腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します

2020年02月

ショーから始まる恋もある 117




「ああ……んっ!小指だけじゃなくってさ……。もっと身体全部触ってよぉっ……。
 ほら、ココとかっ……」
 絡めた小指を上下にねっとりとした感じでスライドさせて、可憐に立ったピンク色の乳首を誇示するように胸を張っている扇情的な痴態とか、何も触っていないのに――薬のせいもあるのだろうが、ユキの若さだと一度達してもすぐに回復するのだろうユキの下腹部にも花の芯のようなモノが先端から雫をたくさん滴らせながら臨戦態勢に入っている。
 据え膳食わぬは……みたいなことは良く聞くが、据え膳どころか匠の技が冴え切ったホカホカと湯気が立った料理の銀の蓋がウエイターの手で開けられて「さあ、召し上がれ」という銀の鈴でも振られたような感じだった。
 オレ的にはユキの身体とか顔――もちろん好みのタイプではあったが――見事的中という感じではなくて、むしろユキの腹を括った時の潔さとか緊急事態になった時の賢さとか感情ではなくて理知的に行動する点の方こそユキの素晴らしい美点だと思っていた。
 ただ、二丁目の行きつけの「そういう」バーにふらりと入ってユキから誘いを掛けて来たとかだったらベッドを共にする程度の好みではあった。付き合うかどうかは身体の相性とか性格とかを見てから決めるだろうが。
 ただ、今のユキは薬で――しかもユキの意に反して摂取させられたのだから本意ではないだろう――そもそもユキの意識というか理性は薬でぶっ飛んでいる状態なのは分かっている。
 だから目の前のユキの身体が「さあ、召し上がれ」と言わんばかりに熟していたとしても手を出すわけにはいかない。
 ただ、ユキの痴態を見ているとオレの理性の糸がプツンと切れてしまいそうな気がしたのも確かだった。
 しかし、この薬で高められた状態で致してしまうのも新田先生からはキツく止められているし、オレが理性の糸を断ち切って最後までしてしまうとその快楽が身体に染み込んでしまうだろうことも容易に想像出来た。
 たかが――といっては何だかぶっちゃけそうだろう――小指を絡めただけで全身が紅色に染まってゆらゆらと花のように陽炎のように揺れている、しかも物欲しそうな感じだ。
 小指を絡めただけですら――なんでも手はどんな感触でも取り込み易い場所だと聞いたことがあるし、普段の生活でも熱いとか痛いとかを感じる点のようなものは背中とかよりもたくさん点在しているらしい――こんなになってしまうユキの身体のもっと弱いところを刺激すればオレの辛うじて保っている理性がそれこそ真夏の太陽に照らされた水のように蒸発してしまうような痴態を晒すことも想像に難くない。
 だから、心を鬼にして手錠と足かせを片方ずつ手ごろなラックに固定した。このような準備をしてくれたのは病院の救急車の運転手兼メンズナースで、彼には本当に感謝していた。
 オレ一人だといつユキが目覚めるかとか目を離したらヤバいと思って気もそぞろだったに違いないのだから。
 新田先生もオレ一人では――これが先生ご推薦の厚労省だったかの施設とか広尾の病院の豪華な座敷牢の中ならともかく、そういう設備もなければそもそもそんな用途で建築されたマンションでもないことくらいは新田先生ほど賢くなくても当然予想は付くだろう。
 だから単に運転者ではなくてナースの資格も持っている彼に頼んでくれたのだろうな……と思った。
「ああっ……気持ち……イイよぉっ」
 ユキが両の乳首をギュッと抓っては弾くという行為を繰り返している。
 その度ごとに床に投げ出した足の指が丸まっていたし、瑞々しい花の芯のようなユキの可憐なピンク色の欲情の象徴が弾けそうに震えていた。もちろん先端からはタラタラと雫を零していたし。
 ユキがギュッと抓っては弾いている乳首は真っ赤になってぷっくりと膨れていた。
 その様子も物凄くクルものが有ったが、ユキの割と長い手錠のチェーン(?)からは絶対に届かないところに佇んでいた。
 男の看護師がユキを見てくれている間に買ってきたコンビニの袋の中からカ〇リーメイトを取り出して、食欲など皆無だったが無理やりに胃に入れることにした。
 ただ、ビスケット状なので飲み物がなければ喉を詰まらせてしまいそうになって慌てて先ほどユキが飲んでいた飲み物の残りをペットボトルから直接飲んだ。
 何だか普段よりも体に浸透するような感じだったのも、栄養補助食品(だったと思う)のせいではなくて、自覚症状がないままにかなり緊張していたのだろう、精神が。
 今は精神力が勝っているような気がしたが、約二日間の長丁場だ。
 精神力もそうだが、体力もなるべく温存しておかなければならないなと思いながら、ユキが紅色の茎を親指と人差し指で輪っかを作って根元から先端部分まで扱いている。
 そして人差し指と薬指で二つの瑞々しい果実を擦り合わせていて、残った指は傘の部分をキュという感じで回している。先端部分から大粒の雫を零しているので、部屋の中には湿った音と微かな擦る音がこもっている。
「リョウさん……。ここにっ……挿れ……て」
 手錠をかけた方の指がユキの紅に染まったお尻の穴を開いている。
 その鮮やかなピンク色に理性がガラガラと音を立てて崩れていっているのを自覚した。

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気分は下剋上 公認カップル騒動 3

「美味しいです。英語を――大学入試の時に読まされたお堅い文章ではなくて、今習っている日常英語の方が顕著ですけれど――セックスの時に使う言葉と飲食をする時の言葉って物凄く似ていますよね。
 こうやって口づけを交わしながら甘い物――と言っても私レベルでは充分甘いのですが、この香ばしい香りとかしっとりとした甘さが際立つバター生地をお互いの口の中で分け合って食べているとアメリカ人だか英国人だかが性と食を同一視しているのが実感として分かります。日本語だと全然別物ですからね……」
 最愛の人はバターの香りを纏った吐息とルージュを塗ったような紅色の艶やかな唇に花よりも綺麗な笑みを浮かべていた。
「イギリス英語ではあまりそういう言い回しがないのでアメリカ英語が語源だろうな。
 まあ、イギリス英語の方がお上品な言葉ばかりが残っているので……。もしかしたら口語的な言い回しは有ったのかもしれないな……。
 正妻が愛人に寛容というのも割と珍しいのだろう?
 暇な時にテレビをつけながら家事をしている時だったかな?正妻が愛人のところに物凄く気合の入った服装とお化粧で乗り込んで『この泥棒猫!!』とか言って罵っているのは見た覚えがある。どっちが正解なのだろう……」
 祐樹最愛の人は心の底から不思議そうな表情を浮かべている。
 確かにこの人なら――と言っても正式なパートナー認定を貰うメリットも感じていないようだったが、もし乗り気ならば二人して役所に行っても良いなと思っていた。そんな契約(?)を結んでいたら「正妻」の立場のハズなので強気に出ても全然構わないポジションになると祐樹的には思うのが、強気に出るも何も何だか黙って身を引きそうで怖い――仕事にまつわることにはライバル心を持ってもいるし、自分に矜持を持っている。もちろん、実績に裏打ちされたものなので外科医なら誰しもが認める秀逸過ぎるメス捌きなことも間違いはない。しかしプライベートでは全くといって良いほど自信がないというのが痛しかゆしだと思ってしまう。
 恵まれた容姿は祐樹のストライクゾーンにドンピシャで的中してはいる。しかし、それを鼻にかけるタイプだとここまで好きにはなっていないと思う、我ながら勝手だとは思うが。
 そして、それほど世間のことにも人間にも興味がないのも一緒に過ごしていると分かってきた。まあ、最近は次期病院長候補として出馬の意向を固めてくれたこともあって同僚でもある教授とかその下の准教授、そして影の発言力が有るナース数人を観察していることは知っている。ただ、祐樹最愛の人はそういう「観察」も動物学者が対象動物を観るのと同様な視点のような気がする。だから、動物の内心までは人間には分からないのと同様に最愛の人は人間の気持ちにはある意味鈍感だとも。
「ああ、そのドラマは一応観ましたよ?ほら貴方が録画しておいてくださいましたから。
 最新版も出来ているそうですが、あいにくそっちは未だ観ていない……という点は一緒のハズなのでまたこうした休日のお家デートの時に一緒に観ましょうね。
 あの産婦人科医――今では訴訟リスクの方が多い上に激務かつ休みが取れないし、少子高齢化の時代なので子供が生まれるのも減っていますよね。だからあんなに儲からないと思います。
 ま、原作の頃は団塊の世代の出産ラッシュだったこととか、今よりも医師の権威が強かった時代ですのでああいう札束がバンバン出てくるような経営が出来たのだと思います。
 森技官の実家が笑えることに代々産婦人科だと聞いていますが、彼のお父様よりもお祖父様の方が正直儲かっていたと思います。
 ただ、ああいう金離れの良いお客というのは高確率で女性遊びも派手だったと思いますので、そういう意味で教授夫人になった産婦人科の令嬢もそういう女遊びが派手な父親を見て育ったのではないでしょうか?
 愛人を蛇蝎のように嫌う人も居れば、ガン無視をして過ごす女性も居るのでしょう。
 そういう『さばけた』家庭環境で育ったのでは?ほら『浮気は男の甲斐性だ』とか昔は言ったようですから。
 そういう意味では教授夫人になった産婦人科の院長令嬢はある意味賢いのだと思います。
 夫の真の意思を汲んで最後に会わせたいと判断したのでしょう。
 まあ、公認のパートナーになれば貴方だって『この泥棒猫』とか言う資格は持てますよ。
 あ、念のために言っておきますが、私は浮気なんて絶対にしないです。
 その点は貴方も信頼して頂けていますよね?」
 最愛の人は花よりも綺麗な笑みを咲かせた笑みを浮かべてくれた。涼しげな眼差しも深山に人知れず存在するような清浄な泉のような煌めきを放っている。何だか揺るぎのない瞳の落ち着いた光のような感じだった。
 祐樹最愛の人もかなり信じてくれるようになったな……とは思ったが、基本的に悲観的に物事を考えるタイプなので時々は言葉に出して伝えないといけないことも大切だろう。
「その点は信じている。
 しかし、祐樹が私以外の人と『そういう』関係になったとしたら……」
 室内着にしている薄いニットは襟ぐりが深くて、若干華奢な肩が微かに震えていた。
 その肩に安心させるように手を置いてトントンと叩いた。
「万が一にもないとは思いますが……。
 まあ、そうなった時には貴方の場合自分から身を引いてしまうタイプでしょう?
 そういう意味ではパートナーとして市とかに認定してもらう方が良いような気がしたのですが?」
 最愛の人を安心させるように緩い笑みを浮かべて湖水を彷彿とさせる涼しげな瞳を、だだじっと見つめた。




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現在ノベルバ様で「下剋上」シリーズのスピンオフ作品を書いております。

もし、読みたいという方は是非!!
こちらでもお待ちしております。

https://novelba.com/publish/works/884955/episodes/9398607
↑ ↑

すみません!試したらノベルバ様のトップページにしか飛べなかったので、「こうやまみか」と検索して頂ければと思います!!

最近、アプリの不具合かノベルバ様から更新通知が来ないのです……。
基本的にこちらのブログを更新した日は何かしら更新しておりますので、読んで頂ければ幸いです。










最後まで読んで下さって有難うございます。

母が倒れてから早いものでもう一か月になりました。バタバタっと日が経った感じしかしませんが、心も体も疲れているようなので……更新はマチマチになります。申し訳ないですが何卒ご容赦・ご寛恕ください。

今日も多分一話だと思います。
         こうやま みか


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気分は下剋上 公認カップル騒動 2

「これ……ワイロというか袖の下です」
 以前は普通に座って同じ皿からそれぞれ好きな物を取って食べるのが「日常」だったが、そういう手作りというか恋人の余韻の残るモノが好な人なのも分かっているので、何とか口を割らそうとした。といっても警察とかがする「自供」みたいなものではなくてあくまで恋人達の睦言というか愛の時間に相応しい条件だと思うが。。
 最愛の人と出会う前の祐樹は手編みのマフラーとかそういう系の手間がかかってそうな物は「怨念とか情念がこもっていそうで嫌」だと思っていたが、生涯に亘って共にするパートナーになってくれる最愛の人の場合は全く別問題だ。
 手編みのマフラーを貰った時には心の底から嬉しかったし。完成度もそこいらのブランド品のお店に陳列されているのと変わらないクオリティだった。最愛の人は何だか恐る恐るといった感じで差し出してくれたが、あんなに完成度が高くなくても喜んで受け取っただろうし病院にも巻いていったと思う。
 ただ、久米先生とかは「そのマフラー素敵ですね。どこのブランドですか?色違いで買おうかなって思います」とか言ってくれたが。
 焼きティラミスの香ばしい香りと割と脆い――まあ、洋菓子でもフィナンシェとかと同じ分類に入るのだからクッキーみたいに硬い方が問題だろうが――生地を唇に挟んで一口だけ食べてから、最愛の人のやや薄い唇へと近づける。怜悧な印象を裏切らない引き締まった唇だが、二人きりでゆったりと過ごす休日なだけにほんのりと薄紅色に染まっているのも「祐樹にしか見せない」表情なのでそれはそれで嬉しい。
「焼きティラミスも美味しいですけれど、貴方の唇から味わうと天上の美味もかくや……といった感じですよね……」
 最愛の人の薄紅色の唇が紅を刷いたように綺麗に色付いている。
 しかも花の咲いたような笑みを浮かべているのも最高に綺麗だった。
 香ばしさとほんのり甘いキスを交わして二人で一つの焼き菓子を食べていると本当に愛されているのだな……と実感出来て嬉しい。
「祐樹の唇や歯で味付けされたのを食せただけで幸せだ」
――唾液ならともかく唇や歯に味などないことはこの際、言及しないことにしよう――
「充分過ぎるほどの賄賂を貰ったので、なんでも答える?いや、充分ではないかも……」
 賄賂は通じなかったかな?と内心で思っていると、最愛の人の頬が薄紅色に染まっている。
「時間が取れなくて――愛の行為の方がご無沙汰だっただろう?
 だから、私が白状する代わりに愛して欲しい、な」
 キスを終えてそう告げる最愛の人は食べてしまいたいほど愛おしい。
 自分でも満面の笑みを浮かべて「ええ、良いですよ?」と紅色に染まった耳朶に囁いた、取って置きの甘くて低い声で。
「パートナー制度は一応調べてみたが、メリットがあるのは病院くらいだろう?
 『披露宴』は既に済ましたし、その前だな、柏木先生の結婚式に行った時に誰も居ないホテルのチャペルで愛を誓ってくれただろう?だからそれで充分だし、金銭的なことは特に問題視していない。
 最も恐れる事態は祐樹に万が一のことが有った時なのだが、救急搬送される病院には――少なくとも京都とか大阪、そして東京一帯の大病院には厚労省繋がりの医師が必ず居るので――こっそり入れてくれると思う。
 それでなくとも森技官情報では婚姻届けを出していない内縁関係―-と法律用語で言うらしいが――だけの彼氏さんがあまりにもモンスターペイシェントらしくてカルテまで開示した例なども多いらしいし。
 私の場合は森技官の招聘が怪我の功名というか、第一線で働いている錚々たる医師と知り合いになったし、こっそり入れてくれると思う。
「大切な部下だから」と言ったら大丈夫だろうと思うのだが甘いか?」
 錚々たると言っても、あくまでも日本という狭い世界だが、確かに医師が許可すれば割となんでも聞いてくれるのも現状だった。
「最愛の人の考えが甘いとは思えないですね。貴方ならこっそり入れて貰える救急救命センターもたくさん有ると思いますので」
 しかも、最愛の人はそういう医師達の憧れの的なので――それはそうだろう、何しろ祐樹が厚労省に「悪い虫」が付かないように牽制も込めて付いて行っているので知っているが――厚労省御用達の日本一の最高学府の人間が多いが、それでも「香川教授の手技を毎日見ることが出来て本当に羨ましいです」と目を輝かせながら言われることは度々あった。
 確かに祐樹最愛の人なら本来は家族とその病院の医師や看護師しか立ち入れないところにも入ることが許されるような気がする。
 祐樹の母が間に合わなくても医師の裁量によって。
 その人望の厚さを忘れていた。
「それに、最新版の『白い巨〇』ではなくて、長いターム(?)で放映していたドラマでは、物分かりの良い正妻さんが、こっそり愛人を病室に入れていた。もう手の施しようもないステージ4のガンだったと分かった時点で『最後のお別れ』みたいに……。
 そういうのは別にパートナー制度を使わなくても出来ると思わないか?
 それに、祐樹は私がずっと以前に言っていた『形のないものは信じない』という言葉を気にしてくれているのだろうが、これだけ愛されているという実感とか魂が繋がっているような気分になれた今は『形のない』とも思わないし……」
 大輪の紅薔薇が咲くように微笑む最愛の人の唇に唇を重ねた。
 微かにコーヒーと焼きティラミスが香る口づけの味はどんなお酒よりも祐樹の心を酩酊させるような気がした。


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やはり、心身ともに疲れているようでしてPCに向かって小説を書こうと思いつつベッドに入ってしまいます。
もう少しで49日なのですが、することが山積みで……。

ブログ毎日更新したいのですが、誠に申し訳ありません!限界なんで寝ます。。。

              こうやま みか



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気分は下剋上 公認カップル騒動 1


【この話は披露宴直後のお休みの日の些細な出来事を書いたものです。実は昔書いていたのをこの際公開することにしました。】
 

「へえ、京都でも同性のカップルを家族と認める条例が出来そうな感じですね?」
 ようやく出版関連の行事が一段落して、二人してまったりとした「お家デート」の時間を過ごしていた祐樹は地元の新聞の地方欄まで目を通す機会に恵まれていた。
 祐樹最愛の恋人は世界で一番美味しいと思ってしまうコーヒーとそして「披露宴」の後の「初夜」で食べた焼きティラミスを形よく盛った皿をリビングへと運んで来てくれている。
 そのコーヒーカップとクリスタルのお皿を甲斐甲斐しく並べながら怜悧な感じに引き締まった薄い唇に仄かに笑みの花を咲かせているのも見ていて飽きないというか、毎回見惚れてしまっている。
「そうなのか?しかし、認められると言っても他の先行自治体と同じレベルだろう?」
 祐樹最愛の人は――今でこそやっと信じてくれるようになったものの、最初の頃は「愛情という形のないものは信じられないし、移ろっていくものだろう」とずっと言っていた――そういう「形」のあるモノに関してもっと積極的になるかと思いきや、何だか全然関係のないニュースを聞いたような感じの笑みを浮かべている。
「それはそうなのですが、興味ないですか?二人きりの結婚式とか挙げることが出来るホテルも神戸に有ると聞きましたし、そういう場所で『私的』な結婚式を挙げて、その後家族として認めて貰うっていうのもアリのような気も致しますが?」 
 「私的」とわざわざ断ったのは、斎藤病院長が張り込んでくれた――と言ってもまさかの首相のご来臨まで有ったので最後の方はグタグダな展開になってしまっていたが、そちらの方が良かったと今は思える――病院主催のパーティを「披露宴」と呼んでいたからだった。
 まあ、それも無事に終わって、その後は「初夜」もつつがなく終えたので良かったとは思っていたが。
 後はお正月休みに香港に「新婚旅行」という名目で行くことになっているだけだった。
 「初夜」の時は最愛の人が色々と集めて身に着けていたものを一つずつ取り去っていくという楽しさと、そして「初夜」に相応しい初々しさで心が一際弾む「儀式」というか「行事」だったが。
「え?しかし、家族と認定されれば、どちらかが病気になった時などに便利かと思うのですが?」
 一時は養子縁組の――ちなみに祐樹の世界での「養子縁組」というのは「結婚」と同義語になっている――話も出たことが有ったが、姓が変わることとか病院の内では二人の真実の関係を知っている人が限られているし、これ以上増やすことはないという意見からその件は打ち切りというか棚上げ状態になっていた。
「冷めないうちに飲んだ方が良いと思うが?」
 もっと喜んでもらえるとばかり思っていたのに、意外にもそうではなかったので不思議に思った。
「頂きます。貴方の淹れて下さるコーヒーを飲むだけでこの上もなく幸せに思います。まあ、朝は必ず淹れて下さるのですけれど、休日にお茶菓子まで添えて……というのは中々ないですからね」
 香り高いコーヒーを一口飲むと、体の中、いや心の中までがコーヒーの香ばしい香りで充満してこの上もなく幸せな気分になれる。
 外でのデートも大好きだったが、こうやってマンションの中で二人、特に何もせずに過ごす休日も捨てがたい。
「美味しいです。これは、呉先生の匠の技を超えましたね。
 私好みの味に色々工夫して下さっているでしょう?」
 もともとは呉先生の淹れるコーヒーが祐樹の好みの味だった。しかし、そのことを知った最愛の人が呉先生に教えを請うた上で更に祐樹好みの味に工夫してくれたこともとても嬉しい。
 コーヒーの湯気を頬に当てているだけで気分が安らいでいく。
 もともとコーヒーは鎮静作用よりも覚醒作用の方が多いのは知識としては知っていたし、救急救命室などでは――まあ、効かないことの方が多いが――眠気覚ましに使われているのも事実だった。
「ほら、家族でないと万が一の事態になった時に傍に居られないとかそういった不便さは有りますよね?
 ウチの病院でも――と言っても貴方の秀逸過ぎる手技のお蔭でウチの科では皆無ですけれど――ご臨終間近の患者様の元に行けるのは家族とか血縁者に限られるでしょう?
 そういう特権めいたものって欲しくないですか?」
 祐樹的にはどちらでも良い。
 何故なら祐樹の母は血を分けた実の息子よりも息子が選んだ恋人の方を気に入っている。祐樹に万が一のことが有れば、あの人のことなので「息子です」とか言い張りそうな気がする。
 だから――と言って別に先に死ぬとかそういうことは考えていないが――自分の身に万が一のことが起こった場合は何とかなりそうな気もする。
 別に自慢するほどのことではないが、祐樹の方が最愛の人よりも他人を言いくるめるとか、咄嗟の機転という点では勝っているのも事実だった。
 そしてその才能(?)が母譲りなのだなという自覚はある。
「ああ、そのことか?搬送される病院って大体決まっているだろう?ウチの救急救命室は『来る者拒まず』が杉田師長のモットーだが……」
 厚労省指導で目まぐるしく変わる病院改革の波に翻弄される医療現場だったが、確かに救急搬送が緊急を要する患者さんの受け入れ「だけ」をしていれば良いのが大学病院だった。
 ただ、そういう総ベッド数とか救急救命医が何人以上とかの基準を満たさない病院には搬送されない仕組みになっている。
 ただ、それがどういう意味を持つのかいまいち分からなかったが。
 焼きティラミスの香ばしい甘さがコーヒーと絡まって口の中で二重に奏でられるような気持ちと何だか――些細なことなのでどうでも良い問題ではあるが――はぐらかされた気分になった。



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最後まで読んで下さいまして有難うございます!
バレンタイン企画とか出来ないので、以前ちまちま書いていたものを公開しようと思いました。
多分、バレンタインまでには終わります。
             こうやま みか




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ショーから始まる恋もある ユキ視点 26




 リョウさんの手ほどきが良かったということもあるんだろうけれど、女性みたいにこんなに感じやすくなるってウソみたいだ。
 お母さまが家元を招いてのお茶の席とかで居ない時にこっそり観た動画なんかでは胸を弄られて派手な――もしかしたらワザと大きな声なのかもだけ――嬌声を上げている女性をただただびっくりしてたんだけれど、僕の身体もそうなったなんて信じられない。
 でも、布地が擦れて甘くツキンツキンと脳まで届いている感触は本物だし……。
「ううん、そうじゃなくて……。何だか乳首が布地に擦れて熱く疼いてしまっていて……」
 お尻の穴から零れてるコトを口に出したくなかったし、それに今は乳首の方が気になってしまっているのも事実だったし……。これって僕がヘンなのかな?
 そんな漠然とした不安が表情に出てしまったのかリョウさんは男らしく整った顔に爽やかさすら感じる笑みを浮かべてくれた。
 お父さまが居る席ではさすがにそんな話はでないけれど、やっぱりお酒が入ると割とエッチな話が混じることもあった。
 その時はビローンと伸びた鼻とか独特の笑みを浮かべて「ウチのコレは」みたいに小指を立てることが多い。お父様だってお母さまの他に栞お姉さまのお母様も居るので、それなりに遊んでいるほうだとは思う。けれどもそういう話がそもそも苦手っぽいような気がする。
 それに奥に籠って趣味の世界とかに没頭しているお母さまは神戸の実家から和平の象徴として迎え入れているとかで――大人同士は(子供には分からないだろう)とか思っているのだろうけれども自然と耳に入ってくるし、覚えてもいる――それ以外の実務は栞お姉さまのお母さまの方が何かと気配りとか効くし重宝しているとか言っている大人が多かった。
 確かにお母さまはお屋敷の奥まったところに居るし、お茶とかお花とかの家元を呼んでそちらの付き合いとか美味しい料理を習ったり作ったりしているだけのような気もする。
 僕も基本はお母さまと行動を共にしているので外の空気をそんなに吸っていない。
 だからお母さまが箱入りお嬢様からそのまま奥さんになったのと同じような感じで箱入り息子なのだろう、多分。
 栞お姉さまは自分の力で芸能界に入って活躍しているのも、お姉さまのお母さんの結構目鼻立ちがくっきりとした美人さんのお母さんと僕のお父様のクラシカルな端整さが混じった感じのミステリアスな魅力を持った顔立ちも役に立っているような気がする。
「ユキが特別ってわけでもない。男でも敏感な人間は弄られればそうなるように出来ている」
 慰めるように言った後にしげしげとソコを見られてしまって、何だか余計に熱さが加わったような気がした。
 ツンと立った――といっても男の僕のそんなトコをシゲシゲと見る通行人はいないだろうなってゆうことくらいは分かる。
 エッチな動画だけじゃなくてユーチュー〇とか暇な時に見るけど「元アイドルの胸に頭痛薬を置いて立っているように見せかけるドッキリ動画」とかの企画が有ったような。その時は男の人三人はちらちら見ていたけど。
 でも、リョウさんとかユリさんみたいな趣味の人は少ないらしいし。
 だから大丈夫だろう、多分。
「『男でも』って――女性はそれが普通なの?」
 多分そうだろうな……って思っていたけれど、そんなことをはっきりと聞いたわけではないのでこの際聞いておきたかった。
 だって、僕が観るようなエッチなモノも含めてフィクションが有ることも知っている。
 昔のドラマを観ていると僕のお父様のような職業の人の娘が高校だかの先生をしているとかいうのまで有った。それを観るとやっぱり何か違くないかな?って思ってしまうし。
 それに他のことを考えたら胸の熱さを忘れることが出来るような気がするのも事実だったし。
「ああ、そうだが。ただ、やはり個人差は有るらしいし……。ユキの場合は催淫剤を塗られただろう?
 だからそういう感度が上がってもおかしくない。
 デニム地の方がもっとごわごわしているだろう?あれを着た方がもっと悦楽が得られる……。ユキは二次会でお金を稼ぎたいのだろう?だったら、こっちで充分感じられるようにしておいた方が良いんじゃないか?」
 リョウさんは卑猥な感じを一切感じさせない親身な感じでアドバイスをくれた。良い人なんだなって思ってネオンに照らされた彫りの深い男らしい顔をまじまじと見惚れてしまった。
 催淫剤は単に感度を高めるためのお薬なのは分かっていた。
 僕のお父様は嫌っていたし、実際覚せい剤を売りさばいて破門になったっていう構成員が居たのも知っている。
 ただ、今は覚せい剤に似た化学式の――といっても、見た目はただの白い粉末だし、口に入れるモノでもないので悪質な人間は調味料の「味の素」を混ぜてグラムを誤魔化すとかも聞いている――いわゆる亜種とでもいうものが人体に与える影響が昔ながらの覚せい剤とは違っていると聞いた覚えが有った。
 そして、体内から全部抜けるかどうかは体質とか相性の問題だということも……。
 ま、今の僕には全く関係ないし、こんなことを考えたのも熱く疼く乳首から注意を逸らしたいからだったけれど。
 そんなことを考えていたのが分かったのかリョウさんは悪戯っぽい笑みを浮かべて、乳首をツンと弾いてきた。


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最後まで読んで下さって有難うございます。

何とか二話更新出来ました。この調子で行けば良いのですがやはりいろいろとまだしなければならないこともあるので、出来る時にしか更新出来ません。申し訳ないですがご理解頂ければ幸いです。
       こうやま みか


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