「ああ……んっ!小指だけじゃなくってさ……。もっと身体全部触ってよぉっ……。
 ほら、ココとかっ……」
 絡めた小指を上下にねっとりとした感じでスライドさせて、可憐に立ったピンク色の乳首を誇示するように胸を張っている扇情的な痴態とか、何も触っていないのに――薬のせいもあるのだろうが、ユキの若さだと一度達してもすぐに回復するのだろうユキの下腹部にも花の芯のようなモノが先端から雫をたくさん滴らせながら臨戦態勢に入っている。
 据え膳食わぬは……みたいなことは良く聞くが、据え膳どころか匠の技が冴え切ったホカホカと湯気が立った料理の銀の蓋がウエイターの手で開けられて「さあ、召し上がれ」という銀の鈴でも振られたような感じだった。
 オレ的にはユキの身体とか顔――もちろん好みのタイプではあったが――見事的中という感じではなくて、むしろユキの腹を括った時の潔さとか緊急事態になった時の賢さとか感情ではなくて理知的に行動する点の方こそユキの素晴らしい美点だと思っていた。
 ただ、二丁目の行きつけの「そういう」バーにふらりと入ってユキから誘いを掛けて来たとかだったらベッドを共にする程度の好みではあった。付き合うかどうかは身体の相性とか性格とかを見てから決めるだろうが。
 ただ、今のユキは薬で――しかもユキの意に反して摂取させられたのだから本意ではないだろう――そもそもユキの意識というか理性は薬でぶっ飛んでいる状態なのは分かっている。
 だから目の前のユキの身体が「さあ、召し上がれ」と言わんばかりに熟していたとしても手を出すわけにはいかない。
 ただ、ユキの痴態を見ているとオレの理性の糸がプツンと切れてしまいそうな気がしたのも確かだった。
 しかし、この薬で高められた状態で致してしまうのも新田先生からはキツく止められているし、オレが理性の糸を断ち切って最後までしてしまうとその快楽が身体に染み込んでしまうだろうことも容易に想像出来た。
 たかが――といっては何だかぶっちゃけそうだろう――小指を絡めただけで全身が紅色に染まってゆらゆらと花のように陽炎のように揺れている、しかも物欲しそうな感じだ。
 小指を絡めただけですら――なんでも手はどんな感触でも取り込み易い場所だと聞いたことがあるし、普段の生活でも熱いとか痛いとかを感じる点のようなものは背中とかよりもたくさん点在しているらしい――こんなになってしまうユキの身体のもっと弱いところを刺激すればオレの辛うじて保っている理性がそれこそ真夏の太陽に照らされた水のように蒸発してしまうような痴態を晒すことも想像に難くない。
 だから、心を鬼にして手錠と足かせを片方ずつ手ごろなラックに固定した。このような準備をしてくれたのは病院の救急車の運転手兼メンズナースで、彼には本当に感謝していた。
 オレ一人だといつユキが目覚めるかとか目を離したらヤバいと思って気もそぞろだったに違いないのだから。
 新田先生もオレ一人では――これが先生ご推薦の厚労省だったかの施設とか広尾の病院の豪華な座敷牢の中ならともかく、そういう設備もなければそもそもそんな用途で建築されたマンションでもないことくらいは新田先生ほど賢くなくても当然予想は付くだろう。
 だから単に運転者ではなくてナースの資格も持っている彼に頼んでくれたのだろうな……と思った。
「ああっ……気持ち……イイよぉっ」
 ユキが両の乳首をギュッと抓っては弾くという行為を繰り返している。
 その度ごとに床に投げ出した足の指が丸まっていたし、瑞々しい花の芯のようなユキの可憐なピンク色の欲情の象徴が弾けそうに震えていた。もちろん先端からはタラタラと雫を零していたし。
 ユキがギュッと抓っては弾いている乳首は真っ赤になってぷっくりと膨れていた。
 その様子も物凄くクルものが有ったが、ユキの割と長い手錠のチェーン(?)からは絶対に届かないところに佇んでいた。
 男の看護師がユキを見てくれている間に買ってきたコンビニの袋の中からカ〇リーメイトを取り出して、食欲など皆無だったが無理やりに胃に入れることにした。
 ただ、ビスケット状なので飲み物がなければ喉を詰まらせてしまいそうになって慌てて先ほどユキが飲んでいた飲み物の残りをペットボトルから直接飲んだ。
 何だか普段よりも体に浸透するような感じだったのも、栄養補助食品(だったと思う)のせいではなくて、自覚症状がないままにかなり緊張していたのだろう、精神が。
 今は精神力が勝っているような気がしたが、約二日間の長丁場だ。
 精神力もそうだが、体力もなるべく温存しておかなければならないなと思いながら、ユキが紅色の茎を親指と人差し指で輪っかを作って根元から先端部分まで扱いている。
 そして人差し指と薬指で二つの瑞々しい果実を擦り合わせていて、残った指は傘の部分をキュという感じで回している。先端部分から大粒の雫を零しているので、部屋の中には湿った音と微かな擦る音がこもっている。
「リョウさん……。ここにっ……挿れ……て」
 手錠をかけた方の指がユキの紅に染まったお尻の穴を開いている。
 その鮮やかなピンク色に理性がガラガラと音を立てて崩れていっているのを自覚した。

--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが上がりますので、宜しくお願い致します!!




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村



小説(BL)ランキング



























PVアクセスランキング にほんブログ村