角部屋なのは廊下の感じで分かっていたものの、右手には神戸の煌びやかで洒落た夜景が左手に神秘さを醸し出す海が大きな窓――というかベランダのようなものが見えたのでドアかも知れない――いっぱいに広がっていて、その見事さに見惚れていると背後から強く抱き締められた。
後ろ手で祐樹の首に縋って首を広い肩に預けると、期待した通り祐樹の唇が強く深く重ねられた。
舌を絡め取られて強く吸われた後に付け根の奥処を尖らせた舌が甘く強くつついて来る。
先程とはまた異なった情熱的な深いキスに酔いしれながら、もどかしく切羽詰まった思いでコートを苦心して肩から床へと滑り落とす。何しろ背後から背骨が軋むほど強く抱き締められていたので。
気が付いたように祐樹の腕が離れていく、唇と舌は絡まりあったままだったが。
お互いの唇が重なって奏でる濡れた音が、広い部屋を愛の行為のための密度と湿度に高まっていく。
祐樹の柔らかい唇の感触を自分の唇でしっかりと確かめながら、悦楽の予感に震える指で着ている物を順番に床へと落としていく。その割と重い音が二人分重なって聞こえてきて部屋の愛の湿度が上がっていく。
祐樹の指が自分の指の全てに根元まで強く繋ぎ合わされてやや強引にベッドに押し倒された。
神戸の夜景の灯りだけに照らされた夜光貝のような煌めきを帯びている純白のシーツの波へと投げ出されたように。
「聡と、早く二人きりになって……こうしたかった、です。
触れていない方の尖りも、同じ硬さと熱を帯びているのです、ね」
祐樹の素肌の重みを心地よく感じながら熱く疼く身体のあちこちを確かめるように辿られて、甘い吐息を零しながら背筋を撓らせた。
「ゆ……祐樹っ……左側のを……歯で……」
やや腰から下を祐樹の方へと上げて半ば以上に育った愛情と欲情に震える象徴の先端部分が重なるようにして身体を小さく回しながら祐樹の熱と滑らかさを最も感じやすい場所で確かめるように愛した。
「あっ……。とても……感じっ……。
祐樹に……こうされるのをっ……待ち侘びてっ……いたのでっ……」
左の尖りは祐樹の歯に強く挟まれて側面部をごく小さな動きで上下に擦られては先端を舌で突かれる、宥めるように。そして右の尖りも祐樹の指がほぼ同じ強さで摘ままれたまま奇跡のように左右に動いては先端を指で優しく円を描いている。
「さっき……二人で……見たっ……光の……洪水のようにっ……。いや、輝きはっ……ずっと……眩しいしっ……、それにっ……熱も感じてっ……」
密着した腰をお互いに回すので、熱く濡れた音と、感触もたまらないほど悦い。
その感覚は祐樹も同じだろうと思うので言葉ではなくて身体の動きと、それに従って奏でる粘度の高い水音で伝え続けた。
祐樹の指が双丘を割り開いて、狭間にするりと入り込む。待ち侘びていたように花園の門がしどけなく開いて祐樹の指を誘い込む淫らで熱い収縮をはしたなく始めてしまっていた。
「ゆ……祐樹っ……祐樹っ……、もう良いので……来て……欲しっ……」
お互いの腰を揺らす動きが大きくなって、先端から溢れ出た水晶の熱い雫が混じりあって、育ち切った熱く脈打つ場所を伝って滴り落ちては素肌を濡らす。
それに祐樹の熱い息遣いも鼓膜を熱い湿度で濡らしていくようだった。
「せっかく、こんな眺めの良い部屋が取れたのですから……シーツの白だけご覧になるのは、勿体ないです。
愛し合いながら見る景色も……多分、絶景です、よ。
少し位置を変えませんか……」
最愛の祐樹との愛の交歓だけでも充分すぎるくらいに幸せなのに、あの一瞬だけ見た景色を堪能しながらという――といっても視覚よりも他の感覚の方が研ぎ澄まされているだろうからそれほど注意は払えないだろうが――贅沢さに紅い色の眩暈がしそうだった。
祐樹の腕と身体でリードされたままベッドの上を移動した。
スプリングが弾む音よりも高く胸の鼓動の音が鼓膜を心地よく、熱く叩いているようだったが。
ベッドの枕の位置から最も遠い場所に祐樹の頭を置いて横たわった身体の上に自分の身体が載せられる。
確かにこの愛の行為の形だと大きな窓を見ながら――そして自分の身体の動きも割と自由になって――愛し合うことが出来そうだ。
その代わり祐樹は一切景色を見ることが出来ないだろう。
「祐樹は……景色が……見られないが?」
祐樹の身体に覆いかぶさるように汗の雫を纏った素肌を密着させて、唇を重ねながら聞いた。
「外の景色よりも、私の身体の上でしなやかな肢体が淫らで艶やかなダンスを踊って下さっている様子を拝見することの方が私にとっては重要ですから。
あの景色よりも、そして先ほどの光の建築物よりも魅惑的な聡の全てを見せて下さい」
掠れた低い声が情熱的な響きで耳朶を染めていく。
「……分かった。あっ……先ほど、二人でキスを交わした時にした約束では……『二人きり』が……条件で……『密室』は……条件から……外されていた、が?」
情熱的に素肌のあちこちを愛されて――弱い場所は特に念入りに――声が高く、低く震えてしまう。その声とか乱れた息でも悦楽の深さを祐樹は分かってくれるだろうから、具体的にどう感じるのか言わなくても大丈夫だろう、多分。
「密室」と「二人きり」をわざわざ区別したのは――どういう方法でかはまだ不明だったが――このホテルの部屋にベランダがついていて、それに夏とは異なってベランダに出る人間がそうそう居るとも思えない。そういう条件を知った上での祐樹の確認だっただろうから、リクエストに応えなければならないような気がしてきて。
「律儀な人ですね、聡は。そういう点も最高に愛しく思いますが……。
ベランダで、というのも一応は考えたのですが、一度目だとまだ寒いかと思いまして。
二人で愛し合って心も身体も充分に熱くなった後に、もう一度というのはいかがですか……」
了解という返事の代わりに熱く絡めた舌全体で祐樹の舌を上から下へと強く押した。
その後、シーツの波の上で慎重にバランスを取りながら祐樹を花園へと迎え挿れるべく汗の雫を纏った身体を動かした。
祐樹の力強い手が腰をしっかりと掴んでくれて、その温かさと安心感に浸りながら祐樹の熱くて硬い愛情の象徴を花園の門へとあてがった。
「ああ……開かれていく……感じが……堪らない。
それに……祐樹の……愛とか……存在をっ……身体だけでなく……て、魂までが……感じている……」
湿った淫らな音を立てながらゆっくりと腰を落として双丘と祐樹の熱く濡れた肌を密着させただけで、こんなに吐息が満たされた色を帯びているのを自覚した。
後ろ手で祐樹の首に縋って首を広い肩に預けると、期待した通り祐樹の唇が強く深く重ねられた。
舌を絡め取られて強く吸われた後に付け根の奥処を尖らせた舌が甘く強くつついて来る。
先程とはまた異なった情熱的な深いキスに酔いしれながら、もどかしく切羽詰まった思いでコートを苦心して肩から床へと滑り落とす。何しろ背後から背骨が軋むほど強く抱き締められていたので。
気が付いたように祐樹の腕が離れていく、唇と舌は絡まりあったままだったが。
お互いの唇が重なって奏でる濡れた音が、広い部屋を愛の行為のための密度と湿度に高まっていく。
祐樹の柔らかい唇の感触を自分の唇でしっかりと確かめながら、悦楽の予感に震える指で着ている物を順番に床へと落としていく。その割と重い音が二人分重なって聞こえてきて部屋の愛の湿度が上がっていく。
祐樹の指が自分の指の全てに根元まで強く繋ぎ合わされてやや強引にベッドに押し倒された。
神戸の夜景の灯りだけに照らされた夜光貝のような煌めきを帯びている純白のシーツの波へと投げ出されたように。
「聡と、早く二人きりになって……こうしたかった、です。
触れていない方の尖りも、同じ硬さと熱を帯びているのです、ね」
祐樹の素肌の重みを心地よく感じながら熱く疼く身体のあちこちを確かめるように辿られて、甘い吐息を零しながら背筋を撓らせた。
「ゆ……祐樹っ……左側のを……歯で……」
やや腰から下を祐樹の方へと上げて半ば以上に育った愛情と欲情に震える象徴の先端部分が重なるようにして身体を小さく回しながら祐樹の熱と滑らかさを最も感じやすい場所で確かめるように愛した。
「あっ……。とても……感じっ……。
祐樹に……こうされるのをっ……待ち侘びてっ……いたのでっ……」
左の尖りは祐樹の歯に強く挟まれて側面部をごく小さな動きで上下に擦られては先端を舌で突かれる、宥めるように。そして右の尖りも祐樹の指がほぼ同じ強さで摘ままれたまま奇跡のように左右に動いては先端を指で優しく円を描いている。
「さっき……二人で……見たっ……光の……洪水のようにっ……。いや、輝きはっ……ずっと……眩しいしっ……、それにっ……熱も感じてっ……」
密着した腰をお互いに回すので、熱く濡れた音と、感触もたまらないほど悦い。
その感覚は祐樹も同じだろうと思うので言葉ではなくて身体の動きと、それに従って奏でる粘度の高い水音で伝え続けた。
祐樹の指が双丘を割り開いて、狭間にするりと入り込む。待ち侘びていたように花園の門がしどけなく開いて祐樹の指を誘い込む淫らで熱い収縮をはしたなく始めてしまっていた。
「ゆ……祐樹っ……祐樹っ……、もう良いので……来て……欲しっ……」
お互いの腰を揺らす動きが大きくなって、先端から溢れ出た水晶の熱い雫が混じりあって、育ち切った熱く脈打つ場所を伝って滴り落ちては素肌を濡らす。
それに祐樹の熱い息遣いも鼓膜を熱い湿度で濡らしていくようだった。
「せっかく、こんな眺めの良い部屋が取れたのですから……シーツの白だけご覧になるのは、勿体ないです。
愛し合いながら見る景色も……多分、絶景です、よ。
少し位置を変えませんか……」
最愛の祐樹との愛の交歓だけでも充分すぎるくらいに幸せなのに、あの一瞬だけ見た景色を堪能しながらという――といっても視覚よりも他の感覚の方が研ぎ澄まされているだろうからそれほど注意は払えないだろうが――贅沢さに紅い色の眩暈がしそうだった。
祐樹の腕と身体でリードされたままベッドの上を移動した。
スプリングが弾む音よりも高く胸の鼓動の音が鼓膜を心地よく、熱く叩いているようだったが。
ベッドの枕の位置から最も遠い場所に祐樹の頭を置いて横たわった身体の上に自分の身体が載せられる。
確かにこの愛の行為の形だと大きな窓を見ながら――そして自分の身体の動きも割と自由になって――愛し合うことが出来そうだ。
その代わり祐樹は一切景色を見ることが出来ないだろう。
「祐樹は……景色が……見られないが?」
祐樹の身体に覆いかぶさるように汗の雫を纏った素肌を密着させて、唇を重ねながら聞いた。
「外の景色よりも、私の身体の上でしなやかな肢体が淫らで艶やかなダンスを踊って下さっている様子を拝見することの方が私にとっては重要ですから。
あの景色よりも、そして先ほどの光の建築物よりも魅惑的な聡の全てを見せて下さい」
掠れた低い声が情熱的な響きで耳朶を染めていく。
「……分かった。あっ……先ほど、二人でキスを交わした時にした約束では……『二人きり』が……条件で……『密室』は……条件から……外されていた、が?」
情熱的に素肌のあちこちを愛されて――弱い場所は特に念入りに――声が高く、低く震えてしまう。その声とか乱れた息でも悦楽の深さを祐樹は分かってくれるだろうから、具体的にどう感じるのか言わなくても大丈夫だろう、多分。
「密室」と「二人きり」をわざわざ区別したのは――どういう方法でかはまだ不明だったが――このホテルの部屋にベランダがついていて、それに夏とは異なってベランダに出る人間がそうそう居るとも思えない。そういう条件を知った上での祐樹の確認だっただろうから、リクエストに応えなければならないような気がしてきて。
「律儀な人ですね、聡は。そういう点も最高に愛しく思いますが……。
ベランダで、というのも一応は考えたのですが、一度目だとまだ寒いかと思いまして。
二人で愛し合って心も身体も充分に熱くなった後に、もう一度というのはいかがですか……」
了解という返事の代わりに熱く絡めた舌全体で祐樹の舌を上から下へと強く押した。
その後、シーツの波の上で慎重にバランスを取りながら祐樹を花園へと迎え挿れるべく汗の雫を纏った身体を動かした。
祐樹の力強い手が腰をしっかりと掴んでくれて、その温かさと安心感に浸りながら祐樹の熱くて硬い愛情の象徴を花園の門へとあてがった。
「ああ……開かれていく……感じが……堪らない。
それに……祐樹の……愛とか……存在をっ……身体だけでなく……て、魂までが……感じている……」
湿った淫らな音を立てながらゆっくりと腰を落として双丘と祐樹の熱く濡れた肌を密着させただけで、こんなに吐息が満たされた色を帯びているのを自覚した。
【お詫び】
リアル生活が多忙を極めておりまして、不定期更新になります。
更新を気長にお待ち下さると幸いです。
本当に申し訳ありません。
お休みしてしまって申し訳ありませんでした。なるべく毎日更新したいのですが、なかなか時間が取れずにいます……。
目指せ!二話更新なのですが、一話も更新出来ずに終わる可能性も……。
なるべく頑張りますので気長にお付き合い下されば嬉しいです。
こうやま みか拝