副会長のコナーズ先生に身元保証を頼んだのは最愛の人自身の判断だろうが、それなりに親しかったのだろう。
 と言っても、祐樹は世界レベルの医師の世界をほとんど知らない。この国際公開手術に成功するまでは一介の大学病院勤務の医師だ。
 最愛の人はアメリカ時代にその名を馳せていたのは知っていたし、アメリカだけではなくてヨーロッパにも同レベルの知人が居ることが言葉の
端々(はしばし)から分かった。
 しかし、祐樹にとっては何だか縁もゆかりもない芸能人の話を聞くような感じでまるっきり
他人事(たにんごと)というか「そんな世界があるのだな。お金はたくさん貰えそうだけれども何だか有名税というか色々大変そうだ」程度にしか思っていなかった。
「香川教授は昔から知っていたし、それなりに親しくしていたと思っているので性格とか行動原理についてもぼんやりとだが分かっている積りだったのだよ
 ああ、申し遅れたが私は趣味で世界精神科医学会にも入っていてね。専門は心臓外科なのだが、実は精神科医の端くれでもある」
 最愛の人も精神科について造詣が深いことも知っていた。
「もしかしてパリ大学の学会に出席されたのですか?」
 最愛の人が呉先生とフランス訛りの英語とか発表内容について分かりやすい発音などをレッスンしていたのは聞いていた。
 イギリスとフランスは近いし精神医学にも興味を持っていたら是非聞きに行きたいと思うだろうと思った。
「ああ、京都大学、香川教授や田中先生と同じ大学だな、呉先生という人が来ていて、若いのにひどく興味深いことを報告していたな……。
 しかも、医師二年目とかそういう歳だろう?」
 西洋人は日本人の年齢を実年齢よりも若く見積もってしまうという話は聞いたことが有った。
 可憐な野のスミレといった呉先生が日本人同士でもそう見えるので
(なお)(さら)だろう。
「まさか。私とそう変わらない年齢ですよ」
 話題が最愛の人から逸れていっているのが祐樹としては
もどかしい(・・・・・)。呉先生は大切な友人なのは確かだが、最愛の人に比べると関心度は低くなるのは仕方ない。
「日本の大学病院は非常に勿体ないことに他科との交流も少ないと聞いているが知り合いだったのかね?」
 何だか身を乗り出すような熱意を感じた。
「とあることが切っ掛けで知り合いまして。それ以後は友達付き合いをしています」
 主に一緒に行動しているのは最愛の人と呉先生だ。なにしろ二人ともケーキが大好きなので祐樹や森技官が一緒でない時には遠慮なく食べることが出来るとかで二人して連れ立って美味しいケーキを探す旅に出掛けていると聞いている。
「そうか、彼の話は非常に興味深かった。時間の許す限り質問したかったが、挙手をする医師が非常に多くてね。
 彼が心細そうな発音の英語で『質問の有る先生方はいらっしゃいませんか?』と透き通るような声を上げたら聴衆の87%がすかさず手を挙げていた」
 「透き通るような声?」呉先生は可憐な見た目に
(たが)わず声も綺麗だ、最愛の人には及ばないが。しかし、修辞(レトリック)めいた比喩を使うということには呉先生に下心でも抱いたのかと心の警戒レベルを上げた。
 ゲイバー「グレイス」に祐樹が入り浸っている頃、祐樹が肉体関係になっても良いと思えるような客が来ない日もあった。祐樹は「グレイス」の常連客も全員一致するほどの面食いだ。だからある一定のレベルの容姿でないと気持ちは動かされない。よほど欲求が溜まっている時には妥協に妥協を重ねた日はあるけれども。
 最愛の人も初めは祐樹の好みのど真ん中な容姿に惹かれた。今は容姿よりも内面的なモノによ一層の愛情を抱いている
 それはともかく口説いたり口説かれたりする相手居ない常連客静かなお喋り楽しんでいた
 なんでも日本の男性海外ではたいそうモテるらしい肌が綺麗なこと体毛が薄いまた毎日シャワーなりお風呂入るので清潔点が好まれるらしい
 もしかしてコナーズ先生最愛の人祐樹同じ性癖持っているのかと、さり気なくそして注意深く観察した
 呉先生の恋人の森技官仲の良いケンカ友達それに呉先生
そう(・・)いう(・・)意味接近してくる男女には目を光らせておいて欲しいいう要望にイエス答えた過去もある同じ人種見抜く直観祐樹持っているけれどもその精度の高い自認しているチェッカーには引っかからなかった
 イギリスのお貴族に相応しく詩的な表現拘ったのだろうか?大学の講義で無理やり読まされたシェイクスピアは貴族の出身ではないと記憶しているが、レトリックが非常に多くて読み解くのに苦労した。きっとイギリス人というのは持って回った言い回しが好きなのだろう。
呉先生ならレセプション会場会えますコナーズ先生同じようにパリから移動してましたから
 コナー先生目が輝いた
先生この協会副会長いらっしゃるのですよね国際精神医学会でも何かポジション就いていらっしゃるのでしょうか
 最愛の人の早く聞きたいのは山々過ぎて山脈いった感じだが偉い人話題を遮るほど心臓あいにく持ち合わせていないちなみに祐樹基準では斎藤病院長とか森技官そし会ったこともない厚労省のトップの事務次官偉い人カテゴライズされていない。
呉先生に会えるのかそれはとても嬉しい彼とはゆっくり話してみたいとああ、名誉理事という肩書だがね?」
 事も無げに言ったコナーズ先生首を傾げている
「それは何よりです。これからも呉先生海外の学会に呼ぶように根回しをお願いしたく思います
 頭を深々と下げた




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