腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します

ショーから始まる恋もある

ショーから始まる恋もある 117




「ああ……んっ!小指だけじゃなくってさ……。もっと身体全部触ってよぉっ……。
 ほら、ココとかっ……」
 絡めた小指を上下にねっとりとした感じでスライドさせて、可憐に立ったピンク色の乳首を誇示するように胸を張っている扇情的な痴態とか、何も触っていないのに――薬のせいもあるのだろうが、ユキの若さだと一度達してもすぐに回復するのだろうユキの下腹部にも花の芯のようなモノが先端から雫をたくさん滴らせながら臨戦態勢に入っている。
 据え膳食わぬは……みたいなことは良く聞くが、据え膳どころか匠の技が冴え切ったホカホカと湯気が立った料理の銀の蓋がウエイターの手で開けられて「さあ、召し上がれ」という銀の鈴でも振られたような感じだった。
 オレ的にはユキの身体とか顔――もちろん好みのタイプではあったが――見事的中という感じではなくて、むしろユキの腹を括った時の潔さとか緊急事態になった時の賢さとか感情ではなくて理知的に行動する点の方こそユキの素晴らしい美点だと思っていた。
 ただ、二丁目の行きつけの「そういう」バーにふらりと入ってユキから誘いを掛けて来たとかだったらベッドを共にする程度の好みではあった。付き合うかどうかは身体の相性とか性格とかを見てから決めるだろうが。
 ただ、今のユキは薬で――しかもユキの意に反して摂取させられたのだから本意ではないだろう――そもそもユキの意識というか理性は薬でぶっ飛んでいる状態なのは分かっている。
 だから目の前のユキの身体が「さあ、召し上がれ」と言わんばかりに熟していたとしても手を出すわけにはいかない。
 ただ、ユキの痴態を見ているとオレの理性の糸がプツンと切れてしまいそうな気がしたのも確かだった。
 しかし、この薬で高められた状態で致してしまうのも新田先生からはキツく止められているし、オレが理性の糸を断ち切って最後までしてしまうとその快楽が身体に染み込んでしまうだろうことも容易に想像出来た。
 たかが――といっては何だかぶっちゃけそうだろう――小指を絡めただけで全身が紅色に染まってゆらゆらと花のように陽炎のように揺れている、しかも物欲しそうな感じだ。
 小指を絡めただけですら――なんでも手はどんな感触でも取り込み易い場所だと聞いたことがあるし、普段の生活でも熱いとか痛いとかを感じる点のようなものは背中とかよりもたくさん点在しているらしい――こんなになってしまうユキの身体のもっと弱いところを刺激すればオレの辛うじて保っている理性がそれこそ真夏の太陽に照らされた水のように蒸発してしまうような痴態を晒すことも想像に難くない。
 だから、心を鬼にして手錠と足かせを片方ずつ手ごろなラックに固定した。このような準備をしてくれたのは病院の救急車の運転手兼メンズナースで、彼には本当に感謝していた。
 オレ一人だといつユキが目覚めるかとか目を離したらヤバいと思って気もそぞろだったに違いないのだから。
 新田先生もオレ一人では――これが先生ご推薦の厚労省だったかの施設とか広尾の病院の豪華な座敷牢の中ならともかく、そういう設備もなければそもそもそんな用途で建築されたマンションでもないことくらいは新田先生ほど賢くなくても当然予想は付くだろう。
 だから単に運転者ではなくてナースの資格も持っている彼に頼んでくれたのだろうな……と思った。
「ああっ……気持ち……イイよぉっ」
 ユキが両の乳首をギュッと抓っては弾くという行為を繰り返している。
 その度ごとに床に投げ出した足の指が丸まっていたし、瑞々しい花の芯のようなユキの可憐なピンク色の欲情の象徴が弾けそうに震えていた。もちろん先端からはタラタラと雫を零していたし。
 ユキがギュッと抓っては弾いている乳首は真っ赤になってぷっくりと膨れていた。
 その様子も物凄くクルものが有ったが、ユキの割と長い手錠のチェーン(?)からは絶対に届かないところに佇んでいた。
 男の看護師がユキを見てくれている間に買ってきたコンビニの袋の中からカ〇リーメイトを取り出して、食欲など皆無だったが無理やりに胃に入れることにした。
 ただ、ビスケット状なので飲み物がなければ喉を詰まらせてしまいそうになって慌てて先ほどユキが飲んでいた飲み物の残りをペットボトルから直接飲んだ。
 何だか普段よりも体に浸透するような感じだったのも、栄養補助食品(だったと思う)のせいではなくて、自覚症状がないままにかなり緊張していたのだろう、精神が。
 今は精神力が勝っているような気がしたが、約二日間の長丁場だ。
 精神力もそうだが、体力もなるべく温存しておかなければならないなと思いながら、ユキが紅色の茎を親指と人差し指で輪っかを作って根元から先端部分まで扱いている。
 そして人差し指と薬指で二つの瑞々しい果実を擦り合わせていて、残った指は傘の部分をキュという感じで回している。先端部分から大粒の雫を零しているので、部屋の中には湿った音と微かな擦る音がこもっている。
「リョウさん……。ここにっ……挿れ……て」
 手錠をかけた方の指がユキの紅に染まったお尻の穴を開いている。
 その鮮やかなピンク色に理性がガラガラと音を立てて崩れていっているのを自覚した。

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ショーから始まる恋もある 116





「シンがさ、恋人になってくれて日も浅いのに、こんな――こういう言い方が合っているのか分からないけど――下の世話までして貰えるってどれだけ幸せなことか分かるし申し訳ない気持ちでいっぱいだよ?
 ううん、違うな……申し訳ないというよりも、シンの優しさも感じてとっても嬉しいんだけど……。
 でもいつ薬の作用が出るか分からないでしょ?そん時には遠慮せずに警察にでも消防のでも通報してくれて構わないから……。
 初めて出来た恋人がシンで良かったと思う。
 一緒に笑い合って、そして時にはケンカして――っていっても僕が一方的に怒らせるような気がするけど、ね?――そういう風に過ごしていけるだけで良かったのに、こんなことになってしまって本当に申し訳ないって思ってる。だってシンは、僕の大切な恋人だけど、そこまで面倒を見てもらうのも何だか悪いって思ってしまう。
 ウチのお祖母様が痴呆――昔は『恍惚の人』とか言ったらしいけど……。そうなった時には専門の人にお金を払って見て貰っていたよ?日に二万円払って。24時間付き切りだし、どこかにふらふらと出歩かないように見張ってないといけなかったし、オムツも替えてもらっていたしね
 デートらしいデートをしないうちに一足飛びにこんなことになってしまってホントにごめんなさい」
 薬で意識がぶっ飛んでいた方がユキにとっては幸せなことだったのかもしれない。
 覚せい剤に似た成分だと新田先生から聞いていたし、てっきり薬が切れる48時間ずっと精神錯乱者のような――なんでもその時のことは覚えていないらしい――症状かと思っていたらどうやら違ったらしい。
 なまじ正気でいる状態の方がユキ的にも辛いだろうなと身を切られるような気持ちになった。
「二人きりで出かけるデート……そういうことはこれからたくさん出来るだろう?
 今は薬を抜くことが先決だ。
 早く元のユキに戻って、これからいっぱい好きなことをして遊ぼう。行きたいトコとかは有るか?なんでもお医者さんが言うには48時間耐えきればもう大丈夫だろうって。
 その後は何ともないらしいぞ?」
 ユキがまだ正気を保っているうちにトイレを済ませた方が良いだろなと思って誘導することにした。
「本当だと良いね……」
 ユキが暗い眼差しでオレを見ている。切れ長で澄んだ瞳が何だか物凄く悲しそうに見えてしまう。もしかして身体の中で何かが起こっているのを必死で堪えているのか、それとも新田先生が知らないことでもユキは「体験者の話」みたいな感じで聞いているのかもしれない。
「45時間ほど耐えきれば良いんだから、マンションの中で遭難ごっこでもしていると思えばいいだろう?それとも登山遊びとか……」
 ポジティブに考えないとこちらまで参ってしまいそうだった。
 ユキの暗い眼差しが気になってしまっていて。
「で、デートはどこが良い?東京ディズニーランドとか行ったこと、ないよな?」
 正直、オレも行ったことがない。そして行きたいともそれほど思わなかったし。
 お客さんだってディズニーやシーには行き慣れていて「店外デート」はもっとお洒落な場所とか詩織莉さんのように「普通ではないところ」にお呼びがかかるのが実情だった。
「ディズニーランドも興味が有るけれど、それよりもスカイツリーとか東京タワーが良いな?」
 華奢な首を優雅に傾けたユキは何だか先ほどの暗い眼差しがウソのような雰囲気だった。
「東京タワーで良いのか?スカイツリーも景色が良く見えるそうだが。アトラクションとかパレードがないのでお祭り騒ぎにはなれないんだが?」
 用を足して几帳面に手を洗い終えたユキは無邪気な笑みを浮かべている。
 「まだ」大丈夫らしい。
「ウチの実家はね、純和式なんだ……。白亜の豪邸とかに住んでいる同業者も居るってお父様が言っていたけれど、ウチは昔ながらの建築様式なんだ。
 だから、高いところに上ってみたいなってずっと思っていた。
 シンと歩いた街もとても楽しかったけれど、これから行く東京タワーとかもとっても楽しみだよ?
 晴れた日とかだと富士山が見えるってテレビでゆっていたけど本当?」
 それは初耳だった。ただ、東京タワーを見ながらお酒を呑むとかいう店外デートは割とあったがオレだって東京に来た当時は文字通りお上りさんで、東京タワーに行った覚えがあった。ただ、何回も行きたいとも思えなかったのでずっと前の話だ。
 そして、ユキの実家は昔ながらの「強きをくじき、弱きを助ける」というのがモットーらしい組なので当然純和風の家であることも容易に想像がつく。
 そういう昔ながらの組は減っているとも聞いているし、今は顔を見たらフルボッコにして殴りたくなる諸悪の根源のユリが勤めている店に――まあ、詩織莉さんの怒りも尋常ではない感じなので、ユリが最も嫌いな罰を与えてくれるだろうとは何となく察しが付いたが――来ていた経済893とかカジノとかに手を染めていそうな「現代風」のソッチ系の人は白亜の宮殿みたいな家に住みたがりそうだが。
「それはオレも見たことないな……。じゃあ、約束しようか?指切りっ……」
 小指を立ててユキに向けると、ユキの華奢な指が震えている。
 しかも、もともと色白ではあるものの、血の気が引いて真っ青といった感じだったし。
 (来たか……とうとう……)と内心で身構えつつ、無理やり小指を絡ませながら少しでも体温が与えられるようにして元の部屋に戻った。


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最後まで読んで下さいまして有難うございます~!まだバタバタしている上に体調も本調子ではないのですが、今夜二話更新が野望です。
              こうやま みか



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ショーから始まる恋もある 115





「こんな恥ずかしいコト……僕がしてたんだね?
 シン……幻滅したでしょ?」
 「こんな」と言いながら指から滴っている白い液を悲しげに見つめているユキが何を考えているのか分かってしまう。
 オレの場合はそんな危なげなお客は居ないが、キャバ嬢とかそういう関係の金払いの良い客を狙っている同僚もいるのも事実だった。
 シングルマザーでそういう職業に就いている人はかなりの確率でメンタルがおかしくなっている。実際に心療内科とか精神科に通っていて向精神薬を服用しながら――なんでもアルコールとその薬を同時に飲むのはヤバいらしいが、ウチだって商売なのでオーダーが入ればどんどん出す。ま、水商売の場合はみなそうだろうが。それにウチの店でもメンタルをやられている人間なんて山のようにいる。オレも新人時代はお金もない上にきついノルマを課されていたので――それは新人時代の通過儀礼のようなもので、それをクリアしないと店には居られない――病みそうになったこともある。
 だから飲んでいる薬の話とかメンタルヘルスの話題は店でもよく話題に上る。
 完全にメンタルが行ってしまっている状態だと、自分の仕出かしたことは覚えていないとか聞いている。
 覚えていないものは「無かった」ことと同じなので――ま、店とか親兄弟・友人には心配を掛けることにはなっただろうが――本人的には良いのだろうが、ユキの場合中途半端に覚えているだけに厄介だった。
「気にしなくて良い。ユキがこういう状態なのは薬のせいで、ユキのせいじゃない。
 ユキは何も考えずに薬が抜けるまでオレの看病というか、オレに任しておけばい良いんだ。
 その覚悟があってこのマンションに連れ帰ったんだから。
 ユキが気に病む必要とかは全然ないんだ。ホントなら病院に預かって貰うことも出来たんだが、それはオレが断った。
 言うなればオレのワガママなんだからそんなに気にしないでくれ。
 ユキが大人用のオムツを履くようになってもちゃんと面倒を見る積りで連れて帰ったんだからこの程度は笑い話で済む、オレ的には」
 メンタルヘルスのことは素人だしお客さんとかの話を同僚から聞く程度だが「頭がおかしくなっている」ということが自覚出来ている方が本人的にも辛いらしい。
 それこそ記憶もぶっ飛んでいるとある意味楽なんだろうな……とも思う。
 ユキの場合、時々はマトモな精神状態に戻ることが有るので余計に辛いのだということも想像に難くない。
「大人のオムツ……。そんなモノが有るの?」
 オレが――繕っている部分はあるものの、長年培った営業用の笑顔を交えて快活に言うとユキも可憐な花のような笑みを見せてくれた。
 ユキの指をウエットテッシュで拭きながらなんでもないように微笑を浮かべているとやっと安心した感じで聞いてきた。
「あるみたいだな……。まあ、ユキの場合は不本意ながら手錠と足かせ(?)で繋がせてもらっているので、トイレも自分で出来るだろう?オレがトイレまで連れて行っても良いし。
 大人用のオムツって割と需要があるらしくって、時たま来るお客さんは赤ちゃん用のオムツよか大人用の方が良く売れるとか言ってたぞ?
 ほら、今は少子高齢化の時代だってよく言われているだろ?赤ん坊の数よりも高齢者の人数の方が多いからさ、オムツ業界もそっちが儲かるらしい」
 ユキが納得したような感じの弱弱しい笑みを浮かべた。
「そっかぁ。でも、流石にオムツは恥ずかしいかも……。
 それにさ、お父様の入院の時もそう言えば『大人用のオムツ』が必要とか『入院の案内(?)』みたいなものに書いてあったなって今思い出した。
 お母さまが全部準備してたんだけど……。でもお父様はオムツじゃなくて管を繋いでいるんだけどね……。
 シンの気持ちは物凄く嬉しいんだけど、そこまでしてもらうって良いのかな?
 ほら、病院だとさ、お医者さんとか看護師さんはお仕事でしているし、そういう設備みたいなものもちゃんと整っているでしょ?
 シンさんのマンションには当然そんな設備もないし……」
 枯れかけた純白の胡蝶蘭のような笑みを浮かべるユキは食べてしまいたいほど綺麗だった。
 詩織莉さんのお母さんは「姉御」として組に君臨するのが目的っぽいので、そういう入院とかの準備はユキのお母さんがしていたらしい。
 ユキのお屋敷の状況は良く分からないが、組関係者としてではなくて「箱入りお嬢様育ち」として育てられているっぽいユキのお母さまがそういう家の中の家事は任されているのかな?と思ってしまう。
 詩織莉さんのお母さんは見舞いくらいには来るだろうが、メロンとか花束を持って行くだけというような感じがする。どう考えても家庭的な人間でもなさそうだし。
「そんなことは気にしなくても良い。ユキを自宅で看病したいと言ったのはオレのワガマだ」
 広尾の病院の豪華な座敷牢といった場所も、そして新田先生がさり気なく教えてくれた厚労省管轄だかの薬物専用施設は――あくまでもイメージだが――刑務所の中のような感じなのだろう。そういう場所にユキを閉じ込めるのは恋人として我慢出来ない。
 それならばオレがここで看病したほうが百倍、いや千倍マシだ。
「シン、本当に有難う。こんな足手まといの僕を――そしてそんなにお返しも出来そうにないし、サ――恋人にしてくれた上に、こんな状態の僕を見捨てないでくれて。
 でもね、シンの負担になったら病院に放り込んでくれたら良いよ?」
 ユキがウチの有る一番大きなグラスにオレが継ぎ足したミネラルウオーターを飲み干しながらそう言っている。
 しかも、切れ長な目を縁取る睫毛には涙まで宿しながら深々とお辞儀をしてくれていて。
 手錠と足かせを嵌めているユキのお辞儀は何だかとても倒錯的だったが、ユキの気持ちは痛いほど分かったので、そういう「くだらない下世話な」見方はしないようにした。
「ユキ、トイレを今のうちに済まさないか?」
 ユキが正気――薬でぶっ飛んでいるのも正直困るが、なまじ正気なだけに自分のしていることを分かっている分、ユキも辛いだろう。
 務めてなんでもないような感じで声を掛けてみた。
「そうだね。あんな状態になったら……。トイレにも行けそうにないし。それにね……」
 「それにね」の次は何だろう?



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まだバタバタしていますので不定期更新になりますが、気力と時間が有る時は更新しますね。
            こうやま みか





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ショーから始まる恋もある 114




 ユキの伸ばされた腕がもしオレに届いていたら誘われるがままに致してしまっていたかも知れない。
 理性では(絶対にダメだ)と思っていたものの、本能が暴走しそうだった。
 しかし、タオルを噛ませた手錠と足かせ(?)のせいでオレの身体にユキは届かない。
 そういう事態を新田先生が想定していたのかどうかは定かではないものの、一線を越えなくて本当に良かったと思う。
 このままユキが忌々しい薬の効果でもある、敏感さとかを身体が覚えてしまってしまったら薬ナシでは満足出来なくなる可能性が高いと先生も言っていたし、大切な大切な恋人のユキを覚せい剤(?)依存症になって欲しくはない、断じて。
「まずは水を飲もうな。喉、渇いただろうあれだけ喘ぎ声を出したんだから」
 口移しという方法もあるが、ユキの敏感になり過ぎた唇に触れるのはどうかと思ったし、そもそもその方法だとたくさんの水分は摂取出来ないのも知っていたのでペットボトルを差し出した。
 飲み辛そうな感じだったので、家に有る一番大きなグラスを持ってきた。
 家具とかインテリアデザイヤーに任せっきりだったためガラス類は全部バカラだ。
 ただ、装飾用とかで買ったわけでもないので、ユキが落として割ったとしても全く問題はない。
「リョウさんっ……。イイっ……ヨ……過ぎて頭、おかしくなっちゃう……」
 広尾の病院で新田先生が渡してくれた手錠とかは多分だが「こういった」患者さん向けなのだろう。ドラマで見る警官の手錠プラス太いチェーンが付いている。
 だからある程度の行動は許容されていて、ユキは紅色のシャム猫のような感じで丸まって可愛い穴に指を挿れておそらく前立腺を弄っているのだろう。
 パンを手をたたいてユキが極楽色の快楽のルツボから出てきてくれるのを期待した。
 それに、リョウと呼んでいる場合は薬の効果が継続している。
 ユキであってユキじゃない人間だ、目の前に居るのは。
「え?ああ、シン……。
 お水有難う……」
 束の間正気に戻ったのかオレのあだ名を正確に呼んでくれるのが本当に嬉しい。
 バカラの大ぶりなグラスにたっぷりと注いだ水をゴクゴクと飲んでいる。
 紅色に染まった指にも先ほどの痴態の名残のように真珠色とダイアモンドのような煌めきを放っていてとても色っぽくてついつい見惚れてしまった。
 それに水を嚥下する喉の動きも……。
 フェラチ〇をしているような感じだったので……。
 まあ、そういう行為はおいおい教えていけば良いだろうな……とか思うのは単なる現実逃避だった。
 ただ、ユキの体内から薬が抜けるのは46時間で、それまでは監視しているしかない。
 普段なら二日なんてあっという間に経ってしまうが、この調子だと一時間ごとどころか数十分の頻度で時計を見るだろうな、一日千秋の思いで。
 そう思うと、束の間の現実逃避というか気分をリフレッシュしないと持たないような気もしたし、その程度は許されるだろう。
「リョウさん、僕、こんなコトしてたんだね?
 幻滅……した?」
 ユキは悲しそうに長い睫毛を瞬かせながら華奢な真珠とダイアモンドのような水滴が付いている指とオレの顔を見ている。
「幻滅なんか全くしていない。
 ユキがどんな痴……姿を見せようと、それはユキのせいじゃないし看病するのは恋人の義務だ。
 詩織莉さんも看病しかねない勢いだったんだが、それは断った。
 ユキの身体から薬が抜けるまではずっとこの部屋にいるし、苦しかったら下手に我慢しなくて遠慮なく言って欲しい」
 切々と訴えると、ユキは紅い胡蝶蘭のような笑みを見せてくれた。
「本当に有難う。
 僕をさ、厚労省の施設とかに入れることも出来たんでしょ?それか処置をしてくださったオランダ留学帰りの先生の病院に預けることも。
 それをしないでくれて本当に嬉しい。
 でも……リョウの時間を奪ってしまっていることには申し訳なく思っているよ。
 お店に行かなくて大丈夫なの?」
 ユキはよほど喉が渇いていたんだろう、一気飲みという感じでグラスを空にしている。
「オレの家で看病したいって言ったのは単なる恋人同士のワガママなんで気にしなくて良い。
 店の方は詩織莉さんが連絡してくれることになっていて、出張サービス扱いにしてくれるそうだ。
 だからオレの懐は全く痛まないし、店にも迷惑は掛かっていない。
 詩織莉さんには遠慮したんだが、ユキは大切な弟なのでとか言っていた」
 正しくはそこまで言ってなかったような気がするんだが――いや、オレの容量が少ない頭がユキのことでいっぱいいっぱいになって無意識に答えていたのかも――ま、どうせ同じことだ。
「栞お姉さんにも迷惑かけっぱなしなんだね……」
 ユキ2割くらいの感謝、そして残りはとても悲しそうだった。
 ユキの律儀な性格だとそうなるのだろうが、詩織莉さんもユキのショーのお蔭で過去のトラウマを解消したのも事実だ。そして詩織莉さんの財力なら――借金している感じでもないし、人気女優の中では3位から転落したことはない。なんでも「女優」は差別用語らしいがざっくりと言うと「優れた女性」という風な意味だろう――ホストクラブがいくら高価だと言っても大丈夫だろう。
「グラスを貸して欲しい。水を注ぐから。その間に指を拭いた方が良いかと思う」
 カルピスの原液みたいな――実家では母が作ってくれた思い出は有るがそれ以降は見ていないが――白い液体がグラスに付いている。
 オレはユキがそのままの状態でコップに注いでも気にはしない。
 さらに言えばユキが家のバカラのグラスを全部割ってしまってもモノは全く惜しくない。そんなハメになったら、ユキがケガをしていないかどうかの方が気になるだろう。
 ユキの顔が蒼褪めている。
 もしかして覚せい剤に似た成分が心臓に負担をかけているのかもと咄嗟に思った。


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最後まで読んで頂きまして有難うございます。

今日もイキナリ病院に呼び出されまして「さらに重篤な状態」と言われました。
更新が止まったら「ああ、ダメだったんだな。お葬式とかで忙しいんだ」と思って下されば幸いです。
           こうやま みか
  
         

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ショーから始まる恋もある 113




 ただ、今のユキは薬でおかしくなっているだけで、しかもその上、この状態で本番を致してしまうと薬ナシでは物足りなくなってしまうと新田先生から聞いていた。
 「恋人」であるユキの痴態を見ているのではなくて、これは学者が検査対象を観察している態度で接したほうが良いのではないかと思った。
 ユキが大切な恋人であることは揺るぎないことではあし、この状態もユキ本人になんの落ち度もない。
 ま、ユキに限ってそんなことをするとは到底思えないが、万が一いや一億の一の話ユキが「若気の至り」でそういう薬に手を出したとても一回だけならばこうして付き合う程度には惚れている。
 常習するような人間だったら、手を切ったほうが良いとも思うが。
「ああっ……リョウさんので奥を……ズンって衝いてっ……」
 ユキの細い指が三本も付け根が見えなくなる程度に中に挿っては出て、物足りなげに動いている。
 紅く上気した頬とか、唇がせわしなく、そして扇情的な雫を零している。
 それにもう片方の手で、乳首をギュッと抓ったかと思うと前を弄っていた。
「ああっ……リョウさんっ……イクっ……イッちゃうからぁ……、穴をいっぱいにして、奥まで欲しいようっ」
 水晶のような雫を指先が触れていた先端部分が淫ら極まりない音を奏でている。
 リョウさんと呼んでいたのは初めて会った――あれからずいぶんと時が経ったような気がするが二日前だ――ショーの時の呼び方で、普段のユキならオレの本名から取ったシンと呼ぶハズで、つまりは薬の効果なのだと確信してしまう。
 だから心を鬼にしてでも――それほど良くは知らないが――動物の生態を調べる動物学者になった積りで接するしかないだろう。
「乳首、ギュッと……摘まんで、転がしてぇっ……
 ああ……イイって、イク、イクっ……」
 すっかり立ち上がったユキのモノをたどたどしい感じで弄っている細い指も綺麗なピンク色に染まっている。
 ユキの喘ぎ声と粘度のある湿った音が淫らな旋律を奏でている。
 ユキの指の動きは巧みとは言い難い。
 それほど、一人では弄っていなかった――男なのだから、自分で出してスッキリするという生理現象なので当然しているだろうが、そういうのは尿意を催したらトイレで用を足す程度のことだ――感じがいかにもユキらしくて、一縷の光を見たような気がした。
「イっていいぞ……。
 ユキの可愛い小さな穴から、ピュルって白い液が出るところを見せて……欲しい」
 触ったり本番まで致してしまったりするのはダメだが、声までは制限されていない。
 だからとっておきの低音ボイスで囁いた。
 耳朶には触れないように細心の注意を払って。
 五感が異常に敏感になっている今――それでなくともユキは耳朶も感じる場所だ――肌を刺激するのもダメな気がして。
「ああっ……イっクって……」
 ユキの可愛い穴から白い液体が勢いよく飛び出して薄紅色に染まった腹部に真珠を撒いたように飛び散っていく。
 その眺めも、普段なら興奮してしまうだろうが、今はそういう気分では全くない。
「ね、リョウさん……。
 リョウさんので……僕のココをいっぱいに……して」
 紅に染まった腹部に真珠とダイアの首飾りのような煌めきを放っていてとても綺麗だったが、それ以上に扇情的なのはその「そういう」動画――オレは女性との絡みのあるモノは断じて自分からは見ない、見ないが男同士の付き合いというかノリで「そういうモノ」は見るし、しかもオレの場合は職業が職業だけに某グラビアアイドルとか清純派で売っているタレントのハ〇撮り動画――もちろん、ガチなヤツだ――なんかが回ってくることもある。
 昔のことは知らないが、今時はスマホで動画も撮れるので「あの」誰それとやった記念にこっそりと撮る同業者は多い。
 ウチの店の場合はそんなことがバレれば一発でクビになるが、他店では割と普通に行われているらしいし、この世界に居続ける人間はそれなりに横の繋がりもあるので、新人の時には絶対に「楽しい秘密の鑑賞会」とやらに誘われた。そして世間では女性に媚びて金を毟る軟弱な商売だと思われているような感じだが、実際は体育会系のノリなので先輩の言うことは絶対だった。
 だから「アレを鑑賞しようぜ?」みたいな会にも断る権利はなかった時代の出来事だが。
 今は先輩的な人は役職に就いているとか、地方都市でホストクラブのオーナーになったりしているので、そういう「迂闊な」ことはしない。
 オレはそもそも女性の痴態には興味がないので後輩に誘われても行かないようにしているし、若い者同士で愉しめば良いと思っていた。
 コンプライアンス(?)の略語だったかと思うがコンプラ違反で引っかからないようにとだけ忠告するだけだった。
 今の時代そういう動画を簡単にインターネットにアップロード出来るそうで、そうなれば最悪警察沙汰・裁判沙汰になってしまう。特に清楚系で売っているような若手のひよっこ女優なんかの動画をいったんネットにアップするとたちまち拡散されるらしくてたびたび注意喚起の紙も渡されているし。
 そんなことを考えていたのは、目の前のユキがM字に足を広げてまた立った場所とか、物欲しそうにヒクヒクと動く可愛い穴に指を出し入れしているという頭が沸騰しそうなほどの熱演を繰り広げているから、だった。
 それに紅色に染まった腹部には精液とかうぱー液で真珠とダイアモンドの煌めきがユキの動きに合わせて妖しい煌めきを放っていたし。
「リョウさん……来てって!!僕のココに」
 そう紅い唇を震わせながらサーモンピンクの舌で唇を舐めているのも艶めかしくてクラクラしそうだった。
 そしてユキは白い液で濡れた指をオレの方に伸ばしてきた。
 その細い指から小粒の真珠みたいな液が滴っては床に落ちてきた。
 何だかもうどうなってもいいような気がした。


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最後まで読んで頂きまして有難うございます。母の具合は相変わらずです。
ですので、当分は一話更新がやっとだと思います。
なにとぞご理解とご了承をお願い致します。

このブログに愚痴を書くのも何だか違うのかなと思いますので、新しく愚痴ブログでも作るか、それともこのブログにカテゴリー分けをしようかと思案中です。

なるべく一日一話更新を目指したいと思います。

               こうやま みか



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