腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します

蓮花の雫 平安恋物語

「蓮花の雫」<結光・視点>44

「宴の時刻まではまだまだ間があるので、しばらく休むが良い。さぞかし疲れたであろうから、用が有れば楓を侍らせておくので何なりと申せ。
 一人の方が気も楽であろう」
 この三日間が余りにも目まぐるしくて、しかも好きな学問三昧というある意味静か過ぎる境遇から左大臣様の御寵愛を受ける身になって死ぬ前には一度は入ってみたい程度にしか思っていなかった東三条邸の豪奢な様子や夢のように舞い散る桜の花を最上の場所で愛でつつ慕わしい御方と褥を共にしたという賑々しさも加わっていた私は二個のお餅をやっとのことで食べ終えてからは睡魔と密かに戦っておりました。
 その様子を見ていらっしゃったのでしょうか、頼長様は密やかな声でそうお告げになって几帳で幾重にも囲った場所へと抱いて運んで下さいました。
「ありがとう、ございます」
 恥ずかしいことに、睡魔に負けそうになった私の口は頼長様が可愛がっていらっしゃる言の葉を紡ぐ鳥の瑠璃にも似た感じでしかお答え出来ませんでした。
「私よりも、振り回された夜桜の君の方がより疲れているのは分かっておる。では、楓、後を頼む」
 直衣姿で颯爽と去る頼長様の後姿を見送った後は泥のように眠ってしまいました。
 瞳を閉じる前に映った頼長様のあらまほしき公達姿そのものを具現した後姿や一度だけ振り返って私を見下ろしてお笑いになったご容貌だけを胸と頭に刻んだまま。
 もはや慕わしく、そして聞き慣れた薫物の香りで目が覚めました。
「起きておったのか、そろそろ良い刻限である。良い楓、そなたは宴の場に参って万端に整っているかどうか見て参れ。ここは私が致すので」
 楓様は私にも目礼をした後に絹擦れの音も静やかに下がっていかれました。
「烏帽子が少し曲がっておる」
 頼長様が愛おしそうな笑顔を浮かべて寝乱れてしまった私の着衣を直して下さいました。
 若君を傅く乳母のような甲斐甲斐しさで、私も思わず笑みを浮かべてしまいました、夢の続きのようで。
「さて、参ろうか。そろそろ向こうでも客人がいらしているようなのでな……」
 その御言葉に冷水を浴びせかけられたような心持ちが致しました。客人の中に私が拙いながらも心を込めて詠んだ歌を送った御兄君の忠通様が含まれているかどうかを。
 御仲の悪さを何とか少しでも和らげようとした私なりには悲痛な思いを汲んで下されば良いのですが、こればかりは御兄君のお気持ち次第です。
 頼長様の後ろを歩む私の足取りは何だか薄氷を踏むがごときといった感じでした。
「内々の宴なので、そのように硬くなることもない。兄君のことは運を天に任せたようなものだ……。夜桜の君が申して駄目ならばそれはそれで詮無きこと。せっかくの私が愛でた夜桜の君の美しさが陰っては本末転倒というもの。
 そうそのように笑みを浮かべて座ってさえいれば良い」
 廊を歩くと次第に人の気配が満ちているのがはっきりと分かりました。
 ただ、軽々しい身分の者は早めに、それ以上の方はその人のお気持ち次第で宴にいらっしゃるのが普通だと、頼長様と初めてお会いした観桜の宴で知りました。
 ですから、今の時刻に集まって来て下さったのは――私の父を除いて――頼長様に日頃から親しくお仕えしている人達ばかりだと思うと少しは胸のつかえも下りるような気になりました。それに頼長様が宴の上席へ当たり前のように進まれますと、客人達も水を打ったように静まり返って居ずまいを正しておりました。ついでのように私を眺めていらっしゃいましたが、どことなく意味有り気な様子が気に掛かったのも事実でした。
「夜桜の君、私の横の座に。何はともあれ、御父君には私からご挨拶を」
 私邸で寛いでいる時や学問の手ほどきをして下さっていた時とはうって変わって畏まった感じの父君は私の顔を確かめるように一瞥した後に丁重な祝辞を格調高い漢文調で詠じるように申し上げているのも晴れがましくも恥ずかしく聞いておりました。
 なにしろ実の父とは申せ、このような「常ならぬ」祝い事に半ば無理やり巻き込まれたのでございますから。
「有り難く、忝く承った。返礼の代わりに盃を取らす」
 頼長様は言の葉の上では目下の者に仰る感じでしたが御声はしみじみとした、そして親しみを込めたものでした。
「有り難く承ります。
 また当家の娘の件もご厚意に与ることが出来て恐悦至極で御座います。御所望の品は、心当たりを探しておりますのでしばしの猶予を頂きたく存じます。
 そして末永く――慈しんで下さいますようにお願い致します」
 父上としては申したいことも多々有ったとは思いますが、誠の心情の発露という感じで結びの言葉を申し上げて下さいました。
 私は顔をやや伏せながら涙を堪えるのに必死でした。一抹の哀しさと、そしてそれを遥かに上回るうれし涙を。
「結光――これみつ――の君を決して不幸にはさせぬとお約束致します」
 頼長様が改まった感じで、かつ重々しく仰って下さったのも涙を誘ってしまいます。
 しかし、このような席で涙を流すのも忌むべきことなので、そっと顔を伏せました。
 父上が下がる気配がしてしばらくは涙を堪えることのみを考えておりましたが、頼長様は次々と挨拶に訪れる気の置けない客人らしき方々と気軽な感じで盃のやり取りをなさっていらっしゃいました。
「夜桜の君、この者の顔を見れば気鬱も晴れるかと」
 頼長様がそう仰ったので、笑みを強いて作った後に居ずまいを正して正面に座っている客人の顔を見た瞬間、己の目を疑いました。




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「蓮花の雫」<結光・視点>43

「このお餅は……まさか……。いえ、そんなことは……」
 一晩中睦み合った後の心地よい疲れまでどこかに行ってしまったように思えて、戦慄いてしまう唇から自分でも律することが出来ない言の葉を口走ってしまいました。
「まさかではなく、まさに三日夜の餅だ」
 頼長様がどこか誇らしげな感じで居ずまいを正して私に並んでお座りになられました。
「楓、三日間私が申し付けたことを夜桜の君に申せ」
 完璧に着こなした女房装束の裳裾捌きも鮮やかに、しかも山のように積み上げられた一つ一つが小さめのお餅を崩すことも落とすこともなく高坏を床に静々と置いている様子は見ていて危なげもないのが、流石でした。
 左大臣頼長様の一の女房として御主人もそして周りの人間にも認めさせるほどの実力と胆力を持ち合わせていらっしゃるのが、この淀みのない動作で分かってしまいました。
「はい、東三条邸の『あの辺り』に最も近かった灯火を次の夜まで絶やさず、そしてその火のついた燭台ごとこちらのお邸に運んでずっと灯し続けておりました。
 その火がこちらです」
 左大臣様に――いえ、藤原氏嫡流の証しでもある東三条邸に設えてあることが――相応しい凝った細工の燭台に今でも火が灯っておりました。
 その微風に揺れる火を見詰めていると涙が出そうなほどの感激に胸が熱くなりました。
「三日間、ずっと火の番をなさって下さったのですか。
 本当に有り難く、忝く思います」
 楓殿に向かって深々と頭を下げると――初めての夜に私のあられもない、恥ずかしい姿を見ても表情一つ変えることのなかった女性でした――刹那の間だけ、紅を塗った唇に暖かな笑みを浮かべて下さいました。
「そして、そのようなことまでご高配を頂きまして、大変嬉しく思います。
 そしてこの三日夜の餅もご準備して頂きまして、ご好意の大きさと誠の志を頂いたと天にも昇る気持ちです」
 男女の正式な仲の場合に――忍んで通うわけではなくて、世間に公にしたい場合のみ、でございましたが――三日間火を灯し続けることと、その火の番をするのが一の女房の役目でもありました。しかし、男女の道ではないのですから、頼長様と私の関係は「忍ぶ恋」に紛れもなく分類されて然るべきです。
 三日夜の餅は「男女の仲」では当然用意すべきものとされていますが、火を絶やさないかどうかはその迎える女性側の御家の主人の気持ちの問題に委ねられているものでもございました。
 いささか変則的ではありますが、頼長様はその全てをなさって下さっていたのです。
 慕わしさが更に募ってしまうのはむしろ当たり前のことでした。
 それに三日間火を絶やすことなくという仕来たりは、女性の邸に婿として通うのが当たり前の世ですので当然その邸だけで事足ります。突然の大風などに見舞われないように気を付けていれば灯火は消えることはないのですが、頼長様の場合は東三条邸からこの御邸まで牛車で運ぶという手間まで加わります。
 そう考えると楓様の御苦労は、なまなかのことではなかったと思いますので、幾重にも頭が下がる思いでした。そしてそれを命じて下さった頼長様にも。
「いくつ食せば宜しいのでしょうか……」
 慕わしさに燃える気持ちを落ち着かせるために白湯を口にしてからお聞きしました。
「女君は一応、三つと決まっているようだが、それ以外に特にない」
 背筋を普段よりもさらに凛と伸ばした頼長様の端整な御顔が嬉しそうな笑みを浮かべておられました。
「北の方様は何個召し上がりになられたのですか……」
 この広大な御邸、しかもここ、寝殿と北の対に分かれているとはいえ同じ築地の中に北の方様がいらっしゃいます。
 頼長様の身に余るご愛情は涙が出るほど嬉しかったのですが、やはりその御方を差し置くことは出来ないと思いました。
 私の顔を愛おしそうにご覧になられた後に楓様の方へと視線をお向けになられました。
「何個であったか」
 楓様の唇が直ぐに動いたのは言うまでもありません。
「確か三個であったと覚えておりますが」
 「覚えていた」ということは女性側の邸で行われる儀式にも付き従っていたからでしょう。それだけ頼長様の信頼の厚い女房様とは是非とも一度隔て心なく話をしたいと心の隅で思ってしまいながら、二個を懐紙に取って頼長の方へと身体ごと動かしました。隣に座っていたので、単に横を向いても良かったのですが、それだけでは感謝やお慕いしている私の誠の心持ちが伝わり切れないような気も致しました。
「不束者ではありますが、末永く御縁が続くように心して参りたいと思っておりますのでなにとぞ宜しくお願い致します」
 泣きそうになりながらも、それでも淡い笑みを強いて浮かべて頼長様へと頭を下げつつお餅を口に入れました。
 このような美味しい、そして甘いお餅を食べたのは生まれて初めてでした。
「美味しいです。それに干し柿よりも甘いのですね……」
 食べ物のことを口にするのは無粋なことだと弁えておりましたが、それでも言わずにはいられないほど心も身体も浮き立っておりました。
「甘いであろう……。唐の国、今は宋と申すそうだが……から渡って来た甘味だそうだ……。この日のために取っておいて良かった。夜桜の君がそのように喜んでくれたゆえ」
 頼長様もお餅を口に運びながら嬉しそうに仰いました。




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「蓮花の雫」<結光・視点>42

「おなごは極楽に行ったと申すが――懇意にしている白拍子が居る、上皇様も殊の外愛でていらっしゃる女人ゆえ親密に言葉は交わしても、それ以上のことは致しておらぬ。その遊び女が申したのだから誠だろう――本当の場合とそう偽っている場合があると。その点男はほれ、このように確かな証しが残る」
 頼長様が指で掬い上げたのは、私が放った白珠の雫でした。
 恥ずかしさと誇らしさで視線が宙を泳いでしまいます。
「そういう、情交の後の気怠い甘さに艶めいた夜桜の君の美しさは千の夜を共にしてもまだ飽きぬだろうな……」
 頼長様の黒い目が愛おしそうに細められて私の瞳を熱く甘く絡め取っていくかのようでした。
「千夜と仰らず、末永く共に過ごせたら……と――私はそう思います」
 僭越さが過ぎたかと思って慌てて主語を入れると頼長様はよりいっそう優し気な眼差しで見つめてくださいました。
「寵愛を受けたと思い上がる女性も多い今の世に――いや、私ではない、さらに高貴な御方の傍に侍る女性だが――夜桜の君のそういう点もなおさら愛おしく感じる」
 頼長様と身体だけでなく心も繋がっているかのように、その「思い上がった女性」のことを語った時には遣る瀬無い憤りが伝わって来ました。
 それ以外の時には頼長様の本来の凛とした中にもどこか誇らしそうな御顔の端整さに見惚れておりましたが。
 これが肌身を許しあった仲の睦まじさなのかと心の底から嬉しく、また千年も続くようにと御仏に祈るような気持ちも。
 ただ、気になったのは頼長様の憤りの原因の女性はどなたのことを指すのかという点でした。
 しかし、頼長様の側近の大江様に直接お聞きした方が良さそうな感じでした。
 頼長様がたとえ戯れであっても「所現わし」の宴を開いてくださるということは、その宴が済むまでは物語の中の女君のように甘い夢に浸っていたいという気持ちが芽生えておりましたので。
 それに、我が邸で慌ただしく過ごしたので――少しでも御兄君の忠通様のご来駕を賜れるような秀逸な和歌にすべく心を砕いたり父の伝手を辿って菖蒲や杜若の花を探す文をしたためたり、また妹の裳着の腰結い役が頼長様の父君に頼めそうなこともあって、支度を急がせたりと急に目まぐるしく動き出した身の上は今までのような学問三昧の日々とは異なって静心などなくなってしまったのも事実です――何よりも愛しく慕わしく想っている頼長様の腕と薫物の香りに包まれて、しかも身体は繋がったままという刹那の幸せに揺蕩っていたいと思いました。
「夜桜の君、そろそろ起きぬか……。瑠璃の朝餉の時刻だ。その前に大事なことを済ませなければならぬ」
 何度も求め合ったせいで、いつの間にか寝てしまっていたようです。
 慌てて身を起こすと、頼長様の衣が何も纏っていない素肌を撫でるように滑り落ちていきました。
 頼長様は精悍そうな容貌に良く似合う紺色の上衣を着けた直衣姿も朝の光に清々しく、そして一段と生気に満ちていらっしゃるというのに、己の不甲斐なさが身に沁みて感じられました。
「疲れたであろう、着せ掛ける故に立つと良い。ああ、そこの衣を使って拭くべき場所は――それも私が致そうか」
 頼長様の、むしろ楽しそうな笑みに頬が上気してしまいます。
 格子を半分だけ開けた朝の空には相変わらず桜の花が散りしきっておりました。
「いえ、お心遣いだけ受け取っておきます。そして、そのう、桜の花でも愛でて頂けませんか……」
 いくら心も身体も許しあった仲とはいえ、昨夜の逢瀬の痕を色濃く残す場所、身体の動きに従って頼長様の放ってくださった白珠の雫が後から後から流れ出てきているのですからなおさらに恥ずかしさに居た堪れなくなります。
「瑠璃の朝餉は――文句を言われるだろうが――私が食べさせに行くとする」
 頼長様は立ち上がる私の動きを注意深く見た後に――多分どこか傷付いた場所はないかと案じられたのでしょう――愛玩していらっしゃる鸚鵡に言寄せて一人にさせてくださいました。
 一晩中愛し合った身体の甘い痛みや痕があちこちに散らばっているのを心の底から嬉しく思いながら身支度を済ませて座っていると、頼長様の香りと共に衣擦れの音が忍びやかに聞こえてきました。
 扇を鳴らす音に「はい」とだけ答えると、頼長様の後ろには楓殿の姿がありました。
 そこまでは予想していたので驚きはありませんでしたが、楓殿が目の高さに恭しく掲げ持った物が何であるかが分かった瞬間に驚きで目を見開いてしまいました。





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「蓮花の雫」<結光・視点>41(I5禁)

イメージ 1

「夜桜の君……。三度の逢瀬の夜を共に過ごしたが……。
 今を盛りに咲く桜の如く……睦み合う将にその場所が……見事に咲いた……。
 初めての夜には……これほど早く……咲き誇るとは……思いも寄らなかったので……とても嬉しく、そして愛おしく想う……」
 頼長様の熱く荒い息の合間に切々とした言の葉が私の心だけでなく、露わになった素肌にも沁み込んでいくかのようでした。ただ、得心の行く御言葉ばかりではありませんでしたが。
「私も……お慕い致しております。ただ……それは……どういう意味ですか……」
 上り詰めた挙句の果てに白い珠を露よりも繁く迸らせた気怠い身体を持て余していました。そして未だ私の身体の中心を貫いている熱い楔、そしてその奥に注がれた熱い飛沫が身の内側まで頼長様の色に染められていく悦びを感じつつ頭の中までが桃源郷に浮いているような心持ちがして普段とは異なって頭の中も千々に乱れているようでした。
「気付かぬか……。今宵の――少なくとも『所現し』の宴までの、同じ褥の上で……、夜桜の君を……私の愛しい想い人に……変貌させたかった。
 その願いがこのように早く……叶ったのだから、嬉しくて、な……」
 何を気付くのか、桜色に霞んだ頭では答えが出ませんでした。
 「愛しい想い人」と呼ばれたことは、そしてその言の葉に万感の想いを込めて下さっているような風情なのも濃い紅色の雲に乗ったように嬉しく想いましたが。
「夜桜の君は……今まで……色欲が高まった時、どのように慰めていたのか……」
 面白がっていらっしゃる感じでもなく、ただ疑問に思ったことを口にしただけといった感じの御声が夜の闇に溶けていくようでした。
 左大臣の私邸に相応しい大きさの寝殿に――我が邸の倍はあるでしょう――侍る女房殿もおらずに頼長様と二人きりというのは却って小さな声で語り合うのが似合っているような気が致しました。今めかしい雅やかさと匠の心を尽くした昔ながらの豪奢さの巧みな調和が頼長様らしさに満ち溢れていて、邸全体と、そして頼長様の乱れた直衣姿の両方に包み込まれた感じでしたので。
「勝手に動いてしまう……手で擦り上げたり……何かに押し付けたりしておりましたが……」
 頼長様の御笑いになる声が口だけでなく繋がったままの身体の内部からも響いて――その余りの心地よさに身動ぎしてしまって床に擦った胸の芯が熱く甘く熱を孕んで疼きました。
「どの部分を擦ったり押し付けたりしたのか……。白い飛沫を先端から出す場所であろう……」
 首筋を唇が愛おしそうに辿って行きました。その心地よさを知ったのはつい昨夜のこととは思えぬほど濃厚な夜を重ねて来たような心地が致します。
「はい。左様でございます……が……。え……」
 正しき答えが見つかったような気がしました。
「先程までの睦み合いで……、夜桜の君が自らの指で慰めるならば……もう少し時を待とうと思っていた。しかし……この細く長い指は私のを……愛おしそうに擦ったのみで……、しかも私は指一本触れておらぬ……。それなのに……下の口を愛おしんだだけで……堰を切って白い珠を思うさま飛び散らせたであろう。
 そういう身体にしたいとは思っておったが、まだ少し早いかと、開花を待ち望んでいた……それこそ、焦がれるほどに、な」
 今までは逢瀬に逸る気持ちのままに振る舞って参りましたが、仰る通りの有様でした。
「確かに……そうです……。頼長様を身体の奥まで迎え入れることとか……手で、そして首筋や胸の芯で……悦びを……激しく感じて……おりました」
 これ以上紅く染まることはないほど素肌に朱が散っていくのを早鐘を打つ心の臓で感じました。
「真の想いが通じ合った者同士というのは……そういうものだ……。それは男女問わず同じこと……。
 身体の中を貫かれる……その悦びのみを感じているという点では、な。
 私を心の底から求めてくれた証しでもあるので、とても嬉しく想う……」
 喩えようのない誇らしさと共に言い知れぬ羞恥に心と素肌が震えてしまいました。
「――夜桜の君、これだけは覚えていて欲しい。
 男の象徴でもある『此れ』は、な……」
 頼長様のお腰が私の素肌と擦れて濡れた音が、そして割り開かれた場所を小刻みに衝かれて甘い声が出てしまいました。
「ほんの挨拶代わりの交わりであっても……媚を含んだ眼差しや、直衣を掴む女房の白い手の動きで察して……誘いに応じなければならぬ。
 夜桜の君は、色香に靡かぬ『麗しい』人として、宮中の女房から密かな恨み言を囁き交わされていたことを存じてなかっただろう……」
 この場合の「麗しい」は褒め言葉では決してありません。男女の機微を分からない木石のような人間と言うほどの意味です。
 女房殿と一口に申しますが、宮中でお仕えしている方々は皆ご自分の容貌と何かしらの才に自信がある女性で、そういう方の「好き心」を満たしてこそ一人前の殿上人と――私はまだ学問を学ぶ立場でしたので位は頂いていなかったので、本人の耳に入るような非難がましさまでは至らなかったのでしょう――頼長様は仰りたいのだと思いました。
「宮中やそれに準ずる場所で目配せや扇の音、そして袖を引く女房には『挨拶』や『礼儀』としてそれに応えなければならない。そうすることによって良い噂が流れて、帝や上皇様のお耳に届くというのも事実だ。
 その為には『此処』をそそり立たせる術も当然ながら心得ておかねばならぬ。しかし、夜桜の君の場合は白珠が弾ける感触よりも先に身体を開こうとする健気さが勝っておったな……。下の口は己の意思ではどうにもならぬ……。初めての夜を想い出してみれば容易に分かることだ。
 しかも……」
 頼長様が満足そうな笑い声をお立てになる度ごとに、身体の奥まで響いて……熱く甘く奥が蕩けていきそうでした。
 「しかも」の次の御言葉を待ちながら低く高く押し寄せてくる繋がった場所から来る快楽のうねりで宙に浮きそうになる身体と心を頼長様という巌で繋ぎ止めて貰いたくて仕方がありませんでした。




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「蓮花の雫」<結光・視点>40(I8禁)

イメージ 1

「そのように性急に求めてくれるのは誠に嬉しいが、夜桜の君の心はともかく身体はまだ馴染んでいるとは言えぬので、せめてこの唐渡りの薬をその細い指で私の猛った物に塗って欲しい」
 侍る人が居ない寝殿とはいえ、今宵の準備は万端整えられていたらしく頼長様は大きな貝の皿を私の目の前に差し出して下さいました。
 甘く熱く震える指でその皿の中身を掬うとトロリとした油のような、しかし嗅ぎ慣れない異国の香りのする液体でした。
 指だけでなく掌までしとどに濡らして頼長様の男根へと手を添わせました。
「夜桜の君……冷たい指が心地良い……、しかし……先端部分だけではなくて……全体に塗り込めないと……心ゆくまで……睦み合えぬ……」
 首筋を舌で辿られて、硬く芯を作った胸の先端部分を指で突かれ、もう片方の指は下の口を馴染ませるように濡れた指で出入りされて、その湿った音と熱のこもった御声に煽られるように指を動かしました。
 熱く脈を打つ場所を掌で包んで上下に動かします。この熱さと逞しさを直ぐに私の身体の中で感じることが出来るのだと思うと、矢も楯もたまりませんでした。
「夜桜の君……、掌も……そして細い指の動きも堪らなく悦いが……、そろそろ一つに」
 頼長様の熱い声が首筋をさらに濡らしていくようでした。
「はい。お待ちしていました……。存分に……可愛がって……下さいませ……」
 三回目の逢瀬の夜で――男女の仲でも皆そうなのか、それとも頼長様とは前世での宿縁がよほど深かったのかは分かりませんが――すっかり馴染んだ身体は腰を高く掲げて足を扇のように開いてしまっていました。
 濡れた熱い先端部分が下の口にヒタリと当てられて、甘い声を零してしまいました。
「夜桜の君は……頭も身体も……覚えが良いようだ……。
 私が一目で惚れて、そして心の底から……身体だけでなく、心も欲しいと想った直感は……正しかったようだ……」
 ゆうるりと、しかし着実に私の身体を貫いていく頼長様の熱く逞しい物に涙が零れるほど嬉しくて腰をさらに高く掲げておりました。
「頼長様……。お話しを……なさいながらですと……声が外と……身体の内から響くようで……、堪りません……」
 月の光に照らされた露わな背中が反ってしまいました、確かな悦楽に。
 私の前の部分には一切お触れになっていないというのに、そちらも重い衣を押し上げてともすれば堰を切りそうな勢いでした。
「頼長様……、ああ……」
 根元まで挿ったのを証し立てるように、二人の衣の音が重なって聞こえました。
「夜桜の君……、動いても……構わぬか。
 狭いが、その狭さが……堪らない程に……悦い……」
 頼長様の熱い、そして勢いの増した息と共にお声が耳から、そして身体の中から聞こえるようで、背中がさらに撓りました。
「はい……。ああ……ただ……そこ……は……」
 浅い場所を衝かれて、息も絶え絶えに訴えました。
「夜桜の君の、弱い場所であろう……。どの男でも……そういう泣き所はあるので……」
 小刻みにその一点だけを衝かれて、腰が勝手に動いてしまっていました。
「月明かりに照らされた……首筋が八重桜色に……染まっているのも……、そして鮎のように……動く……背中すら……汗の雫を……跳ねさせて……とても綺麗だ……。
 それに、私を熱く締め付ける……下の口も……すっかり……馴染んだようだな……」
 頼長様の熱く掠れる御声や荒い息を首筋に、そして愛の動きを身体全体で感じて……野分に遭った小舟のように身体が、そして心までが頼長様の方へと縋るように、慕うように寄って行きました。
「頼長様……。堰が……切れて……しまいそうです……」
 熱く甘く身体が揺さぶられて、そしてその中心が頼長様の熱く逞しい楔で浅く深く穿たれていました。
「私もそれほど……長くは……保たぬ……夜桜の君への……愛しさの余り……」
 繋がった場所が火を灯したように熱くて、そして頼長様の身体の動きで濡れた音が淫らに響いておりました。肌と衣が擦れる性急な旋律で。
「ああ……頼長様……」
 息が絶え入るような、そして極楽浄土に上っていく時はきっとこのような感じだろうと思わせる一瞬の閃光が身体中を貫きました。
 堰を切ってしまった私の身体を抱き止めた頼長様は汗に濡れた腰を大きな手で強く掴んで、間断なく抜き差しを繰り返していらっしゃいました。
 一突きごとに大きくなっていく灼熱の楔を一身に受けて揺さぶられていると本当に一つになれたような気がしました。
 夜の闇に二人の熱い息吹と肌と衣が擦れ合う激しい音がかがり火よりも紅く燃えているような気がした瞬間に、身体の奥にもっと熱い飛沫が放たれたのを感じて、満足のため息を零してしまいました、頼長様の低く呻く声と同時に。


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 読者様もお身体なにとぞご自愛くださいませ。
 

◆◆◆お知らせ◆◆◆

時間がない!とか言っていますが、ふとした気紛れにこのサイトさんに投稿しました!
いや、千字だったら楽かなぁ!!とか、ルビがふれる!!とかで……。
こちらのブログの方が優先なのですが、私の小説の書き方が「主人公視点」で固定されてしまっているのをどうにかしたくて……。
三人称視点に挑戦してみました!
宜しければ、そしてお暇があれば是非読んで下されば嬉しいです。

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        こうやま みか拝
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創作BL小説を書いています。ご理解の有る方のみ読んで下されば嬉しいです。
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  • ㊗「憂国のモリアーティ」アニメ化㊗
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  • 気分は下剋上 公認カップル騒動 95
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