「祐樹だって、アメリカの学会であんなに颯爽と出て来た瞬間に皆がどよめいていたし、カメラのフラッシュも焚かれていただろう……。あの場に行けずに私は同時配信を見るしかなかったが。

 祐樹だってあんなに注目を集めていたし、あの場では祐樹こそが高嶺の花で、私はそれを見るだけの一介の医師に過ぎなかった。

 だから、それはお互い様だと思う。

 祐樹のココとか……」

 しなやかな指が最も敏感な場所を愛おしげに辿っていく。しかも、感じる場所を精緻な力と良く撓る指で触られると、またその場所に血液が熱く集まってくる。

 細く長い指に真珠の白濁が絡みついて湿った淫らな音が部屋に小さく響くのも、堪らなく欲情を加速していく。

「私の――祐樹が丹精を込めて愛してくれた花園はもちろん祐樹専用だと決めているが、コレだって、私専用なのだろう。

 私だって万雷の拍手と煌めくライトの下で端整に佇む祐樹をPC越しの動画で見ていて、そしてその発表の内容も素晴らしいと思っていた。思ってはいたが、こうしてベッドの中で私だけを強く求めてくれて、腰を振ってくれるとか――胸の尖りを強く摘まんでくれるとかは、想像出来ないというか……。そういうコトをしなさそうな男らしく整った落ち着いた顔とか一分の隙もなく着こなしたスーツ姿からは禁欲的な雰囲気だった。

 アカデミックな情熱はPC越しに感じたが、こういう人間的というか生物の本能に従って情熱的に動いてくれる様子は毛ほども感じなかった。

 だから、一緒だと思うのだが?」

 そう言われてみるとその通りだな……と思う。

 ただ、祐樹と最愛の人の違いは「同性をも惹き付けてしまう」点をキチンと自覚して、「そのケ」の有る人間を失礼のないようにシャットアウトするのが祐樹で、そういう下心をあまり意識していないので少し無防備なところがあるのが最愛の人だ。

 まあ、その欠点とも言えないような僅かな瑕疵を祐樹が補えばそれでいいのだろうと思う。

 そのためにわざわざ休暇を取ってまで来たのだから。

 初志は一応貫徹したので良しとしようと思った。

 最愛の人の花園の奥に一度真珠の白濁を出したせいか、あれだけ頭に血が上っていたのが一気に冷めたような気がする。いや、この後の戯れというか、中休みの間に最愛の人が紅色に染まった指で巧みに祐樹の欲情と愛情の象徴を扱いてくれているせいで、頭の血が下腹部に下りて来たのかもしれないが。

「すっかり日が暮れましたね。ああ、この部屋からは横浜の大観覧車まで見えるのですよね。

 この観覧車ではないのですが、こういう性的嗜好も売ればお金になるということを知っていましたか?

 女性の場合でも春をひさぐ職業が有るでしょう?」

 最愛の人の場合、博学さとか暗記力も祐樹を遥かに凌駕しているが、意外なことに無知だったりするので一応聞いて見ることにした。

 最愛の人が指で祐樹の一度は力を失ったモノに指と掌を当てて愛おしそうに愛の行為を続けてくれているのを良いことにルビーよりも綺麗に煌めいている二つの尖りを親指の爪で強く弾きながらベッドの上で交わすのに相応しい甘くて淫らな話をしようとした。

 一回だけで済まないことは明言してあるので、最愛の人もその積もりだろうし。

「今、そういう商売が有るかどうかは知らないが、昔は有ったと『井原西鶴』の文章で読んだ。ただ『色好み』と自負する男性は女性も男性もどちらでも抱けるというのが普通だったようだが。

 女性だと吉原遊郭が有ったし、男性だと陰間茶屋という『そういう店』が有ったという話は読んだ覚えが……」

 胸の二つの尖りを下から上へと強く弾くと紅色に染まった肢体がベッドの上にしなやかに跳ねる。祐樹の腹部に半ば育った最愛の人の愛情と欲情の象徴が湿った音を立てているのも、何だか箸休めに出て来るアイスクリームのような蠱惑的な甘さを彷彿とさせる。

「今でもこっそりそういう商売をしている人も居ます。

 ま、気に入った人からはお金を取らずに『そういう行為』をして、気に入らない人からはお金を取るという人もいるらしいのですが……」

 爪で強く弾いて煌めくルビーよりも綺麗な場所に見惚れつつ話を続けた。

 先程は奥処に真珠の放埓を放ったので、比較的浅い所にある凝った場所が疼いて来ているだろうなと思いつつも。

「吉原でも時間制限が有ったようですけれど、観覧車一周分で幾らと決めている人も居るらしいですよ……。

 一周回って埒が明かなければ、追加料金を取るというシステムらしいですね」

 この話は最愛の人と知り合う前に――最愛の人は祐樹のことを大学生の時に一目惚れしてくれていたらしいが、祐樹には姿を見せないようにしていたとかで全く知らなかった――行きつけのゲイバー「グレイス」で聞いた話だった。

 ただ、あくまでウワサなので真偽のほどは不明だが。

「『愛の交歓』をお金に換算しようとは思わないが……、時間きっちりに終わったか終わっていないかをタイマーで計るよりもロマンティックな感じがするな。観覧車だとキチンと時間は定められて動いているのだから」

 最愛の人の指が祐樹の二つの果実を長い指と掌で一つに纏めて微細に動かしてくれていた。

 その感触も物凄く感じる。

「それに、観覧車の中って丸見えですよね?しかも高さが有るので滅多にない興奮も味わえます。

 ほら、聡も人の気配とか視線を気にして、必死に快楽を我慢していたり、羞恥心で却って肢体が熱くなったりしますよね。

 しかも高いところで、揺れるという点も燃えるらしいですよ。だからその人は大体が観覧車一周分で埒を明けて手軽に稼げるらしいです。

 今度、観覧車の中で、そういうコトをしてみませんか……っと、痛いです……。もう少し力を緩めて下さい」

 動揺したように――いや実際に心が激しく動いているのだろうが――指の力が強くなってかなり痛い。

 最愛の人の愛の仕草は――全て祐樹が教えたことだったが――痛みとかを感じさせることなどなかったのに、観覧車でするというのが最愛の人的にNGだったらしい。まあ、気持ちは分かるし――それこそ遊園地を借り切ってとかいう場合以外する積もりはない。

「ただ、観覧車に乗っている――この時間ですから観光客よりも恋人同士の方が多いと思いますので――人に見せつけて……いや、大丈夫です。どうせ、大阪の観覧車に乗った時のようにお互いのことで夢中で、こんなホテルの一室をじっと見るような奇特な人はいないですよ。しかもご存知の通り、動いていますから見続けることは不可能です。

 大阪の観覧車は赤い色でしたが、横浜のは青色で綺麗ですよ。

 二回目は、観覧車を見ながら、そして部屋の灯りを消して青いライトで照らされた聡のしなやかな背中を見ながら『愛の交歓』をしたいと思うのですが、如何でしょう?」

 ライトに照らされたという点では、昼間の講演とか、聡がご覧になった私の学会での発表と重なると思うのですが?」

 紅色に染まった耳朶に思いの丈を述べた後に、甘く噛んだ。

 すると、腹部に当たっていた最愛の人の茎がしっかりと立ち上がって、先端から零れる水晶の雫が腹部を熱く濡らしていく。

--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが上がりますので、宜しくお願い致します!!


にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村





小説(BL)ランキング


現在ノベルバ様で「下剋上」シリーズのスピンオフ作品を書いております。

もし、読みたいという方は是非!!
こちらでもお待ちしております。

https://novelba.com/publish/works/884955/episodes/9398607
↑ ↑

すみません!試したらノベルバ様のトップページにしか飛べなかったので、「こうやまみか」と検索して頂ければと思います!!

最近、アプリの不具合かノベルバ様から更新通知が来ないのです……。
基本的にこちらのブログを更新した日は何かしら更新しておりますので、読んで頂ければ幸いです。




















この話しは、アップし忘れていて←バカです 泣

あ!ちょっとPCの中を整理しよう!と思ったら出て来ました。

時系列的には、祐樹がアメリカの学会から帰って、地震編の時にちょこっと言及した防A大学での講演の後に横浜のホテルに泊まっている時の話になります。

お正月だし、クリスマスの特別企画とかもしなかったのでちょうど良いかなと。

最後まで読んで下さいまして有り難うございます。

            こうやま みか





PVアクセスランキング にほんブログ村