「満天の星空の下で恋に焦がれて乱れて飛ぶ無数の蛍もとても神秘的で蠱惑的でしたが、私の場合は聡限定での恋情に焦がれていますので、条件が全く異なりますよね。
それに紅絹の艶めきが水晶の球を宿してしなやかに動く様子や、夜に人知れず輝く紅玉のように慎ましやかな光を放っている二つの胸の尖りとか、私の指を精緻に包み込む極上の花園の中にひっそりと隠されている蕾も私の愛の仕草を待ち焦がれているようにきっと蛍よりも艶やかな仄かな光を放っているのでしょうね。
直接拝見出来ないのが残念ですが……そこは想像力で補いますので」
祐樹の指で蕾の輪郭を確かめるように辿ると、紺色の乱れた浴衣の褥から浮き上がったしなやかな肢体が一際艶やかさをまとって強風に煽られた若木のように蛍の光りよりも煌めいた一瞬の光りの弧を描いて空中に瞬いたのをこの目で確かに見た。
「ゆ……ゆっ……祐樹っ……」
蚊帳の白い布まで紅く染めるような声が普段よりも大きく聞こえるのは、祐樹との約束を律義に守っているのか、空間を埋め尽くした蛍の乱舞のように祐樹の愛の仕草に翻弄されて最愛の人の卓越した頭脳でも「愛する人間の名前」で以外は紡げなくなるほどの極上の悦楽に支配されているかのどちらかに違いない。
風の向きと強さが変わったのか開け放った屋外に通じる扉から純白の蚊帳が天女の羽衣のように艶めかしさと神性さで揺れているし、蛍の乱舞の場所が川沿いからこの部屋に変わっていた。
「紅絹の艶やかさとか濡れた紅玉の慎ましやかな尖りが先程よりも蛍の光りに照り映えて、紅色の蝶のように跳ねる聡の綺麗な肢体が神聖な妖艶さを増していて……天上の美のように綺麗です」
それに祐樹の――結局最愛の人の器用過ぎる指でも帯を解くのは難易度が高かったらしい――白い浴衣に当たっている最愛の人の先端部分からも月に煌めく水晶の大粒の雫で濡れて震えているのが布地越しに分かった。
「ゆ……祐樹っ……」
蛍の仄かな幽玄の瞬きよりも艶やかに煌めいた唇が濡れた小さな甘い声を上げるのも身も心も祐樹の愛に焦がれて鳴く蛍のようで、紺色の褥から半ば宙に浮いた紅絹のようなしなやかな肢体が汗の雫を纏って蛍の仄かな光を千々の色に煌めかせているのも、そして祐樹の指全部を使ってバラバラな力で弾く愛の仕草の合間合間に夜の紅玉の艶やかで慎ましやかな光を放っているのも祐樹の愛に焦がれているような神秘的で蠱惑的な蛍の紅い瞬きを彷彿とさせて、この白い蚊帳の帳を隔ててごく近い距離を乱れ飛ぶ蛍よりも綺麗だった。
「ああ、もう白珠が今にも弾けそうな感じですよ、ね。お好きなだけばら撒いて下さって構いません」
むしろその瞬間が見たくて仕方がなかったのは祐樹のいわば我が儘だった。最愛の人が同意してくれたのは僥倖以外の何物でもなかったが。
「ゆ……ゆう……きっ……」
花園の中の凝った蕾を繊細な硝子細工を扱うように細心の注意を払ってゆうるりと輪郭を辿ったり最も感じ易いごく狭い蕾の上の琴線を軽く優しく撫でたりと乾いた絶頂を避けるための工夫はしていたが、その度ごとに露を纏った紅絹のような素肌が魅惑に満ちた弧を描いて祐樹の身体へと傾ぐ風情も絶品だった。
それに愛に焦がれた声とか祐樹の浴衣に当たった最愛の人の愛情と欲情の象徴が放出の前兆に震えていたので、露を纏った素肌のあちこちに紅い愛の刻印を刻んでいた唇と、ひたりと密着していた素肌を少し離した。ただ花園の中の蕾と胸の尖りをいつもよりも緩やかな力と精緻な動きで前後に動かすことだけは止めなかったが。
「ゆっ……」
束の間強張った肢体が甘く艶やかな声を出しながら白珠の熱い雫を一瞬だけ空中に煌めかせて蛍の光りよりも白く甘い煌めきを儚く散らせて紅絹のような素肌を白珠の飾りでよりいっそうの幽玄めいたほの紅さと白い珠の対照の美を蛍の光りだけが照らしている。
「最高の和の美しさを堪能させて戴きました。ここでしか味わえない絢爛豪華でいながらも仄かな艶めきで瞬く聡の肢体も最高に綺麗ですね。蛍の光りに『持て囃される』肢体とはこういうことを表現したのでしょうね、昔の人は。今まで知識上だけでしたが実感として味わえることが私の生涯に有るとも思っていませんでした
これも聡の極上の肢体と、私の愛の仕草とそして蛍の乱舞のせいでしょうね。
とても綺麗で私の聡に対する焦がれる愛がますます加速致しました、よ」
弛緩した肢体を紺色の褥に宿らせている最愛の人は露や白珠の仄かな煌めきとか紅玉の艶やかで慎ましげな尖りがほの紅さを増していて魅入られてしまう。蛍の瞬きの仄かな光がその綺麗な肢体を音もなく照らしては美しさを増していく。こういう状態を「持て囃された」と昔の人は表現したのだろうな、朧げで仄かな光の饗宴に照り映えている最愛の人を見下ろしながら温度のない蛍の代わりを務めているような熱い息吹を零している最愛の人の唇に唇を重ねた。
〈了〉
それに紅絹の艶めきが水晶の球を宿してしなやかに動く様子や、夜に人知れず輝く紅玉のように慎ましやかな光を放っている二つの胸の尖りとか、私の指を精緻に包み込む極上の花園の中にひっそりと隠されている蕾も私の愛の仕草を待ち焦がれているようにきっと蛍よりも艶やかな仄かな光を放っているのでしょうね。
直接拝見出来ないのが残念ですが……そこは想像力で補いますので」
祐樹の指で蕾の輪郭を確かめるように辿ると、紺色の乱れた浴衣の褥から浮き上がったしなやかな肢体が一際艶やかさをまとって強風に煽られた若木のように蛍の光りよりも煌めいた一瞬の光りの弧を描いて空中に瞬いたのをこの目で確かに見た。
「ゆ……ゆっ……祐樹っ……」
蚊帳の白い布まで紅く染めるような声が普段よりも大きく聞こえるのは、祐樹との約束を律義に守っているのか、空間を埋め尽くした蛍の乱舞のように祐樹の愛の仕草に翻弄されて最愛の人の卓越した頭脳でも「愛する人間の名前」で以外は紡げなくなるほどの極上の悦楽に支配されているかのどちらかに違いない。
風の向きと強さが変わったのか開け放った屋外に通じる扉から純白の蚊帳が天女の羽衣のように艶めかしさと神性さで揺れているし、蛍の乱舞の場所が川沿いからこの部屋に変わっていた。
「紅絹の艶やかさとか濡れた紅玉の慎ましやかな尖りが先程よりも蛍の光りに照り映えて、紅色の蝶のように跳ねる聡の綺麗な肢体が神聖な妖艶さを増していて……天上の美のように綺麗です」
それに祐樹の――結局最愛の人の器用過ぎる指でも帯を解くのは難易度が高かったらしい――白い浴衣に当たっている最愛の人の先端部分からも月に煌めく水晶の大粒の雫で濡れて震えているのが布地越しに分かった。
「ゆ……祐樹っ……」
蛍の仄かな幽玄の瞬きよりも艶やかに煌めいた唇が濡れた小さな甘い声を上げるのも身も心も祐樹の愛に焦がれて鳴く蛍のようで、紺色の褥から半ば宙に浮いた紅絹のようなしなやかな肢体が汗の雫を纏って蛍の仄かな光を千々の色に煌めかせているのも、そして祐樹の指全部を使ってバラバラな力で弾く愛の仕草の合間合間に夜の紅玉の艶やかで慎ましやかな光を放っているのも祐樹の愛に焦がれているような神秘的で蠱惑的な蛍の紅い瞬きを彷彿とさせて、この白い蚊帳の帳を隔ててごく近い距離を乱れ飛ぶ蛍よりも綺麗だった。
「ああ、もう白珠が今にも弾けそうな感じですよ、ね。お好きなだけばら撒いて下さって構いません」
むしろその瞬間が見たくて仕方がなかったのは祐樹のいわば我が儘だった。最愛の人が同意してくれたのは僥倖以外の何物でもなかったが。
「ゆ……ゆう……きっ……」
花園の中の凝った蕾を繊細な硝子細工を扱うように細心の注意を払ってゆうるりと輪郭を辿ったり最も感じ易いごく狭い蕾の上の琴線を軽く優しく撫でたりと乾いた絶頂を避けるための工夫はしていたが、その度ごとに露を纏った紅絹のような素肌が魅惑に満ちた弧を描いて祐樹の身体へと傾ぐ風情も絶品だった。
それに愛に焦がれた声とか祐樹の浴衣に当たった最愛の人の愛情と欲情の象徴が放出の前兆に震えていたので、露を纏った素肌のあちこちに紅い愛の刻印を刻んでいた唇と、ひたりと密着していた素肌を少し離した。ただ花園の中の蕾と胸の尖りをいつもよりも緩やかな力と精緻な動きで前後に動かすことだけは止めなかったが。
「ゆっ……」
束の間強張った肢体が甘く艶やかな声を出しながら白珠の熱い雫を一瞬だけ空中に煌めかせて蛍の光りよりも白く甘い煌めきを儚く散らせて紅絹のような素肌を白珠の飾りでよりいっそうの幽玄めいたほの紅さと白い珠の対照の美を蛍の光りだけが照らしている。
「最高の和の美しさを堪能させて戴きました。ここでしか味わえない絢爛豪華でいながらも仄かな艶めきで瞬く聡の肢体も最高に綺麗ですね。蛍の光りに『持て囃される』肢体とはこういうことを表現したのでしょうね、昔の人は。今まで知識上だけでしたが実感として味わえることが私の生涯に有るとも思っていませんでした
これも聡の極上の肢体と、私の愛の仕草とそして蛍の乱舞のせいでしょうね。
とても綺麗で私の聡に対する焦がれる愛がますます加速致しました、よ」
弛緩した肢体を紺色の褥に宿らせている最愛の人は露や白珠の仄かな煌めきとか紅玉の艶やかで慎ましげな尖りがほの紅さを増していて魅入られてしまう。蛍の瞬きの仄かな光がその綺麗な肢体を音もなく照らしては美しさを増していく。こういう状態を「持て囃された」と昔の人は表現したのだろうな、朧げで仄かな光の饗宴に照り映えている最愛の人を見下ろしながら温度のない蛍の代わりを務めているような熱い息吹を零している最愛の人の唇に唇を重ねた。
〈了〉
どのバナーが効くかも分からないのですが(泣)貼っておきます。気が向いたらポチッとお願いします!!
◇◇◇
都合により、一日二話しか更新出来ないーーもしくは全く更新出来ないかもーーことをお詫びすると共に、ご理解とご寛恕をお願いいたします。
やっとリアバタがー段落ついたので、次回更新分からは毎日更新を目指します!(目指すだけかも……(泣)
都合により、一日二話しか更新出来ないーーもしくは全く更新出来ないかもーーことをお詫びすると共に、ご理解とご寛恕をお願いいたします。
やっとリアバタがー段落ついたので、次回更新分からは毎日更新を目指します!(目指すだけかも……(泣)
あと、熱烈リクエストがあった「蛍の光の下のデート」も超短編で書こうかと目論んでいます!ただ、ストーリー性が強いのは「夏」なので、そちらを優先したいのですが、予定は未定(泣)
最後まで読んで下さって有難う御座います。
こうやま みか拝
最後まで読んで下さって有難う御座います。
こうやま みか拝