「その小説の作者の虚構(フィクション)も入っているとは思うのだが……。愛人というのはそんな考えを持ちながら抱かれているのだなと……。私は私とは全然異なるなと思いながら読んでいたので、(こと)(さら)に印象深い記述だった。私は年越し蕎麦を一緒に食べている時とかも紅白歌合戦を観ている時にも心の隅っこではずっと祐樹とこうなることを待ち望んでいたので……。そして初詣が終わってから祐樹とこうしていられるのが最高の悦びでもあり幸せでもあるので……。去年から今年にかけての年越しも宝石のような想い出になった……。こうしてずっと暮らせることを切実に祈っている……」
 切々と紡がれる愛の言葉に胸を打たれた。
「それは私も同じ気持ちです。聡だから生涯に亘るパートナーの誓いを交わしたのです。貴方と一生涯を共に過ごすことが私の幸せなのですから……。愛の交歓を待ち侘びて下さっているのもとても嬉しいですよ。貴方以外とこういうことは致しませんので……」
 最愛の人の涙の膜が盛り上がって紅色の素肌に水晶の雫が零れ落ちた。その雫を唇で吸いながら最愛の人の右手を紅色の素肌とは対照的な黒いバングルから指へと指を這わす。
 それだけの刺激で若鮎のように愛らしく跳ねる肢体を堪能してから付け根まで手を繋いだ。
「私だって初詣などは中止にして早くこうしたかったです。しかし、神様にお願いをしに参ったのは聡とのこういう生活が末永く続きますようにと祈りたかったのです。基本的には無神論者なのですけれども、聡とのことだけは神様にお縋りしたくて堪らないのも本音なので……。物凄く自分勝手だとは自覚はしていますけれど。それはともかく『今年も宜しくお願いします』と毎年仲良く言い合って数十年を過ごしたいですね……。命が尽きるまで……」
 繋いだ手が強く握られた。
「そうだな。私も無神論者だけれども、祐樹との仲はたくさんいらっしゃる神仏の全てにお願いをして回りたいと思ってしまう。ただ、祐樹がこういうふうに誓ってくれるので、信頼はしているけれども……。ああ、お揃いの情痕はお目出度い紅に染まっているだろうか……」
 ふと気付いたように言葉を紡いでいる。
「確認してみましょうか……」
 ベッドの白いシーツの上で向かい合って座った。
 ルビーよりも紅く蠱惑的な光を放つ二つの尖りが一際(ひときわ)目を射るようだった。そして鎖骨の下辺りにも祐樹の散らした条痕が紅い小花を散らしたように咲いている。そのどれもが愛おしい。
「もう少し足を開いて下さらないと見えないです……」
 ともすれば胸の尖りに指で触りたいという欲求に抗いながら祐樹も太ももを最愛の人が良く見えるように開いた。「ああ、綺麗に付いている……な」
 満足そうな大輪の笑みの花を浮かべた最愛の人が祐樹の情痕を見ている。そしておもむろに優雅な仕草で足を大きく開いていくのも和扇のようでとても綺麗だった。中心部分にある花芯は上り詰めて萎れた花のようになっているものの、先程ばら撒いた真珠の放埓が点々と紅色の素肌に宿っているのもとても扇情的かつ新年の寿ぎに相応しい眺めだった。
 太ももの付け根には祐樹の唇の痕がくっきりと紅い花びらの存在感だった。
「お揃いですね……」
 祐樹が指で情痕を辿りながら花のように微笑む唇に唇を重ねた。
「紅く染まった花園の入り口付近にも白い真珠の粒が宿っていると思うのですが、見せて頂いても構わないですか……?」
 紅色に染まった耳朶(じだ)に熱く囁くと肢体が若木のように撓った。
「それは構わないが……。ただ、祐樹に見られると我慢が出来なくなるかも知れない……。もう一度抱いて欲しくなるかも……。お(せち)料理で祝う新年の行事が……遅くなってしまうかも……」
 羞恥を帯びた小さな艶やかな声に性感が煽られる。
「申しませんでしたか?実家でも母が寝過ごして十五時頃になったこともあると。元旦の日の内であれば問題がないと思っています」
 最愛の人が足を開いて見せてくれた。花園の門も祐樹が散々愛したせいで普段よりもぷっくりと紅く熟していて絶品だった。
「痛みは有りませんか?」
 出血はしていないようだが心配になってしどけなく開いた花園の門から指を()れて触診しつつ聞いてみた。祐樹の指も先ほど放った真珠の迸りで濡れていく。
「それはないけれども……。そんなふうに開かれたら……」
 艶やかな声が嬌声交じりに紡がれる。指を包み込んでいる先ほどよりも濡れた厚く熱いシルクが待ち望んだように祐樹の指を弱く強く締め付けている。それに太ももに宿った真珠の白と紅色の素肌が魅惑的な煌めきを放っていて祐樹の愛撫を待ち侘びている。
「今度はどのような営みの形に致しましょうか……?私も聡とこうしている時間が最も幸せですよ……」
 花園の中の浅い部分の凝った蕾を二本の指でキュっと挟んで先端部分を(そそのか)すように弾いた。
「今度は……後ろから……愛して……欲しっ……」
 熟した白桃のような双丘が祐樹の愛を乞うように掲げられた。その中心部分が祐樹の指で開かれていて、紅い花壁と祐樹が放った白濁とが淫らで神聖なコントラストを描いている。
「承りました。聡。膝立ちになって下さい……。その方が二つのルビーの尖りを心行くまで愛せますので……」
 二回目を始めるべくそう甘く低く告げた。



「お早うございます。良く眠っていらっしゃいましたね」
 ぱちりと目を開けた最愛の人に笑顔で告げてから「おはよう」のキスを落とした。
 結局夜明けまで愛の交歓に耽ってしまっていたので、涼やかな切れ長の目の下が少し蒼褪めている。
「お早う、祐樹……。ああ、お早うというには遅い時間だが……。直ぐに支度をするので……」
 愛の交歓の余韻を強く残した肢体もどこか物憂げな甘さを放っている。
「それはお互い様ですよ。歯止めが効かなくなった私の責任でもありますので……。支度はゆっくりで良いです。遠慮なく言いつけて下さいね」
 普段はどちらかが料理をしているけれど、お(せち)料理とかお雑煮は祐樹の母の指図通りに最愛の人が全部作ってくれた。だから具体的なことは祐樹には分からないことの方が多かったので。





--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが劇的に上がりますので、どうか宜しくお願い致します!!


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村





小説(BL)ランキング

2ポチ有難うございました<m(__)m>












































腐女子の小説部屋 ライブドアブログ - にほんブログ村




PVアクセスランキング にほんブログ村