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「そのように性急に求めてくれるのは誠に嬉しいが、夜桜の君の心はともかく身体はまだ馴染んでいるとは言えぬので、せめてこの唐渡りの薬をその細い指で私の猛った物に塗って欲しい」
 侍る人が居ない寝殿とはいえ、今宵の準備は万端整えられていたらしく頼長様は大きな貝の皿を私の目の前に差し出して下さいました。
 甘く熱く震える指でその皿の中身を掬うとトロリとした油のような、しかし嗅ぎ慣れない異国の香りのする液体でした。
 指だけでなく掌までしとどに濡らして頼長様の男根へと手を添わせました。
「夜桜の君……冷たい指が心地良い……、しかし……先端部分だけではなくて……全体に塗り込めないと……心ゆくまで……睦み合えぬ……」
 首筋を舌で辿られて、硬く芯を作った胸の先端部分を指で突かれ、もう片方の指は下の口を馴染ませるように濡れた指で出入りされて、その湿った音と熱のこもった御声に煽られるように指を動かしました。
 熱く脈を打つ場所を掌で包んで上下に動かします。この熱さと逞しさを直ぐに私の身体の中で感じることが出来るのだと思うと、矢も楯もたまりませんでした。
「夜桜の君……、掌も……そして細い指の動きも堪らなく悦いが……、そろそろ一つに」
 頼長様の熱い声が首筋をさらに濡らしていくようでした。
「はい。お待ちしていました……。存分に……可愛がって……下さいませ……」
 三回目の逢瀬の夜で――男女の仲でも皆そうなのか、それとも頼長様とは前世での宿縁がよほど深かったのかは分かりませんが――すっかり馴染んだ身体は腰を高く掲げて足を扇のように開いてしまっていました。
 濡れた熱い先端部分が下の口にヒタリと当てられて、甘い声を零してしまいました。
「夜桜の君は……頭も身体も……覚えが良いようだ……。
 私が一目で惚れて、そして心の底から……身体だけでなく、心も欲しいと想った直感は……正しかったようだ……」
 ゆうるりと、しかし着実に私の身体を貫いていく頼長様の熱く逞しい物に涙が零れるほど嬉しくて腰をさらに高く掲げておりました。
「頼長様……。お話しを……なさいながらですと……声が外と……身体の内から響くようで……、堪りません……」
 月の光に照らされた露わな背中が反ってしまいました、確かな悦楽に。
 私の前の部分には一切お触れになっていないというのに、そちらも重い衣を押し上げてともすれば堰を切りそうな勢いでした。
「頼長様……、ああ……」
 根元まで挿ったのを証し立てるように、二人の衣の音が重なって聞こえました。
「夜桜の君……、動いても……構わぬか。
 狭いが、その狭さが……堪らない程に……悦い……」
 頼長様の熱い、そして勢いの増した息と共にお声が耳から、そして身体の中から聞こえるようで、背中がさらに撓りました。
「はい……。ああ……ただ……そこ……は……」
 浅い場所を衝かれて、息も絶え絶えに訴えました。
「夜桜の君の、弱い場所であろう……。どの男でも……そういう泣き所はあるので……」
 小刻みにその一点だけを衝かれて、腰が勝手に動いてしまっていました。
「月明かりに照らされた……首筋が八重桜色に……染まっているのも……、そして鮎のように……動く……背中すら……汗の雫を……跳ねさせて……とても綺麗だ……。
 それに、私を熱く締め付ける……下の口も……すっかり……馴染んだようだな……」
 頼長様の熱く掠れる御声や荒い息を首筋に、そして愛の動きを身体全体で感じて……野分に遭った小舟のように身体が、そして心までが頼長様の方へと縋るように、慕うように寄って行きました。
「頼長様……。堰が……切れて……しまいそうです……」
 熱く甘く身体が揺さぶられて、そしてその中心が頼長様の熱く逞しい楔で浅く深く穿たれていました。
「私もそれほど……長くは……保たぬ……夜桜の君への……愛しさの余り……」
 繋がった場所が火を灯したように熱くて、そして頼長様の身体の動きで濡れた音が淫らに響いておりました。肌と衣が擦れる性急な旋律で。
「ああ……頼長様……」
 息が絶え入るような、そして極楽浄土に上っていく時はきっとこのような感じだろうと思わせる一瞬の閃光が身体中を貫きました。
 堰を切ってしまった私の身体を抱き止めた頼長様は汗に濡れた腰を大きな手で強く掴んで、間断なく抜き差しを繰り返していらっしゃいました。
 一突きごとに大きくなっていく灼熱の楔を一身に受けて揺さぶられていると本当に一つになれたような気がしました。
 夜の闇に二人の熱い息吹と肌と衣が擦れ合う激しい音がかがり火よりも紅く燃えているような気がした瞬間に、身体の奥にもっと熱い飛沫が放たれたのを感じて、満足のため息を零してしまいました、頼長様の低く呻く声と同時に。


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【お詫び】
 リアル生活が多忙を極めておりまして、不定期更新になります。
 更新を気長にお待ち下さると幸いです。
 師走の気忙しさにバタバタと過ごしています。風邪を引かないように頑張りたいと思います。
 読者様もお身体なにとぞご自愛くださいませ。
 

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時間がない!とか言っていますが、ふとした気紛れにこのサイトさんに投稿しました!
いや、千字だったら楽かなぁ!!とか、ルビがふれる!!とかで……。
こちらのブログの方が優先なのですが、私の小説の書き方が「主人公視点」で固定されてしまっているのをどうにかしたくて……。
三人称視点に挑戦してみました!
宜しければ、そしてお暇があれば是非読んで下されば嬉しいです。

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        こうやま みか拝