腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します

2020年08月

気分は下剋上 七夕編 29

「幸いなことにお弁当も届いていないので、プレ逢瀬は充分可能だ。
 現地集合だろうな?それとも一緒にランチのお店まで行くのか?取り敢えず返事を待っている」
「プレ逢瀬であっても、世界で一番愛している祐樹と食事が出来るのは天から降って来たご褒美のようでとても嬉しい」
 ラインは――以前はメールだったが――短い文章を紡ぐ方がお勧めとか自宅に置いてあったビジネス誌に書いてあったので、最愛の人もその記事を読んだのか、文章は短めだったけれども、以前のメールは「素っ気なさ」のお手本みたいな文面だった。 
 当時はそれでも最愛の人からのメールというだけで愛おしかったが一抹以下の不満がなかったわけではない。
 しかし、何かの折に「祐樹の携帯に送るメールは書いては消して迷いながら書いている」と言ってくれたし、職業上も簡潔かつ誤解のない文を書くのが外科医だ。しかも最愛の人は美辞麗句など書けない不器用な人なことも知っていた。
 だから「あんなものだろう」と思っていたが、最近の連絡では惜しみなく心情を披露してくれるようになったのも嬉しい限りだった。最愛の人の嬉しい開花を――肢体だけでなくて感情を吐露してくれるようになったのも――思うと唇に笑みを浮かべてしまう。
「田中先生の彼女はなんて書いて来たんですか?」
 久米先生の興味津々といった声に(ああ、そう言えば居たな……)と思ってしまう。
「日本人の口に合うキャビアが見つかったらしいです。やはり、キャビアはフランス料理というのが常識ですよね?ま、最近はイタリアンとかでも供されますが。
 そしてキャビア単品で販売するよりもキャビアを美味しく味わえるようにと単価を上げるためにワインとセットで売り出すとかなんとか……。
 キャビアは魚介類の卵ですが赤ワインが合うらしくて、これからフランスに行って選びに選んだキャビアに最もしっくりと来るシャトーを回るらしいです。
 その後は日本に帰ってきて、日本酒の醸造元を回るとか……。
 日本酒の蔵元って――まあ、京都には伏見のお酒とか、神戸近辺にも酒屋さんが有りますので、その時には逢えるかもしれませんが『彼女』は仕事で来ているので、公私混同は良くないですよね……」
 また花々しくも真っ赤なウソを言ってしまう。
 まあ、最愛の人に対しては悪質なウソをつかないが、秘密の職場内恋愛、しかも同性同士なのでこの程度のウソは必要不可欠のような気がする。
 ちなみに日本酒とか赤ワインにキャビアが合うというのは二人のお気に入りの、京都一美味しいと評判のカウンター割烹の大将(?)がお客さんと話していた時に(キャビアは魚なのに、赤ワインなのか……)と意外に思ったので奇跡的に覚えていたトリビアだった。
 どうでも良いコトは即脳のデリートボタンを押すようにしているが、意外に思ったことなどは脳の中に残っているのだろう。専門外だが脳の仕組みは一通り知っているが、記憶として残るのは反復していることとか――身近な所だと名前などがそうだ。毎日のように書いていると思われるので、苗字がいくら特殊かつ画数が多いモノでもその人は絶対に難解な漢字でも絶対に覚えている――関連付けとか語呂合わせで覚えてしまうのも楽だそうだ。
 そういえばコンビニなどにずらりと並んだタバコを買う場合、商品名を言うと店員さんが探し回っていることが良くある。
 祐樹も悠長に待っていられない時の方が多いので番号で告げることの方が多い。
 そしてたまたま祐樹のタバコの番号がマンションの部屋と同じ番号だったので即座に覚えてしまっていた。
 そういう記銘力としては弱いものの(へえ、意外過ぎる)と感想まで加味したのが良かったのかもしれない。
 そして何より最愛の人がキャビアと日本酒の取り合わせを食べたそうにしていたので注文した。
 第二の愛の巣ともいうべき大阪のホテルでもキャビアは供されることが有るが、あくまでもクラッカー状のモノに載っているというものだった。
 しかし、京都一、美味しいと評判の店では薄味に仕立てたごく少量の茶碗蒸し(?)みたいな卵の膜を被せてあって、その下から塩みの濃いキャビアがごっそりと出てくるという趣向だった。
 祐樹も食べてみたが、日本酒とピタリと合っていて、その舌の記憶が蘇ったのかもしれないが。
「地図を送ります。プレ七夕の逢瀬、これは織姫と彦星の逢瀬よりもかなり短いですが、愛情の深さでは負けません。
 『かささぎ』が居なくとも駆け付けますので待っていて下さいね」
 夕食ならばともかくランチタイムに二人で店に入った瞬間を病院関係者に見つかったらあれこれと勘繰られるだろう。
 それとも、医局とか病院に何か有ったのではと無用な不安を煽るような気がした。
 祐樹は一介の医局員だが「香川教授の懐刀」という噂を奉られていることだし。
「Aiセンターに行かなくてはならないので、お先に失礼します。丑の刻参りじゃない……蛍を楽しむデート楽しんできてくださいね。
 ああ、確か……」
 自分が幸せだと心に余裕が出てきたのか、親身にアドバイスする気になった。最愛の人から「プレ七夕祭り」という言葉が送られて来たので、蛍狩りに行く――ちなみに、祐樹と最愛の人は豪華絢爛な蛍の乱舞が売り物の旅館で愛を交わしあったので、その幽玄の光に艶めいて煌めく肢体を愛した過去も有って尚更に。
 もちろん、お店のURLをラインで送った後だったが。



--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが劇的にそれこそロケットのように上がりますので、どうか宜しくお願い致します!!




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村






小説(BL)ランキング





















最後まで読んで下さいまして誠に有難う御座います!
何とか今日のノルマ達成しました!


もしかしたら、ランナーズハイ状態で「小説家になろう」様「気分は下剋上 秋」更新するかもです。

気になる方は、下記リンクから跳んで下さい!!


   こうやま みか拝




















気分は下剋上 秋 更新出来るかは私にも分からないのですが、今日未明から明日にかけて何とか頑張ろうと思っています。



◇◇












腐女子の小説部屋 ライブドアブログ - にほんブログ村







PVアクセスランキング にほんブログ村

「心は闇に囚われる」 119

「うん、幸樹が俺を振る時って、絶対に俺が悪いコトをしちゃった時だけだと思うし、それにさ、そんな画像とか写真なんかバラまいても自分が虚しくなるだけだよね。恋人でいて楽しい思い出とかいっぱいある人が仮に心変わりをしてもさ、それはそれで仕方ないと思うし、恨みを晴らすとかそういう非生産的なコトなんてしないよ?
――集中力かぁ……ね?谷崎君って背中にさ、ベルトに差し込んだ包丁が当たっても全く痛みとか感じていなかったように見えたよね?
 普通痛みとか感じるよね?」
 ずっと不思議に思っていたことを幸樹に告げた。
 すると幸樹も同じことを考えていたのか秀麗な眉を顰めて考えていた。
「ああ、頭に作用する『闇に囚われる薬』のせいで痛みにも無頓着になっていたのかな?
 出血はさ『北の偉大な将軍様』のことで頭がいっぱいで気づかなかったかもだけれども。
 あ、でも炎天下の下に立っていたら背中を流れる液体は汗だと思うだろうけど、谷崎君はここにいて、この通りクーラーが効いているからヘンだって思わなかったのか?
 なんかさ、自分の妄想に酔っているだけで、他のことは無頓着だったように思える」
「遼、頬がまだ赤いな……。そういう顔を存分に浮かべたかったり愛の言葉ならベッドで聞いたりするから……。今夜も遼の家に泊まりに行っても良いか……?」
 俺が頬をずっと赤らめたのが幸樹には分かったらしい。
 そんな具体的なコトは思っていなかったにしろ、幸樹が全幅の信頼を置いてくれることが嬉しくて頬が緩んだのを目ざとく見つけたのだろう。さっきのリベンジ〇ルノの件から頬が緩んでいるのは自覚している。
 そういうトコは「いつもの」幸樹だった。
「ベッドって……。そういうコトするんだろう?」
 西野警視正は北野警部に呼ばれて出て行ったきりだし、現場検証みたいなのはしない感じだった。
 まあ、立てこもりの様子は胃カメラみたいなモノでずっと録画されているし、幸いなことに人質の雄太君も無事救出出来たからかも知れない。それに所轄違いとはいえ西野警視正、そしてこのH庫県の警察の中で一番偉い龍崎さんまで出て来たので、手順が省かれているのかも。
 一番ダウンしているのは、谷崎君を昏倒させる目的の強力な睡眠薬だかで眠ってしまった幸樹だった。その情報を聞いた龍崎さんは幸樹のことを休ませる積りでいたとかも物凄く有り得そうだった。
 これは仕方ないというか幸樹が飲まなければ谷崎君だって不審に思っただろうし、そのことはこの場に居た警官全員が知っていると思うので、龍崎さんにも情報は行っていると思う。
「え?出来ればしたいな……とは思っている。
 けどさ、遼って二日目だよな。初心者に連日はキツいんじゃないか?
 だから、遼が寝付くまで髪の毛を梳いて、その後は色々調べ物をしたり考え事をしたりしようかな……って思っている。
 遼が悪夢を見てうなされるようなら即座に起こせるしさ……」
「身体は大丈夫だと思うよ……。朝はさ、幸樹の熱くて硬いモノが挟まっている感じがしていて、ちょっと違和感だったんだけど……さ。
 でも、それどころじゃないことが雪崩というか土石流のようにやって来ただろ? 
 だから身体の痛みなんてどこかに吹っ飛んでしまった。
 ――だから幸樹さえ良ければ今夜も、しよ?ダメかな?」
 幸樹の生命の証をこの身体で感じたいという気持ちもあった。
 そしてめちゃくちゃHが良いことも事実だ。
 でも、それよりも大切なことは、今まで被害に遭った人間は皆が性欲なんてなかったんじゃないかな?って思えた点だった。
「うわっ……。遼の上目遣い……いつも可愛いと思っていたんだけど、艶っぽさが加わってさ……。下半身を直撃するっ……。 
 ベッドの上で、二人きりになるのが楽しみで堪らない。
 じゃあ、そのHな時間を捻出するために今から色々考えようか?」
 ウツの場合は性欲減退も症状の一つらしいし、谷崎君もこんな大それたことを仕出かす前は部屋に引きこもっていたと聞いている。
 他のゼミの仲間のFBも合宿から帰って来てから思い合わせたように更新が止まっているし『闇』に追われて『飛び降り自殺』した中村君だって、合宿以降彼女さんと会っていない、つまりHなことをしていないんだろう。「下半身直撃」ってことはジーンズだから良く分からないけど、つまりは「そういう状態」になっていて――ジーンズの硬い布地ってところが気の毒だけど――いるってことだろうな。だったら「まだ」性欲は有るわけで……。
 だから幸樹が俺の身体に「その気」になってくれれば「まだ」その忌々しい薬が効果を発揮していないんだろうと分かる。
「谷崎君さ、普通は包丁を持ったとしても切れる部分は背中とは反対側に差すだろう?
 それにさ、幸樹が三口、しかも大袈裟な感じで飲んでいる感じを演出しただろうけど、実際なそんなに飲んでいないのに、こんなにダウンしているよね?
 それなのにもっと飲んだ谷崎君はピンピンしてたよね? 
 薬物ってさ、個人差が有るのは知っているけど、お医者さんが昏倒させるために処方したお薬なんだろ?
 そう言うのってそんなに個人差が出ないようになっていると思うんだけどな。
 それに、谷崎君って呂律が最後までハッキリしていたよね?
 俺が愛用している入眠罪でもそうだし、幸樹だってさっきは呂律が回っていなかったよ?
 YouTubeか『ツ〇キャス』で観た覚えが有るんだけど、覚せい剤をしているとかいう人がキャスに電凸してきたことが有ったんだ……。俺には全く理解出来ないんだけどさ、法律違反を犯したことを勲章のように思っている人間って一定数居るだろう?
 その女性も話が支離滅裂だったし呂律は回っていなかった……。
 そういう精神系に効く薬ってさ、呂律が回らないっていう副作用が有るっぽいんだけど、なんで谷崎君には効かなかったのかな?
 あと、大野さんはアマゾン、そして上野教授は北の隣国からのお薬?
 二人が示し合わせて『闇に囚われる薬』を2ルートから入手したのかなぁ?」
 俺が思いつきを口にして幸樹が考えを纏めるっていう役割分担(?)が出来上がっていたので、頭の中に浮かぶ疑問をどんどん言葉にした。






--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが劇的に上がりますので、どうか宜しくお願い致します!!





にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村






小説(BL)ランキング

































腐女子の小説部屋 ライブドアブログ - にほんブログ村






PVアクセスランキング にほんブログ村

気分は下剋上 公認カップル騒動 92

「それは分かったよ。引き受けたからにはキチンとする。
 今も、聴衆を惹きつける選挙カーの上での話し方を勉強しようしてさ、映画を参考にしようとしていて……。
 どうせなら二人で観たいんで、そのために駄菓子とか飲み物とかを買いに来ている途中なんだ。
 取り敢えず委任状の件とかお墓の件は話しておくよ」
 普段は買わない1・5ミリリットルのコーラの圧が腕に掛かり続けている。
 二人でも多分最後まで飲めないだろうが多少は炭酸が抜けた状態でも救急救命室に持って行けばきっと久米先生辺りが喜んで飲んでくれそうなのでその点は気にしない。
 というか、自宅で映画館の気分を味わうためには大ぶりのグラスに注いだコーラと温かいポップコーン――最近はキャラメル味とかもあるらしいが、祐樹が映画館に行っていた時は田舎だからか塩味しかなかったので「弾けるポップコーン」と題した手作り(?)のを入手済みだった――それを焼いてポップコーンにしてお皿に積み上げれば映画館気分が多少なりとも味わえるような気がした。
「それはそれは……。相変わらず仲が良くて安心したわ。祐樹が聡さんに愛想を尽かされないように頑張ってちょうだいね。
 じゃ、また聡さんの返事を聞かせてね。『嫌なら嫌ってハッキリ言ってね』とちゃんと念を押しておいてね。じゃ、また連絡するわね」
 祐樹が切りたそうにしているのが分かったのだろう、母は上機嫌で電話を終えてくれた。
 市役所が認めるカップルというかパートナー制度よりも昔ながらのお墓に入る方が喜んで貰えそうな気もしながら最愛の人のマンションへと戻った。
 愛想尽かしとか不吉なことを言っていたが、母親の直感で祐樹が最愛の人と付き合っているせいで真っ当な人間(?)になっていることが分かったのだろうなと苦く笑ってしまう。
 最愛の人と巡り合わなかったら祐樹は世をすねたというか斜に構えた人間になっていただろうことは想像に難くない。
 ただ、最愛の人も祐樹と同じ分量の愛情を持っていることは分かっていたので、まさか愛想尽かしをされることはないだろうが。
 ただ、基本的には悲観論者の最愛の人だけに、祐樹が愛情という名の水を与え続けなければ枯れてしまう可能性は充分にあった。
 その点を母も心配しているのかもと思いながら広壮なマンションのエントランスにキーをかざした。
 この辺りは――まぁ大学病院の関係者用の入り口周辺限定で24時間人の行き来は有るし、特に救急救命室の救急車専用の駐車場に続く車道はサイレンの音が空気を切り裂くように鳴っている時も存在するが――特に最愛の人のマンションに続く道路は閑静な雰囲気だった。
 多分だが、高級マンションを建てるに当たって病院の喧騒も計算に入れているに違いない。
 ただ、空間を贅沢に使っている上に――今は受付嬢の居ない時間だが――マンションの玄関も広大な面積だった。こちらも外の喧噪を取り除く工夫なのだろう。
 正直、コンビニの袋を持って歩くには少々気が引ける感じだった。多分、このマンションの住人はコンビニよりも百貨店とか高級スーパーしか利用しないのだろう。まあ、他人の目を気にして住む気はないし、実際隣の住人と顔を合わせたのも二度くらいだった上に何をしている人なのかなども知らない。
 まあ、祐樹が学生時代から住んでいたマンションというかアパートに毛が生えた程度の部屋なら隣から生活音も聞こえて来たし、多分学生が住んでいるんだろうな……程度のこと分かったが、このマンションは防音もセキュリティも完璧だったせいもあるのだろうが。
 お墓の話とか戸籍の話はどのタイミングで切り出そうかと楽しく考えながらエレベーターに乗った。
 もう直ぐ最愛の人と逢えるのかと思うと――といってもコンビニに買い出しに行くために部屋を後にしただけだが――コーラのペットボトルも気のせいかも知れないが軽くなっているようだった。
 鍵は当然持っていたが、敢えてチャイムを押した。
 まあ、室内のカメラで確認しなくとも祐樹だと分かってくれるだろう。この時間に訪ねて来るような真似は「あの」森技官もしないだろうが、呉先生が森技官と口喧嘩でもして「自分の家」を「実家に帰らせてもらいます!」的なノリで駆け込んで来る可能性はあったが、そういう場合はマンションの外側の部屋番号のキーボードを押して中から開錠する仕組みなだけに、最愛の人の部屋のチャイムだけ押すという人間は祐樹しか存在しないので。
「祐樹……お帰り」
 最愛の人が玄関まで出迎えてくれた。習慣になってしまっているお帰りのキスを済ませた最愛の人の薄紅色の唇と切れ長な眼差しが不思議そうな感じに煌めいている。
 それも当然かもしれないが。コーラの大きなペットボトル、いや普段のデートとかで自販機に寄っても祐樹はコーヒー、最愛の人は紅茶を選ぶのが習慣になっている。
「映画館にはもちろんウーロン茶とか他のドリンクも売ってはいますが、最も売れているのはコーラらしいです。マクドナル〇のように紙だかプラスティックかは知りませんが、ああいう容器ですが、マクドのLサイズよりも大きかったと思います。
 そしてポップコーンもバケツのように大きな容器に入って売っていますよ?
 コンビニにはあいにく普通の大きさの紙コップしか売っていなかったので、そちらは諦めましたが、大ぶりのグラスで妥協しましょう」
 感心したような表情に薔薇色の笑みを浮かべた最愛の人は加熱しないとポップコーンにならないちゃちなフライパンのような容器(?)を珍しそうに見ていた。
「こういう物が有るのか……。ほら、六甲山にドライブデートした時にコンビニに行ったが、その時は駄菓子コーナーしか見ていなかったから知らなかったな……。
 ただ、ポップコーンを作るのも楽しそうだ……」
 一応「作り方」が書いてあるのでそれを読みながら薄紅色の笑みを綻ばしているのも瑞々しくてとても綺麗だった。
 祐樹の母の提案は映画の後にしようと決意した。今は軽やかな雰囲気のまま映画を観る方が良いだろう。
 弾んだ笑みとか表情をしばらくは楽しみたかったので。




--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが劇的に、それはもう打ち上げ花火みたいに上がりますので、どうか宜しくお願い致します!!





にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村






小説(BL)ランキング
















円がお安くなっていますね~!安倍首相の後任が誰かで相場が動くので目が離せません。多分買い市場だと思うのですが。。。













◇◇


最後まで読んで下さいまして誠に有難う御座います!

心身共に疲れている上に、岡山の親戚からひっきりなしに電話があって……。
その対応は仕事よりも百倍以上疲れます(´;ω;`)


お蔭で皮膚病までが悪化する始末でして。。。

そんなわけで、更新時間はマチマチ、しかも三話更新は(運が良ければしますが)ほぼ絶望的ですが、なにとぞご容赦下されば幸いです。

    こうやま みか 拝






「気分は下剋上 秋」 続き絶対に書きますので、ブックマークとかでチェックして下されば嬉しいです!!





小説家になろう版 「気分は~」1stシリーズ 一気読みにいかがですか♡










◇◇◇










心は闇に囚われる こちらの方が圧倒的に進んでいます!宜しければ♡








腐女子の小説部屋 ライブドアブログ - にほんブログ村







PVアクセスランキング にほんブログ村

気分は下剋上 七夕編 28

「丑の刻参りって白装束の浴衣みたいなモノを着て、人知れず五寸釘を打ちにいくという呪いですよね。
 今も釘が打ち込まれているようですよ?
 昔の人間なら帯を結ぶことは私達がネクタイを締める程度の常識だったでしょうから解けたら多分自分で何とかしたとは思いますが……。
 ただ、千年前から恨みつらみを晴らしに来た人間が居て、その怨念が積もり積もった場所ですよね。そういう心霊スポットでドッキリHというのも趣きが有って良いかも知れないですよね……。浴衣の帯もアクアマリン姫がキチンと締めてくれますよ、多分……」
 神社の境内で「そういう」コトをするのは罰当たりかもしれないが、祐樹は無神論者だし、幽霊とかの怪談話を面白がって聞くだけで一切信じていない。
 それに「霊感がある」とか本気で言い張っていた人間も居るのは知っている。まあ、病院関係者ではなくてグレイスで知り合って数日間は「そういう」意味で付き合っていた人間だったが、必死になって「今、部屋に居る」とかいう霊の存在を語ってくれたが、祐樹には何も異変は感じなかった。あいにく霊感すら持ち合わせていないらしい。
 まあ、そんなモノは有っても困るだけなのでない方が嬉しいが。
 そして、いくら同性に対して「その気になる」とはいえ、久米先生のキューピー人形のようなお腹は見たくもないモノなので、アクアマリン姫が居たならキチンと木綿の――浴衣は確か木綿で織られていると記憶している、違っているかも知れないが――布で覆って欲しい類いのシロモノだった。
「酷いです!!丑の刻参りに行くのではなくて、蛍を見に行くだけです。
 それにアクアマリン姫とは『まだ』そういう関係ではないです!!そのことは田中先生もご存知じゃないですか!?
 初めての日は清潔な白いシーツの上で、出来れば真っ赤な薔薇の花びらを敷き詰めたのが理想なんですから、そんな――浴衣でHだなんて……。
 そんなの初めてのHでは嫌です!!――正直一回はしてみたいとは思いますが、いや!!乙女ゲームからは卒業しようと誓ったあの日からそういう『妄想』は固く封印しているんです!!
 そうやって邪まな道に戻るまいと思っているのに!
 そもそも田中先生は協力者、いや教育係ではなかったですか?それなのに、そうやって乙ゲーの世界に引き戻そうとするなんて!!」
 久米先生の声はキャンキャンと鳴く小型犬のように甲高く響いた。
 まあ、この手術控室は防音もキチンとしているし、他に人も居ないので良かったが。
 「お手!」と言われれば芸をしそうな勢いの久米先生を見ている分には執刀医として緊張した神経を癒すには「ある意味」有効だった。
――それにラインの途中送信という祐樹にとって物凄く不本意なことをしてしまった原因ともなった意趣返しの意味も有ったのも事実だった。
 だが、しかし祐樹が最愛の人と薔薇の花びらの上で愛し合った経験があるのも確かだった。それと同じことを考えていたのか……と思うと、嬉しさ半分悔しさ半分というのが正直なところだった。
「それは失礼しました。
 アクアマリン姫の雰囲気だと妖艶な深紅の薔薇よりもベビーピンクの花びらの方が似合いますよ?
 まあ、純白のシーツにはそれほど映えないのも事実なので、ベビーピンクの花びらを際立たせるならば、薄い緑色のシーツではないでしょうか?
 そういうシーツを用意しているホテルを探しておきますから。
 ただ、浴衣の帯が解けてキューピーのようなお腹を衆目に晒すという事態は免れたのですから、蛍の光に照らされたアクアマリン姫の清楚な顔をじっくりと拝んで来て下さい。
 緑色のシーツを用意しているホテルが有るかどうか探している間に、ダイエットを頑張って下さいね。
 せっかくのロマンティックな雰囲気もポコリと出たお腹で全てが台無しになる危機ですので……」
 運動量は下手をすれば祐樹よりも上なのに――何しろ救急救命室では馬車馬のように杉田看護師にこき使われている点では一緒だが、たまに訪れる凪の時間には近くのコンビニやたこ焼き屋などにお遣いにまで行っているので――カロリーの高いモノばかりを好んで摂取しているのだから当たり前といえばそうなのだが、可愛らしく突き出たお腹というのは女性にとってマイナスポイントになるのではないだろうか?
「はい!それは頑張ります!姫にはベビーピンクの薔薇の方が似合うんですね!!忘れないようにメモをしておきます」
 切り替えの早さは外科医向きだなと妙なところで感心してしまう。
「あ、多分私の恋人のランチタイムの定例ラインのようです」
 祐樹最愛の人のタイミングの良さにも惚れ直してしまう。
「田中先生の恋人は今どこの国にいらっしゃるんですか?」
 興味津々といった感じで聞いて来る久米先生に本当のことを言えるわけもない。
 どこの国どころか、この病院の新館の教授執務室階に居るなんてことは。
「今はもっと美味しいキャビアを探しにカスピ海へと赴いているようですね……」
 久米先生は祐樹の白々しくも真っ赤なウソに感心したような溜め息をはいていた。
「キャビアですか……。黒いダイアモンドって言われていますよね。高いのは確かに美味しいので大好きですが……。
 流石は商社レディですね。
 でも、出張でそんな美味しいモノを試食出来るのは羨ましいです」
 ダイエットはどうなった?と思いつつラインを開いた。最愛の人と久米先生なら優先順位は言わずもがなだったし。指紋認証と顔認証の二重のロックを掛けていたので多少は手間取る。
 ただ、裸を始めとしてプライバシーなどない――特に救急救命室では――勤務だったので、ロックは必需品だった。
 最愛の人の返事はどうなのだろうといそいそと画面に目を落とした。




--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが劇的に飛躍的に上がりますので、どうか宜しくお願い致します!!




にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村





小説(BL)ランキング
























最後まで読んで下さいまして誠に有難う御座います!

ちょっと寝落ちしておりました……。

また明日お目に掛かれることを祈りつつ。

   こうやまみか 拝











小説家になろう 「気分は下剋上 秋」つ、続き書きますのでもうしばらくお待ち下されば嬉しいです……




小説家になろう版 「気分は~」1stシリーズ 一気読みにお勧めです







↑ ↑

この頃は久米先生がお笑い枠として登場するなど露ほども思っていなかったです!!








腐女子の小説部屋 ライブドアブログ - にほんブログ村





PVアクセスランキング にほんブログ村


「心は闇に囚われる」 118

「もちろん聞きたいですが、鈴木警部がお話したいような感じでさきほどからドアの前を行ったり来たりなさっています。
 もう、谷崎君はK戸大学病院に運ばれたんですよね?
 正式な逮捕じゃなくて参考人としての身柄拘束有難うございました。
 警察の能力を疑うわけではないのですが、専門家がいて、しかも精神疾患の患者さんを『安全』に保護出来る施設のほうが良いのも確かなので……」
 西野警視正は分かっているよという感じで会釈して鈴木警部の方へ歩いていった。
「大野さんさ、上野教授のゼミの初回では皆と同じく自己紹介をしてたよね?その時は上野教授も初対面って感じしなかった?俺の気のせいかな?
 確かに年齢的に『あれ?』って感じで皆が遠巻きにしていることもあって、上野教授の秘書というかゼミの幹事みたいになっていったって記憶してるんだどな……。
 もしかしてあれも演技だったのかな?」
 俺にはそう見えたんだけれど、幸樹の方色々なことを見たり聞いたりしているのも確かだ。
「そうだな……。今ぱっと思い返していたんだけどさ、上野教授と大野さんは初対面っぽく見えたのは確かだ。
 まあ、演技がうまい人間なら初対面のフリくらいは楽勝だろうけど……」
 大野さんは法学部棟の近くでばったりと会った時に驚いて――なんでそんなに驚くんだろうと思うほどの不自然さだった――紙袋を落としたり、幸樹が不通に喋っている時にも同じ表情をしていたりしていたような……。
 ――今思い返すとあれも物凄く不自然だった。大野さんあの合宿の「悪夢」の夕飯の時に執拗に俺に勧めたカツオのタタキを幸樹には全スルーしていた。それってやっぱりあの匂いのキツい生薬を幸樹が飲んだにも関わらず、他の皆みたいに個室に引きこもったり、「自殺」したりするほどの「闇」への妄想が出ていなかったからなのかな?
 ただ、怖くて幸樹に言うことは出来なかった。
 言霊ってホントにあるような気がして、言ったら最後、幸樹もああなってしまったらと怖くて怖くて……。
 だめだ、やっぱり解毒薬を入手するとかそういう前向きなことを考えよう。
 上野教授は龍崎警視監も即座に調べてくれたみたいだったけど、そして幸樹のお父様と同じ情報にアクセス出来たみたいだった。
 詳しいデータはまだ来ていないからけど、東京にいる弟の順司君は幸樹が「上野教授について調べて欲しい」程度のことしか言っていないから大野さんのことなんて検索しようがない。順司君は大野さんの存在すら知らないのだから当たり前だろうけど。
 けれども龍崎さんは大野さんのこともさっき知らせたから、公安のデータに載っていれば直ぐに教えてくれるような気がするんだけど?
「あ、そうだ。幸樹のお父様と龍崎さんて同じ階級だったんだよね?
 お父様はさ、警察庁にお勤めなんだろ?そういう偉い人って東京から動かないのかなって思っていたんだけど、違うんだね?」
 ちょっとした気晴らしというか、いろんなことが分かってきたけど、ピースがバラバラでしかも模様が分からないジグソーパズルみたいで、明敏さを誇る幸樹にもまだ分からないって感じだったので、気分転換したいかもって聞いてみた。俺も幸樹が「まだ」闇に囚われていないことに安堵しつつも、いつその不気味な薬の作用が出るかを考えてしまうので何かを喋っていないと落ち着かない。気休めだとは分かってるんだけど……。
「ああ、ほらH庫県とか大阪府とかは警察の規模が大きいだろ?人口とかも多いしさ。だから本部長は警視監って決まっているんだ。もっとへき地とかだったら警視監クラスは赴任しないしきたりというか不文律があるな……。
ただ、警視監だって、身内の不祥事とかがバレたら東京のどこかの署長に任命されることはあるとか聞いているけどな……」
幸樹の立て板に水といった感じの説明を聞いてちょっとドキっとした。
「身内の不祥事って?どんなことがヤバい、の?」
 俺は幸樹の恋人になった。そのことは全然後悔なんてしていないけど、それがバレてお父様が築き上げた社会的地位を失うことになったりキャリア官僚として順調に上っている――なんだろう、西野警視正なんかも物凄く慕っている感じだったし――出世の階段から外れたりしたらイヤだなって思ってしまう。
 幸樹だってウツになって家に引きこもりをしている弟の順司君に掛かるプレッシャーを悔いてお父様の後継者になるかもだったし。
 ウチなんてお父さんが一応社長で、お水関係の女の人ともそれなりに遊んでいるっぽいけど、そんな会社経営者はたくさん居るらしい。
 それに比べると国家公務員っていうのはもっと堅苦しい感じだし。ちょっとHなコスプレなんかで接待してくれるお店に行っただけで週刊誌ネタになって飛ばされたとか週刊誌で読んだ覚えがあった。
 確か女性がノーパンでしゃぶしゃぶを運んでくれる店だったと思うんだけど、そういうお店に通って接待を受けていただけでもダメらしい。
「ああ、子供が刑法に抵触することをしてしまったり――ほら、オレなんて堅苦しい大学は嫌だ!!とか思って親の意見なんて右から左に聞き流すけどさ、順司みたいに『どうしてもT京大学の法学部に入らないと』と思い詰めて勉強してても成績が思うように上がらずに悶々としたトコに付け込まれて覚せい剤なんかに手を出してしまったらアウトだな。
 覚せい剤は確かに頭がすっきりするし、三晩くらい完全徹夜しても集中力は衰えない。
 けれど、それは脳が薬のせいでそういう指令を出しているだけなんで、体力はついていけない。
 だからその反動で物凄く疲れてしまうから次もああいう爽快感を求めて深みにはまってしまうんだけどな……。
 あ!もしかして遼と恋人になったことを気にしてくれているのか?
 その程度なら別に問題にはならない。仮に――まあ、遼はそんなことしなさそうだけど――リベンジポル〇が目的で付き合っていた時に撮った画像とか写真がネットに出回ったとかそういう大きな問題になったら話は別だろうけど」
 「遼はそんなことしない」って思ってくれたことがとても嬉しい。そういう信頼をしてくれるまで俺の性格を把握している幸樹が恋人になってくれたのは顔とかスタイルが好みってだけじゃないような気がして、こんな時だっていうのに気持ちがほっこりしてしまうし、頬も緩んでしまった。






--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが劇的に上がりますので、どうか宜しくお願い致します!!





にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村






小説(BL)ランキング

























腐女子の小説部屋 ライブドアブログ - にほんブログ村





PVアクセスランキング にほんブログ村









このブログには
このブログにはアフィリエイト広告を使用しております。
Twitter プロフィール
創作BL小説を書いています。ご理解の有る方のみ読んで下されば嬉しいです。
最新コメント
アニメイト
ギャラリー
  • 遅ればせながら
  • お詫びとかお知らせとか
  • Happy New Year!
  • 気分は下剋上 クリスマス編 3 (2023年)
  • 有難う御座います~!!
  • 気分は下剋上 クリスマス編 2 (2023年)
  • 気分は下剋上 クリスマス 1 2023
  • ありがとうございました。
  • ありがとうございました。
人気ブログランキング
にほんブログ村
カテゴリー
資産運用
楽天市場
  • ライブドアブログ