「私にとっては、こちらの紅いルビーの方が綺麗ですけれどもね。あのブランドの職人さんになるには競争率も物凄く高いらしいので悪いですが」

 尖り切って無垢な妖艶さを放っているごく小さな場所を指で挟んで、括りだすように動かしながら紅色の耳に囁くと、耳の紅もよりいっそう淫らな瑞々しさに染まって行くのも愛おし過ぎる。

「あっ……。悦いっ……。何だか……いつもよりも、青くて紅い稲妻が身体中を……走り抜けるようっ……でっ……」

 最愛の人は先程祐樹が花園の浅い部分に有る、弱い場所を刺激したことが優秀過ぎるとはいえ、口と咽喉に神経を集中させていたせいもあって頭から飛んでしまっているのかもしれない。

 最愛の人の敏感な肢体は胸の尖りと花園の中の凝った場所が直結している淫らな回路が出来てしまっている。だから凝った場所を指で愛したせいで普段以上に快感を覚えるのだろうが。

「窓の近くで致しませんか?

 もう離陸していく飛行機を見ても大丈夫でしょう?」

 慎ましやかな大きさではあるものの、硬く尖ってルビー色を放つ愛おし過ぎる場所を指で摘まんで左右に揺すりながらそう告げた。

 行く前にも衝動的に「そういう気持ち」が襲ってきてしまって、このホテルで愛を交わしたが、その時は「飛行機を見たくない」と束の間の別離を惜しんでくれたのを懐かしく思い出してしまった。

 最愛の人は手に持っていたネクタイを大切そうにデスクの上に置いてから、紅色に染まった首を縦に振った。

「私の指で愛されているルビーよりも綺麗な場所を直接ご覧になって下さると嬉しいです」

 指の付け根まで絡めた、繋いだ手の確かな温もりを感じつつ、力を強くした。

 視覚だけでなくて、肌の感覚でも祐樹の存在を最愛の人に伝えたくて。

「もう平気だ……。祐樹が無事帰国してくれたから」

 最愛の人も同じ強さで握り返して来てくれるのも、何だか嬉しい。

 紅色に染まった端整かつ艶やかな顔が祐樹を見ている。その眼差しの意味を察して――そして口の中もホテル備え付けの有り勝ちなミントのマウスウオッシュと、何故常備されているのかイマイチ謎な柚子ソーダで良い香りしかしないだろうし――紅色の唇と祐樹の唇を重ねて強く、そして浅く重ねつつ窓際へと向かった。

 最愛の人は激しい愛の交歓も好んでいるものの、唇と指のスキンシップがお気に入りの点は付き合い出してから変わっていない。

 大きなガラスに最愛の人の甘く薫る色香の外には何も纏っていないしなやかな肢体が映っている。

 その背にぴったりと身体を密着させて祐樹の肌の熱を少しでも最愛に人にも感じて欲しいと思う。

 そして、その熱で祐樹の不在を埋め合わせたいと切実に願った。

 疾しいことは全くないものの、最愛の人が祐樹の不在中に味わった空虚さが何となく分かってしまっていて。

 ルビーよりも綺麗な二つの尖りに背後から手を回したら、それだけで最愛の人の腰が妖しく揺らめいているのがガラスに映っている。

 側面部分だけを指で挟んで、イチゴを捻り潰す感じで動かした。

「ああっ……ゆ……祐樹……。悦っいっ……。足が……震えて……立ってられない……くらいにっ……」

 窓に映った最愛の人の胸の尖りはルビーよりも艶やかに煌めいている。そしてそこを挟んでは小刻みに動かす祐樹の指と呼応している様子は聖なる淫らさで溢れている。

 そして、下半身も半ば立ち上がっている点とか、縋るように祐樹の首と肩に回された後ろ手も風を受けている開花直前の桜の若木のような瑞々しさだった。

「綺麗ですよ。聡のこういう姿を拝見出来るのは、私だけかと思うと尚更のこと。

 このホテルは良いですね。大阪の例のホテルの方が部屋の雰囲気などは上ですが、あそこは誰かに見られるかも知れないというリスクが有るでしょう?

 その点、この部屋の向きは海ですから、ね。

 心置きなく振る舞って下さい。

 私と海以外見る人間は居ないですから……」

 硬度を増した尖りが指を弾いて気持ちが良い。それに強く回したせいでルビーよりも紅く煌めいているのも、眩暈がしそうなほど艶っぽい。しかも祐樹の指がまるで所有権を主張するように小刻みに動いているのも。

「ゆ……祐樹っ……。紅くてっ……大きなっルビーが、頭の中で……暴発っ……あっ……」

 シルクを指で裂いたような艶やかな声がひっそりとした密室に小さく、そして切羽詰まった感じで溶けて行く。

「良いですよ。ガラスに思いきりばら撒いて下さい。

 熱い真珠の飛沫を。飛行機のライトに照らされるのも一興でしょう。白を基調にしたオパールみたいになります、よ」

 指の力を強くして挟みながら先端部分を中指で弾いた。

「ああっ……ゆ、祐樹っ……もうっ……。

 ただっ……」

 首と肩に縋っていた腕が離れていく。そして、淫らに揺れる腰の辺りに紅色の指が下りて行くのと同時に足が扇のように開いた。

 細くしなやかな紅色の指がどこに向かうのかと思って、密着していた上半身を少し離した。

 ガラスの前で愛の交歓をするのも、そして背後から最愛の人のルビーよりも艶やかな紅さで煌めく尖りや、すっかり育ち切って水晶の雫を零している最愛の人の甘く溶けた肢体を見ることは出来るものの、後ろは当然無理な体勢だったので。

 もしかして、花園の中に指を忍ばせて凝った場所を最愛の人自身で慰めるのかと思いきや、熟れた白桃のような双丘を両手で開いて、花園の門を露わにしているだけだった。

「ゆ……祐樹っ……。私の……中に来て欲しっ……」

 嵐で蹂躙されるのを恐れるような、そして期待しているような甘い声と、紅色に染まった長い指が震えているのも目が覚めるほどに初々しさと蠱惑に満ちている。

 そんな乱れた姿、しかも胸のルビーは祐樹の指の動きに連動して煌めいている艶姿に理性を保てと言う方が無理だろう。


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