腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します

2019年08月

気分は下剋上 アメリカ編 26

「ウサギ小屋って言いますが、日本の学生はこういう場所に住んでいるモノです。地価は高い上に山地もたくさん有るので居住地域が限られていますから、ま、こんなクールな外観ではないですけれどもね」

 「クール」の辞書的意味は「冷たい」だが、アメリカでは褒め言葉として使われる。ただ、百合香ちゃんに――英国の外交官夫人が家庭教師に来てくれる例の患者さんだ――確かめたわけでもないのでイギリス英語では使うかどうか分からない。ただ、若干皮肉な響きを持たせたのはケンも分かったのだろう。

 予算1万円が病院の規則なので選択の余地がほぼ無いなかで、日本だとファッション・ホテルかと見まがうような派手派手しさだった。

「今度サトシも一緒に来ても、こんなウサギ部屋なのかい?」

 レシート類を大切に財布へ入れていると――何しろ領収書がないと自腹というシビアさだ、ウチの事務局は――興味津々といった感じで聞いて来た。

「出張費はポジションによって異なります。ミレニアムビルトモアホテルほどの良いホテルは多分無理でしょうけど……」

 祐樹も一応ホテルの情報も調べた上で、イタリア風の瀟洒な重厚さの漂うホテルの内装に心惹かれるモノがあったのがこのホテルだった。ただ、英国式のコロニアムスタイルの好きな最愛の人の評価は聞いていないので分からない。

「サトシも来るのならビルトモアの部屋を取ろう。ああ、寝室は二つで良いのだろう。そういう部屋を押さえるので。ああ、心配しなくとも良い。あそこのオーナーは旧知の仲なので。

 ああ、それともお邪魔かな……」

 祐樹が調べた限りではまるでイタリアの王様とか執政官が住むような豪華な質素さが上手く調和しているホテルだったが、ホテルに泊まるイコール「そういう行為」をして来た最愛の人がいくら自分の性的嗜好を知っている友人とはいえ、「愛の交歓」をするかは別問題のような気がする。自分達は少数派だが、多数の異性愛者だって恋人なり夫婦なりとその友達がいくら広いとはいえホテルの同じ部屋で行為をするかというとしないような気がする。そんなデリケート過ぎる話しはしたことがないのであくまでも憶測だが。

 ただ、以前愛の交歓の最中に身体の位置を変えるという、祐樹的には当たり前のことをしただけで物凄く不安そうな表情を浮かべていたので、自宅ではなくてわざわざホテルのベッドに来ているのに何故「そういう行為」をしないのかと思われてしまいそうな気がする。

 最愛の人は――最近になってようやく気持ちを遠慮なく話してくれるようになった――どう思うのかは分からない。そういうシュチュエーションになったこともないので。

 ああ、道後温泉の時には医局の皆が同じ旅館だったな……とセピア色に煌めく想い出の宝箱を開けた想いがした。

 ただ、あの時は幹事という特権を活かして医局員とは思いっきり部屋を離した上に、寝室は扉からかなり離れた広い部屋に「一人」で泊まるという設定だった。その上で夜這いを敢行したのも今となっては本当に懐かしい。祐樹を待つ間に手慰みで折った鶴は祐樹の宝物の一つで、今も部屋に飾ってあるが。

「それは彼に聞いてみないと何とも……」

 医局を代表してアメリカの学会にもコネクションを作ろうという下心も有って来たことは確かだが、当然ながら学会はNYでもサンフランシスコやボストンでも開かれるので最愛の人と訪れるのは此処とは限らないし。

 それに遠藤先生の論文が学会の審査に通って、それを執刀医としての立場からサポートするということにでもなれば祐樹は間違いなく日本で留守番だろうから。

 今回だって、主治医を務めている患者さんを他の医師に引き継いできた。だから二人が来ることも当分はないだろうな……と半ば寂しく思ったが、社会人なので仕方ない。

「まあ、そうだな……。サトシがユーキの隣で幸せそうに笑っているの絶対に見たいと思うが、寝室まで覗こうとは流石に思わない。覗いてもイイと言うなら喜んで見に行くが、ハハハ」

 何が「ハハハ」だよと思ってしまうが、この底抜けに明るいアメリカ人に、かつての最愛の人の心がどれだけ癒されたか分かるような気がした。

 もともと悲観的な思考の持ち主な上に――祐樹が意図したわけでもないし、そもそも存在すら知らなかった――「祐樹が綺麗な人(彼基準)を口説いているのを見た」せいで傷心とショックの余りアメリカに旅立つような人なのだから。

 思い込みが激しいというか、普段の理知的かつ落ち着いた気持ちの持ち主だが――それは心の底から好ましいと想っている――衝動的になにをするのか分からない怖さも持ち合わせている。その突発的な行動が全て祐樹絡みというのは嬉しい限りだったが、これからは最愛の人にそんな思いはさせたくない。思いだけでも駄目なのに、行動に移されたらと思うと身の毛がよだつ由々しき事態だ。

 まあ、今では祐樹の永久の愛情を疑ってはいなさそうなので大丈夫だろうが。

「いやあ、サトシがご執心のことはあるなと思った。

 あのキョウトの地震を報じる日本の国営放送の映像を――と言っても、割かれた時間は僅かしかなかったが――見た時のサトシの変わり方に正直驚いた。そしてその隣にいるユーキは自信過剰のようにも見えたのも事実だが、上手く付き合っていることだけは分かったので、テレビの画面そのままの鼻っ柱の強そうな人間だったらガツンと言ってやらなくてはならないなとも思って空港まで行ったのだが、どうもそんな感じはしない。テレビ映りのせいだろうか?」

 NH〇は国営放送ではないが、それを説明してもしなくてもどうでもいい問題なのでスルーした。

「自意識過剰と見えたのは、多分、彼のサポートを必死でこなそうとしていて我武者羅にボランティアの学生とか医師団へと指示を飛ばしていたからだと思います。

 あの場の責任者はサトシでしたが、彼が泰然自若とした指揮官に映るように私が色々動いていたせいかと……」

 ケンはこの狭い――そして確かめたわけでもないが――壁も薄そうな部屋には不似合いなほどの大きな笑い声を上げている。

 祐樹としては何がそんなに楽しいのだ?と思ってしまったが。



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気分は下剋上 学会準備編 343

「なんだかプラチナの爪っていうのですか?それが不ぞろいなうえに新しいのと若干古いのが混ざっているみたいですが……しかも古い箇所はなんだかプラチナというよりもくすんだ銀みたいです……」

 祐樹の視力の良さと目敏さはよく知っていたものの、そこまで指輪を――しかも自分のではなくて呉先生のモノだ――見ていたとは思わなかった。まあ、見られて困るものではないのでその辺りはどうでも良かったが。

 ただ、祐樹のご尤もな指摘に広い肩に載せた首を起こした。

「ああ、その件か……。実はこの爪の部分が何かに引っかかったらアメジストが取れてしまいそうなくらいに歪んでいた。だから念のために百貨店に行ってお直しを頼んだ。

 『披露宴』の時は祐樹が贈ってくれたチェーンに通してシャツの下に入れる予定だが、不測の事態が起こらないとも限らないだろう?

 それにこの指輪は呉先生が森技官から最初に贈られた大切な指輪だし、こういうスミレの花を象ったデザインの場合、石が取れて無くなってしまった場合、探すのが大変だとも思ったので」

 万が一の場合だが、祐樹から初めて貰った指輪のダイア部分が取れたとしても――いやそんなことがないように万全の注意は払っているけれども――仕事を含めた生活に100%は存在しない。有るのは100%により近付けようとする努力だけだ。自分の手技だって、99.9999%は上手く行ったとか、99.99%に過ぎないだろうと自省することは良くある。

 ちなみに手術が完了した後に祐樹の輝く眼差しが称賛の光を帯びるのは99.8%以上の出来の時だ。

 といっても並みの外科医なら80%で良しとすると厚労省の委員会で雑談している時に聞いた覚えがある。

 明日を迎える薔薇色に弾む気持ちのせいで、思考もなんだか色々なところに転がっていく。

 そういう精神状態になったのも初めてだが「披露宴」前夜という心の昂ぶりのせいだろう、きっと。

 祐樹に最初に貰った指輪はお母さまから託された物なので自分にとって世界にたった一つしかない貴重この上のない物だが、石が外れた場合、祐樹に充分謝った後に、同じカラット、同じグレードの石は探せばすぐに見つかることも事実だった。

 しかし、こういう粒の大きさと色が揃ったアメジストを一個だけ探すというほうが難しいだろう。

 そもそも供給量とか市場に出回っている量も異なる上に色合いや大きさもダイアのようにきちんとしたルールがあるわけではないので。

「ああ、だからこのプラチナ部分はピカピカなのですね。

 しかし、このプラチナが綺麗な光を放っている分、ほかの部分のくすみが気になります。それに爪が取れそうって、いったいどんな使い方をしたのでしょうか?ある意味器用ですね、呉先生は……

 それにダイアと違って同じ色と大きさのアメジストを探すのは物凄く大変だと思いますので早めに対処して良かったと思いますよ」

 プラチナがくすむことはほぼないが、スミレの花を象った繊細な感じの指輪だけに、自分のダイアの指輪とは異なって細かな細工が施されている。その微細な凹凸にゴミのようなものが溜まっているのだろうか?

「せっかくの呉先生の格別なご厚意に応えないといけませんね」

 祐樹の声が落ち着いた響きで肩から聞こえた。祐樹の広い肩に頭を凭せ掛けていたので。

「それはそうだな……。私も頼んだ時に……」

 祐樹がかすかに身じろぎをして眼差しを絡めてくれた。それだけで薔薇色のシャンパンの心にダイアモンドの細かな泡が止め処なく立ち上ってくるような気持ちになる。

「なんと仰って頼んだのですか?」

 興味津々といった感じの声が近い場所から降ってくるのも薔薇色の心が弾む。

「『知る限りで最も幸せな愛情に満ちた生活をしている友達から借りたアイテムを身に着けて臨むと、その友達以上に幸せになれる』と読んだので貸し出しても構わないものを一時貸して欲しいとか言ったような気がする」

 あの時は色々と行事が立て込んでいたので――仕事は絶対にミスは出来ない上にテレビ出演とかサイン会とかの出版行事が目白押しだった――細かいところまで覚えていない。

 いや、普段ならそういう些細なことも完璧に覚えているが「披露宴」とかの心が浮き立って天国に上りそうなほどだったので自分にとっては例外中の例外だった。

 祐樹は普段「覚えるべきことは覚えますが、それ以外の些細なことだと判断した場合は記憶のごみ箱にまとめて入れます」と言っていたが、そういう気持ちを身を以て体験した。

 覚えることが多すぎる仕事柄、祐樹のような対処法が最も賢明なのかもしれない。

 ただ、自分の場合は記憶容量も多いらしいので全部覚えてしまっていたが、今回のことは容量の多寡ではなさそうな気がした。

 幸せすぎて脳が浮足立っていたというのが正解に近い。特にプライベートな事柄に関しては。

「ああ、なるほど……。そういう言い方だと呉先生も心よくその指輪を貸してくれるでしょうね。

 森技官と呉先生が『披露宴』めいたことを――まあ、彼らがそんな機会の来ることはないような気がしますが未来のことは誰だって分かりませんからね――する時にはダイアの指輪を貸してあげて下さい。許可なんて要りません……と言いたいところですが、この惨状を見ると……」

 手首を優しく掴まれて、祐樹の黒目勝ちの瞳の近くまで持ち上げられた。

「森技官……いや、あの人も神経質そうで実はそうでもないような気もします。ああ、どうすれば……」

 祐樹も貸して上げたいのはやまやまといった感じだったが、不慮の事故を想定しているらしい。まあ、一部新しくしたせいで余計に目立つプラチナのくすみを見ると、大切なものだけに不安が募るのだろう。


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ショーから始まる恋もある 21

「ね、お兄さん達もさ、良かったら四人で一緒に愉しまない?」

 アイは赤い舌を舐めてからそう誘って来た。

 オレはそういう場所に行くほど無謀ではないのでいわゆる「ハッテン場」に足を踏み入れたことはないものの、そこでは相手を替えてとか数人がかりで……とかも有るらしい。

「おお、それは良いな。ずっと見ていただろう?見ているだけで身体が火照るんじゃないか?」

 ヒロシという中年男はユキが目当てらしい。

「いえ、僕はリョ……いや、この人以外との行為はしないと決めていますから。

 見てたのは謝ります。ただ、素晴らしいテクニックとかアイさんの綺麗さに惹かれてしまって目が離せなかったからで……。その点は済みませんでした」

 そもそも店に帰らなければならない身の上だったし、二人の誘いに乗るつもりは毛頭なかったが、ユキの断り文句を聞いてやはりこの子は相当賢いのだろうなと思ってしまう。

 誰の気も悪くさせない上に、オレの名前も――どうせ源氏名だが、本名から取っているので特定されたら厄介であることには変わりがない――サラリと言い換えた点とか。

「すみません、少し時間が押していまして」

 ペコリと頭を下げて、ユキの細い腕を掴んでその場を後にした。

「アイさんっていう人、演技だね。本当はヒロシという人とあんなことをしたくなかったんじゃないかな?」

 それはオレも思っていたが、ユキがどうしてそう思ったのか気になった。

「何故そう思ったんだ?」

  ユキの白い顔がネオンの光りで紅く染まっているのが綺麗だった。そして多分下着から太ももへと滴っているモノの違和感を必死で押し隠しているのだろう、細い眉根を寄せている様子もとても綺麗だった。

「ヒロシという小父さんが抜き差しするタイミングじゃないのに声を上げていたことかな。

 また、イク時に手で必死に擦っていたでしょ?お尻で感じているとか言っていたけど。

 僕もユリさんに聞いたことと、リョウとしかしたことがないけれど、お尻だけでイケてないってことはそんなに感じてなかったと思う。自分の手で気持ち良くなるってそんなの一人ですれば良いコトでしょ」

 その程度は――ユキの場合知っていることと知らないことが普通の若者とずれているので把握しづらいがその程度は知っていたらしい。

「いや、慣れてくると、尻と前両方弄らないとイケなくなる身体になるらしいぞ。前だけだと物足りなくなるなって、入れて貰いたくて堪らなくなるとか。そうなった時恋人とかが居ないと何でも突っ込んでしまうらしい」

 聞きかじりの知識を披露してみた。

「うーん。それは慣れていないから分からないけれど、アイって人はお尻を満たされていたわけでしょ?リョウは前だけじゃ我慢出来なくなると言っていたけど、お尻に入っているから順番が逆じゃない?」

 ユキが明晰な口調と艶っぽいため息を交互に零している。多分可愛いピンクの穴からタラタラと零れているモノのせいだろうが。

 それはそうと、お店にはシオリお姉さまが待っているから帰らないといけないし、お金も欲しいんだけど――」

 オレが感心して聞いていると、ユキが我に返ったように言った。

 今頃、集団心理だか群集心理だかで店の中は大変なことになっているに違いない。

 女王様然として冷然と座ってヘンリーⅣを水のように、すいっと呑んでいた詩織莉さんだって巻き込まれているかも知れない。

 オレも――嫌々だが――抱こうと思えば女性も行ける。そういう人間も一定数居る上に、あの若さと美貌だ。無理やりということも考えられる。

「シオリお姉さまなら大丈夫だよ。あの人に指一本触ろうとしたらユウジとか司会者とかが黙っていない。それこそ有り金を全部取られて、全裸で放り出される位のことはするよ」

 詩織莉さんが単なる――というと語弊があるが――伝説的女優だけではない顔があるらしい。

 まさしく君臨する女王様のような感じで。

「そうか……。それなら良いが」

 ユキが細い眉根を寄せて真剣そうな透明な眼差しで見上げて来た。

「シオリお姉さまのこと好きなの……かな?あんなに綺麗な人だもんね……」

 話すほど紡ぐ言葉が小さくなっていくのが物凄く可愛い。

「好きか嫌いかで言ったら好きだ」

 ユキが華奢な身体が萎むほどの大きなため息をついていた。その様子も物凄く可愛い。それこそ、あんな店に戻らずにオレの家に連れ帰ってベッドで可愛がりたいくらいに。

「しかし、それは彼女がオレの上客で、しかも定期的に店に来てくれて会話を楽しんでくれたり、ああいう刺激的なショーに『店外デート』に誘ってくれたりするからだ。

 オレの太客の一人で、しかも彼女が来店してくれると、バカ騒ぎが得意な一派とかお客様をわざと邪険に扱って――それでそのお客様に「特別感」を与えるというやり方だな。ま、そういう小手先のテクニックも認めるがオレ個人としては好きではない。そういうホストを冷然と突き放すところとかが『好き』だな。

 それに、オレはこんな商売をしているが男の方が好きだし」

 けばけばしいネオンに照らされたユキの顔がパッと紅く輝いたような気がした。

「そうなんだ?

 迷惑じゃなければリョウのことを色々聞きたいんだけれど、それはショーが終わってからで良い?

 今はさ、さっきのカップルの行為を見て、あんなんじゃショーにならないなって考えていたとこなんだ」

 この適応力と頭の切り替えの早いところなどにも驚かされた。もちろん良い意味で。

「どういう点が?」





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気分は下剋上 学会準備編 342

「図書館の入口にはバーコードを解除しない本を検知する機械が設置されているのです。知りませんでしたか?」

 意識していなくても全ての物を暗記してしまうので――祐樹に指摘されるまでそれが普通だと思っていたが、どうやら人に誇るべき能力らしい、吹聴する趣味はなかったが――

「あの入口に設置されている中途半端な高さの白い機械か?」

 学生時代自分も図書館を利用していた。と言っても学生証などの必要な物は提示して正規の手続きを踏んでいたのは言うまでもない。

 ただ、図書館の入り口の両側に設置された機械は当然覚えている。当時は何のためにこんな古びた建物の中にピカピカの機械を設置してあるのか疑問に思ったことも。

「そうです。仕組みは全く謎ですが、とにかく司書さんがバーコードだと思いますが……。とにかく『貸出可能』かどうかが分かるようでして。もし、司書さんのチェックがまだの本をカバンに入れておくとブザーが鳴り響きます、それも大音量で」

 「披露宴」前日というのは、今まで遇ったことを色々話す日というのも側面もあると思う、多分だが。

 だから、祐樹をキャンパス内で一目惚れをした「記念の場所」だし、大学時代のことを話すには打ってつけの夜かも知れない。

「大音量で?図書館は私語厳禁だろう……。電話だって『着信音が鳴らないようにして置くように』と大きく書いてあったが?」

 図書館で勉強をする学生も多かったが、その理由は「静かで集中出来るから」ということだったと記憶している。

 自分は集中力には――しかも四分割、いや頑張ればもっと可能だと思っている――自信が有るので、図書館には本を貸出などでしか出入りしていない。借りた本は救急救命室のボランティアの時の――医師免許は学生だったので当然持っていなかった――通称・凪の時間などに読んでいた覚えが有る。その他でも読んではいたが。

「二重の見せしめですよ……。一つはその学生に対して厳重注意をしやすくするために先ずはパニックにさせて……ほら、人間の心理として動揺したり焦ったりした時の方が言うことを聞かせやすいですよね。

 それと、図書館で集中している学生は、貴方ほどではないものの集中力に秀でた人もたくさん居ます。そういう人すらサイレンのような音を出すと流石に反応するでしょう?そして音のする方を見るのが人情ですよね。

 そして司書の女性に怒られている学生をじろじろ見るのも。

 その「犯人」は司書からは怒られ、図書館で勉強していた学生達に迷惑とか顰蹙の冷たい眼差しを送られるという羽目に陥ります」

 確かに大学の図書館に有る本は一冊数千円から万円単位だ。だから、こっそり持って帰ろうとする人間は居るだろうが、そういう目に遭うとは知らなかった。

「実際タダで本を入手するという目的も確かに有りましたが――カバンの中に忍ばせた学生は自業自得だと思います。間違って入れるという可能性は極めて低いので」

 大学の図書館に置いてある本は出版科が――今は出版部に格上げされたが、祐樹と自分の本の売り上げが予想を遥かに凌駕していて、病院長も事務局長も嬉しい悲鳴を上げていると聞いているので当然の結果だろうが――出した論文集が一番薄い本で、それだって確か3千円とか値段がついている。表紙は厚めの紙で覆っただけという粗末な本なのに。

 それ以外はハードカバーだし、ページ数も千ページを超えている。それに医学書などは写真もふんだんに使っているので紙もそれに合わせて良いモノを使っているのでかなり重い。

 だから「うっかり」カバンなどに入れたりはしない類いの本なのは間違いない。

「それはそうだな……。大型書店で売っているようなのは3千円くらいで有るが、講義で使うのとかは一万札が数枚吹っ飛んでしまうからな」

 ページも多いし図解も優れているので重宝なのは確かだが、例えば呉先生のように「血が嫌いなので外科は単位さえ貰ったらそれで良いです!」みたいな人からすれば一万円札が飛んで行く事態は避けたいだろうなと思う。

「それで、義憤を覚えたという動機も有りますが、窓から本を投げれば良いんじゃ?と思いついたわけです。

 もちろん、閉館間際の学生が居ない時間を選びましたし、下に人が居ないことも確かめました。

「ああ、なるほど……。要は白いゲートめいたものを通らなければバレないということか……」

 厳密に言えば窃盗罪が適用されそうだが、その辺りは祐樹の機転で何とかなるだろう、多分。

 そして、そんな「悪事」が露見していれば文芸学部と異なって医学部は少人数しかいないので絶対にウワサになる。そしてまさか警察沙汰にはしないだろうが、成績表とか考課表に――医局に入る学生はそういう書類も添付しないといけない―――記載されてしまうので狭き門としても有名だった心臓外科には入局出来ない仕組みだ。

「バレなくてよかったな……。もし、祐樹が心臓外科に居なければ私は帰国していない。いや、ウチの病院の、どの科に居ても帰国する気にはなったかも知れないが、その場合どう接触するか物凄く悩んだと思う……」

 祐樹のしたことだから心配はしていないが、やはりこの小さな僥倖に感謝の気持ちで一杯だ。

「露見するリスクが有るならばしませんよ。私が望むのは完全犯罪です」

 笑いながらそう告げる祐樹の自信に満ちた瞳の輝きに見惚れてしまった。

「あれ?この指輪」

 話しながらも手慰みのように呉先生から借りた指輪を回していた祐樹が不思議そうな声を上げた。



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ショーから始まる恋もある 20(I8禁)

 

「ああっ……んっ……零しちゃう……」

 先程の声よりも艶っぽさが増している。素人どーてー君だったら、それだけでイってしまいそうなほどだった。先ほどのショーでオレが舞台に上がる前にあんなに嫌がっていたのと同じ人間だとは思えないほどに艶やかさと淫らさと無垢さがオパールのように多彩な色を放つような綺麗な喘ぎ声だった。

 片手で谷間を開きつつ、中指を肝心な場所を確かめるように動かした。

「あんっ……中から零れて……止まらないっ」

 白いワイシャツを着たユキの乳首もオレの舌と歯で弄っていたお蔭で布地にピタリと貼り付いていて可憐かつ淫らな突起と化していた。

「下着もだいぶ濡れているな……。ほら聞こえるだろう?」

 指を動かすと、淫らな音が路地裏に小さく響いている。

「うん……。聞こえる……。でも、ああんっ……」

 濡れて貼りついた乳首が可憐過ぎてつい舌で全体を確かめるように辿っていると、よりいっそうユキの身体がオレの方へと仰け反って来る。

「こっちはどうなっている?」

 前に手を回すとしっかり立ち上がっている。

 これが二回目とは思えないような適応力に内心驚いていた。

「ああっ……拓かれていくのが……あんっ……あん……」

 ユキの声ではなかったし、何だかワザとらしい感じの喘ぎ声だった。

 この辺りは「そういう」店が多いので「店外デート」の――もしかしたらオレの業界のようにお客さんと店の外に出るには別料金になっているのかもしれない――お取込み中なのだろうか。

 そこそこ綺麗な顔立ちをした華奢な青年とお金持ちオーラ全開の中年男性が繋がっていた。

 そして、男性が後ろから衝きたてる度に「あんっ……おっきくて……硬いの……僕のお腹に……入っているっ」と言っているものの、こちらからはそんなに興奮していないことも分かってしまう。

 多分、「そういう目的」の店外デートの料金は高いのだろう。だから嫌々ながら付き合っているといった感じだった。

「今頃、あの店では群集心理で大変なことになっているのは想像がつくよな?」

 ユキも身体を繋げている二人を見ていた。それも他人の「行為」を覗き見しているという感じではなくて、研究者が対象物を観察しているような眼差しで。

「それはそうだね……。ユリさんなんてノリノリだったし……。ただ、ユウジさんのおっきいのじゃないと奥まで届かないとかで……。本当はユウジさんとしたかったと思う。

 だけどそれとリョウが手を止めたのはどう関係が有るの?」

 ユキが不思議そうに聞いている間にもお盛んな二人の――いや本気で興奮しているのは一人だけかも知れないが――行為は続いている・

「ああっ……奥の奥まで届いてっ……気持ちイイっ!!」

 そんなことを言いながらオレの顔を見て嫣然と微笑んでいる。まあ、ルックスもだが、その中年男性の息子よりも立派な物を持っている自覚は有ったので、当然かも知れないが。

 ただ、お相手をする気にはなれないが。顔は整ってはいるが、いかにも頭の弱そうな感じだったし「奥まで届く」とか言っている時点で――まあ、それを信じる人間も居るのだろう――括約筋の奥のS状結腸まで届いているという意味ならあの小父さんのモノは長さが足りない。

「ユキ、あの青年は演技をしている。それでもああやって盛り上がっているだろう?

 粗末なシロモノでもあんな演技が出来るのだから、ああいうのも見ておいた方が良い。

 それに、オレ達の場合は舞台に上がるわけだからその点も加味して勉強をしておいた方が良いと思う……」

 ユキとのお愉しみを邪魔されたのは残念だったが、それよりも優先すべきは舞台に上がったオレ達、いやユキが皆の視線を集めて、そして目当てのお金を稼ぐことだろう。

「そうだね……。人がしているのを見るのも勉強だし、舞台の上で一番観客の目を惹くようなショーを見せないといけないもんね……」

 先程のオパールのような艶っぽさではなくて、何だか真摯な声でそう言って来た。

 オレもユキの身体から手を離して、その真剣さを助けようとした。

 ただ、ユキはオレの肩に頭を載せて来たのは嬉しかったが。

「ああっ……。ああんっ……。乳首も虐めてっ……。

  イケメ……じゃなくて……あの可愛い子が、興味津々で……見てるから、あの二人にっ、あんっ強いっ……当ててるだけでも、凄いのに……動かれたらっ

 あの二人に見せつけようよ。ヒロシさんも、興奮するでしょう……だから……頑張って」

 どうやら見物の許可を貰ったようだったし、ユキもこんな特等席で――と言う割には寂れているが仕方ないだろう――「他人の行為」をじっくり見る方がこの後に控えている本番ショーの参考になるに違いない。

「ああっ……イク……イクっ……。ヒロシさんが凄すぎてっ」

 青年が自分の息子を擦りたてながらオレの顔を見ている。何だか「おかず」にされたような気もしたが、その辺りは気にしないようにしよう。

「そうか。私の息子がそんなに良いかね……」

 荒い息を吐きながら満足そうな声で確かめている中年男ももうすぐフィニッシュだろう。

「ああっ……イクっ……。乳首ももっと虐めてっ」

 中年男のモノも――多分だが――極限まで大きくなっている。

 少女のような乳首だったが、色素沈着が気になってしまった。そこにも太い指が強く摘まんで捻っていた。

「ああっ……」

 青年が白い液をピシャっという音を立てた。

「うう。もう堪らないっ!!」

 中年男の律動が一際激しくなった末に、満足そうに身体を震わせてフウと息を吐いた。

「ヒロシさんのおっきなの、とても良かった。また誘ってね。アイのココ、ヒロシさんのじゃないと嫌だって言っているし……」

 こんな気持ち良いコト、ヒロシさんとなら毎日したい」

 アイという青年はオレの顔を見ながら言っている。しかも、その眼差しは明らかにオレに媚びを売っていた。

 ヒロシというのは良い金蔓なのだろうが、だったらそっちの客に集中しろと思ってしまった。

 ユキはずっと身じろぎもしないで行為を見ていた感じだったがどう感じたのだろうか?






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