腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します

気分は下剋上 ジャズナイト

気分は下剋上 ジャズナイト 25(I8禁)

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「素敵な夜を有難う御座います。どんな宝石よりも艶やかな尖りとか、肝心な場所だけを露わにして愛の行為に没頭する聡は、私の腕の中だけで花開く月下美人の花のようでとても素敵です。
 以前は、月の脆い光に誘われて消えてしまいそうな儚さを感じたのですが、今の聡は何が有っても私の腕の中に戻ってくるという安心感がありますね……」
 汗の雫を纏って弛緩した肢体を抱き締めながら熱く囁いた。
「そうか?私が居たいのは、祐樹の腕の中だけなのは最初から……だったが?」
 怜悧さよりも甘さが勝った声が車内の静謐な空間に愛情の彩りを加えていく。
「最初は捕まえておかないとどこかに消えてしまいそうでした、よ?天橋立に行った時には切実にそう思いました。
 ですが、徐々に心も、そして肢体も開いて綺麗な花を咲かせたような感じで……。まぁ、花園の見事さは最初の夜から予感していましたが、それでもここまで華麗かつ優美に咲き誇るとは思いも寄りませんでした。
 知っていますか?車内での愛の行為の時には車体も不自然に揺れるのです、普通は、ね」
 驚いたように艶やかな瞳が見開かれた。切れ長の綺麗な目の持ち主だけに、鈴のように大きく開かれるだけで普段とはまるで印象が異なって見えて祐樹だけに向けられる「特別」な感じがして余計に愛おしさが募る。
「どうしてだ?」
 艶めいた小さな声だったが、無垢な煌めきを加えているようで、祐樹の愛情と欲情の証しを迎え入れたままで微細かつ精緻な淫らさで強く弱く動く花園とか、咲き切った花のように甘く薫る肢体との落差が際立った。本当に思い当たるフシがないという感じの訝しそうな声が却って愛おしくて堪らない。車内の狭さが逆に密着感を増してくれているようで、抱き締める手に力を込めた。
 祐樹の愛情で花開いた華麗な場所については散々説明してきたハズだったが、最初の頃は愛の行為の時に理性を飛ばしていた可憐な人だったので、多分聞いてはいても記憶には残ってないのだろう。器用そうにみえる――確かに器用ではあるものの――最愛の人の精神の根底は不器用この上ないことを知っているのは祐樹だけで充分だった。
「あくまでも聞いた話なのですが、私達だって愛の交歓の時に二種類のパターンがあるのはご存知でしょう?最近では、そうですね……ほら「あの」エプロン姿の時にした愛の行為が一番分かりやすいかと」
 明石海峡大橋近くのホテルの広大な庭園を二人で散歩していた時に結婚式を挙げた花嫁さんのドレスで認識を改めた最愛の人に良く似合いそうな上品かつ扇情的なエプロンを選んで購入した。レースもその辺りで売っているような安っぽい感じは一切なくて精緻さと繊細さで素肌を引き立てるような作りだったし、素材も最高級のシルクの艶やかな肌触りと鈍く光るコクで目を愉しませてくれる逸品だった。しかも着ている人の最上級の磁器の滑らかな素肌と相俟ってついつい視線がそちらに行ってしまい、その瞳の熱で煽られた感じ易い肢体が次第に花開いていく様子に堪り兼ねてキッチンで後ろから貫いてしまっていた。
「ああ、あの時か……。ああいう大きな動きも大好きだが?
 というか、祐樹にされて嫌なことは何もないな……」
 以前から思っていたが、無意識に発する殺し文句の達人なのは相変わらずだった。そういう点も愛情を加速させていくが。
「普通はああいう大きな動きでないとなかなか最後までは逝けません。
 それを車内ですると……どうなるかはお分かりですよね?」
 「あの時」の行為を具体的に花園が思い出したのか、熱い濡れたベルベットの花びら達が強く弱く祐樹の熱を煽っていく。
「揺れるだろう……な……。あんな風に……強く激しく……動かれたら……。
 車体の構造上、圧力は……分散される……仕組みの……ようだしっ」
 甘い嬌声を上げるのを我慢している感じの脆い怜悧さが逆に悦楽を煽った。
「聡の、極上の花園は……そんなに……大きく動かなくても……充分な悦楽を与えて下さるのです。
 それに、襟ぐりの深いニットとはいえ、大胆に露出して下さったのも最高に……嬉しかったです。これからは、肩まで開いたニットを室内着にして下さると……よりいっそう、部屋に帰る喜びが……増えます、ね」
 小刻みに上へと腰を動かすと、甘く艶やかな声と共に紅色に染まったしなやかな肢体が優雅な弧を描いた。
「分かった。そう……するのでっ……。
 もう一度っ……愛して……欲しっ……。今度は……こちらの……尖りを……歯で……噛んでっ」
 紅色の細く長い指がルビー色に艶めく、濡れていない方の尖りに添えられている。
「了解です。ジャズの旋律よりも……大人の甘くて熱い音楽を……二人して奏でましょう。そちらの方が……熱烈に愛し合う……私達には相応しいか……と」
 指ごと唇と歯で刺激すると、甘い声が車内に熱く響いた。
                        <了>









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◇◇◇


本日は【二話】更新を目指しますが、二時間を目途に更新されなかったら「力尽きたんだな」と思って下されば幸いです。
「ジャズナイト」では神戸ルミナリエの話題が出ていますが、あれは12月なんで、「夏」以降のまだ祐樹が精神的に回復していない時期なのですよね。
ただ、書きたい気はしますし、かといってクリスマスに繋げると辻褄が合わないので悩み中です……。
 
ちなみに時系列的には「ジャズナイト」→「夏」→「震災編」です。


最後まで読んで下さいまして有難う御座います。
                   こうやま みか拝

気分は下剋上 ジャズナイト 24(I8禁)

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 エンジンを切らないまま――切ってしまえばクーラーも効かないので――車から降りて助手席のドアを開けた。
 最愛の人の艶めいた表情とか薄紅色に染まった素肌を月明かりだけが照らしていて、とても綺麗だったが、天橋立で見た月に呼ばれるのではないかと思わせてしまう儚さよりも祐樹の腕の中に居る悦びに震えている肢体を抱き締めた。車体に傾ぐ肢体を預けて深い接吻を強請る最愛の人の舌の付け根まで強く吸うと白魚のような肢体が紅色に跳ねた。何だか車内のフックに掛けた金魚よりも艶やかさが勝っている。
「聡の服を脱がすのもとても愉しみなのですが、この状態では流石に危険なので……ご自分で脱いで下さい、ね」
 一歩下がって最愛の人が自分で衣服を乱す姿を熱く見ながら、祐樹も手早く下半身の肝心な場所を外気に晒した。下半身が育ち切っている最愛の人のあられもない姿が月の光にも艶やかさで勝っていて煌めいている。それに月の雫を思わせる水晶の滴りが一瞬だけの儚い煌めきを放って先端から滴り落ちるのも。
 襟ぐりの深いサマーニットを着ているものの、二つの尖りを同時に露わにするにはたくし上げるか、襟の辺りの布地に強い圧を掛けないと無理だったので、どうするかを見ていると――ただ、高価な衣類なだけに祐樹には恐れ多くて不可能だったが――紅色に染まった指が月光よりも艶やかに動いて事もなげに最上級の磁器のように滑らかな肩から鎖骨、そして二つの胸の尖りまで下ろしている。
 最愛の人が値段よりも「一店舗で全てが揃う」という理由だけで老舗高級ブランド品を愛好しているのは知ってはいたものの、祐樹などには思いも寄らない無造作さだった。
 ただ、青い月の光に照らされた静謐さも加えて煌めく慎ましやかな胸の尖りのルビーの尖りは文句なしに綺麗だったが。
「月の光に照らされた聡もとても綺麗で、そして甘い砂糖菓子のように儚げでいながら、愛の動作を待ち望んでいる風情もとてもそそられます。
 ほら、私のも……」
 先端同士を擦りつけると、二倍以上の水晶の雫が月の光を宿して滴り落ちた。
「ゆ……祐樹っ……早く……欲しいっ」
 艶やかな月の精のような小さな声が紅色の唇から甘く零れた。
「分かりました。先に助手席に座りますから、その上に乗って下さいね」
 シートを最大限に後ろまで滑らしていると、待ち構えた感じで最愛の人が太刀魚のような身のこなしで祐樹の太ももの上に肢体を翻した。心地よい重みと普段よりも体温が高めな肌の感触が心地よい。
「頭とか手をぶつけないように気を付けて下さいね。車内は狭いですから。
 それに、その位置で良いのですか?」
 目の前に艶めくルビーの尖りを唇や歯で確かめたい欲求を必死に堪えた。
「……祐樹が歯で甘く噛んでくれたら、私も腰を動かす」
 甘く艶やかな小さな声で淫らな交渉をする最愛の人の胸の尖りの側面部に歯を立てた。
「あっ……。悦いっ……。ただ、もっと強くっ」
 太ももに乗った肢体が悩ましげに傾いで小刻みに動いた。側面部を甘く強く噛んで先端部分を舌で強く押した。もう片方は指でボタンを回すように強く捻りながら。
「とても……悦いっ……」
 濡れた砂糖菓子のように甘く蕩けた小さな声が車内に響き渡った。同時に太ももから一瞬だけ重さが無くなったかと思うと、しどけなく開いた花園の門が先端部分にあてがわれて、祐樹の腰に回した両の脚がさらに開かれる。
「あっ……んっ……。尖りに……歯を立てられながら……、花園を……拓かれる感じが……とてもっ」
 自ずから開花していく花のように最愛の人の花園の中に迎え入れられたと言う方が正確だったが、この際些細なことはどうでも良くなるほどの圧倒的な快感が咲き誇った花園から与えられて祐樹も低く呻いてしまう。
 ルビーの硬さを歯と舌で小刻みに味わっていると、同じ動きで幾分華奢な腰が動いて奥処まで繋がった愛の音を奏でてくれる。
 先程のジャズの音楽よりも更に「大人」の愛の協奏曲が狭いせいでより密着感の愉しめる車内を薔薇色に染めていく。
 それに祐樹の腹部に当たっている濡れた熱い場所も淫らな水音を立てて愛の音楽の一部になって震えながら次の出番を待ち構えているようだった。
「ゆっ……祐樹っ……もうっ……」
 甘い断末魔の声が熱く震えて車内を艶やかな色で染めていく。
「私も……です。……聡の……極上の花園の……動きが……素敵過ぎて……」
 少しだけ大きな動きで上へと突き上げると、しなやかな肢体が大きく震えた。
「ああっ……。ゆ……祐樹っ……愛しているっ」
 腹部に熱くて甘い真珠の雫がばら撒かれた瞬間、祐樹も紅色の場所に真珠の迸りを放った。
「私も……愛しています、よ」











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◇◇◇



「ジャズナイト」では神戸ルミナリエの話題が出ていますが、あれは12月なんで、「夏」以降のまだ祐樹が精神的に回復していない時期なのですよね。
ただ、書きたい気はしますし、かといってクリスマスに繋げると辻褄が合わないので悩み中です……。
 
ちなみに時系列的には「ジャズナイト」→「夏」→「震災編」です。


最後まで読んで下さいまして有難う御座います。
                     こうやま みか拝

気分は下剋上 ジャズナイト 23

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 何かの弾みで飛んでしまったのか、ウーロン茶のペットボトルの白い蓋が芝生に転がっている。
 普段の物静かかつ的確な動作をテキパキとこなす最愛の人にしては珍しいが彼だって人間なので何らかのミスが有っても――仕事中は困るが――不思議はない。
「ウーロン茶の蓋が尖りに当たったのですか?痛くはなかった?」
 先程の小さな艶めいた声からすると、痛みよりは悦楽に変換されてしまったようだったが。
「痛くはない……。蓋が飛んで当たった瞬間に……先程の悦楽の……余韻の火照りが……炎になってしまっただけで……」
 確かに祐樹の指で触れている尖りよりも――サマーウールの布地越しだが――愛らしくツンと押し上げている容積は僅かに大きいような感じだった。
 食べ終えた焼きトウモロコシを芝生の上に置いた後に、白い蓋を手で持って夜目にも紅い色に染まっている長い指からウーロン茶のボトルを受け取って口を付けて、唇を重ねた。
 サマーウール越しの尖りは痛みを宥めるように指を動かしながら。もう片方の尖りは唆すように甘くきつく爪で弾いていたが。
「あっ…んっ……。ゆ祐樹っ……。ここがもう、こんなにっ」
 甘く艶めいた声と木の下闇にもはっきりと見える紅色の長く細い指先が悦楽を持て余したように震えている。
 手首を掴まれて下半身に当てられた。半ばというより完全に育ち切った感じの熱さと硬さを伝えてくる。
「マンションに……戻りますか?」
 祐樹の指の動きでさらに育った下半身の熱い滾りが嬌声混じりの甘いため息に艶めきを加えている。
 直に触れている胸の尖りも硬度と熱がさらに加わって白い肌が悦楽に揺れるたびにルビーの煌めきを放っていた。
「自宅までっ……待てないっ……。一刻でも早くっ……祐樹の……これがっ……欲しっ」
 後ろ手に祐樹の下半身の熱を煽る繊細かつ大胆な動きに眩暈がしそうなほど感じた。
「ホテルと……車の中……どちらが良いですか?」
 甘く艶やかな声が薔薇色の欲求に切羽詰まった感じが混ざっていて、それはそれでとても色っぽかったが。
 この辺りは有名な神社やお寺が多い分、ホテルも密集している場所なだけに最愛の人に選ばせた方が良いだろう。
「車の中で……抱いて……欲しいっ……んっ……ホテルまでもっ……待てないのでっ」
 悦楽に我を忘れてしまった場合は事情が異なるが羞恥心のリミッターも祐樹より高いこの人がこれだけ甘く熱く奔放に振る舞う様子も壮絶に色っぽい。
「少しっ……その指の動きはっ……車の中で披露して下さい。
 そうでないと、ここで押し倒したくなってしまいますから」
 祐樹の下半身も熱を孕んでしまっている、最愛の人の艶やかな指の的確な動きで。
「分かったっ……。車の中でなら……良いのか?」
 艶やかな小さな声が薔薇色の期待に弾んでいるようだった。
 金魚を入れたビニール袋を忘れずに持ってウールで尖りを隠して歩き出した。
 そろそろ閉会時間だったので、帰途につく人達も多い。ただ、大人の催し物に相応しくアルコールもふんだんに売っていたので酔いで顔を火照らせた人とか足元が覚束ないほどの人なども居て、ごく自然に指を絡ませることが出来た。
 頬は薔薇色に上気していてもそう不自然ではない雰囲気だった。それにしても下半身が完全に育ち切っている状態の場合、つい前かがみになってしまいがちなのに、最愛の人は生来の涼しげな容貌――アルコールに酔ったような頬だったが――で背筋を伸ばして歩いているのは職業柄身に付いたものなのだろうか。
「辛くないですか?」
 あえて具体的なことは伏せたのは人の耳を気にしたからだったが。
「いや……。待ち侘びてはいるが……」
 紅色に染まった薄い唇が健気な言葉を紡いだ。
「少しだけ待っていて下さい。流石にこの駐車場ではマズいので……」
 付け根まで絡めた指を微細に動かすと「ああ」という返事が艶やかな彩りを帯びて聞こえた。
「ここなら大丈夫でしょう。御覧の通り車も人の気配も全くありませんから」
 普段からそうなのか、今夜はたまたまなのかは知らないが国立博物館のごく近くの三十三間堂の広大な駐車場にはチェーンが張っておらず、一番奥へと車を停めた。
「一度車外へ出て下さい。助手席で愛を交わすのが一番広いですので……」
 これだけ広い上に――多分修学旅行とか観光旅行の大型バスまで想定しているのだろう――人の気配が全くしないので、車の外でも愉しめそうだが、車の中で一度最後までしてみたかったこともあり、そう告げた。
「分かった」
 ごく近距離なのに律義に付けたシートベルトがしなやかな肢体のラインを扇情的に拘束しているようでとても綺麗だったが。それに祐樹との甘く熱い夜を重ねてきただけにどういう愛の形で結ばれるのか分かったらしく、車内灯の光りに照らされた頬はいっそう紅く染まっているし、切れ長の目も艶やかな揺れる眼差しに熱い期待の煌めきを宿していてとても綺麗だった。
「私の手や唇、そしてココで感じたい場所だけ素肌を晒して下さい、ね」
 シートベルトを外した最愛の人の肢体を引き寄せて唇を重ねた。幾分華奢な手首を掴んで下半身に導いた後に唇を割って舌を滑り込ませて本格的かつ情熱的な接吻を交わす。可憐に布地を押し上げている二つの尖りを上下に爪で弾きながら。
「ゆっ……祐樹っ……指ではなくてっ……歯で強く噛んでっ……舌と唇で甘く吸って……欲しっ」
 どちら向きに素肌を重ねるか楽しい二択を脳裏に描いていたが、最愛の人の甘くて切羽詰まった艶やかに濡れる小さな声に心が決まった。










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◇◇◇
リアバタと体調不調で一週間も更新をお休みしてしまったことを深くお詫びいたします。
申し訳ありませんでした。

本日は比較的自由な時間が取れたので【三話】更新しました!!毎日こうだと良いのですが……。
「ジャズナイト」では神戸ルミナリエの話題が出ていますが、あれは12月なんで、「夏」以降のまだ祐樹が精神的に回復していない時期なのですよね。
ただ、書きたい気はしますし、かといってクリスマスに繋げると辻褄が合わないので悩み中です……。
 
ちなみに時系列的には「ジャズナイト」→「夏」→「震災編」です。


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気分は下剋上 ジャズナイト 22

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「ここが私有地だったら、このまま愛の行為を迷わず続行するのですが、ね」
 流石に――先程のトイレのような「人が来ない」という前提では話は別だが――それ以上のことは祐樹ですら躊躇われて耳朶を甘く噛んだ。
「そうだ……な。ああ、そういえば、祐樹と愛の交歓をした後の私の雰囲気がかなり変わると言っていたが……そんなに変わるのか?」
 胸の尖りを上下に揺するのは止めて薄いウールの上から輪郭を辿るだけのごく弱い仕草に変えてみたら祐樹の胸に身体を預けて安心したようにため息を零している。
「変わりますよ?私と二人きりの時はそうでもないですが、患者さんやそのご家族、そして医局員の前では怜悧で理知的な端整さを崩されませんよね?
 まあ、その方が患者さんも安心するのでそれはそれで良いですし、医局員は皆貴方の手技に憧れとか尊敬、いや畏敬の念を抱いているので教授職には相応しいです。
 しかし、愛の行為の後の貴方は上気した頬とか潤んだ眼差しとか……そして何より表情が生き生きとしている感じですね。
 病院内のポーカーフェイスでも、自他ともに認める面食いの私を一目惚れさせるには充分でしたが……」
 布地をツンと押し上げている可憐な尖りの輪郭をゆうるりと円を描いて話していたら不審げな感じで僅かに身じろいだ最愛の人は甘いため息を零した。
「私にとっては再会、祐樹には初対面は空港のハズだが?」
 散々言い聞かしたせいで恵まれた容姿なのはやっと認めてくれたらしい。他の人間の容貌の美醜は分かるのに、何故自分自身のことが分からないのか祐樹には不思議で堪らないが、そういう点も含めて愛してしまったのだから仕方ない。
「そうですが……ただ、あの時は面白くない気持ちとか反発する気持ちの方が多かったので。自分は人間扱いされない、しがない研修医なのに、そう年齢も変わらない貴方が雲の上の教授職に就かれたので……」
 その時のことを思うと、甘えたように背中を預けて胸の尖りを少し強く突くと甘い嬌声混じりのため息を零す最愛の人の本質を全く理解していなかったと苦笑いしてしまう。
「ああ、あの時は私もとても驚いた。運転手まで名簿を送ってもらっていて、祐樹が居ないのを確認していたにも関わらずいきなり目の前に現れたので、心の中は『驚天動地』というか狼狽の極みというか……。何を話したのかすら覚えていない」
 それは以前にも聞いたことはあったが、表情も言葉も冷静そのもの――というか、むしろ素っ気なさすぎて全く興味を持っていないといった感じだった――で内心は全く窺えなかった。
「今思えばあの時が一目惚れだったのかもしれません、お顔は、ね。ただ病院内で見かける方が多かったのでそちらの印象の方が強いのです」
 手技の画像は病院に予め送られて来ていたので、しなやかな指が奇跡のように動く様子は魅入られてしまっていたが、手術中の画像なのでマスクとキャップで顔は見られない。
「顔を褒められたことはなかったので……。それに私が努力して得たものでもなかったし『なければ困る』程度の認識しかなかったな」
 それは腕の中の最愛の人が他に褒めるべき点――手技の正確さとか、信頼出来る執刀医だとか――が多すぎて誰も言わなかっただけだろうし、それに普段は人を拒むような雰囲気を醸し出していたからだろう。アメリカ時代は知らないが。
 そろそろジャズフェスタの終わりの時間が近付いて来ているようで、軽快さよりも郷愁を誘う曲が奏でられている。
 それにつられるように言葉を続けた。
「知らないと褒められない場所も有りますよ。例えばココ」
 肩からウール素材の伸縮性を利用して片方の尖りを空気に触れさせる。
「慎ましやかではあるものの、ルビー色に煌めいてしかも感度は抜群なのですから。爪で弾いただけで」
 左右に軽く爪弾いた。
「あっ……んっ」
 艶めいた甘い声がジャズの音色よりも空気を薔薇色に変えていくようだった。
「こんなに綺麗で甘い小さな声を上げる場所だと誰も知らないのですよね。
 知らせる積もりは皆目有りませんが。
 ともかく、病院内の貴方は精巧な造花のような美しさですが、愛の行為の後は咲き誇った濡れた大輪の紅い薔薇の花の風情ですから……。全く印象は異なりますね」
 何故そんなことを聞かれるのか分からなかったものの、甘い睦言とか愛の行為の後の戯れとしては悪くない話題とシュチュエーションだった。
「だったら、ルミナリエ会場の近くで……先に愛の交歓を済ませてから出かけると、良く似た他人だと、知り合いとか元患者さんに会っても思われるのではないか?」
 発想の転換という感じだったので、祐樹は一瞬だけ驚いたが――頭脳の明晰さは熟知しているものの――主治医が自分だったら直ぐにバレるな……と思い至ったが、行為の後の甘く匂い立つ肢体とか、艶めいた容貌をルミナリエの精緻にデザインされた光の祝宴ともいうべきアーチの下で見たかったのも事実だったので黙っておくことにした。
「正確な場所を調べておきますね。人の来ない場所を。
 コーンではなくて……ルビーの尖りを舌と歯で味わいたいです、今すぐにでも。
 せめてその代わりに指で触っていても良いですか?」
 硬く尖ったルビーを愛おしむように撫でる。
「その程度なら……私も気持ちが良いし……。祐樹に触れられるのは大好きなので、構わない」
 焼きトウモロコシの袋を器用に破って手渡してくれた。
 香ばしい香りが辺りに漂う。二人してコーンを一口食べた。
「どうですか?お口に合いそうですか?」
 祐樹の記憶よりも――もしかして思い違いをしているのかも知れなかったが――ネバついた感じはなくて、バリっとしてシャキシャキ感満載のジューシーな甘さに醤油の味が絶妙に絡んでいてとても美味しかった。
「ああ、とても美味しい。
 あっ……ゆ祐樹っ」
 艶やかな甘い声は明らかに「そういう」声だった。祐樹の指は確かに尖りに触れていたものの、優しく包み込むようにしか触っていない。
 怪訝に思って肩越しに最愛の人の手元から胸元にかけて覗き込んだ。











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リアバタと体調不調で一週間も更新をお休みしてしまったことを深くお詫びいたします。
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ただ、書きたい気はしますし、かといってクリスマスに繋げると辻褄が合わないので悩み中です……。
 
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気分は下剋上 ジャズナイト 21

「神戸のルミナリエはニュースでしか見たことがないが、とても綺麗だったな。
 あの催し物にも屋台が有るのか?」
 そもそもが阪神大震災の復興と鎮魂目的でイタリアだかどこかの国の電飾のデザイナーを呼び寄せて、様々な光のアーケイドを遊歩道――普段は車も人も通る道路だそうだ――と公園で見せるイベントなので、ニュースでは色とりどりの光りの遊歩道しか報道されないのだろう。平日の夜のニュース番組はあいにく見ている暇がない祐樹には詳しいことは分からないが、開催初日にニュースが流れることくらいは知っていた。ただ、屋台を写すようなバカなカメラマンは居ないだろう、当たり前過ぎて絵にならないので。
「有るようですよ。光りのマエストロとか呼ばれている人が精魂込めた電飾を毎年考えるそうなので、地元民だけでなく関西圏の人間は毎年訪れるそうです」
 並んで歩く最愛の人の絹のような茶色がかった髪の毛を見下ろしながら患者さんから聞いた話を披露した。
 掬った金魚の袋を大切そうに持ったまま祐樹を見上げる仕草も、先程の甘い愛の交歓の名残りを秘めて艶っぽい。
 眼差しも金魚掬いに興じていた時は子供のような屈託のない無垢さで煌めいていたが、人ごみから外れると艶やかな紅色が加わった。
「それは、是非行きたいな」
 艶やかさを秘めた無垢な目の光りとか、薄紅色に薫り立つしなやかな肢体に見入っているうちに悪戯心がわいてきた。
「貴方がお望みならばお連れしますが、あの会場からごく近くには人が滅多に来ない海沿いの道が有って、そこでご褒美を戴けるならなおさら意欲が……」
 「ご褒美」と三音節に区切った単語を意味有り気に言いながら、サマーウールを押し上げている胸の尖りを挟んで軽く摘まんだ。
「あっ……。
 私は、祐樹が求めてくれるならどこでも……」
 薄紅色の甘い頬が彩りを濃くする。
 その瑞々しい色気が匂い立つような頬を更に紅く染めたくなってしまう、愛おしさの余り。
「焼きトウモロコシではなくて、チョコの掛かったバナナにすれば良かったですね」
 決して子供向きではない催し物――現にアルコールを売っている屋台の数は多かった――なのに、そういう割と甘味の有る屋台も並んでいた。大人の郷愁でも誘っているのだろうか。
「私は食べられるが、祐樹は無理だろう……?」
 予想通りの反応に思わず唇を弛めてしまう。巨大な日本庭園――といっても、和洋折衷の感じが強いが、それはこの建物が明治か大正時代に建設されたからなのだろう――の中には入ろうとする酔狂な人間は居ないようだったので、相思相愛の恋人同士の際どい話も出来るのが嬉しかったが。
「私には無理ですが……バナナの形状は先程、聡の極上の花園に迎え入れられた私のコレに似ていませんか?」
 幾分細い手首を持って下半身に誘導した。
 仄かな灯りでも頬が薔薇色に染まっていくのが分かってとても楽しい。それに軽快なジャズの響きと相俟って恋人達の睦言にはぴったりのシュチュエーションだった。
「貴方のベルベットの舌とか、咽喉の精緻な締め付け具合などを再現して貰いながら召し上がっているのを見るのが楽しみなだけです。
 実際、貴方の肢体はどこも素晴らしいですが、唇での愛の奉仕も最高ですから、ね。
 ただ、悦過ぎてお顔を拝見する暇がないもので、他のモノで代用しても良いかと思いまして。
 ああ、この辺りに座りましょうか?この木の枝に金魚のビニール袋が掛けられますし」
 どちらかと言えば無口な人だが、こうまで無言を貫かれたのは内心で引いてしまったのかと思いつつ、話題を転じた。
 細く長い指からビニール袋を取り除いて枝に掛けた後に芝生と思しき場所に座って最愛の人の腕を引いて開いた脚の間に優しく誘った。こうすると最愛の人の背中が祐樹の胸に密着する形になる。そういう些細なスキンシップも大好きな人なので多分機嫌は直るだろう。
「バナナのチョコレート掛け……。普通に食べるのは全く構わないが『そういう』食べ方はしたくない。
 あの行為は……祐樹にしか施したくないし……それに咽喉の奥か顔に……祐樹の熱い真珠の迸りを受けるのが愉しみでしていることなので……。
 これはワガママか?」
 木の下闇でも無垢な煌めきを湛えた真っ直ぐな視線が祐樹の目を射るようだった。
「いえ、私が浅慮過ぎただけです。そうですね、貴方の素敵な咽喉の締め付け具合とか、ベルベットの舌の精緻かつ大胆な愛の動きを、確かにバナナごときに奪われたくないので。
 唇も咽喉も私だけに使って下さい。コーンよりも硬い尖りも……」
 仲直り――と言っても、別に喧嘩したわけではないが――の印に胸の二つの尖りを優しく摘まんで軽く上下に揺らした。
「あっ……ゆ祐樹っ」
 先程の愛の行為でより敏感になっているのだろう、砂糖細工の甘い声が切れ切れに上がる。このまま押し倒したいくらいに。










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◇◇◇
リアバタと体調不調で一週間も更新をお休みしてしまったことを深くお詫びいたします。
申し訳ありませんでした。

二話更新を目指していますが、二時間を目途に更新がなければ「力尽きたな」と判断して下されば幸いです。

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             こうやま みか拝
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