腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します

2019年10月

気分は下剋上 学会準備編 362

「さあ、どうでしょう?来ているかも知れませんし、確かイタリアでしたか、その商談が長引くと――何しろイタリア人というのは時間にルーズな人が多いらしくって、ほらフェラーリだって、あんな天文学的な値段で売っているのに、走行中にエンジンから火が出るような車を作る国民性ですから。「出来るだけ間に合うようにするけれど、出席出来なかったら御免なさい」との連絡を寄越したきりで、それ以上のことは私にも分かりません。

 まあ、期待薄なのではないでしょうかね、あの感じだと。

 イタリアの次にフランスに回るとも言っていたので、時間は推しまくっていると思われますから」

 祐樹が口から出任せのウソをついているのは明白だが――恋人が居ないと病院内で広言してしまうと大変な事態になってしまう――柏木先生は信じている感じで「先生も大変だな。そういう素晴らしい経歴の彼女を持つと」と同情気味に言葉を返している。

 今日集まって、しかも全員の視線が柏木先生を見事にスルーして祐樹と自分に集まっている。

 祐樹が病院内でバレンタインチョコ獲得数一位の座をすっとキープしている時には「祐樹は物凄くモテるんだな……と微笑ましくも誇らしく見守っていた。

 自分もそうだが、祐樹も同性にしか「そういう欲情」をしないタイプなので、いくら女性陣が寄ってきても何とも思わなかった。男性かつ祐樹の好みそうなタイプが目の前に現れた時は真剣に「事故に見せかけた自殺」を考えるほど思い詰めてしまっていたが。

 ただ、祐樹だけがモテるわけではなくて、自分もそうだと気が付くようになったのは最近だ。

 祐樹は准教授待遇Aiセンター長も兼任しているが、MRIやCTの画像診断、しかも死亡した人間の死因を特定するといったセンターなので読影の出来る人間しか所属していない。だから女性には「都合よく」スルーされていて、心臓外科の一介の医局員のみがクローズアップされている。

 それに対して自分は教授という年齢不相応なポジションに就いていて祐樹曰く「女性が気軽に声を掛けられないですよ。ほら、『内々の相談がある』とか言って近付いて来た産婦人科の准教授のポジションがギリギリ貴方に言い寄れるポジションなのです」とのことだった。

 そういえば、自分が一人で夕食の献立を考えているとか、そういう家事的なことを考えながら地下鉄に乗ることもある。百貨店に買い物に行く時とか、祐樹とのデートの約束をしている時だが。

 そういう時にホームで立っていると、チラチラと女性の視線を感じることが有った。何か顔に付いているのか?とか祐樹のことを思って仄かに唇に笑みを浮かべているのを「変質者」と間違えられたのではないか?と思っていたが、祐樹は大笑いしながら「貴方の隙を突いて話しかけるに決まっているじゃないですか?逆ナンって聞きませんか」と目に涙をためながら笑い転げていた。

「ギャク・ナン……それは、インドかネパール料理の名前か何かか?」

 ごくごく真面目に聞き返したら、よりいっそうの笑いの声が部屋の中に弾んで転がるような感じだった。祐樹の大笑いの声は太陽のような輝きに満ちていて、自分をこの上もなく幸せにしてくれる。

 そして、以前はプライベートの行動が常人では思いもよらないことを仕出かして自分にヘルプミーの電話を掛けてくる長岡先生のネタでしか祐樹を笑わすことが出来なかったのに、自分の言葉で――と言ってもどこが可笑しいのか全く分からなかったが――笑わせることが出来たのを心が太陽色に弾むような気になったことも鮮明に覚えている。

「逆ナンというのは、女性から男性にナンパを仕掛けることです。ナンパ……は分かりますよね?」

 流石にその単語はドラマで知っていた。そして「そういう対象」として見られていることにも内心で目を瞠ってしまったが。

 そして、今日は祐樹相手ではないものの、赤の他人を笑わすことが出来たのも進歩だろう。

 職務中は別にして自分の世界は祐樹を中心に回っている。

 そして祐樹が人を笑わして患者さんの心にするりと入っていくのを見ていて自分もそうなりたいと思っていたので、「他人を笑わせた」というのは一歩前進だ。

 病院長が呼んでいるということは、華麗なる人脈の一部を紹介してくれるのだろう。

 以前なら有難迷惑以外の何物でもなかったが、未来の病院長選挙に出馬しようという「野心」を抱いている今となってはとても有り難い。

 病院長になれば、当然教授職から退くことになるが、その後任に祐樹を据える積もりだった。

 自分は年齢的に医学部教授というポジションは若すぎるのは分かっていた。しかし、停年までこのポジションに留まると三歳下の祐樹に教授職は無理だ。

 だったら病院長兼学部長選挙に出て、跡を譲ると祐樹も教授の平均年齢になっている上に執刀医としても着実なキャリアを積んでくれているハズだから丁度良かった。

 病院長選挙の野望は打ち明けたが、その理由はまだ行っていない。この「披露宴」までが忙し過ぎて纏まった二人だけの時間が取れてなかったので。

「病院長が早く両先生をお呼びするようにと、ウチの医局員には矢の催促だぞ?早く行った方が良い。なにしろ生粋の外科医の中でも短気で怖がられた人間だから、な」

 それは知らなかったが、祐樹も含めて外科医は短気な人間が多いのも事実で、外科ではそういう先生の対処法は充分心得ているハズなのに「怖がられる」というのはつまり一回爆発したら手も付けられなかったのかも知れない。

「了解です。直ぐ行きます。で、どこに伺えば?」

 柏木先生は製薬会社のロゴが入っているメモ容姿を祐樹に手渡していた。

「この部屋番号だ。なるべく急げよ。どうじゃないとパーティが始まってしまってしまうからな」

 柏木先生が言うべきことは行って早足で立ち去った。

「では、お暇します。本日は本当に有難うございました」

 祐樹が一礼したので自分も慌ててそれに倣った。

「流石は病院長、良いお部屋を取っていますね。どんなViPが待っているのか楽しみです」

 自分にも見えたメモの番号は、森技官が取ってくれているハズの最上級スイートではなかったものの、それに近いグレードだったのは確かだ。

「部屋が隣でなくて良かったですね。記念すべき『初夜』の隣の部屋に病院長が居るなんて悲惨すぎますから。ま、部屋を取っただけで泊まらない可能性もありますが」

 「初夜」と聞いて頬が紅くなってしまったのを自覚しつつ、なるべく平常心を保ちながらメモに書かれた部屋のチャイムを鳴らした。


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最後まで読んで下さって有り難うございます。明日は病院の検査に行かなければなりません。病院って入院したらホテル並みのお金が必要なのに全然楽しくないのが……泣

色々画像やリンク貼っていますが、興味がおありのサイトに入って頂いてご入り用なものが有れば購入して頂ければ物凄く嬉しいです。サイトによって違うのですが私のお小遣いになります……。


私はもともとフリーランスなのでこの病気で働けなくなってしまったので、どうせならこっちで買おうかと思って下さればとても助かります!




ショーから始まる恋もある 54






「さっき、お客さんからのラインが来たって言っていただろう?その中に、銀行にお勤めの人からも来ていたので、明日にでもあの小切手を現金化する方法を教えて貰おうと思う。

 ほら、いくら頭取の弱みを握っているからといって、安心は出来ないだろう?

 警察とか検察とかに察知されたらあの店の口座だって凍結される可能性はあるわけだし、そうなったら二億円も文字通り絵に描いた餅になってしまうだろう?

 早く引き出して安全なところに移さなければならないと思う」

 ユキは籍だけ置いてあった大学に通うと決めているし、その後は実家の「そっち系」の世界とは縁を切る積もりなので、あの二億円は――何でも一般的な日本人の一生分の稼ぐ額が平均二億円だと新聞で読んだ覚えがある――大金のハズだ。まあ、オレだって二億を手にするには100日程度死ぬ気と肝臓を壊す覚悟で働かなければならないが。

「うん、そうだね……。その点はシンに任せるよ。銀行にお勤めの人なら色々知っているだろうし。ほら、どこの世界でも本音とタテマエっていうのかな?そんなのがあるらしいし、蛇の道は蛇――言い方悪いけど、さ――だから。きっと良い方法を見つけてくれると思う。『リョウ』のお客様だから窓口業務とかじゃなくてきっと役付きの女性なんでしょう?

 銀行ってさ、まだまだ女性が差別されるみたいだから、その人はきっと優秀な人なんだろうね……。

 でも、お父様もお母様も、そして僕の名前もデータバンクにしっかり登録されていると思う。

 そうでなきゃ、お父様は会社の代表取締役に見込みの有りそうなホームレスの人の戸籍とか名前を使わないと思うし。

 その息子ってことで、僕の名前も載っているだろうし……」

 ユキが行為の熱を持て余した感じのため息を零しながらも現実的な言葉を紡いでいる。

 そういう切り替えの早さも物凄く好みだ。

 家族も――何でも籍を入れない内縁関係でもリストアップの対象になるとか聞いた覚えがあるので――警察は漏れなくリストアップしているだろう。それに、ユキは正妻の一人息子で、次期組長を充分狙える立場だった。あんなショーに出たことで失墜はしているだろうが、そんなことは警察もまだ掴んではいないだろうし。

 だから、二億円を入れておく口座を作るのは難しそうだ。

「そうだな……。銀行員は給料払込み口座専用ってやつがあって、今でも利息が15%付くとか言っていた。このゼロ金利時代にも関わらず。

 だからお給料口座に入れておくととても得をするとか言っていたし、それにその支店初の課長になったとか言っていた」

 ユキの素肌の心地よい熱さとかイチゴのようになった乳首を指で辿って、その汗を纏った匂いやかな素肌の感触を楽しみながら。

「それは凄いね……。確か課長の上は副支店長だったと思う。その女性は相当有能なんだと思うよ……」

 籍だけ置いて学校に行っていないとはいえユキの場合は今は病に倒れているお父さんに色々な人と「顔繋ぎ」というか、次期組長になっても恥ずかしくないように色々な場所に一緒に行っていたのだろう。

 世間知はかなり高いように思えたし、持ち前の聡明さと順応力で色々なモノを吸収しているのだろうな……と。

 ちなみに「課長就任祝い」の何次会かは忘れたが、彼女を慕う女子行員だけが集まる「女子会」と称してウチの店に来てくれた。

 その時は、ドンペリゴールドをオレからお祝いとして振る舞った。詩織莉さんのような「太い客」ではないものの、毎月最低でも20万程度は呑んで行ってくれるコンスタントなお客様だし、その銀行は体育会系ともウワサされているらしい。だから先輩のしていることは絶対服従だし、後輩が真似るという傾向にある。だから恭子さんの後輩も時々は呑みに来てくれる。そういう「細くて長い客」を囲い込むのも堅実な方法だ。

 それに銀行員は「清廉潔白」というイメージが大切で――この点は清純派アイドルと同じだろう――ホストクラブに通っているというウワサが立つと世間的にマズい。

 ホストクラブの一般的イメージは一万円札が束単位で消えていくとか、チャラチャラと男遊びをしているとか言うモノだとは知っている。

 ただ、ウチの店ではそういう札束を投げるお客でも、お試し価格の3千円のビギナーさんですら来店したということは絶対に話してはいけないという規則が有って、店のスタッフが「うっかり」SNSなどにでも公開してしまった場合はそのバカなヤツがお客様に示談金を支払うという規則が有るということを最初に説明している。

 だから清純派アイドルとして名高い人も、お酒はガンガン呑むしタバコも吸い放題だ。

 店内の様子も撮影は禁止されていて、お客様がインスタグラムとかに投稿しないようにスマホは会話とラインだけが使用を許可してある。

 まあ、全員が写真撮影OKというグルーブの場合には特例として許すことはあるし、そのお客様がインスタに上げる画像は執行部の許可を貰えればアップ出来るようにはなっているが。

 何しろ、インスタグラムとかユーチューブの――詩織莉さんのお誕生日パーティの画像は顔出しNGの人は加工してシャンパンタワーやお誕生日おめでとうございます!と言いながらオレが差し出したプレゼントまでの動画は40万再生されているらしい。同じ人が何回見てもその回数だけカウントされるので、単純に40万人の人が見てくれたとは思っていないが、店の良い宣伝になるのは確かだったので。

 

「あ、恭子さん、呼び出してすみません。お仕事大丈夫ですか?」

 ユキは多分今頃オレの家のベッドでぐっすり眠っているだろうな……と思った。

 午後二時の丸の内は忙しそうな会社員やOL達が足早に通り過ぎたりスマホで上司からの指示を仰いだりしている。

「キョウからの店外デートのお誘いなんて珍しいわね。しかも、何?その恰好……」

 いかにも「出来る女」というスーツと――課長職になれば制服は着ないで良いらしい――メイクで完全武装している。

「え?この恰好おかしいですか?この辺りだと店の中の服だと浮くような気がして。

 オレが浮くのは全く構いませんが、恭子さんの迷惑になってはいけないと思ってア○ヤマで買って来ました」

 恭子さんは物凄く可笑しそうな笑みを浮かべている。もう少しで笑い声が出そうなくらいに。

 そんなにおかしいだろうか?まあ、店ではアルマーニなので、庶民的なアオ○マのスーツがオレにはミスマッチかも知れない。




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気分は下剋上 学会準備編 361

 冗談を言った覚えはないものの、祐樹の患者さんとかへの雑談めいた話を真似しようと思っていた成果が出たのかも知れない。

「どちらもお勧めですので、今夜は私やゆ……田中先生と一緒に食べている気分で『焼きティラミス』をご賞味下さって、もしその味というかテイストがお気に召しましたら是非田中先生のように検索エンジンからポチっとお買い物をなさっては如何でしょう?アマゾンとかのようにワンクリックで買えますので。

 ちなみに、この会社のケーキの味は、この中にはヨーロッパに行かれてパリやウイーンで『本格的な』ケーキを召し上がった方も多いと思いますが、その味の方がお好きな方にはあまりお勧め出来ません。

 あくまでも日本人の舌に合うように作られていると個人的には思います」

 何だかおずおずした感じで手が挙がった。

 ヨーロッパに行っている女性がどれだけこの中に居るかは全く分からないものの、とある小説に――祐樹が「凪の時間」に暇つぶしに読んで面白かったと勧めてくれた本だった。自分は自宅に居る時に専門書以外の書物はあまり読まない。家事をしながらテレビを付けていることは多いが――「東京タワーには昇ったことが一度もないが、エッフェル塔には三回も行くのが日本のOLの生態だ」みたいなことが書いてあったので、一般的なOLよりもお給料が良いナースや、良家の子女が多い医療事務の女性ならヨーロッパにお買い物がてら行っている確率は高いような気がする。先入観による思い込みでなければ。

「教授はパリやウイーンのケーキとこのメーカーのケーキはどちらがお好きなんですか?」

 あいにくパリにもウィーンにも行ったことがないが、第二の愛の巣とも言うべき大阪のホテルのケーキは本場の味を再現していると聞いた覚えがある。

 そして、一度は食べてみたことはあるものの自分の口には合わないと判断した。

 その類推の話で良いだろう。彼女達の「思い込み」というか「麗しい想像」の、ヨーロッパにも何度も行っているという幻想を壊すのも何だか悪いような気がしたし。

 ドイツのベルリンには国際公開手術で行ったことはあるものの、ケーキを食べる心のゆとりもなければ、手技成功後のパーティでも主賓として――しかも見事に成功させた功労者として――話しかけられてばかりで食べ物を楽しむ時間などなかった。

 ワインは呑んだし、カナッペなどは口にした覚えはあるが。

 そして祐樹を「近いうちに術者になります」と紹介したことが一番の思い出で、その「近いうち」が自分の想定よりも早まりそうなことが何よりも嬉しいのが今の自分の偽らざる気持ちだった。

「つまり物凄く甘かったり、バターでギトギトではないということですか?」

 やはり、本場で食べた女性が多そうで、その発言に頷いている人も多かった。

「そうですね。生クリームもサラッとしていますし、バターよりも牛乳の自然な甘さを再現しているように思います。ちなみに、芦屋の本店とかの店舗でしか提供されていないクレープシュゼットもお勧めです。クレープが、パエリアのように小さなフライパンで出て来て、洋酒で焼いてくれます。その後オレンジの皮を擦って掛けてくれるのですが、とても美味しいですよ」

 ケーキにまつわる話だったら祐樹よりも雄弁に話せる。祐樹は最近、ケーキを口にするようになったが、それまでは全く興味を示していなかったので。

 隣に立っていた祐樹が意味有り気に肘で合図を送って来た。

 ついついケーキの話しに夢中になって祐樹の方を見ていなかったので、慌てて祐樹の横顔を見ると、笑みを含んだ柔らかい眼差しで、入口の方を見るようにと促された。

 すると、柏木先生が立っていて、腕時計見るようにというジェスチャーをしている。

 ケーキ談義のせいで――しかも祐樹の話術を密かに真似して笑いを取ることにも成功したという、自分にとっては会心の出来映えの会話術だ――体内の時計に注意が行っていなかった。

 そう言えば、もう受付が始まっている時間のハズだ。きっと柏木先生はそのことを伝えに下りて来たのだろう。

「お忙しい中集まって頂いて有難うございます。

 では、『焼きティラミス』が届くまで充分に御歓談下さい。

 私達はそろそろお暇しなければならない時間のようです。もう少しお話ししたかったので、大変残念ですが……」

 「大変残念」という響きが祐樹の口から真実味を伴って紡がれていたが、実際のところ全然残念に思っていないことは何となく分かる。

「大切なパーティの前にお時間を頂きまして本当に有難うございました。藤宮さん……じゃなかった、柏木さんの反対を押し切ってまで来てしまってすみませんでした。

 ただ、やっぱり来て良かったです」

 祐樹が気にしていた柏木看護師は「公の場所」という認識は一応有って、反対はしたらしい。

 自分は咎める積もりは無かったが、祐樹は柏木看護師の関与が明らかになれば、夫の柏木先生にでも何らかの注意は与える「由々しき問題」と思っていたらしいので、その意味でも安心してしまう。

 ちなみに藤宮というのは柏木看護師の旧姓で、その頃からの友達なのだろう。

「いやぁ、ビビった。あんな追っかけまで来るとは、な。

 病院長が二人を探していて、控室にも居ない上に電話を鳴らしても出ないのでどうしようかと思っていたら、清水先生が居場所を教えてくれて本当に助かった。

 ウチの医局の研修医も外科医としては有能だが、色々なことに注意を払ったり大局に立って物事を見たりということはまだまだ未熟だからな……。

 ああ、受付でひな人形――アクアマリン姫は『お雛様』みたいだったが、もう一人はキューピー人形だ――のように並んで受付業務に精を出していた。

 もちろん、田中先生の彼女探しをしながら。

 で、今日は『ウワサ』の彼女は来るのか?」













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最後まで読んで下さって有り難うございます!

昨日は更新出来ず済みませんでした。途中まで書いてはいたのですが「これ以上起きていたら、入院ラインに達するかも!?」と泣く泣くPCの電源を落としました。

入院も通院も想定以上にお金が掛かる上に入院は大嫌いなので。

こんな小説を書いていますが、実は大学病院には足を踏み入れたことすらないという……。

体調を第一にブログ更新はなるべく頑張ります。


ショーから始まる恋もある 53(I8禁)




「ヤだっ……イキたいっ!!シンっ……。指を外しっ……てぇ」

 白い枕の上に乗ったユキの紅に染まった顔が嫌々をするような駄々っ子のように振られている。しかもその上、切れ長の目が大きく開かれてダイアモンドのような涙を流しているのもとても綺麗だった。

「もう少し、我慢して……欲しい。もっと良くなるから……」

 体勢を変えて、ユキの背後から抱き締めた。もちろん根元の戒めはそのままで、ユキの細い脚をオレの身体に載せるような愛の形にした。

 ユキの可愛い乳首をもう片方の手で押しつぶしながら前立腺を抉るように衝いた。

「ああっ……んっ……ダメっ……逝き過ぎて……おかしくなっちゃうっ……」

 白いシーツの上でしなやかに反るユキの身体は人魚姫のような初々しさと艶やかさだった。

「おかしくなればいい……。オレと一緒に……おかしくなろう……。

 ユキの前立腺、コリコリしてて……擦ってて気持ち良い。さっきよりも大きくなった……ような感じだし。この可愛い乳首もヒクヒク動いているようだし……」

 浅い部分を小刻みに突きながら、ユキの中逝きを身体で唆した。

「ああ、指っ……解いてっ……。イキたいっ……。

 えっ……ああっ……んっ。

 シン、それ反則ぅ……」

 小刻みに律動を続けると見せかけて腰を大きくグラインドさせる。ユキの奥の奥がズチュリと音を立てた。この上もなく淫らで、そしてその音に混じってユキの甘い声が寝室を紅く染めていくような華やかさだった。胡蝶蘭のような趣きの甘い声が物凄く可愛い。

「ああ……んっ……シンっ、すごくイイっ……。イイけどっ……

 お願いっ……指を……解いてっ……欲しいっ……」

 ユキの甘い声は薄紫の胡蝶蘭が震えているような感じだった。

 それに華奢な背中が反る度に純白のシーツが紅く染められていくような錯覚を覚える。

「ユキの中、凄くいい……震えながら……締め付けてくる感じが。

 クセになりそうだ。

 ユキ、愛している」

 ユキの華奢な背中が紅色に反っては汗の雫をメレダイアのように撒き散らしながらシーツに落ちて行くのも物凄く扇情的な眺めだった。

 

「僕もイイよぉ……何か、身体中の、汗腺が……ぶわっと開いて、そして……身体の震えが止まらない……。

 でもっ……もう、限界でっ……。お願いだから、指を解いて……欲しっ……。

 前でも、イキたいっ!!

 お尻の中だけじゃなくて……。お尻の中は、ずっと逝ってて、快感の波が……嵐みたいに……後から後から押し寄せて……来てる。

 それも凄くイイんだけどっ……やっぱり、シンの熱くておっきいので、奥を思いっきり衝いて……白いのを……お腹の中で一杯にしてっ、そして、トドメを刺すようにイカせて……欲しいっ……」

 無邪気な子供のように泣きながら――と言ってもしていることは物凄くアダルティだが――訴えられるともっと泣かせたく思いと解放させたい気持ちがせめぎ合ってしまう。

 これも惚れた弱みかなと頭の隅で考えながら、指を解く瞬間にユキの奥の奥を思いっきり衝いた。

「ああっ……イクっ……両方ともで……逝っちゃうっ!!」

 ユキの白いエキスが白い蘭のようにシーツに飛び散っているのが激しく震えている華奢な紅い身体越しに見えた。

 と同時に、オレもユキの奥に欲望の丈を思いっきりぶちまけていたが。

「凄く良かった……。ほら、まだ、こんなに身体が震えているんだ……。お店ではこんなコトにはならなかったよね。

 それに、お尻の中とか乳首とかがまだジンジンしてる。

 あっ……ん、触ったらダメだよ……。また欲しくなっちゃうから」

 ユキのイチゴのように赤くなった乳首に指をあてると、子供のように首を振って拒むのも可愛い。

 ただ、愛の行為の余韻で紅く染まった素肌とか、甘くて蕩けそうな声は子供ではなくて何だか蝶の羽化を果たした感じで「大人」への階段を一気に登った感じだったが。

「ユキ……すごく綺麗だ。惚れ直した。というか、ユキを好きになったのは容姿じゃなくてどんな時でも理知的な判断が出来る点とか肝の据わった賢さだったんだが、今回のセックスで身体も大好きになった。

 そんな色っぽい顔をするようになるとは思っていなかったな――しかもたった一晩で。

 その顔、物凄く好きだし、そういう顔はオレにだけ見せて欲しい。

 誰にも見せないと約束してくれるか?」

 我ながら女々しいと思ってしまったが、ユキの蝶の羽化を果たしたような綺麗で色っぽい顔は物凄く好みだったので、ついつい懇願してしまった。

「え?僕がこんなことを許すのはシンだけだよ。

 ユリさんは気持ち良くしてくれるなら、誰でも良いとか言っていたけどさ。

 僕はきっとシンじゃなきゃ気持ち良くならないと思うし。

 栞お姉様も『リョウなら貴方を幸せにしてくれるわ』って言ってた。帰り際にさ。

 僕もそう思うし、こんなこと他の人とはしない。よ?

 それは約束する。

 シンの好みの顔なのかぁ……。この顔が。だったら、シンにしか見せないって約束するよ。

 あんっ……乳首をそんなに強く吸われたら、またヘンな気持ちになっちゃう。

 前立腺もキュンってなっているし……」

 ユキは言葉では抗いながらも何だか歓迎しているような雰囲気だった。

 ただ、ユキは若いから良いだろうが、オレの年ではキツい。

 しぶしぶ唇を乳首から離して、ピロートーク兼連絡事項を話そうと思った。



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気分は下剋上 学会準備編 360

「色々なケーキ屋さんで売っているモンブランって黄色い栗が載っている上に黄色い山のようになっていますよね?全然白くないです」

 説明した時からそういう疑問は出るだろうと――患者さんへの病状説明とかと同じで予め出そうな質問には答えを頭の中で用意していた――唇に笑みを深めながら説明を続ける。

「それはケーキ屋さんのネーミング時に、何となくカッコ良いからという理由で付けたのではないかと言われています。諸説有りますが。

 ドイツの方が付けた名前のバウムクーヘンは正確なドイツ語ですが」

 祐樹もドイツ語やフランス語の元になったラテン語の単語は知っているので――今の医学界では英語が主流ではあるものの、内臓などはラテン語で覚えさせるというのが医学部の旧弊さでもある――捕捉のような感じで唇を開いた。

「ちなみにバウムが樹木の木という意味で、クーヘンは輪っかの輪ですよね。つまり輪切りにすると、木の年輪のような模様が出て来るのでそういう名前になったらしいです。

 ――焼きティラミスよりもバウムクーヘンにしておいた方が良かったですかね?何だかそちらの方が『披露宴の引き出物』としては相応しいような気がします……。しかし、それだと余りにもあからさまかもですが……」

 自分だけに聞こえるように小声で囁かれて耳朶が紅くなってしまっていた。

 そんなに披露宴に呼ばれることはなかったものの、祐樹と自分の「披露宴」のために

色々調べた。その中には「木の年輪のように二人の夫婦が末永く一緒に暮らせるように」という祈りを込めた縁起物としてバウムクーヘンが良く使われているらしかったので。

「えと?モンが山でブランが白ですか。木の年輪は分かるんですが、だって、樹がバウムで年輪がクーヘンですよね?言葉が逆になっているようで混乱します……」

 素朴な疑問という風な感じで質問された。祐樹はラテン語についてそこそこ知っているだろうがフランス語には疎いらしくて「説明をお願いします」という感じの目配せを送ってきた。

「フランス語の形容詞で割と単語が短いモノ限定なのですが、語順が日本語と逆になります。何故そうなるのかはあいにく知らないのですが、そういう決まりだから仕方ないとしか言えなくて申し訳ないです。

 ブランは短いでしょう?ですから、山、白いという順番になったようですね。

 そして、モンブランは万年筆のブランドにも有りますよね?そういう意味では日本の富士山のように有名な山なので、山の形をしたケーキだからそういう名前になったのだと思います」

 「思う」とかいう単語は患者さんやそのご家族に対しての説明の時には禁句だが別に間違っていても良い――多分彼女達もある程度納得すれば後は調べないだろうから――場面なので気が楽だった。

「やっぱり、博識ですね……。物凄く勉強になりました。

 有難うございます。これだけ聞けただけでも来て良かったです……。あのう、焼き栗モンブランも是非食べてみたいのですが、どうやったら手に入りますか?」

 順々に手を挙げて質問してくれるのは有り難い。

 ティールームは隔離されているとはいえ、他のエリアには一般のお客も居るのでその迷惑になってはならないだろうし。

 清水先生が上手く集団心理を鎮めてくれたのを心の底から有り難く思った。

 お父様の病院への貢献度とかも加味してテーブル席を割り振ったのは正解だったとしみじみと思った。

 これが生粋の外科育ちの久米先生だと、同じテンションで話してしまって収集がつかなくなる恐れがあったので。

「ああ、それでしたら『焼きティラミス』が入っている袋の中にお店のホームページのアドレスが記載されていますし、そのアドレスを入力するのも――私などはそのパターンですね。httpsから始まる長い文字列を正確に打つのが苦手でして、98%の割合でエラー表示が出てしまいます、ここだけの話……」

 「え?田中先生も……」とかクスクス笑いが春の風のように広がっているのは祐樹の計算通りなのだろう。若い女性が多いので何だか女子校のノリのような気がする、ドラマの中でしか知らないが。何せ理系クラスに居たとはいえ一応男女共学の高校に通っていたので、女子校のことは全く知らない。

 それに祐樹がPCを使うところも良く見ているが、サイトのアドレスを打ち間違えたことは一度もなかったし。

「とにかく、私のようなエラーが出てイライラする方も多いと思いますので、グーグ○でもヤフーでも何でも良いので検索エンジンに会社名と商品名を入力したらヒットしますので、そこから購入ページに進めば良いかと思います。

 教授はどちらがお勧めですか?」

 いきなり話を振られて内心驚いたが、この場に集まっている女性の2割程度は自分に会いに来てくれた人達だろう。その人達へのサービスはしないといけないので祐樹も敢えて自分に話を振ったと思う。

「栗のモンブランは、焼き栗の香ばしさと何故かサツマイモの味もするのです。

 ですから、甘いモノが苦手で、栗やサツマイモがお好きな方に向いていると思います。

 『焼きティラミス』はチョコレートの香ばしさが最高ですし、バターの風味も生地にしっかりと沁み込んでいるので、甲乙付けがたいです。

 その日の気分とか、苦いコーヒーのお供には『焼きティラミス』がお勧めで、紅茶にはモンブランが合うと思います。

 業者の回し者ではないのですが……」

 そこまで話した時に、自分的には意外なことに好意的な笑いが広がって行く。こういう展開は初めてなので内心戸惑ったが、皆が楽しそうなので良しとしよう。


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最後まで読んで下さって有り難うございます。不定期更新しか出来ませんが、ご容赦下さい。体調は……イマイチです……。入院にならないように頑張ります><

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