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「ああっ……両方っ……」
 濡れたルビーの煌めきを思わせる声がキッチンを淫らに染めていく。
 ただ、彼の極上の濡れた花園は熱い真珠の潤いでさらに熱く甘く祐樹の灼熱の楔を吸いつくように包み込んでくれていて出来るだけ長く留まっていたいような、それでいて直ぐに真珠の熱い迸りを紅く染まった花びらに注ぎたい切実な欲求に満ちた魅惑の場所だった。
「仰せのままに……致します。ただ……このままでは……保ち……ません……聡の……花びらが……素晴らし……過ぎて」
 祐樹の愛情が淫らに開花させた彼の花園は男を狂わす魔性に満ちている。
 ゆっくりとした動作で彼の花びらから祐樹の情熱の熱い塊を引き抜いた。
 花びらがきつく弱く祐樹に絡み付き、引き止める情熱的な動きをしてくれていたが。
 そのお詫びも兼ねて二つの胸の硬い尖りを甘く苛んでいた指を親指と薬指でちぎれるほど強く摘まんだ。
「ああっ……」
 さらなる愛撫を期待したのかしなやかな上半身が綺麗な弧を描いた。綺麗な肩甲骨が汗の雫を纏った紅色の素肌の下でさらに浮き出ていて、そのくぼみにも唇の紅い刻印を付けながら、人差し指でルビーの煌めきと硬さの尖りの先端も強く撫でた。
「ああ……。とても……」
 ルビーよりも艶やかな小さな声がキッチンを愛の交歓の場所に相応しく煌めいているようがった。
 同時に繋がった場所からいったん身体を退くと湿った真珠の泡立つ音が微かに響く。
 胸のルビーから手を離して紅色に染まった双丘を普段よりも強い指の力で暴くことにする。
 森技官の淫らな示唆――彼の今日の俊敏かつ的確な動きでかなりのことが分かってきたので、彼の言うことは信頼しても良いような気がした。それに祐樹が思っていた以上に最愛のかれだけでなく祐樹のことも心配してくれるのが分かったので――に従って指の痕がハッキリと付く程度の力を込めた。
 真紅に染まった花園の門に真珠の白い珠が宿ってとても綺麗で扇情的な眺めだった。
 それに肉付きの薄い瑞々しい双丘を強い指の力で左右に開いたので、この指の痕は三日から一週間は消えないだろう。その程度の予測は心臓外科の専門医にだって分かる。外科の基礎の基礎だったので。
「ああ、真紅の薔薇の花びらに真珠の雫を載せて……物欲しそうに……動いている……のも……絶品ですね。もう少し真紅の花園の奥を……拝見しても……良いですか」
 祐樹が花園の奥処に真珠の放埓を放った後に、祐樹の愛情の象徴で一度だけ強くうがった花園は真珠の雫ではなくて泡となって弾けているに違いなかったので。
 そういう淫らかつ高貴な場所を見たいという切実な欲求よりも、今は紅色に染まった瑞々しい双丘――愛の交歓が終われば白い磁器の滑らかさに変わるが、指の痕はずっと残るし、そんな場所を見るのは最愛の彼と祐樹しかいない――に紅い指の痕をどうしても刻みたかった。
「祐樹が……見たいなら……構わないが……。ただ、私も……限界が……近いのでっ……」
 胸のルビーだけとか、祐樹が花園に迎えられただけで極めてしまうこともある敏感な肢体――そのように淫らで大輪の花のように開花させたのは他ならぬ祐樹自身だったが――
「いいですよ。遠慮せずに先に逝って下さい」
 中指以外の指で双丘を強い力で開き続けた。
「真紅の花びらの動きに伴って真珠の雫が紅い照り返しを受けて精緻に動いているのもとてもそそられます。
 それに、熱く泡立った真珠の放埓が真紅の花びらの上でシャンパンの細かい泡のように弾けて……白と赤の満足の吐息を零しているようで……天国にもこんなに綺麗な場所はないでしょうね。聡の花園よりも艶やかな場所は……」
 彼の紅色に染まった両の脚が小刻みに震えているのも、そして祐樹の指ですっかり開いている真紅に染まった花園の門から真珠の雫が滴り落ちているのも絶品だったが。
 中指を二本花園の中へと挿れた。最愛の彼が最も感じて、そしてその快楽の深さを恐れてもいる花園の中の凝った蕾へと指を進めた。
「ああ……あっ……」
 片方の中指で蕾の輪郭を辿り、もう一本でリズミカルに叩いては転がした。
 湿った妙なる音と真紅に染まった吐息と強風を受けた若木のように撓る背中が汗の雫をまとってとても蠱惑的な空気で愛の湿度を上げていく。
 祐樹は井藤とかいう狂気の研修医の脅威をマザマザと感じていたし、知っている積もりだった。ただ、彼は具体的な恐怖ではなく漠然とした禍々しさを感じていない。呉先生と森技官という二人の専門家の意見で知らせないことに決めたのだが「名前のついた恐怖」よりも「漠然とした禍々しさ」の方が人間は不安を募らせるものであることも精神の専門家でない祐樹ですら知っている。
 その恐怖を最上の悦楽で紛らわせるのが、愛する者の務めのような気がしてならない。
 壮絶な色香以外に何も身に着けていない彼の肢体が大きく震えた。それも断続的に。
「ああっ……あっ」
 紅色の背中に大粒の汗の雫が彼の肢体の動きに従って清純で無垢な紅色に煌めいている。
 肢体は強張ってはいたものの、絶頂の白い蜜をばら撒いた形跡はなかった。
「ゆ……祐樹っ……ああっ」
 ルビーの濡れた声がキッチンに小さく、そして切実に響いて空気の色も紅く染めていくような綺麗で淫らな声が長く続いた。
 白い蜜を弾けさせる濡れた絶頂ではなくて、花園の中の蕾を刺激することによって得られる、そしてその天国に浮遊する時間が長い乾いた絶頂を味わっているに違いなかったが。
 そういう絶頂の極みを何度か経験している――最初は困惑でどうして良いか分からなかったらしいが――彼のルビー色の絶頂が出来るだけ長く続くように大きく開いた双丘の奥の秘められた花園の蕾を優しい力で辿り続けた。
「ああっ……紅い薔薇の……花びらと……白い……薔薇の……花びらが……碧いっ……
炎で……燃えて……いる……ようで……。とてもっ……」
 切れ切れに上げる声も慎ましやかな煌めきをふんだんにまき散らしている。
 最近の彼は自分がどう感じているのか祐樹に告げてくれることが多くなった。多分、必死で言葉を紡いでいるのだろうが、その健気さも祐樹の愛情をより深めてくれる。
「最愛の聡が……私の指で……そこまで感じて下さって……とても……嬉しいですよ。
 その乾いた……絶頂が……過ぎたら……私に……教えて下さい、ね」
 くっきりと浮き出た肩甲骨のくぼみや、うなじに唇で愛の刻印を施しながら唆すように告げた。
 瑞々しい双丘を開いている指の力を強めながら。
「ああ……終わったら……祐樹に……教える」
 紅く染まった肢体全部を大きく震わせている様子は快楽の花を咲かせて、その大輪の花全部で快楽を表現している濡れた大輪の薔薇のような艶やかさと、強い風を受けて花びらを散らせまいとする真紅の薔薇の健気さに満ちている。
 最愛の彼が乾いた絶頂の天国に長く留まってくれるほうが――根本的な問題は全く解決していないが――束の間でも良いので彼の漠然とした不安は払拭されることだけは確かだった。白い蜜を零すだけの刹那の絶頂よりも今の彼にはこちらの方が相応しい。
 紅色に染まった肢体も暴風雨に晒されたように、汗の雫とたわむ全身が紅色の肌を淫らに染めている。
「とても綺麗ですね……。それに愛する聡が……こんな風に感じて下さって……心の底から嬉しいです、よ?」
 開いた花園に指を沈めたまま、上半身を重ねて紅色の耳朶を甘く強く噛んでから愛の言葉を耳にも浸透させた。
 素肌に残る愛の証しだけでなく、言葉も肌に刻めれば良いのにと強く願いながら。


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諸般の事情で途中で切れてしまっていた『気分は、下剋上』《夏》ですが、旧ブログに跳んで読んでください!と申し上げるにはあまりにも長いのでこちらに引っ越しします。
『前のブログで読んだよ(怒)』な方、誠に申し訳ありませんが何卒ご理解とご寛恕くださいませ。










何だか長くお休みを頂いている間にYahoo!さんにも日本ぶろぐ村にも仕様変更が有ったらしく、メカ音痴な私はサッパリ分かりません(泣)


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