腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します

<秋休み>の後、クリスマス

気分は下剋上 クリスマス編 最終話

 弾んだ声と表情で聞いて来る最愛の人を惚れ惚れと見詰めてしまった。
「いえ、京都ではこんな雪は体験出来ないでしょうから、お連れしただけですよ。愛の交歓で身体が温まったとはいえ、急に冷やし過ぎるのも風邪の元だと思います。もう人が居ない時間だと思われますので一階のツリーを見に行きませんか?」
 バーも店仕舞いをしている時間だったし、一階のロビーにあるレストランも閉店時間が過ぎている。暖炉の火は多分消されているだろうが、その分ツリーは二人きりで眺めることが出来そうだ。
 暖炉の周りには色々な意匠を凝らした椅子がたくさん並べられている。一人用のも有れば二人掛けやそれ以上のも。多分ゲストの人数に合わせて使い勝手の良いように考えられているのだろう。
 案の定、ツリーが鎮座しているスペースに人は居なかったので、二人掛けの椅子に座った。クリスマスイブだからか暖炉の火は消されておらず、何だか貴族のお城のリビングルームに――生憎(あいにく)お貴族様の知り合いは居ないし、お屋敷に行ったこともないのであくまでイメージだが――居るような贅沢さだ。
「予想以上に良いクリスマスになりましたね。神様の祝福の証しに雪まで降ってきましたし……。それはそうと」
 最愛の人の左手首をそっと掴んで上着の袖を(めく)った。客室を出る前に見た物が幻でないのを確かめるために。
「シャワーを浴びた後にも着けて下さったのですね……」
 祐樹が贈ったバングルがワイシャツに半分隠れてはいたものの、黒く艶やかに光っている。
「祐樹が私のために選んでくれた物だろう。付け心地も抜群だし」
 最愛の人がシャツの袖についているボタンを外して宙にかざす。薄紅色の素肌にも黒い革と金色のカデナ(錠前)が良く似合っている。
「予想していた以上に似合っていますね。職場には流石に無理でしょうが……室内着の時に付けて下さればとても嬉しいです」
 最愛の人は怜悧さの中にも艶やかな笑みの花を浮かべて祐樹を見ている。
「このカデナ……。何だか祐樹に束縛されているようでとても幸せな気分になれる。私がベルリンの国際公開手術の術者として行って祐樹が見に来てくれたことが有っただろう?帰国直後に贈って貰ったリングは祐樹の持っている鍵でしか開かないので、絶対に二人きりの時にしか使えない――いや、それも嬉しいのだが――けれども、こちらの方は一人で外せるので、ずっと付けていたい。勿論プライベートの時間に限るけれども……」
 幸せ色に弾んでいる最愛の人の声が耳に心地よい。
「私こそ、この指輪は貴方からの束縛の(しるし)だと思ってずっと付けますね。最高のクリスマスプレゼントを有難うございました」
 最愛の人と部屋で激しい愛の交歓をする時間も勿論大切だしこの上もなく幸せな時間だけれども、こうして二人きりで暖炉の火や本格的なツリーを見ながら言葉を交わす時間も宝石のように貴重だ。
 この場所は高価な絨毯のせいで足音が聞こえないのでそっと辺りを見渡して人が居ないことを確かめていると、最愛の人が察した感じで瞳を閉じて祐樹の方へと顔を上げた。
 口づけを交わしていると暖炉の脇に置かれた大きな古時計が12時を告げる鐘の音を鳴らしている。
 その鐘の音は熱烈に愛し合う二人を祝福する教会の鐘の音のようだった、特別な日に鳴る。
「メリークリスマスというよりもハッピークリスマスと言った方が正確ですよね……」
 飽きることのない口づけを解いてそう告げてから、バングルのカデナ部分にも誓いのキスを落とした。
「そうだな……。ずっと祐樹とこうして居たい、な。それが私の幸福なのだから」
 最愛の人は祐樹の左手の薬指に唇を寄せながら極上の言葉を紡いでくれた。
「ずっと一緒に居ましょうね、死が二人を分かつとも……。あんなにタイミング良く天使の羽根を思わせる雪が降ったのも、きっと神様のご加護が有ったからですよ。そのご加護は一生続くと信じましょう」
 指輪に口づけた最愛の人は天使のような笑みを浮かべて祐樹を見上げている。
「そうだな。ずっと一緒にいよう……」
 荘厳さを宿した真剣な眼差しでそう告げると最愛の人が指を付け根まで絡めてきた。そして紅い花のような唇をあたかも儀式のような感じで祐樹の唇と重ねた。

    <了>





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気分は下剋上 クリスマス編 23

「祐樹!雪が降っている……!!」
 最愛の人のフルートグラスを持った薄紅色の指に祐樹が見惚れていると弾んだ声が空気を金色に染める感じで知らせてくれる。
「え?本当ですか?」
 祐樹もガラスに目を遣ると確かに牡丹雪が風に舞っている。しかもこのクラブラウンジは高層階にあるために風も強いし大阪の中心地だけに高層ビルも多くて風の吹き方が複雑なのだろう。
 大粒の牡丹雪が天使の羽根のように舞っているといった感じだ。降り積む雪という感じではなくて多数の天使が舞っていて、その羽根が羽ばたく度に抜けているような。
「この聖夜(イブ)に相応しいですね。確か聖書ではキリストの生誕を知った東方の三博士がお祝いに来たとかでしたよね?」
 アメリカで生活歴のある最愛の人の(ほう)がキリスト教のことも詳しいだろうと――何しろ患者さんはアメリカでも富裕層が多かったと聞いているし、アメリカのお金持ちはキリスト教徒が圧倒的に多いと何かで読んだ覚えが有る――聞いてみると案の定楽しそうに頷いている。
「東方の三賢人とも呼ばれているな。新約聖書によると星に導かれて幼子(おさなご)のイエスと聖母マリアの居る場所に着いて神の子を拝んだ後に乳香と(もつ)(やく)と黄金をそれぞれが贈ったとされている」
 最愛の人は祐樹の顔とガラスの外を交互に見ながら説明してくれた。
「星に導かれたというのはロマンテックで良いですが、――そしてベツレヘムに雪が降るかどうかはとんと存じませんけれど――この天使の羽根が宙を舞っている方が更にロマンテックですよね。多分お年寄りの東方の博士よりも天使が祝福に来たと書いてある方が物語的にも盛り上がるのではないでしょうか?」
 無神論者の二人だが常識程度の知識は持ち合わせている。特に最愛の人は。
「天使の記述が頻繁(ひんぱん)に現れるのは旧約聖書だし、新約聖書ではヨハネの黙示録に『神の審判が下る時に七人の天使がラッパを吹く』程度しか書かれていなかったような気がする。あまり詳しくはないのだけれども」
 最愛の人が上着に包まれた若干華奢な肩を(すく)めている。
 先ほどの愛の交歓の余韻は首筋とか頬は薄紅色に染まっている点と気怠く甘い香りが肢体全体から漂っているように感じる点だ。ただ薄紅色はアルコールで酔った場合でも――最愛の人も祐樹もアルコール分解酵素が日本人にしては多いので顔には出ない体質だがそんなことは他人には分からない――そうなる人も居るし、気怠さなども普段の彼を良く知っている人しか分からないだろう。
 この場に仲の良いケンカ友達とでも言うべき森技官などが居た場合は即座に見抜くだろうが、不定愁訴外来の呉先生と森技官のカップルは何となくケンタッキーのデリバリーを頼んで家でクリスマスイブを過ごしているような気がする。聞いたわけではないのであくまでもイメージだが。森技官と呉先生は吉野〇で牛丼を食べるデートとかを普段していると聞いていた。二人とも「幼い頃に食べさせて貰えなかったから」という理由でジャンクフードが好きだと聞いている。厚労省のキャリア官僚様が「ジャンクフードは健康に悪い」という省の注意喚起を無視しているのも彼らしいけれど。
「そうなのですね。私は聖書を読んだこともないもので……。ただ、最後の審判はともかく、ガラスの外の雪は天使の羽根が舞っているようでとても綺麗です。何だか二人で過ごす聖夜(イブ)に神様が贈ってくれたか祝福して下さったようにも思います。ホワイトクリスマスになるという予報は出ていなかったので、なおさら奇跡的なモノを感じます。ああ、そろそろラウンジも閉まる時間ですね……。シャンパンをもう一杯頼みますか?」
 人の少ないラウンジだったけれども、ぽつぽつとクラブラウンジから出ていく人たちが居て、その人たちも都会が織りなす雪景色を眺めてから各々(おのおの)の客室に戻っていく。
「いや、それよりも水が欲しい」
 愛の交歓で散々喘いだからのか最愛の人は唇に薄紅色の笑みを浮かべている。
「客室に帰る前に喫煙所に寄って良いですか?」
 煙草を吸う積りはなかったけれども、そう誘ってみた。
「こんなに雪が舞っていて、四方八方から冷たい雪が吹き付けて来たのは初めてだ……。雪国に来たみたいだし……、それに祐樹との愛の行為で火照った身体を心地よく冷やしてくれる」
 バーや鉄板料理のお店などは低層階にあって、夏の間はイギリスの貴族の館の庭園を模した場所でカクテルなどを楽しむ趣向になっている。その片隅に灰皿が置かれていることは当然把握していた。
 ガラスの外をあんなにも楽し気に眺めていた最愛の人なら神様の贈り物みたいな雪を実際に体験してみたいだろうなと思って誘ったのだけれども、祐樹の想像以上に喜んでくれていてとても満足だ。
 部屋で魅せてくれた妖艶さも捨て難いけれども無邪気で無垢な笑みを浮かべている最愛の人を眺めると心が暖かくなる。
「祐樹、煙草は吸わないのか?」





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気分は下剋上 クリスマス編(I8禁) 22

 最愛の人の下半身はパレオ状態にしたスカーフで隠されていて、しどけなく開いているであろう花園の門すら見えない。
 見えないからこそ余計に想像力が増して良いが。
「あっ……」
 最愛の人の小さくそして淫らな声がペルシャ絨毯の上に零れたかと思うと先端部分を一気に迎え入れてくれた。最愛の人の極上の花園は彼が纏っているシルクよりも熱く厚い感触で包み込んでくれる、相変わらず魔性を秘めた祐樹だけの場所。
「もう少し……腰を落とせますか……?」
 先端部分だけではなくて茎全体で極上の花園を感じたい、そして上下に揺すって欲しいと熱望しながらそう告げた。
「ゆ……祐樹っ……手をっ……握って……欲しいっ」
 指輪をはめた方の手を最愛の人の紅色の指に強く深く絡めた瞬間に腰が沈んだ。根元まで迎え入れた証しにお互いの肌が奏でる湿った水音がした。ただ、最愛の人の魔性の花園は一種の凶器でそう長くは()たない。膝を立てていた脚を伸ばして、取って置きの低く甘い声を出した。
「鏡を見てください。繋がっているのが見えるでしょう?」
 甘く低い声で(そそのか)すのと同時にパレオ状に結んだスカーフをハラリと解いた。このスカーフは流石に最愛の人も愛用している老舗高級ブランドだけあって厚さと重みが有って自重で床へと落ちていく。何だか紅く淫らな蛇のようなしなやかさで。
 最愛の人の紅色の下半身が外気に晒された瞬間を見計らって足を伸ばした。鏡には紅い(はな)(ひだ)が開花した状態で震えながら開き切って祐樹の屹立を根本まで迎え入れている様子がくっきりと映し出されている。
「聡の花園が開き切って私を歓迎して下さっているのを目でも確認してくださいね……」
 艶めいた眼差しが驚いたように、そして喜んだように見開かれる。
「……本当だ……。こうなっているのだな……。ああっ……祐樹が……下からっ……腰を上げる度にっ……紅く青くっ……花火が爆ぜているようで……」
 繋がった部分を視覚に覚え込ませるように腰を上げてルビーよりも紅い花びらを(めく)りあげながら花園の奥の奥まで祐樹の欲情と愛情の象徴を届けるように大きく身体を揺すった。
 その愛の行為で濡れた肌が奏でる淫らな協奏曲が豪華かつシックな部屋に響いて、部屋の空気を淫靡な赤に染めていくようだ。
「ゆ……祐樹っ……、私……はっ……」
 育ち切って先端から水晶の大粒の雫をとろとろと零しては祐樹の動きに従って空中に煌めきを放ちながら落ちていくのもとても綺麗だったが、大輪の花の芯のように勃ち上がった最愛の人の欲情の象徴は祐樹の動きで紅色の腹部に当たったり優雅な弧を描いたりしている。そしてその大きさと震えが限界の近いことを訴えている。
「私もです。一緒に……」
 一際大きく突き上げると最奥に真珠の雫をばら撒いた。同時に最愛の人の先端部分から白い噴水が刹那の間吹き上がっていた。その最中の最愛の人の表情は無垢な淫らさに満ちている。
「祐樹……愛している……。永遠に……」
 繋がりを解かないまま最愛の人が肢体の向きを変えて祐樹の唇に顔を近づけながら極上の言葉を紡いでくれた。ひとしきり軽いキスを交わして後の戯れに耽ることにする。
「私も聡のことを一生愛しますよ……。この指輪も……大切に使います……」
 黒い革のバングルを付けた紅く染まった手首を恭しく捧げ持って昔の西洋の貴婦人に対するような感じで指先に接吻を落とすと、最愛の人の潤んだ目から涙が一粒ダイヤモンドの煌めきで目尻から紅色の頬を伝っていく。
「そろそろクラブラウンジが閉まる時間ですね。軽く呑みに行きませんか?」
 気分を変えるように軽い口調で誘った。
「それは構わないが……。愛の交歓の余韻が残る身体で大丈夫だろうか……?」
 最愛の人は真面目かつ心配そうな表情で祐樹を見ている。
「ざっとシャワーを浴びれば大丈夫です。クリスマスイブのこの時間ですので、皆アルコールも入っていますし……。ああ、花園の中に差し上げたプレゼントはしばらくそのままにしておいてくださいね」
 手早くシャワーを浴びて最愛の人がワイシャツを身に着けている。散々愛してルビーよりも紅く尖った場所がシャツの下に隠れてしまうのを未練がましく見てしまった。ただ、薄いワイシャツを着てもツンと尖った場所は隠しようがなくて、布地越しにも紅さがハッキリと分かったが。
「温泉宿と異なって浴衣(ゆかた)姿で色々と行けない点がホテルの不便なところだな……」
 最愛の人はそう不満そうでもない感じで祐樹に花のような笑みを向けてくれた。
「そうですね。ただ、あのクリスマスツリーとか大阪の夜景を一望出来る豪華な場所に、浴衣は似合わないので仕方ないかも知れないですよね」
 祐樹も着衣を整えて最愛の人をエスコートして部屋を出た。以前は昔ながらの鍵だったが、今はカードキーに変わっている。
 そのカードを胸ポケットに仕舞ってあるのを確かめた後にエレベーターではなくてゲスト用の階段を指の付け根まで手を繋いで下りた。この時間、カップルは部屋に籠っているだろうから人の気配はないと踏んでいたのだが案の定だった。
 最愛の人が最も気に入っている席も空いていて、大阪の夜景とクリスマス用にディスプレイされたクラブラウンジが非日常に――というか聖夜と表現した(ほう)が良いかも知れない――相応しい。祐樹がシャンパンをスタッフに注文ししてから最愛の人に向き直る。
「いつものチーズで良いですか?それとも他に召し上がりたいものは有りますか?」
 一応聞いてみたが最愛の人は紅色の首を優雅に横に振った。
 愛の交歓の後の最愛の人は甘い残り香をふんだんに身に纏っていて、それを公共の場所で見るのも祐樹の密かな楽しみなので。
 チーズとクラッカー、そして最愛の人が気に入る可能性が高いカナッペをビュッフェコーナーで選んで最愛の人の席へと戻った。
 テーブルに気怠さを持て余した感じで肘を付いているのも普段の最愛の人とは異なっていたし。ある点に気付いて思わず唇を弛めた。





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クリスマスは過ぎてしまいましたが……。このクリスマス編も年内には終わることが出来そうでほっとしています。更新時間はバラバラになってしまって本当に申し訳ないのですが……。
  こうやまみか

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気分は下剋上 クリスマス編 21(I8禁)

「私自身が……綺麗かどうかは……分からない……。けれど、スカーフと、そして、祐樹に……愛されている身体だと……思うと……とても愛おしくて……嬉しいとは……思う……」
 面食いだと自他共に認める祐樹が一目惚れした最愛の人だし、誰が見ても恵まれた容姿だと思うだろう最愛の人だが、祐樹がどれだけ言葉を尽くしても最愛の人には響かないようだった。
 その(かたく)なさもこの上なく愛おしいけれど。過去の恋愛ごっこの相手は自らの容姿を過大評価している男性しか居なかったので、その点ではとても新鮮だったのも確かだ。
 来年の抱負として最愛の人が祐樹にとってどれだけ魅力的かを頭にも肢体にも分からせようと思いつつ胸の両の尖りを指で強く弾いた。
 指の動きやそれに連動して撓る肢体がスカーフの赤い薔薇が強風に煽られたように翻ったり肢体のラインに合わせてしなやかに反ったりしている。
 祐樹は年齢制限が有る一般男性向けDVDには一切興味は持ち合わせていないものの、大学時代の付き合いの一環として同級生の豪華マンションで開催された鑑賞会に参加したことはある。医学部の場合は親御さんも医師の場合も多くて仕送り額は普通のサラリーマンの月給よりも多いとかはザラに居たので。そういう元同級生は親の跡を継ぐべく実家に帰ったので今ではほとんどが没交渉だった。それはともかくエ〇DVDのセーラー服はペラペラでいかにも安っぽい点とかが気になっていた。他の参加者は当然というか、当たり前というか女優さんの身体とか顔しか見ていない感じだったが。あいにく祐樹はどんな巨乳であろうとも一切関心がないので細かい点に心の中で文句を言いながら時間を潰しているだけだったが。
 それに比べて目の前の最愛の人の薄紅色に染まった肢体に豪奢なシルクスカーフが滑らかかつ重厚な雰囲気で揺れる様子は絶品だった。
「いえ、聡は何も纏っていなくても充分過ぎるほど綺麗ですよ。それなのに、こんな赤やピンクの薔薇を描いたシルクのスカーフを紅色の肢体に巻き付けていのですから艶やかさを一段と増して筆舌に尽くしがたいほどの美しさです」
 紅色に染まった耳朶(じだ)に染み込むように熱く甘く告げると、しなやかな肢体が豪奢な感じで反って祐樹の胸へと密着してきた。
 二つの尖りをもっと愛して欲しいという誘いのように。赤い薔薇の花びらが描かれている場所を二つの尖りがツンと押し上げているのも何だか花びらの下に薔薇の蕾が隠されているようで直接見ることが出来ない分、想像力が掻き立てられてとても良い。
 とろりとした重みのあるシルクと素肌の(あわい)に両手を忍び込ませて、しっとりと濡れた素肌とシルクの張りの両方を味わった後に尖りをキュっと強く()まんで引っ張った。
「あっ……ゆっ……祐樹っ……()ぃっ」
 普段以上に甘く蕩けた声が紅色の唇から零れている。指の腹の部分が硬く押し戻される感触も堪らなくて指を全て使って尖りを弾いた。
「ゆっ……祐樹っ……。特にっ……左手のっ……薬指……感触がっ……()っ……」
 喘ぎ過ぎて開きっぱなしになっている紅色の唇からは銀の雫が細い川のように滴っていて紅色の素肌に流れている。
「目を開けて良く見てください。快楽を追うのに視覚が邪魔なのも分かりますが、最高に艶っぽい表情も聡自身で確かめてください……」
 より紅く染まった耳朶(じだ)(そそのか)すように甘く低い声で囁いた後で軽く噛む。そして耳朶の後ろを舌全体で確かめるように辿る。
「ゆっ……祐樹っ……()過ぎてっ……。頭の……中のっ……紅い薔薇がっ……飛び散りそうっだ……」
 切れ長の目も涙の膜を張って艶やかな眼差しを鏡に向けている。目尻からは涙の雫がポトリと落ちたかと思った瞬間大きく肢体が揺れた。
「ああっ……。花びらに火がついた……ようでっ」
 切羽詰まった天使が慌てているような綺麗な声だった。ただ、鏡に映る最愛の人の育ったモノは真珠をばら撒いた痕跡は皆無だった。
「服を脱がせて頂けますか?それとも感じ過ぎて指が動かないですか……」
 乾いた絶頂が長く続いている感じの最愛の人は目を(みは)って鏡は見ているようだけれど、多分視覚よりも花園の中とかの肢体の内側からの刺激に震えているのだろう。
「だ……大丈夫……だ。服くらいは……キチンと……脱がせられる……と思う」
 語尾が彼らしくないあやふやな感じで溶けていった。「無理は」と言った時に紅色の震える指が祐樹の着衣を一枚一枚脱がせてくれた。「しなくて良いです」と言い切る前に。
 紅色に染まった手首には艶やかな黒い革のバングルとカデナ(じょうまえ)が無垢な背徳じみた感じで鈍く鋭く光っているのも予想以上に壮絶な色香を放っていて……。プレゼントに加えて良かったと心の底から思った。
 渇いた絶頂がまだ続いているらしく、紅色の指は大きく震えていて微細な動きで祐樹の肌を刺激してくれる上に手首のバングルの艶やかさとか最愛の人の紅く染まった顔に汗と涙の雫が滴っている様子などと相俟って祐樹の下半身を育ててくれている。
 祐樹を一糸纏わぬ姿にした瞬間に安堵と期待めいた薔薇色の溜め息が紅色の唇から零れた。最愛の人の素肌を覆っている咲き誇った紅い薔薇を思わせる艶やかさで。
「聡の花園の中……今の状態だと()れ辛いでしょうから……聡のペースで腰を落として下さい……。ああ、身体はこちら向きで……」
 一瞬不審そうな光が宿ったが艶やかな眼差しで祐樹のリードに従って肢体の位置を変えている。祐樹が下になって最愛の人が上になる愛の営みの形だ。ただ、最愛の人の顔は祐樹の膝を立てた脚の方を向いているのが普段と異なる点だった。勿論、祐樹には淫らかつ甘美な目論見があってのことだったが。





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◇◇年末年始は更新時間がバラバラですみません。取り敢えず「クリスマス編」は年内に終わらせるように頑張ります!!←遅いって……(;'∀')

今年は特に寒いように感じます。読者様もお身体ご自愛ください。
  こうやまみか



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気分は下剋上 クリスマス編 20

 少なくとも10枚以上のシルクのスカーフが入っていた。
 しかも赤い薔薇模様が大きく描かれているスカーフが圧倒的に多い。
「祐樹のリクエストに応えてみた……。ただ、どうやって身に纏えば良いのか分からないので、その点は任せるけれども……」
 最愛の人は祐樹の首に手を回して唇を重ねてくれた。次第に深くなる接吻に口の中の敏感な部分が先ほどの青い炎を纏ったように熱くなる。そしてその熱が身体の隅々まで行き渡る。
 最愛の人のジャケットを床に落としてネクタイを解いた。シャツのボタンを外して素肌を外気に晒した。「そういうコト」を未だしていない慎ましやかな鮮やかな桃色の尖りがとても綺麗だった。
「熱烈な恋人同士、しかもイブの日に相応しく愛し合いましょうね。ああ、その前に……」
 革のバングルを手首に着けると薄紅色の素肌に黒い革は良く映えている上に鍵が付いているので背徳感すら醸し出している。(サド)っ気はないと思っていたしSМプレイも興味がない祐樹だが、そういうプレイにハマる人が居るというのも何だか妙に納得してしまうような素敵な眺めだった。
「この革のバングルにカデナ――つまり錠前(じょうまえ)のことだが――付きというのは珍しいのだ……。良く手に入ったな……」
 最愛の人が手首を見ながら感心したような言葉を紡いでいる。詳しく経緯を説明しても良かったが、すっかり愛の交歓モードになった今は先を急ぎたい。バングルを含めて手首を恭しく掴んで寝室へと誘う。
 勿論、最愛の人が用意してくれたスカーフも手に持ってどうやって肢体に巻きつけようかと思案しながら。色香とバングル以外は何も纏っていない最愛の人の素肌に紅い薔薇とか黄色い薔薇のスカーフを巻いていく。
 肝心な場所が隠れるように、そして直ぐに露わになるように色々と工夫をするのはとても愉しい作業だった。
 祐樹の手が触れるたびに、素肌も紅さと艶やかさを帯びていってシルクには負けない煌めきを放っているのが最高に良い眺めだった。
「このスカーフは汚しても大丈夫なのですよね……?」
 胸の尖りに丁度赤い薔薇が当たるように巻き付けたスカーフの下へと指を入れていくと、シルクの上からは祐樹の指の形が隆起していく、そして既に尖っている愛らしい場所も指の愛撫の期待からシルクを押し上げていた。何だか大輪の赤い薔薇が立体的な感じを醸し出しているようで妙に官能的だった。
 強くキュっと()まむと薔薇の吐息のような声が零れている。
「大丈夫だ。これは祐樹との愛の小道具用に購入したので……」
 購入?確か店舗に並んでいないと聞いていたが……。
「わざわざ買って下さって有難うございます。クリスマスイブの愛の交歓に相応しいアイテムですよね……。ただ、どんな方法で買われたのですか?」
 二つの尖りの側面は果実を捻って果汁を出すような動きをして先端部分は指の腹でくるくると撫でると大輪の薔薇が風に煽られたように動いている。
「あっ……祐樹っ……()っ……」
 胸に当たっている最愛の人の背筋がしなやかに反って愛撫を強請るように動いている。祐樹が肝心な場所を覆うように身に着けたシルクのスカーフの暖色系の薔薇の花も肢体の動きに従って風に煽られた花のような動きになっているのが余計に艶めかしい。
「買ったのは……オークションサイトだ。新品で……出ている物ばかりを……選んで……」
 一枚だと割と簡単に買えるだろうが――ちなみに久米先生はレア物のフィギアをそういうサイトで入札争いを制して入手しているのをリアルタイムで見ていた覚えが有る。オークション終了5分前にバタバタっと入札が入るらしく限度額(?)をドンドンと上げていっていた――これだけの量を集めるのは大変だったと思う。それなのに「愛の小道具」としてわざわざ買ってくれた最愛の人の行動に感激した。
「そんなにお手数をお掛けしたのですね。有難うございます。聡の深い愛情を感じました。聡は何も身に着けなくても充分綺麗ですが、艶やかな光沢を放つシルクのスカーフ、しかも聡を彷彿とさせる紅い大輪の薔薇が素肌に映えて例えようもないほど綺麗です。このサプライズがなければ……、普通にベッドで愛し合おうと思っていたのですけれども、この艶やかな姿は是非とも聡にもご覧になって欲しいです……」
 窓ガラスという点も考えたのだが、くっきりはっきり映るわけでないので却下だ。窓際での愛の交歓は最愛の人の羞恥心を煽るという長所があるものの。
「ああ、部屋に丁度良い物が有りますね……」
 クリスマスイブなのでグレードの高い部屋にしたのが幸いだった。セミ・スイートの部屋だが割と有名な女優さんとかモデルさんもこの部屋を指定しているとチェックイン時にスタッフから聞いた。何でも全身が映る――多分、彼女たちは全体的なファッションコーディネートを入念に確かめるのだろうなと勝手に推量している――鏡が有るそうで。
「こちらにいらして下さい」
 指を付け根まで絡めて最愛の人をクローゼットまで導いた。スカーフが歩みに合わせて扇情的に揺れるのも物凄くそそられる眺めだったが。
 多分そこにあるだろうなと思っていたが扉を開けると等身大の鏡が姿を現した。
「ね?綺麗でしょう?艶めく素肌にシルクの光沢が映えていますし、それに全身――というか肝心な場所だけですが、大輪の薔薇で隠されている様子は……」




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読者様はクリスマス、どのように過ごされましたか?
私は風邪でダウンしていたので、市販のオードブルとケーキでした……。
遅くなりましたがメリークリスマスです!!ただ話はもう少し続きます。
  こうやまみか



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