「ゆ……っ……祐樹……っ、その氷……っ花園の中に……っ、挿れて……っ、欲し……っ」
 普段の静謐な怜悧さと愛の交歓の時の無垢な淫らさの落差が最高にそそられて、祐樹の欲情の象徴がバスローブを押し上げているのを自覚した。きっと悦楽で理性のタガが歪んでしまったのだろう。とはいえ、付き合い始めの時とは異なって最愛の人が愛の交歓の時に完全に理性を手放していないことも知っていた。理性よりも愉悦の予感が(まさ)っているのだろうなと予想した。きっと胸の尖りで感じる氷の快楽が思いのほか()かったのだろう。彼のこういう奔放に乱れた姿と(あで)やかな小さな声を味わうことが出来るのは祐樹だけだと思うと優越感すら抱いてしまう。彼がリクエストした水晶のように煌めく氷の挿れる場所は先ほどベッドで祐樹が奥の奥処で真珠の放埓をばら撒いた処だ。立って歩いたせいできっと真珠の雫も花園を伝って花園の門や紅色に染まった艶やかな素肌に宿っているかもしれない。
「聡、この姿勢ではお望みの場所に挿れることは不可能です……。後ろを向いて腰を高く上げてください……」
 紅く熟した胸の尖りを氷で(そそのか)すように強く押した。
「あ……っ、気持ち……()……っ。分かった……」
 紅色に染まった肢体が白い大理石の上を蝶のように動くのも最高の眺めだ。熟した白桃の紅色の部分のような双丘が祐樹の目の前に惜しげもなく晒された。先ほどの高校でのデートの時に比べて少し湿度が高いような気がしていたけれども、どうやら曇り空だったらしい。ただ、その雲がちょうど切れ間になったのか、月光が澄んだ青い光で彼の艶やかな素肌を照らしている。引き締まった脚の内側に宿った真珠の雫や、しどけなく、そして愛の行為の余韻で真っ紅に染まった花園の門とその花襞に真珠のネックレスのような鈍い煌めきを放っている。其処に青い月の光が射して幻想的な美しさで満ちていた。
「ゆ……祐樹……っ?」
 焦れたような声と細くて綺麗な指が双丘を(みずか)ら開いていく仕草も煽情的だった。
「聡の肢体、特に双丘と花園が私との行為の余韻であまりにも綺麗でしたので、月の妖精かと思って見入ってしまっていました。直ぐに挿れますね……」
 声が上擦ってしまったのはある意味仕方ないだろう。昔から月は人を狂わせると言われているし、祐樹も月光そのものではなくて降り注ぐ蒼い光に照らされて真珠というよりオパール、いやどちらかというとブラックオパールの妖しい美しさに魅了されていた。紅の指が焦れたような動きで極上の花園を割り()いていて、その肌に宿った真珠の粒も多彩な煌めきを放っている。しどけなく開いた花園の門に氷をヒタリと当てて様子を窺った。床に付きそうになっている胸の尖りにも水晶のような氷を強く押しあてていたが。
「あ……っ……熱くて……っ……、冷たく……っ……とても……っ、()……っ」
 小さな婀娜(あだ)めいた声も欲情に濡れている。最愛の人の極上の花園に挿れるのは祐樹の愛情と欲情の象徴だけだったので、少し案じていたが心配はなさそうだった。大人のおもちゃなどは抵抗が有る最愛の人がどれだけ受け入れてくれるかは未知数だったので。いい加減冷たくなった指で氷をツプリと挿入した。
「ゆ……祐樹……っ、其処は……っ」
 先ほどよりも熱く乱れた声が高く低く切れ切れに上がっている。
「ええ、聡の、弱い場所ですよね……?此処をじっくりと愛したいのはやまやまなのですが……、氷が溶けそうなので短時間で我慢します……」
 最愛の人の背中が綺麗な弧を描いて空間を紅色の刃で切り裂くようだった。
「ゆ……祐樹……っ、また……っ、大きな……っ、蒼い花火が……っ……頭の……っ中で……次々と……っ、爆ぜているようで……っ」
 一際大きく(たわ)んだ肢体が強張ったり弛緩したりしている。強すぎる愉悦を余すところなく伝える最愛の人の無垢で淫らな動きは多分乾いた絶頂の大波にさらわれているのだろう。指で届く最も深い場所まで氷を挿れた。
「あ……っ……、ゆ、祐樹……っ、冷たく……っ、そして、とても……熱くて……っ、怖い……っ……」
 未知の快楽に翻弄されている最愛の人の紅の肢体が紅色の魚のようなしなやかさで跳ねている。
「聡……そろそろ、私の愛情と欲望の象徴を花園の中に迎え入れて下さいますか……?……それと、上下の階には聡の愛らしい声が聞こえてしまいますよ……。少しだけ嬌声を抑えて下さらないと……」
 これはもちろんブラフ(はったり)で理事達も一人で一部屋が用意されている。祐樹はごくごく当たり前のように彼の部屋に来ているが、祐樹の客室も別にあった。女性の居る店ならともかくバルコニーでアルコールを楽しむような先生達はいないだろう。だだ、羞恥心が悦楽を深くすることは知っていたので言葉で煽ってみただけだ。
「分かった……っ……、ただ……っ」
 熱い喘ぎと共に紡ぎ出られた言葉が淫らな蠱惑に満ちていた。




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