腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します 申し訳ありませんが書く時間を最優先にしたいのでリコメは基本的に致しません。 要望・お礼などは「日記」記事でお応えしますが、タイムラグがあることも多いです。

2024年12月

気分は下剋上 クリスマス 最終話 2024

「あぁ……っ!ゆ……祐樹……っ、とても……っ、悦……っ!祐樹の熱い……っ飛沫(しぶき)が……脳を……赤いマグマのように……っ、溶かしていく……っ、ようで……っ」
 紅色に染まった口から甘い断末魔の声が聞こえたのと同時に祐樹の腹部に熱い真珠の放埓が勢いよく飛び散っているのも快感と共に満足感を覚えた。
「聡、愛しています。それはそうと……。今回の聡の愛らしく艶やかな声、クリスマスカラーの赤にまつわるモノしか仰っていませんでしたが、それは意図したことなのですか?」
 いつもよりも不自然な体勢は最愛の人の負担になるかと思って繋がりを解いた。
「あ……っ」
 名残惜しそうな声が純白のシーツに花びらのように落ちている。
「いや、無意識だけれども……。ロビーで見た見事なブリザードフラワーのせいで、そう感じたのかも知れない、な」
 真っ赤な薔薇の花弁のような花園が祐樹の退く動きのせいでチラリと覗く。薔薇の花弁に真珠が宿っているようでとても綺麗だった。そして祐樹の先端部分と満開の紅い花のような門との間につかの間の白いアーチが掛かっているのも最高過ぎる眺めだ。
「最愛の聡……、すっかり、奥処の奥で私の白い飛沫を浴びるのが癖になりましたね……」
 弛緩した身体が元に戻った後に紅色の秀でた額や(まぶた)にキスをしながらツンと尖った二つの胸のルビーにゆうるりと指で輪郭と硬さを確かめた。最愛の人は満足げな吐息を零している。
「祐樹、愛している。そうだな……。祐樹にされて()くないことは全くないのだけれども、最も感じるのが其処になった……」
 怜悧で健気な言葉を紡ぐ最愛の人の艶やかな声に聞きほれた。そして唇ではなくて紅色の細くしなやかな指に恭しく口づけをした。
「少し落ち着いたら、ロビーに降りて一際大きなクリスマスツリーを見に行きませんか?シャワーで二人が繋がった場所などを洗い流すのに時間が掛かりますよね?だったら人も(まば)らになっているでしょうし……。聡の『月光』は本当に素晴らしかったです……この指がとても器用なのも存じていましたし、見ただけで覚える秀逸過ぎる記憶力と身体能力なのも知っていましたが、ピアノを演奏して下さるとは思いも寄らかなったので嬉しいサプライズでした。今でも頭の中では聡が私のために演奏してくれた『月光』がエンドレスでリピートしています、よ」
 しなやかな指にキスを落としながら真剣な口調で告げた。
「そうか。それはとても嬉しい……。バーの支配人だか責任者だかは知らないが関さんや他のスタッフにワガママを言って、私が演奏することを内緒にしてもらった甲斐があったな……」
 薔薇色の微笑みと愛の交歓の余韻の艶めいた声は祐樹だけの独占だ。

 

 

「毎年ツリーが変わるのだな……。以前は樅ノ木(もみのき)にプレゼントの箱……といっても中身は入っていないだろうけれども。そういう古典的なツリーだった。しかし、真っ赤な薔薇のブリザードフラワーで飾られたツリーも素敵だ」
 一階に降りてきたら案の定人気(ひとけ)はなかった。しかし、暖炉には奇跡的(?)に火が残っていた。
「暖炉も人工の燃料ではなくて本当の(まき)を使ったらもっと風情が有りますよね?暖炉のような人体に危険のない火は人を安心させる効果があるようです。そういう火を貴方と一緒に見たいと思っています。ちなみに……」
 最愛の人のしなやかな指に着けているダイヤモンドの指輪を手首ごと持ち上げた。
「こういう煌めきのあるモノに人間が惹かれるのは水を欲した祖先の記憶だそうですよ」
 左手の薬指にキスを刹那のキスを落とした。人がいないことは気配で分かっていたので。
「またクリスマスには遅れてしまいましたが、貴方へのプレゼントとして……」
 シャワーを浴びたとはいえ、愛の交歓の名残りを残す潤んだ切れ長の目を瞠っている。
「祐樹のクリスマスプレゼントか……?それは楽しみだ……。何か用意する物はないのか?」
 具体的に言うのはヤボなのでヒントだけにしよう。
「防寒着が必要ですね。何でもフード付きのが良いそうです。後はマフラーを編んで頂けますか?今の流行りは単色だそうですよ。私のクリスマスプレゼントなのに貴方に負担させるのは心苦しいのですが……」
 彼は朝露に濡れた大輪の紅い薔薇のような笑みを浮かべている。
「マフラーとかセーターや手袋を編むのは大好きな作業なので却って嬉しい。雪に関係があるのだろう?だったら防寒も当然必要なので、準備から楽しい。
 いや、正確には祐樹とクリスマスを共に過ごせたこと、そして毎年絶対に祐樹と一緒に過ごせるという確信が有ることが更に嬉しい、な」
 最愛の人がさり気なさを装って辺りを見回している。二人で並んで座っている暖炉の傍の椅子だけでは後ろを見ることが出来ない。普段、周囲に目を配るのは祐樹の役目だったので、彼が何の意図でその動作をしているのか分かってしまう。
「祐樹、心の底から愛している。生涯一緒に居て欲しい」
 最愛の人の手を取って付け根まで強く絡めた瞬間に薄紅色の唇が祐樹の唇と重なった。頭の中では祐樹のための「月光」が流れていて心に沁みるキスだった。

    <完>





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気分は下剋上 不倫騒動 117

「分かりました。呉先生は?」
 レイコーというモノを最愛の人は知っているらしくごくごく平静な表情だ。
「俺はアイスコーヒー砂糖とミルク入りでお願いします。教授はそのゲイバーのレジェンドなんですね。凄いです!!だったら、一度ご一緒しませんか?」
 呉先生は怖いモノ知らずというか、天然というか……物凄く恐ろしいコトを言いだした。
「えっ?」
 コーヒーの準備をしていた彼は、カシャンとスプーンをシンクに取り落としている。普段そういうミスをしない彼にしては珍しいがそれだけ驚いたのだろう。
「え!?それは……貴方がいらっしゃるなら仮病を使ってでも救急救命室を休んで一緒に付いて行きます!!心配で胃に穴が開きそうですから!!」
 必死の形相で言いつのっていたのだろう、杉田弁護士はチェシャ猫が鰹節(かつおぶし)を目の前にしたような笑みを浮かべている。
「祐樹も一緒に行ってくれるのか?」
 最愛の人の怜悧な声に脱力した。最愛の人は真面目な性格なので冗談は苦手だ。日本語では特に。しかし、たまに天然なところが有って人間味を感じるが、この発言は冗談ではなくて()なのだろう。
「でも、田中先生、常連さんが会話を交わす社交の場なんですよね?だったら問題ないのでは?」
 呉先生も祐樹を論破しようという気迫に満ちているような気がした。
「いや!それは……、この不倫問題が片付いた時にまた話しましょう。内田教授の医局も大変な騒ぎになっているらしいので。連携しているウチとしては早期に解決させるべく助力を惜しまない姿勢を見せるべきです」
 話を本筋に戻すと共に、最愛の人が「グレイス」への興味を忘れてくれることを祈ってしまう。
「そうですね。その件についてはおいおい話すとして。杉田弁護士と香川教授はこれから内田教授と教授がお互いの配偶者とお会いになるんですよね?その場にご一緒したいです。というのも、配偶者の不倫を知った人はメンタルを病む人がとても多いのです。特に……その、信頼していた配偶者の性行為、法律的には不貞行為って言うんでしたっけ……?」
 華奢な首を傾げた呉先生は杉田弁護士をプロとして尊重しているのだろう。
「不貞行為だね。『婚姻を継続し難い重大な事由』の一つだ。呉先生は不定愁訴外来……ということは精神科かな?」
 ひとまず「グレイス」行きについては有耶無耶になったことに祐樹は心から安堵した。
「精神科に名前だけ所属はしています。ただ、精神科の教授と大喧嘩してしまって……」
 杉田弁護士は、おやおやといった表情を浮かべている。春の日差しに爛漫と咲いているスミレの花といった風情の呉先生と大喧嘩というフレーズは似つかわしくないのも確かだ。また、教授と大喧嘩した場合は系列の病院に左遷されるという大学病院の習慣を知っているという点もあったのだろう。
「精神科の真殿教授はインフォームドコンセントが主流の今もパターナリズム(父権主義)を信仰していらっしゃいますから、衝突するのも仕方のないことなのです」
 一応助太刀の積もりで言い添えた。
「そうなのかい。真殿教授とやらは停年で辞めるか、医局内クーデターで追われるかの二択かもしれないね。内田教授が成功させたんだろう?香川教授から聞いたのだがね。だったら他の科でも可能じゃないのかな?」
 その爆弾発言に内心驚いた。真殿教授に対して思い入れは特にない。というか、心臓外科と精神科の交流などほぼないのだから、ある意味当然だ。しかし、呉先生がパリ大学での講演を成功させた輝かしい実績がある。
 そして、例の地震の時に最愛の人と祐樹が才能を見出した清水研修医は精神科所属だが、救急救命室の助っ人として一緒になることが多い。清水研修医は京都で最も大きい私立病院の御曹司で、医師としての才能もさることながら大局を見通す目を持っている。久米先生と同じ年だと記憶しているが、街のクリニック経営のお父様を持つ久米先生よりも遥かに戦略的に動いているといった感じだった。いずれは実家の病院を継ぐだろうが、それまでは精神科で猫を被りつつ雌伏(しふく)している感じだ。研修医なので医局での発言権はほぼないが、清水研修医は医局の面々のことを密かに観察しているのが言葉の端々で分かった。
 ウチの大学で海外の学会に呼ばれるのは救急救命室の北教授に次ぐ二番目が呉先生なので真殿教授もその実績には太刀打ち出来ないのも事実だ。だとしたら、精神科の医局クーデターを起こさせることも考える価値はありそうな気がした。
「重度の精神病も婚姻を継続し難い重大な事由に含まれるよ。今流行りの……というと語弊があるが、DVなんかもそうだけれどもね。ちなみに今挙げた3つの例は有責配偶者、つまり不倫したり重度の精神病だったりした人から離婚を言い出すことは出来ない」
 呉先生は感心したように頷いて聞いていた。
「でっち上げDVというモノが有ることを伺って、今長岡先生とウチの三好看護師が山看護師の身体に(あざ)とか打撲の痕がないかどうかを念のために診て貰っています」
 杉田弁護士は感心したように頷いている。
「冷コーです。味は保証出来かねますが……」
 最愛の人が応接用のソファーに座っている杉田弁護士の前にアイスコーヒーを置いた。祐樹にはアイスコーヒーにしか見えないのだがどう異なるのだろう?




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気分は下剋上 クリスマス 26(I8禁) 2024

「え……っ?そのう……」
 紅色の唇から銀の糸が滴っている様子もとても綺麗だったが濡れた眼差しが困惑に揺れている。
「交わりの……形を変えるのは……普通なのか……?」
 いったん蠱惑的な花園から退くことにした。名残は惜しいものの、世界で一番大切な彼に誤解を与えたくなかったので。
「普通はそうですよ。と言っても拙い経験とハウツー本でしか知らないですが。ただ、聡の極上の花園は魅惑に富んでいますから、変えるまでもなく頂点を極めてしまうのです。聡は果てるまでの時間もお気になさいませんよね?」
 赤珊瑚のような胸の粒を爪で弱く弾きながら説明することにした。祐樹の指の動きに薔薇色の息吹が花びらのように舞う錯覚に捕らわれる。そして純白のシーツから紅色の肢体が僅かに浮き上がるのも素敵過ぎるな眺めだ。
「え?だって、祐樹が私の中で絶頂を迎えてくれるのが嬉しくて……時間など気にしたことは全くない」
 赤珊瑚の粒がルビー色に変わっていくのも蠱惑的な眺めだった。
「早漏とか遅漏とか聞いたことはないですか?」
 最愛の人が祐樹以外に身体を許したのは一回だけで、それだって祐樹がゲイバーで口説いている場面を目撃したショックのあまりにアメリカに行って二度と日本に帰国しないと決めていた頃だったと聞いている。そして、その相手というのが祐樹に似た日系人らしかった。その(・・)()のクラブで出会った人で当然安全な性行為をしたとも。そして何の感慨もなく抱かれて(こういうものか)と思ったと彼が言っていた。秀逸過ぎる記憶力の持ち主だが、初体験のことはもしかして細部まで覚えていないのかも知れない。だったら医学的知識で説明する(ほう)が早い。専門性に特化した大学病院だが、今二つのルビーの尖りのごく狭い先端部分を祐樹の指で撫でている人は医学全般に該博な知識を持っている。早漏などは確か泌尿器科に行くのが良いとうっすらと祐樹は記憶している。
 最愛の人は祐樹との愛の交歓の時に限って医学的な知識を頭のどこかに封印している(ふし)がある。祐樹も実は同様で、前立腺だのペニスだのは言いたくない。彼との愛の交歓は医師であることをすっかり忘れた単なる熱烈に愛し合う恋人同士という位置づけが二人の暗黙の了解だった。
「若い頃は早漏で……加齢と共に遅くなっていくというのは……。あ…っ、胸……()……っ。とても感じる……頭の中に紅い火花が散っているようで……っ」
 もっとと強請るように汗の雫を纏った紅色の肢体が綺麗に反っている。
「学生時代とかだと早くなるのは仕方ないのですが、聡の魔性の魅惑に満ちた天国のような花園はついつい欲望が加速、いや暴走してしまって早くなってしまいます……。だから交わりの形も変えることなく終わってしまいますので……。そのせいで聡が私の行為だけを体験して同じ体勢でフィニッシュを迎えるのが当たり前だと思い込んでしまったのですよね。しかし、何度も交わりの態勢を変えるのはお粗末な『道具』というか相性の悪い相手なら当たり前のコトですよ……。聡は『もっと強く貫いて欲しい』とか『奥まで一衝きで』など仰いますが、魅惑的過ぎる極上の花園の動きだけで真珠の白濁を放ってしまいそうになります。そういう人は私も知りません。きっと私のためだけに誂えられた名器なのでしょう。聡の今宵のリクエストを叶えて差し上げたいので、私の身体の上に乗ってくださいませんか?」
 祐樹の切々とした言葉に納得したような表情を浮かべている。
「分かった……」
 汗の雫を纏った紅色の肢体が幾分気だるげに動いて祐樹の屹立に花園の門を近づけくれた。
「祐樹の大粒の雫で難なく……っ……」
 先ほど祐樹の律動で双丘が熟れた桃のような色に染まっているのも最高過ぎる眺めだった。
「あ……っ、奥まで……・っ、開かれていく……っ感じが堪らない……っ」
 彼が身体の上に乗っているので二つのピンと尖った二つの尖りや、怜悧な顔に紅色の艶やかさとキスのし過ぎ、いやその前に唇で祐樹の愛情と欲情の象徴を愛してくれた余韻も相まって唇も紅色に染まっている。祐樹も腰を上へと突き上げた。
「ゆ……っ、祐樹っ……頭の中が真っ赤な大輪の花火が爆ぜているよう……で……っ」
 最愛の人が腰を落とすのと同時に祐樹の腰を上へと動かした。
「あ……っ」
 喘ぎ声で閉じられなくなった唇から銀の糸が細い顎に川のように伝っている。そして祐樹の素肌に大粒の汗の雫が雨のように滴っている。
「ゆ……っ、祐樹っ……もう……っ。奥の奥まで届いて……っ」
 強張った肢体が限界を訴えている。綺麗な弧を描く眉も甘い断末魔を(こら)えているせいか眉根が寄っているのも最高にセクシーな眺めだ。祐樹の先端部分も、花園の貪婪な動きではなくて祐樹を熱いゼリーのように包み込む感触に背筋に電流が奔ったような気がする。
「私も、です……。身体の上で淫らなダンスを踊って下さる聡を見ているだけで……真珠の放埓を放ちたくなるのに……熱く厚いシルクの花壁……そして奥処の更に奥の良さ……最高に良い……」
 うっかり先に熱い真珠の放埓をばら撒いてしまった。




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気分は下剋上 不倫騒動 116

「すみません。どこかでお会いしましたっけ?不定愁訴外来の呉と申します。どうか宜しくお願いいたします」
 呉先生の外見は可憐な野のスミレといった風情なのは本当だが、怒らせたら非常に怖い。だから祐樹も内心で思っているだけで口に出したことはない。ただ、杉田弁護士の飄々とした感じで言ったのが奏功したのか呉先生は怪訝そうな薄い笑みを浮かべているだけだった。
「香川教授と田中先生が出した本のパーティで同席した。と言っても会話をしなかったので呉先生はお忘れかとも思う。厚労省の森さんと一緒だっただろう?彼は恋人かね?」
 呉先生の頬がさっと赤くなった。そういえば、優れた容姿に無頓着な最愛の人がどれだけ強くそういう性癖を持つ()の目を惹くかゲイバー「グレイス」で立証したことがある。その時に森技官にも協力を頼んでいて、杉田弁護士と森技官は会話している。……その立証が上手く行って最愛の人と祐樹が「グレイス」を出ようとした時に、森技官が割と綺麗な男性を口説くとか言っていたような気がする。森技官は祐樹と異なって本命の恋人にバレなければ火遊びをしても構わないと思っている(ふし)もあるので、あの時の祐樹は臭いモノには(ふた)というか、見ないようにして帰宅した。最愛の人は全く知らないが。
「ええと……」
 呉先生の目が泳いでいる。こういう雑談をして良いかどうかを最愛の人に視線で確かめた。彼は山看護師の事情聴取での疲労回復とばかりに活き活きとした花のような笑みを浮かべているので、続行が良さそうだ。ただ、一度パーティ会場で会っただけの人間に同性愛者だとカミングアウトするというのはかなりの勇気が必要だろう。
「学生の頃に杉田弁護士と初めて会ったのはゲイバーなのです。私は『一夜の恋人』今思えば『性欲の発散』のために通っていました」
 最愛の人が気を悪くしていないだろうかと気になって密かに視線を遣った。しかし彼は何だか懐かしそうな笑みを浮かべている。偶然見てしまった、祐樹()綺麗な男性を口説いている場面、実際は顔面偏差値53程度の男性が祐樹を口説いていたのが正しい。そのことにショックを受けた件は既に最愛の人にも完全な過去になってしまったのだろう、喜ばしいことに。
「ただ、そのゲイバーは一風変わっていまして、男性同士の出会いの場という側面も確かにあるのですが、酔った女性って甲高い声で話したり笑ったりしますよね。そういう騒々しい人達が居ないので常連同士がゆっくりと酒と会話を楽しむ場所としても重宝しています。杉田弁護士はどちらかというと後者が目的で通って来ていますよね?」
 要するに少数派の性的嗜好の持ち主に対して全くの偏見とか差別意識を持っていない人だとアピールした。
「いやぁ、私だって若い頃には色恋沙汰も楽しんだよ。しかし、田中先生、いや学生だから先生ではなかったな。それはともかく田中先生とか香川教授が通って来ていた時期にはすっかり顧問というか長老みたいな存在だった。実際、田中先生の紹介で救急救命室の杉田看護師と結婚したしね。だから根っからのゲイではないとは思う。話が脱線してしまったが呉先生、どうだね?『グレイス』に来て香川教授と並ぶレジェンドになってみないかね?」
 祐樹は最愛の人の凛と咲く大輪の花のような風情の人が好みだが、呉先生の風にも耐えない風情の可憐な野のスミレを好きな人だってたくさんいる。特に森技官のように自分に自信があって庇護欲を持ち合わせている人だと呉先生に「お酒を奢る」だろう。
「教授も行かれたことが有るのですか?」
 鈴のような目を瞠って聞いている。
「はい。ほんの数回ですが……。実はお酒を飲める店を知らなかったので、医局トラブルで手技の妨害があったのです。その時、自棄酒(やけざけ)を呑もうと思って店に行ったら、どんどんお酒が運ばれて来ましたね。呑んでいると祐樹が迎えに来てくれました。今となっては良い想い出です……」
 彼が自棄酒というか「男性に奢られている」イコール「お持ち帰りのリスクがある」と杉田弁護士から連絡を貰った祐樹が駆けつけて嫉妬の余りに大阪のホテルで初めての夜を過ごした。
「そうなんですね。お酒がタダで呑めるのですか?同居人と喧嘩したら気晴らしに行ってみようかなと思います」
 いや、それはどうだろう?まあ、呉先生が森技官に「グレイスに行く」と言えば絶対に慌てふためく。それを見たいとは思ったが、うっかり「お持ち帰り」されてしまったら大変だ。
「今度は私がコーヒーを淹れますね」
 しわ一つない純白の白衣を翻して席を立った最愛の人が杉田弁護士にごくごく自然な笑みを浮かべている。
「あ!私にも淹れてください!」
 最愛の人の最高に美味しいコーヒーを飲む機会を一回たりとも逃したくない。
「分かった。呉先生は如何ですか?アイスコーヒーにも出来ますが?杉田弁護士はアイスとホットどちらが良いですか?」
「嬉しいね。私は冷コー、砂糖入りで」
 杉田弁護士は喫茶店で注文するような感じで言っている。レイコーって何だ?と思っていると呉先生も華奢な首を傾げている。



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気分は下剋上 クリスマス 25(I8禁) 2024

「聡、それは嬉しいお言葉です。貴方の舌戯は最高ですからね。雄弁な舌だけではなくて、喉の素敵な締め付け具合も……。想像しただけで、もうこんなになってしまいました……」
 最愛の人の薄紅色のしなやかな指が触れている個所に手を重ねた。祐樹のソコは現金な反応をみせて勃ち上がっている。もう片方の手で純白のバスローブからチラリと見えているルビーよりも紅い尖りを露出させて親指と中指で摘まんでキュッと捻りつつ先端部分を宥めるように人差し指で円を描く。
「あ……っ……祐樹……っ……()……っ。だけれども……、祐樹の此処を愛せなく……っ……なるので……っ」
 甘く蕩けたシャーベットのような声で抗っても欲情を加速させるだけだ。
「ではお互い、口と指で、熱く(たぎ)った場所を愛し合いましょう。最愛の、そして私の聡、私の身体の上に乗ってくださいね……」
 紅色の耳朶に甘く低く囁いた後に耳の付け根を舌で辿った。
「あ……っ」
 皮膚の薄い場所はどこも感じるのだろう。バスローブを脱いでベッドに横たわった。尤も屹立は重力に思いっきり逆らっているが。最愛の人もするりとバスローブを床に落として祐樹の上にすらりと乗ってきた。ツンと尖った二つのルビーが祐樹の肌に心地よい。そう思ったのも一瞬で祐樹の先端部分を舌全体で辿られるとそちらの悦楽の(ほう)に気を取られてしまった。最愛の人の花芯も完全に育っていて、先端部分から水晶の雫が零れている。その雫を味わいながら舌を大きく動かした。尖らせた舌が(くび)れの部分を辿っていくのも堪らなく良い。同じ愛の仕草を彼へと返す。きっと同じ悦楽を味わっているのだろうと思うと堪らない。先端部分を重点的に愛してくれたかと思うと、喉を開いて祐樹の熱く滾った愛情と欲情の象徴を飲み込んでくれた。
 あいにく祐樹は喉を開くという動作は出来ない。そういう点が彼の器用さなのだろう。愛情の多寡ではなくて。お返しに指を二つの果実を強く揉んだ後に花園の入り口までツーっと辿った。この辺りも彼の弱い場所だ。嬌声が勃ち上がった祐樹のモノで封じられているせいか、熱い息吹が当たってとても気持ちが良い。淫らで熱い水音が協奏曲を奏でているようだった。
 人差し指と薬指で花園の門を広げて中指をツプリと挿れた。彼の極上の花壁は祐樹の中指を緩くきつく包み込んでくれる。しかも厚く熱いシルクの感触も最高に良い。そしてその花園は貪婪な動き奥へと誘い込んでくれて最高だった。もちろん喉を上下に振って祐樹の勃ち上がったモノを愛してくれている最愛の人の仕草も最高に感じる。指だけでは物足りない気がして双丘を開き、しどけなく開いた花園の門から体内に舌を挿れた。舌で感じる熱く濡れたシルクの感触も最高に良い。
「ゆ……っ、祐樹……っ!恥ずかしいのだけれども……っ」
 いったん祐樹の熱い滾りを口から出した最愛の人が嬌声に羞恥の色を加えているのも背筋が震えるほど感じた。「恥ずかしい」と言ってはいるが、口で感じる花芯は更に大きさを増している。指でしどけなく開いた花園の門を更に開いて舌だけでなく指も挿れた。そして、硬く凝った蕾をトンと()く。
「あ……っ。ゆ、祐樹……っ、指と舌では……っ、なくって……っ、祐樹のが……っ、欲し……っ」
 熱の籠った声が愛らしく響いて汗の雫と共に紅い花びらが祐樹の身体に落ちていくようだった。
「良いですよ。向かい合って抱き合いますか?それとも後ろから……」
 素敵な締め付け具合の喉も捨てがたいが、天国を味わわせてくれる極上の花園の(ほう)が祐樹としても大歓迎だ。
「祐樹の……っ、顔を……っ、見ながら……っ、が良い、な……っ」
 祐樹の指で花園の中の凝った蕾の硬さを確かめるように動かしているせいで彼の甘い声も高く低く紡がれるのが素敵だ。そして愛らしいおねだり(・・・・)も。
「分かりました。最愛の聡、膝裏を手で持って足を広げて下さいませんか?」
 淫らな示唆にも唯々諾々と従う彼への愛しさが募った。それに紅色の指が薄紅色の足を持って風に散らされるのを待つ花のような動きをしている門とその内側の濡れた紅さは絶品だった。それに先ほど指で弾いた尖りがルビーの煌めきなのに反してもう片方は紅い珊瑚(さんご)といったアンバランスさも目を射るようだった。舌で充分馴染ませたので大丈夫だろうと判断して花園を一気に貫いた。
「あ……っ、祐樹……っ。とても……っ、()……っ」
 汗で濡れた肌が愛の協奏曲を奏でている。そして「もっと」というように彼の足が祐樹の腰に絡んでいる。祐樹のウエストの当たりで紅く細い脚がXの字を作っているのを感じると愛おしさが加速する。
「あ……っ、祐樹……っ、もっと奥まで……っ、強く……っ、欲し……っ」
 最愛の人は強く愛されるのが好きなのは確かだ。そして花園の奥処の奥に祐樹の先端部分がすっぽりと入る最高の場所がある。その深い場所は祐樹だけでなく最愛の人も最も感じる場所だ。きっとその場所で得る悦楽を欲しているのだろう。
「この交わりの形だと、奥の奥までは届かないかもしれませんよ?」
 失望させるのも本意でないので一応言ってみた。花園に鞭撻を加えながら。




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