腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します

気分は下剋上 秋休み

気分は下剋上<秋休み>54

「聡の唇……今宵は何時(いつ)もよりもきっと甘いですよ……。抵抗感は全くないですから」
 真率な声で告げると最愛の人は紅色の唇を祐樹の唇に重ねてくれた、おずおずとといった感じなのが最愛の人の奥ゆかしさだ。
 紅色の唇を舌で辿ってノックをするように(つつ)くと観念した感じで閉じられた唇が花開いた。
 滑らかな歯列を辿って紅い歯茎、そして舌の付け根といった場所を舌で愛した。当然、祐樹のばら撒いた真珠の味もしたが、最愛の人の口の中に宿っていたものだと思うと不快感は全くなくてむしろ愛おしい甘さに感じてしまうのは愛情の深さ(ゆえ)だろう。祐樹の舌の動きが全く躊躇(ちゅうちょ)をしていないことを感じた最愛の人は安堵したように祐樹の舌に絡んできてお互いの先端部分を擦り合う。()めやかな水の音が秋の空気を紅く染めるような気がした。
「私のモノを口で愛して下さっている時に……」
 情熱的なキスのせいか、再び並んで座った最愛の人はしなやかな肢体を祐樹の身体に凭たせ掛けている。秋の冷気にも関わらず最愛の人の肢体は愛の行為の余韻のせいか普段以上の熱を孕んでいた。これなら風邪を引くこともないだろうな……と思いながらもあまりこの場所で身体を冷やすのは良くないとも。
「部屋に戻って……続きを致しましょう……。唇で愛して下っている時に聡の腰が物欲しげに揺れていましたよ……私を欲してのコトですよね……?」

 紅色に染まった最愛の人の頬が更に紅を刷いたように染まって行く。
「そういう聡の姿を見ることが出来たのも、私にとっては大変幸せな時間でしたが……」
 愛の交歓の時には奔放に振る舞う最愛の人だけれども、我に返った時には羞恥心が勝る人だ。だから祐樹のフォローに安堵したような笑みを浮かべてくれた。
「聡の素肌にはまだ紅葉の葉が宿っていますか?」
 紺色の浴衣で覆われた素肌までは祐樹には分からない。
「祐樹が貼ってくれた葉だろう?ここにある……」
 紅色の指が浴衣の上を指している。指しているどころか、葉の形を再現するような感じでしなやかに長い指が浴衣の上を滑っていく。肝心な場所ではないものの、何だか自分で自分を慰めているような錯覚を抱くのは紅色の指が愛の行為を即座に連想させるからだろう。
「それは良かったです……。あと松ぼっくりも部屋に持って帰ってと……」
 何を想像したのか最愛の人の肢体がヒクリと震えた。これは煽っておく(ほう)がもっと悦楽が深くなるだろうと、最愛の人の肩に手を回して更に身体を密着させた。
「聡はご存知ないでしょうが……地域住民も暗黙の了解で夜は近づかない場所が有るのです……。何の変哲もない木立に囲まれた公園なのですが……。そこは夜になると、私達のような性的嗜好を持った人が集まって来ます。刹那の恋人を求める人とか、意気投合して愛し合う人も当然存在しまして……。その愛の行為を単に覗きに来ただけの人も多数存在します。聡の壮絶に艶っぽい色香を放つ肢体とか、私が(はい)って行く時に極上の花園の門が(まく)れ上がって真っ赤に咲いた花のような赤さを垣間見せて下さいますよね……。ああいうのを一度皆様の前でしてみませんか……。ギャラリーが絶対に増えると思うのですが……。それにああいう場所は一種の治外法権みたいなものなので、そこで起ったことが外部に漏れる心配はないです。まあ、スマホで撮影する人間とかは居そうですけれど……多分、一人でこっそり倒しむくらいでインターネットにアップするようなバカは居ないでしょう……」
 具体的に想像したのか、祐樹の身体にも最愛の人の震えが伝わってきた。ただ恐怖で震えているわけでないのは首筋が更に紅く染まっていることでも明らかだ。
「あとは……そうですね……。先ほどの聡の唇での愛撫、あれも最高でした。紅い唇に私の怒張が飲み込まれていく様子……。視覚的にも充分な快感を運んでくれてくださいましたよ。あれを再現してみませんか……」
 実際にそんな場所が有るということは祐樹もゲイバー「グレイス」で聞いて知っていたが、その場に行って相手を探すまでもなくグレイスで事足りたので実際に足を運んだことはない。
 祐樹の愛情と欲情の象徴を唇で愛してくれた時に腰が揺らめいていたのも事実だったが「そういう場所」だと、もう一人が参加する可能性は極めて高い。祐樹や最愛の人は異なるが、こういう性的嗜好を持っている人は複数で……とか、カップルで来たのに、お互いが異なる人間と繋がっているのを見てより興奮を深める人も居るらしい。ただ、そこまで言うと本当に恐怖に震えそうなので自粛したが。
 今夜のような浴衣姿だと、高く上がった腰に挿入を試みる人間が絶対いる。最愛の人は顔も肢体も極上なので、(じか)に味わってみたいと思う人間は多いだろうし……。
「……こういう姿を見せるのは……祐樹だけが良い……。他の人には絶対に見せたくない……」
 紅い唇が震えながら言葉を紡いでいる。
「それは、う……残念です。聡の艶やかな姿を独占したいと思う反面、誰かに見せつけたいという気持ちも常に有って……。聡だけを愛している私の相反した気持ちが(せめ)ぎ合うのも、愛情が深すぎる所以(ゆえん)ですよね……。こんな感情を抱いたのは聡が初めてですし、聡が一生傍に居て下さると約束して下さいましたよね?だったら生涯で聡一人きりへの恋情になりますね……」
 「それは。嬉しい」と言いかけて慌てて言葉を替えた。嬉しいと言ってしまえば愛の行為の後の戯れの睦言めいたものが終了してしまうので。
「酷く酔ったフリをして、私の胸に顔を埋めておいて下さいね……」
 ロビーではなくて駐車場から非常階段のルートを辿った。そもそもその道筋は夜のドライブで散々熱を煽って顔や首筋を紅色に染まらせたりどこもかしこも尖らせたりした最愛の人を連れて帰って部屋でメインデッシュとして最愛の人の極上の花園を味わう積りだったのだが、二人の愛情が暴走してしまって――勿論嬉しい誤算だったが――目論見からは大きく外れた。ただ、このルートを「こういう」目的で使うことが出来て結局はムダになっていない現状も心も身体も浮き立つような興奮を覚えたが。





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気分は下剋上<秋休み>(I5禁)53

「祐樹の全てを愛したいし……、それに……私の身体の中も同じ味が入っていると思うと……どんな感じなのか口で確かめてみたいので……。しても……良いか?」
 濡れた艶やかな眼差しが無垢な妖艶さに煌めいている。
「はい、聡さえ宜しければ、喜んでお願いしたいと思います……。この綺麗なルビーの輝きを布で覆うのは不本意なのですが万が一誰かがここに訪れた時のために最小限の露出に留めておかないと……。酔って気分が悪くなって、風に当たって休んでいるという感じにしたいので……」
 紅葉の葉は貼り付けたまま紅色の素肌を紺色の浴衣で覆った。部屋に戻った後に最愛の人も祐樹も満足するまで愛することにしようとは思ったが、正直紺色の布で隠すには惜しい場所だった。ただ、硬く尖った小さな粒は布地を可憐に押し上げて存在を主張していたけれども。
 最愛の人は祐樹が浴衣を直した後に床に膝をついて、祐樹の浴衣と下着を肝心な場所だけ露出させてくれる。紺色の浴衣が紅色の指で乱される様子を見ただけで興奮が募ってしまった。紅い舌で先端部分を(つつ)くように愛されると祐樹の真珠色が混じった水晶の雫が(にじ)み出て淫らな水音が夜の東屋の中に小さく響いている。
 先端部分だけを愛してくれるのかな……と思った瞬間、紅色の唇が大きく開いて祐樹の育った怒張(どちょう)を飲み込んでいく様子は壮絶に綺麗で、そして淫らだった。
 極上の花園はあくまでも柔らかく包み込んでくれる感触だが、口の中はざらついた上顎などを筆頭にやや硬い感じがして異なった悦楽を祐樹にもたらしてくれる。最愛の人は喉まで開いて祐樹を締め付けてくれている。その上頭を上下に動かしつつ、祐樹のイイ場所を重点的に舌で愛してくれるのだから堪らない。それでも足りないと言わんばかりに紅色の指が二つの果実を纏めてやわやわと揉みしだいてくれている。
「とても良いです……。口や喉が更に大きくなったのを感じていらっしゃいますよね……」
 座ったままの祐樹に、床に(ひざまず)いて奉仕してくれる最愛の人……という最高にクるシュチュエーションも頭が沸騰しそうになるほど燃え上がっている。
 口の中も感じる場所は多いせいか、上手過ぎる口淫を続けながら最愛の人の腰が上がって物欲しそうに揺れているのも最高だった。
 祐樹の二つの果実を繊細な手つきで愛してくれているのも、もしかして手が留守になったらしどけなく開いた花園へと指を()れてしまうことを危惧してのことかも知れないなと推察するのも、襲い来る絶頂を出来るだけ長引かせようとの思いからだった。
「聡の口の中の精緻な締め付け具合とか……舌の動かし方……とても良いです……。爆発しそうなのですが……」
 祐樹の息も熱く荒くなっていてその様子が最愛の人にも伝わったのだろう、艶っぽい濡れた眼差しが祐樹にイエスと答えてくれている雰囲気だった。
 紅色に上気した額にも汗の雫が細かく宿っていて繊細な煌めきを放っているのもとても綺麗だ。その小さな煌めきは顔が上下に動くのと連動しているのも。
「本音を言えば……紅色に染まった顔にばら撒きたいのですが……それはまたの愉しみとして取っておきます……」
 ヒクリと震える肢体は多分顔に熱い真珠の放埓を放たれたのを想像してのことだろう。祐樹を追い詰めるように頭を上下する動きが激しくなった。
 淫らで無垢な水音が紅色の唇から絶え間なく上がるのも、そして祐樹の育ち切った愛情の楔を紅色の唇が飲み込んでいるのも。聴覚と視覚、そして何より触覚が最高の悦楽を運んでくれる。
「出します……ね。喉の奥にばら撒かれるのも……お好きでしょう……?」
 最愛の人の口での奉仕はとても上手い――そもそも祐樹は喉を開くという動作は最愛の人ほど()けていないのは自覚している――放出を耐えに耐えた後の限界を伝えた。最愛の人にも心の準備というか気管に入ってしまわないようにして貰うためという意図も有ったが。
 艶やかな眼差しが欲情の紅い色で揺れている。より一層深く喉の奥まで迎え入れられる激しい動きにつられたように真珠の放埓を喉の奥へとばら撒いた。
 弛緩した祐樹の愛情と欲情の象徴から紅色の唇が出ていって、愛の行為の余韻のように一粒だけ真珠が紅色の唇に宿っているのも壮絶な色香を放っている。
 コクリと喉が動いて祐樹の放埓の証しを飲み込んでくれる肌も紅色に染まっていて、真摯な淫らさを醸し出していた。
「聡の口の愛撫は……以前から物凄く良いと思っていましたが……今夜のは一段と感じました……。有難うございます……。愛しています」
 感謝の言葉と共に情動に駆られて口づけをしようと顔を近づけると、紅色の唇がするりと逃げていく。その健気な様子に愛おしさの余り笑みを浮かべてしまった。
 真珠の迸りを出したという満足感も当然有ったけれども、最愛の人が何を考えているのか分かってしまって。逃げる唇を追って祐樹も床へと(ひざまず)いた。最愛の人へ感謝のキスを――多分、彼が危惧していることが杞憂だと分かってもらうために――贈ろうとして。





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12時ジャストに更新頑張りたいのですが……。こまめにチェックをして頂くか、ラインで更新通知を知らせてくれる機能を使って頂ければと思います。勝手を申しましてすみません。ラインへの登録は



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気分は下剋上<秋休み>(I5禁)52

「ゆ……祐樹っ……。もっとっ……強く……触れて……欲しっ……」
 最愛の人の素肌が紅葉(もみじ)に負けないほど紅く染まっている。そして葉っぱで(こす)っていたルビーの尖りは切なく震えては煌めきを深くしている。これだけの些細な愛撫なのに愛の交歓の残り火が(くすぶ)っていたせいか、紅色に染まった素肌からは汗の雫まで浮いている。
「強くですか……。ああ、あそこに良い物が有りますよ……秋の庭園に相応しい趣きを添えるために置いてあるのかも知れないですが、ね?」
 最愛の人が二つの尖りを強い力で愛されるのが好きなことくらい当然把握している。
「祐樹……?え……」
 紅葉の葉を首筋にヒタリと貼り付けて胸の尖りには拾って来た「松ぼっくり」を当てた。
 ごつごつした無骨さのある茶色のモノをルビーのように煌めく場所に当てて動かすと、紅色の嬌声が切れ切れに夜の空気に溶けていく。繊細な煌めきを放つルビーの蠱惑が松ぼっくりとは素敵なコントラストを描いていて目にも耳にも心地よい。
「これも一応は有機物ですよね?聡の極上の花園に()れても問題はなさそうなのですが……?」
 絶対に最愛の人は嫌がると思っていたし、祐樹的にも嫌がって欲しいコトをわざと煽るように言った。「え……?」
 艶めいた眼差しが当惑めいた光を放って揺れている。
「『おとなのおもちゃ』がお嫌いなのは承知しています。でもこれはその(たぐい)のモノではありませんし……。それに、私が丹精を込めて開花させた花園はこの程度の大きさは難なく受け入れますよね。花園の中にも……秋を感じさせてあげるのも一興でしょう……」
 松ぼっくりは祐樹の(てのひら)に載るほどの大きさだったし、所謂(いわゆる)「おとなのおもちゃ」の中でもこういった凸凹の有るタイプのモノが売られているし、好む人が多いのも知っていた。
「私の愛情と欲情の象徴もヒタリと包み込んで下さる最高の場所ですが、あいにくこういったゴツゴツした感触はないでしょう……?一回味わってみるのも良いかと思うのですが……」
 もう片方の尖りをギュッと()まんで強く捻りながら、紅色の耳朶(みみたぶ)を甘く噛んで(そそのか)すように告げる。
「あっ……」 
 しなやかな肢体がヒクリと震えると辺りが紅色に染まっていくような錯覚を覚えるほど色っぽい。
「想像してみてください……。聡の極上の花びら達がこのゴツゴツ感を味わっている感触を……。そして薔薇色に染まった、そして中には真珠の放埓まで宿した場所にコレが(はい)るのを……。きっと花園の中は何時(いつ)もと異なる悦楽を感じることが出来ますし、それに花園にばら撒いた真珠の放埓がこの凸凹(でこぼこ)にも宿ってくれますよ。きっと綺麗でしょうね……。それに薔薇色の花園の門が茶色のモノを飲み込んで行く様子はきっと物凄く綺麗で、そして壮絶に淫らだと思います。旅行の醍醐味は、いつもと異なる体験をすることも含まれますよね……。花園の中に(はい)った松ぼっくりだと一生の宝物(たからもの)になりますし……」
 祐樹が言葉を紡ぐと具体的に想像したのだろう、紅色に染まった肢体がより色を濃くしている。上半身だけ中途半端に乱しているので浴衣の禁欲的な紺色と瑞々しい紅色の対比も壮絶な色香を纏っていた。
「ここも……期待しているのでは……?」
 座ったままの状態なので花園の入り口には指も届かないが、背筋からつーっと指を滑らせて双丘の上のほうまで辿るとしなやかな若木のように反った肢体が胸の尖りを誇示しているかのようだった。
「ああ、こちらの(ほう)が物欲しげですよね……」
 松ぼっくりを掌に載せたままで、胸の尖り全体にかけて円を描くように愛した。
「あっ……ゆ……祐樹っ……()っ……。とても感じるっ……。ただ、祐樹しか……身体の中に……迎え入れたくはないのでっ……」
 悦楽を追うように開き切った紅色の唇から健気な言葉が嬌声と共に紡がれる。断ってくれて本当に良かったと内心では思ったが、そんなことはおくびにも出さずに不満そうな表情を繕った。
「お詫びというか……その代わりというか……。祐樹のを口で愛するというのは……どうだろう……?」
 いくら人が居ないとはいえ、一応公共の場所だ。そんな場所でそんなコトをして貰えるとは思ってもみなかった。 
 祐樹のリクエストに応えられなかった罪悪感からかな?と思ったが、僅かに開いた唇から紅い舌がチラリと覗いて、乾いた唇を湿らせている。
 本当にそうしたいのだろうなと思わせる期待に満ちた仕草だった。
「それは嬉しいですが……。ただ、愛の交歓の名残は有りますよ?」
 普段、口での愛撫は何もしていない時で、最愛の人の花園の中に(はい)った後とかは真珠の放埓をばら撒く前であっても行ってはいない。今回はそれを思いっきりばら撒いた状態で洗ってもいないので抵抗が有るのではないかと不安を覚えた。
 ただ、紅色の唇が祐樹の欲情と愛情の象徴を愛してくれるということとか、東屋(あずまや)に人が近づいて来るかも知れないというリスクというか背徳感で背筋が熱く震えたが。






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気分は下剋上<秋休み>51

「ざっと30分くらいです」
 まだ紅さの残る眼差しが驚きの色を浮かべている。
「そんなに眠っていたのか……?体感では10分だと判断していたのに……」
 最愛の人は時計よりも正確な体内時計を持っていて、それが狂うことは今までなかった。祐樹との愛の交歓のせいでその精密さが狂ってしまったのなら――他の時は多分大丈夫だろう――喜ばしい限りだ。
「色々とお疲れなのでは?気持ちよさそうに眠っていらっしゃるのを存分に見ることが出来て嬉しいですよ……。お水でも飲まれますか?」
 散々喘いだこととか汗の雫を大量に零したせいで喉も乾いているだろうなと思う。
「いや、それほどでもないので大丈夫だ……」
 微睡( まどろ)みから醒めたせいか祐樹と繋がっている極上の花園の動きが妖艶さを増している。このままだとなし崩し的にもう一度愛の交歓に耽ってしまいそうなので、慌てて繋がりを解こうとすると名残惜し気に熱くて厚いシルクが祐樹の愛情の象徴をヒタリと包み込んでくる。
「夜の庭園散歩も素敵だと思います。この辺りは紅葉(もみじ)も紅く色づいていましたので一度そちらに行ってみませんか?」
 強請るようなキスを落とすと最愛の人は愛の行為の後の甘い吐息を零している。
「祐樹がそう言うなら……。散歩も楽しいだろうな……」
 京都市内とか第二の愛の巣とも言うべき大阪の市内などでは迂闊(うかつ)に手も繋ぐことすら出来ないのが現状だ。だからこういう閑散としたホテルに来たのだからそういうスキンシップをも楽しみたい。
「私の放った真珠の放埓は零さないで下さいね……」
 最愛の人が残した愛の証しを手早く拭いてから浴衣を着た。最愛の人も薄紅色の指で祐樹が手渡した新しい浴衣を几帳面な感じで身に着けている。愛の交歓の時には紅色に染まった素肌だったが、30分も経過したので色が褪せているのが残念といえば残念だったが、紅く尖った二つのルビーなどは紺色の浴衣で隠すのが勿体ないほど綺麗で、充分に余韻は残っている。
 それに愛の交歓を堪能した肢体からは甘い香りが漂っているような感じだったし、指先の動きもどこか艶めかしかった。そういう祐樹にしか見せない姿を堪能出来るのも旅の楽しみの一つだった。
「祐樹に貰ったモノは全て私の宝物(たからもの)なので、零さないように努力はする……」
 薄紅色の唇が健気な言葉を紡いでくれた。念のために駐車場を経由して外に出ると、秋の冷気が愛の交歓で火照った身体を優しく冷やしてくれる。
「寒くはないですか?」
 日本庭園風の場所まで歩いて他人が居ないのを確かめてから指の付け根まで手を繋いだ。
「祐樹に身も心も愛されたせいで心が温かくなっているからだろうが、全然寒くない。秋の澄み切った空気の涼しさが逆に心地よいくらいだ……」
 繋いだ指を強く握り返してくれる最愛の人が愛おしすぎる。
「ああ、鹿の鳴き声ですね……。求愛の声なのでしょうが……やはり秋の物悲しさを感じますね」
 遠くで鹿の鳴き声が聞こえて来て、紅葉や黄色く染まった銀杏などの秋の風情に一層の興を添えてくれている。ホテルと言ってもドレスコードのある都会のホテルとは異なって、浴衣でも部屋から出ても良い点は旅館といった感じだった。
「そうだな……。切実に求愛の鳴き声を上げているのだろうが……応えてくれるメスが居ない点では寂しいのだろうな……」
東屋(  あずまや)風の場所に並んで腰を下ろすと最愛の人の薄紅色の唇が言葉を紡いだ。
「その点、異性ではないですけれど、応えてくれる聡が居る点で私は幸せなのでしょうね……」
 道の途中で拾った紅い紅葉の葉っぱを髪に挿した。
 紺色の浴衣から伸びた薄紅色の細い首が何かの花芯みたいに瑞々しい色香を放っている。ただ、アルコールを摂取しても同じ色に染まるので、宴会とかの酔い覚まし程度にしか他人からは見えないだろうが。
「私だって祐樹が居てくれるので、最高に幸せだ……」
 秋の風情を楽しんで貰うというホテル側の意図かも知れないが、黄色や赤の落ち葉はそのままになっている。つまり近付いて来る人間が居たなら枯れ葉を踏む音で直ぐに分かる。
「祐樹……。私は愛する祐樹さえ居てくれれば、性別などどうでも良いのだけれども……」
 キスを強請るように上を向く最愛の人の動作で紅葉の葉が髪からはらりと落ちた。
「ああ、紅葉も宿るのが聡の髪では不満のようですね……。甘く薫る素肌の(ほう)がお気に入りのようです……」
 啄ばむようなキスを交わしながら、浴衣の上から尖りを撫でた。(のり)の効いた木綿でも擦られていたせいなのか、ツンと布地を押し上げているのが可憐だった。
 その布地の合わせ目をぐっと広げると薄紅色の素肌が露わになって石灯篭の蝋燭(ろうそく)めいた光に艶やかに照らされている。その中でも一際(ひときわ)煌めく慎ましやかな尖りに紅葉の葉を当てて、微細に動かした。
「祐樹っ……」焦ったようなもどかしいような響きが夜の静寂(しじま)に一瞬煌めいては溶けていく。
「紅葉の紅さよりも、こちらのルビーの方が綺麗ですよね……。ただ季節をルビーの尖りにも味わって頂かないと……」
 愛の交歓の余韻が残っている肢体はそんな微弱な刺激にも敏感に反応してくれて堪らない。





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気分は下剋上<秋休み>50

「その程度なら別に構わないが……。手首にツイリーを巻く程度なのだろう?それで祐樹が愉しんでくれるなら喜んで巻く……」

 最愛の人は紅色に染まった細い手首から上をかざして見ている。祐樹も彼の指は手術用の手袋(グローブ)に包まれていても見入ってしまいそうになるのを必死で我慢しているほどなのだから、こんなにも愛の交歓の痕を色濃く残した細く長い指の美しさに魅入られてしまった。

「祐樹に愛されるとこのような色に染まるのだから……、紅い色ではなくて白いシルクの(ほう)が映える気がするのだが……?

 薔薇の模様のも、紅いのも有るが……他の色のも多数存在するので、長岡先生に言って貰っておく。

 ちなみに、青い薔薇のは『披露宴』で絞めていたネクタイを大判のスカーフにした物が売っていた……」

 え?と思った。共著の本のパーティは病院長発案で開催されたが、二人には実現不可能な――今はカミングアウトする同好の士も増えていたり自治体によっては税金などが優遇されたりするようだが二人が属している旧態依然の病院では無理だし、そもそも優遇措置など受けようとも思わない――壇上に二人で並んで座って皆の祝福を受けるだけで満足だった。実の息子よりも気にかけて可愛がっている祐樹の母も祝福に駆けつけてくれたし。当然青い薔薇のネクタイ――ジャケットの中に隠されていたので、祐樹以外は見ていない――も同じ意匠だとは気づかなかった。

 青と白のスカーフも有るのですか?聡の素肌に良く映えますよね……。とても愉しみなのですが、店舗には売っていないのですよね……」

 少し期待した分、落胆もひとしおで溜息(ためいき)をついてしまった。

「長岡先生は店舗に行く(たび)に何かしら買っているのは知っているだろう?そして彼女はああいう大らかな性格なので……」

 大らかというか大雑把で無頓着だと内心で思ったが、最愛の人は長岡先生のことを「私生活では少し困った妹」といった感じで接している。両親を亡くした最愛の人が天涯孤独の身の上だと知っていたが例の地震で知名度もお茶の間にまで広がっても連絡がないのだから、本当に身寄りはないのだろう。祐樹も全力で支えて守っていく積もりだが、彼にも祐樹以外の交流関係が出来るのは喜ばしい。だからあまりネガティブな発言は慎んでおいた(ほう)が良いだろう。

「時々、スカーフの専用ケースの入れ替えをするそうだ……。何しろ数えきれないほど持っている上に気に入った柄は同じ物を二枚・三枚買うこともざらにあるらしくて……。もうすぐ衣替えの時期だろう?だからその時期を見計らって訪れたら要らなくなったというか、染みのついた物とか(たた)(しわ)がくっきり付いた物などは欲しがればくれると思う……。『花柄は飽きた』とか言っていたし……。最近の流行ではないらしいし……」

 流石は太っ腹な長岡先生らしいエピソードだ。貰える物は何でも貰って有効(?)活用しようと思った。

「スカーフ問題はそれで解決ですね……。その愛の交歓もとても楽しみですけれど……、秋に相応しいというわけではないので……少し落ち着いたら日本庭園の(ほう)へ散策しませんか?」

 鹿威(ししおど)しがカコーンと音を立てていたがあれが実用だとすると鹿の声も聞こえるだろうし、秋といえば――短絡的かも知れないが――紅葉(もみじ)だろう。二人の住む京都市内では未だ紅葉(こうよう)は始まっていないが、この辺りは気の早い紅葉が色づいていたのを確かに見た。

 それにホテルは経営が大丈夫なのかと心配するレベルで人が居ないので、愛の交歓の後の甘い香りを漂わせた最愛の人を連れ出しても大丈夫だろうし。

「少し落ち着いたら……というか、少し微睡(まどろ)んだ後で良いか……?色々あったし、祐樹に愛されたので少しばかり疲れた……」

 本来は繋がった部分を解くべきなのだろうが、最愛の人は祐樹に(もた)れ掛かった状態が最もリラックスすると言ってくれていた。汗で濡れた前髪を指で梳いていると、(まぶた)が重そうに落ちていく、唇には笑みの花を咲かせたままで。

 素肌を全て晒して、しかも花園の内側に祐樹を迎え入れたままの状態で眠りの国にひと時でも入るということは全てを委ねても安心出来るということなのだろう。

 そういう関係性に落ち着いたことは素直に嬉しかった。少しでも疲労が軽減出来ると良いなと思いながら前髪を梳いては落としていた。

 紺色の浴衣(ゆかた)は余分に有っただろうかとか、夜の紅葉の下に佇む最愛の人、しかも愛の交歓の余韻を色濃く残したままの肢体で……と考えると期待に胸が弾んでしまう。浴衣(ゆかた)は確か箪笥(たんす)めいた物に予備が入っていたような気がしたし、これまでの最愛の人が「微睡(まどろ)む」と言ったらごくごく短時間で目覚めることも知っていた。事故を起こした人の救命措置とか松茸狩りに加えて愛の交感でも疲れているだろうけれども、眠りの国に入りそうなら祐樹にはっきりとそう告げてくれる人だ。

 飽かず前髪を梳きながら最愛の人の紅色の滑らかな素肌が徐々に薄くなって行くのを見ていた。

「祐樹……何分くらい眠っていた?」

 最愛の人がパチリと目を開けていささか心配そうに聞いてきた。眠り過ぎたのかとでも思っているのだろうなと微笑ましく思いながらお早うのキスを交わした。



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