最愛の人が愛の交歓の時に眠り込んでしまうのは珍しい。激しかった行為が終わって後の戯れに髪の毛を梳かれてとか、シャワーで花園を綺麗に洗い流した後に祐樹の胸元にぴったりと身体とか頬を寄せて眠りに就くというのは過去に何度も有ったが。
 ただ、今日の場合は出版ラッシュというか余計な仕事が増えて忙しかった日々を過ごしつつの日常業務だったので体力的にも精神的にもかなり疲労が蓄積しているだろうし、それに「披露宴」では普段よりも多いアルコールを呑んでいる。
 酔っぱらった無様な姿などは全く見せない最愛の人だが、精神的・肉体的にハードな日々を過ごしてきた分その酔いが普段以上に回ってしまったのかもしれない。
 ただ、最愛の人も眠りの国に入ろうとは思っていなかったらしく、紅色の腹部には彼自身がばら撒いた真珠の飛沫が飛び散ったままだったし、純白のシーツ――二人の行為の激しさを物語るように乱れていたが――の上に紅色の素肌を露わに見せている。
 眠る積りだったら、せめて素肌を隠すとか、使っていなかった新しいシーツに身を包むことくらいはしそうなので、祐樹の得意の秒速で眠りに落ちる感じだったのだろうか?
 手に持った瑞々しい赤い薔薇よりも綺麗な色に染まった頬を花びらでそっと撫でた。
 水晶の細かい粒を宿した長い睫毛が紅色の素肌に影を落としているのも、そしてその涙袋と言われる場所がうっすらと青くなっているのも壮絶な色香を醸し出している。
 俗に目の下のクマは「荒淫の証」とか小説に書いてあったような気がしたが、最愛の人の場合は青い薔薇のように綺麗だった。
 このまま彼が目覚めるまで待とうかとも思ったが、紅い肢体に祐樹が付けた情痕の真っ赤な箇所やルビーよりも魅惑的な煌めきを放つ二つの尖り、そして今はクタリとしている場所の愛らしさには負けてしまった。
 それに花よりも紅く綺麗な笑みを浮かべて咲いている唇にも。
 祐樹が薔薇の花で頬を撫でると、睫毛が動いてメレダイアのような涙の雫が滑らかな素肌に落ちていくのも綺麗だった。
 最も敏感な場所を深紅の厚い花びらで撫でてみて、それでも起きなければ休ませておこうと決めた。
 愛の交歓はしたいものの、最愛の人の身体と精神を休ませる方が優先順位は高い。
 このまま起きなければ、この続きはハネムーンに持ち越そうかなと思ってしまう。
 いや、二人して香港に行く――と言っても、ホテルの部屋から一歩も外に出す気は全くないが――お正月休みまで禁欲生活を送るわけでもなかったが、激し過ぎる愛情表現はやはり身体に負担を強いてしまうだろうから。
 真っ赤な薔薇の花びらをルビー色に煌めく場所に当ててそっと動かした。
 赤い薔薇も最愛の人には良く似合うが、このルビーよりも紅くて蠱惑的な場所には白い薔薇の方が映えるな……と送ってくれた二人には悪いがそう思ってしまった。
「ん……祐樹っ……」
 長い睫毛が扇を開くような綺麗さで動いて、普段よりも妖艶さの増した眼差しが祐樹の方を見ている。
「お休みになられていたので……。ただ、お疲れのようでしたら少し仮眠を取りましょうか?」
 紅色に染まった細く長い首が横に振られた。
「いや、せっかくの……そして待ち侘びた『初夜』なのだから、眠るのはもったいなくて……。
 どの程度眠っていた?また、その薔薇の花束は?」
 幾分呂律の回っていない口調が愛らしさを際立たせている。
「ほんの数分だと思います。
 私がルームサービスを取りに行って戻って来たところですし……。
 花束は森技官と呉先生のお祝いだそうです。ルームサービスの人が持って来て下さいました。
 眠り姫は王子様のキスで目を覚ましますが、聡の場合はルビーよりも綺麗な尖りを薔薇の花で撫でたら起きるのですね……」
 そう言って花束を最愛の人に捧げた。
「王子様のキスで完全覚醒するので、キスして欲しい……」
 そう強請る最愛の人の愛らしさと紅色に染まった腕や指、そして肢体に深紅の薔薇の花が良く似合っている姿にも目を奪われてしまう。
「唇へのキスだけで良いのですか?
 ルビーよりも蠱惑的に煌めく尖りも、そして鎖骨の綺麗なラインも唇で確かめずにはいられないのですが……」
 唇を重ねると、直ぐに舌が祐樹の唇の輪郭を辿る。普段は冷たい唇も今夜の愛の交歓の余韻かほんのりと温かくて、祐樹も舌でその感触を確かめようとしたら尖らせた舌が先端部分を掠めてきた。
 口だけを使って愛の行為をしているような濃厚な口づけが寝室のしじまに微かで甘い旋律を奏でている。
「あっ……そこ……。もどかしい感じが……堪らなくっ……あっ……悦いっ……」
 鎖骨の窪みを唇と舌で緩く愛して、ピンと尖った場所の硬さと熱さを確かめるように指で辿ると薔薇色に溶けた甘い声が寝室を薔薇の園に変えていくような気がした。
 最愛の人が手に抱いている薔薇の花束よりも綺麗で、そして淫らだった。
「このまま愛の行為に雪崩れ込んでも良いのですが……。ここもすっかりその気ですしね……」
 普段から敏感な人だったが「初夜」の昂りからか、尖りをゆうるりと円を描く動きだけで、花の芯のように上を向いていた。
「ただ、やはり少し休みましょうか?
 聡も甘いモノを召し上がりたいでしょうから……」
 すっかり育ち切って水晶の雫を零す先端部分とか引き締まった紅色の腹部に宿った真珠の放埓がとても綺麗だった。
「そうだな……。アイスコーヒーの氷が溶けてしまわないうちに飲んだ方が良さそうだし……。それに焼きティラミスも食べたい……な」
 先ほどほんの刹那とはいえ眠りに落ちた最愛の人はやはり疲れているような感じだった。
 その甘く薫る肢体をもっと味わいたいのはやまやまだったものの、夜は長いし束の間の休息をとるのも悪くない。
「食べさせて差し上げますよ……。聡が召し上がった分の半分は私も頂きますので……」
 箱から中身を取り出してパッケージを破った。
 紅く染まった唇が祐樹の指の動きに従って大きく開くのも絶品だった。


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梅雨が明けたら猛烈な暑さですね。マスクをしていると熱中症になりそうな感じです。

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        こうやま みか拝


















小説家になろう」版 気分は~1st 自分で書いたのに次ぎはどうなるんだっけと楽しみに読んでいます。






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