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「本当は、上半身のみのサービスなのですが、私達の場合はココまでボディソープを垂らした方が気持ち良くなれるでしょうね。
 お互いの熱が擦れ合って……」
 社交ダンスのステップを踏むような感じで祐樹に優雅にリードされて身体の位置が回転した。
 愛おしそうに抱き締められてピタリと密着する身体の下半身が甘く淫らな音を立てて擦れ合うのも精神が焼き切れそうになるほどの悦楽で背筋が反って祐樹の方へと上半身を更に近付けてしまう。
「今はレッスンなので立ったままですが、本来ならば浴室――ああ今日の客室は幸いなことにスイートなので浴室も広いでしょう?たっぷりのボディソープを上半身からココ」
 水晶の大粒の雫が混ざり合う場所に腰を意味有り気に動かされて上半身が妖しく揺らめいてしまった。
 チェーンの涼しげな音が胸の尖りの熱い疼きに当たって艶めいた嬌声混じりのため息を零してしまった。
「浴室に横たわった私の上に、しなやかな肢体をボディソープまみれにして身体全体を使って上下左右に動かして戴けるととても嬉しいです。
 もちろん左手は保護しておくのが今日の私達の場合は大前提でしょうが、胸のルビーの尖りが泡にまみれて更に煌めく様子とか、紅色に染まった素肌に唯一纏ったチェーンの硬い感触もそうですが、全ての素肌が今とは異なってボディソープの滑らかさに助けられて異なった感触を素肌に伝えて来るでしょうね。
 ああ、この尖りに生クリームを塗った時以上の……」
 密着した素肌が僅かに離されて、祐樹の右手が胸の尖りを強く弾いた。
「あっ……」
 祐樹が説明してくれたので、おおよそのことは分かったものの、何故それが「入浴介助」というある意味大袈裟な名前が付けられているのかとか、愛の交歓の延長線上の行為のような行為なのに「青年の頭の中の妄想が一人歩きした結果」と祐樹が表現したのかは依然として謎のままだった。
「大人のおもちゃは論外として……。その程度のことは全く構わないというか、私だって悦楽を得ることが出来る行為なのでむしろ大歓迎だし、祐樹がそれで悦んでくれるなら殊更嬉しい愛の行為なのだが……。
 それが『青年の妄想』と表現されるのかが良く分からないな……」
 祐樹が最初に言い出した時には頭の中が疑問符だらけになって、身体も一部分がフリーズしたような感じに襲われたが、熱い素肌を触れ合せながらも説明を聞いて、祐樹と二人きりになった時に交わしている愛の交歓とどこが本質的にどこが違うのかという疑問がわいてきた。
「それは、私達のような熱烈に愛し合うカップル同士が二人きりの密室で行う分には確かに愛の交歓の一部分でしょうが……久米先生と脳外のアクアマリン姫は、多分……」
 祐樹の唇が触れるだけの口づけを落として直ぐに去っていく。今の甘く疼く箇所をあちこち持て余している状態には却って物足りない程度の淡い接吻だった。
「この程度までしか許し合っていないでしょう」
 祐樹の指が背骨のくぼみを甘くくすぐりながら下へと伸ばされて先程自分の指で開いていた場所へと辿り着いて緩やかに閉じていた花園の門――水晶の雫で濡れそぼっている――を意味有り気に指が遊び、微かな水音と祐樹の指の感触に陶然となってしまう。
「私達の場合はこの花園が二人の愛を確かめる場所ですが……。女性は異なりますよね。
 多分久米先生はそこまで到達していないばかりか、ココも許されてはいないでしょう」
 左手でチェーンを揺らされたかと思うと強く掴まれて小刻みに動かされた。
 甘い声を上げながら、身体の奥の熱い疼きが更に炎に包まれる。要はキスだけの間柄というわけなのだろう。同性にしか「そういう」関心の持てない自分には全く分からない「男女交際」のステップとか手順など――ほぼ一方的に決められた婚約者は過去には居たが、先方のご両親同席の上で話したことがある程度だったし、それ以上のことは当然していない――宇宙の果ての出来事よりもどうでも良い話だったが。同性の場合は意気投合すればその日のうちに最後まで行ってしまうことも良くあると聞いているし、アメリカ時代、もう日本には帰らないと決めた時に一晩だけ「そういう関係」を持ったことがある程度だった。
「そんなこと、良く……分かった……な?」
 「寝室に連れて行って欲しい」という言葉を――この状態で口走ってしまうと祐樹はまず間違いなく抱いて運ぼうとしてくれるハズで、いつもなら嬉しい愛情表現だったが軽いとはいえ怪我人にそんなことはさせたくなかったので、必死で話題を繋いだ。久米先生の恋愛の進展具合は正直どうでも良くなっていた。自分の身体全部が祐樹を求めて甘く熱く疼いている今の状態では。
 医局の中に寛いだ時間が訪れると、久米先生の初恋の話とか進展具合は格好の話題になっていることは柏木先生からも聞いた覚えがあったが、具体的な進展はほとんど耳に入って来ないし、正直さほど興味もなかった。出来れば上手く行って欲しいと思う程度で、仕事に支障が出ない範囲内ならば部下の私生活はさほど気にも留めていなかった。まあ、これからは医局のことを黒木准教授とか祐樹任せにしないで自分が出来ることには積極的に介入しようと密かに決意はしたものの、今はそれどころではなかったのも事実だ。
 身体の奥からこみ上げてくる薔薇色の悦楽への期待に身も心も甘く疼く状態だし、今は完全に二人きりの濃厚な時間を愉しみたかった。
「今日の二人を見てそう判断しました。キャンディを久米先生の口に放り込んでいたので。何の躊躇いもなく、ね。あれは唇を交わした後だから出来たことに違いありませんよ。
 二人の性格とか立場の違いから考えると結論は一つです。
 つまり、どれだけ心と身体を許し合っているかで、同じ行為を求めても全く異なることくらいは分かるでしょう?
 たとえば……」
 祐樹の柔らかい唇が胸の尖りにリップ音を立てた後に唇と舌できつく緩く挟み込まれて先程のストローを吸い込むような愛の動きに身体が撓るほど感じて、祐樹の髪の毛を縋るように掴んだ。
「あっ……悦っ…いっ。解説の続きは……後で良いので――それこそ『入浴介助』の時間にでも……。
 寝室に、行こうっ」
 薔薇色の息も絶え絶えに訴えるのが精一杯だった。










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夏バテと相変わらずの体調不良で二話更新出来るかどうか微妙です。理想は三話更新なのですが……。
大変申し訳ありません。
 



最後まで読んで下さって有難う御座います。
                            こうやま みか拝