した。人が入って来る可能性はごく僅かしかないことを祐樹は当然知っていたが最愛の人は知らないので、羞恥の煌めきが期待に艶めく濡れた眼差しに精緻なアクセントを添えてとても綺麗だった。
「ここも慎ましやかな紅さで煌めいていて……とても綺麗ですね。普段ならゆっくりと愛したいルビーの尖りですけれど……人が来たらマズいでしょう?
それとも声を聞かせて、更に人を呼びましょうか?私はそれでも構いませんが……」
胸の慎ましげに煌めく二つの尖りを指で小刻みに弾くと、紅く染まった戦慄く唇を甘く閉ざす代わりにしなやかな肢体が弓なりに反った。
その動きを利用して最愛の人の肢体を反転させる。
紅く染まった細く長い指に握られた祐樹のハンカチが蝶のように羽ばたくのも印象的だったが。
「私のスラックスをはだけるか、瑞々しい双丘を指で開くか……、どちらかを選んで下さい」
声を最小限まで絞って紅く染まった耳朶に囁いた後に、甘く噛んだ。
甘いジャズの旋律よりも甘いため息が微かに聞こえて二人きりの密室の愛の空気の濃密な感じを更に紅く彩っていくようだった。
ジャズの演奏会という催し物が開催されてはいるし、メイン会場とか屋台のスペースにはかなりの人出があったが――国宝級の展示物などが一般公開されているわけでもないので――警備員の数とか、守るべき重要な物がほぼない感じだったので、警備員の気も多分弛んでいるだろうし、事実今までガードマンの姿は見たことがなかったのでよほど職務に燃えた警備員が変に思ってトイレのドアを開ける可能性は低いだろうし、呑み過ぎて切羽詰まった人間が居たとしてもこのプレートを見たら――女性用だったら話は別だが――最悪外で用を足そうとするだろう。何しろ周りは芝生と木立しかない閑散とした場所なので、男性だったら闇に紛れることは充分可能だ。
古い建物にありがちな、密閉感を重視した作りなだけに祐樹がプレートを下げたトイレのドアは一般家庭の普通のドアと同じく隙間がないので光は漏れないように作られているのも好都合だった。
煌煌と明かりの点いた空間をワザと足音を殺して歩いていく最中にも期待に胸が弾んだ。本当に「密会」というか「慌ただしい情事」を企んでいる気分になってウーロン茶で潤したハズの咽喉が乾いた感じは久方振りのことだったので却って新鮮だった。
一番奥の個室のドアを必要最低限の音を立てて二回ノックしてからきっかり十秒後にもう一度ノックした。十秒という時間がやけに長く感じたのは、多分中に居る最愛の人も同じだろうが。
カチリと鍵の開く音と共に重厚なドアが僅かに開いた。
素早く個室に忍び込んでドアを後ろ手で閉めて鍵を掛けながら最愛の人の濃い紅色に染まった艶っぽい容貌や肢体を眺めた。
蛍光灯ではなく、ランプの灯りに照らされたしなやかな肢体は肝心の場所だけが素肌を晒しているのも扇情的で更に色香を放っていた。
「お待たせしました、か?」
襟ぐりが深い伸縮性のあるサマーニットとはいえ、両のルビーの尖りを肩から下ろして空気に晒すのは不可能だったのだろう、滑らかな紅色の引き締まった下腹部からたくし上げられている様子も絶品だった。
スラックスも下着ごと中途半端な感じで素肌を晒しては育ちきった先端から水晶の雫が煌めいている。
「待ち焦がれて……いた、祐樹を」
艶やかな紅色に染まった紅い唇が震えながら健気な言葉を紡いで接吻を強請るように花のように綻ぶのもとても綺麗な蠱惑に満ちている。
「ああ、せっかくですから、窓を開けましょうか?方向的にジャズの音色が拾えるハズです」
潤んだ瞳が羞恥に揺れているのも綺麗で、正直ジャズの演奏はどうでも良かったものの嬌声を必死で耐える最愛の人の艶姿をこの目で見たくて窓を僅かに開けた。
「ゆ……祐樹っ」
羞恥に震える紅い唇を唇で塞いで制止する声を防ぐ。揺れる眼差しは必死に訴えているのをワザと気付かないフリをして、薄い唇の輪郭を舌で辿りながら合わせ目が綻ぶのを待った。
ジャズの旋律が微かに風に乗って運ばれてくる。
諦めたのか、それとも肢体の熱に煽られたのか最愛の人の唇が花よりも綺麗に綻んで祐樹の舌を空中で絡め取った。
祐樹の背中に縋るように回された腕も微かに熱く震えているのも「密会」に相応しい秘め事めいた香りがする。
「声や気配を……極力殺して下さいね。不審に思って誰かが入って来たら聡が嫌でしょう?
この個室までは誰も入って来られないとは思いますが……、聞き耳を立てられる程度のことは覚悟しておいた方が宜しいかと思いますので」
唇を僅かに離して言い聞かせるように瞳と額を合わせて念を押した。人が入って来る可能性はごく僅かしかないことを祐樹は当然知っていたが最愛の人は知らないので、羞恥の煌めきが期待に艶めく濡れた眼差しに精緻なアクセントを添えてとても綺麗だった。
「ここも慎ましやかな紅さで煌めいていて……とても綺麗ですね。普段ならゆっくりと愛したいルビーの尖りですけれど……人が来たらマズいでしょう?
それとも声を聞かせて、更に人を呼びましょうか?私はそれでも構いませんが……」
胸の慎ましげに煌めく二つの尖りを指で小刻みに弾くと、紅く染まった戦慄く唇を甘く閉ざす代わりにしなやかな肢体が弓なりに反った。
その動きを利用して最愛の人の肢体を反転させる。
紅く染まった細く長い指に握られた祐樹のハンカチが蝶のように羽ばたくのも印象的だったが。
「私のスラックスをはだけるか、瑞々しい双丘を指で開くか……、どちらかを選んで下さい」
声を最小限まで絞って紅く染まった耳朶に囁いた後に、甘く噛んだ。
甘いジャズの旋律よりも甘いため息が微かに聞こえて二人きりの密室の愛の空気の濃密な感じを更に紅く彩っていくようだった。
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昨日はダウンしてしまいまして更新が不可能だったことをお詫び致します。
今日もヘロっていますので、二話更新出来るかどうか微妙です。
大変申し訳ありません。
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最後まで読んで下さって有難う御座います。
こうやま みか拝
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