腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します

2018年07月

気分は下剋上 学会準備編 132

「白衣もこの上なく祐樹に似合っているが、黒のスーツも、えっ……」
 突如として巻き起こった小さな疾風と羽ばたきの音に反射的神経だけで対応した。この小ささとは思えないほどの迫力に一瞬頭が真っ白になってしまって。
「まあ、ある程度は想定していましたけれど、この橋に何時もいる鳥――正式名称はあいにく存じ上げていませんが――はパンなどの食べ物を持つ人間には特に目敏いらしいです。
 そして、取られない人間というのは、予め心の準備が出来ている人だけらしいですよ。それ以外は『絶対に』取られるとか。
 貴方の反射神経も殊更優れていることは存じ上げていましたから、予備知識なしで臨んだらどういう結果になるか試してみたかったのです。
 本当は軽いパニックに陥れて恋人の胸に顔をうずめる貴方のアクションを淡く期待はしていたのですが、なかなかそう上手くはいかないようですね」
 咄嗟の出来事に目を見開いたままの自分の顔を真面目な感じで見下ろしてくる祐樹が口調とは裏腹にちっとも残念そうではなく、むしろ誇らしそうな輝きを瞳に宿している。
「いや、とてもビックリした。だからこのメロンパンなのか……?
 それにしてもあの鳥の小ささとは裏腹の凄い迫力にとても驚いて防ぐのがやっとだった。
 ただ、このゲームはとても面白いな。
 確かにあの勢いと迫力に圧倒されて手に持ったパンなどは手放してしまうだろうが……」
 祐樹の悪戯っ子のような瞳の輝きが称賛の色を宿して自分だけを見詰めてくる一時の甘い時間に酔いしれた。
「往年の名作に『鳥』というパニック映画がありますけれど、こちらは一羽であのインパクトですからね。
 貴方ならもしかして避けきれるかと思っていたのですが、案の定でした。
 ただ、そうやって無垢な煌めきを宿して無防備に見開いた綺麗な瞳を拝見出来る機会はそうそうありませんから、眼福です。
 最近の貴方の笑みとか全体の雰囲気が瑞々しい生気に満ちた大輪の花のようになって、それはそれで水を滴らせたダイアモンドのようで綺麗ですが、そういうあどけない表情を、しかも前髪を上げたままで浮かべていらっしゃるのを見られるのは私だけの特権のようで嬉しいです。
 わざわざ地下鉄に乗って来た甲斐が有りました。
 そのパンを千切って鳥に食べさせに参りますか?そういう穏やかな時間もこの頃は全く取れなくて申し訳なく思っていたのも事実です」
 鳥類にさしたる興味もないが、祐樹が隣に居てくれるなら何でも嬉しい上に、鳥に餌を上げるというシーンはテレビの中だけでしか観たことがないのも事実で、実際にしてみるいい機会だった。
「そうだな……。では河原の方へと下りるか?この恰好だと何だか恥ずかしいが……」
 先ほど居た四条河原町とは異なって出町柳は学生達も多いので何だか気恥ずかしいのも事実だったし。
 確かにこの橋を渡る学生達はあの鳥たちの存在を知っているらしく、今時の学生の流行りなのかリュックを前に抱いて速足で通り過ぎていく。中にはそれでも「取られた」と悲痛な声を上げている女子大生と思しき人もちらほら存在している。
「予め備えていてもあの有様ですからね……。この橋を渡る時には食べ物を持っていてはいけないらしいですよ。
 ああ、呉先生なら絶対に取られますよね……。機会が有れば森技官に耳打ちしておきます。あの人も割とそういうことを面白がる性格でしょうから。
 そして頼られるのを何よりも好んでいますし、打ってつけの散歩でしょうね、あの二人にとっては……。
 それに母からのメール貴方にも行っているでしょう?例の出版記念だか何百万部突破だかのパーティの時にお会い出来るのを楽しみにしていますと呉先生から丁重なメールが来たとかで、母もとても喜んでいました。
 私にまでそんなメールが来るのですから当然貴方には更に長い文面で送信されているハズです。
 血を分けた実の息子よりも、その恋人の貴方のことをずっと気遣っていますからね。まあ、私としては親孝行が出来て一石二鳥ですが」
 河原へ下りる小さな道は足元に注意していないと直ぐに転びそうになる。要所要所では祐樹の腕が優しくリードしてくれていたが。
 そういう何気ない優しさも祐樹の魅力の一つだったし、それに甘えられて委ねられることが出来る自分の立場を心の底から嬉しく思った。メールは来ていると眼差しで伝えながら転倒だけはしないように気を付けて下りた。職業上、ケガ――しかもこんなプライベートな場面では特に――をしないようにとか体調管理には留意している。
「ビニール袋は破いた……」
 河原へと無事に下りて手に持ったメロンパンを目の辺りに掲げた瞬間、虚空から羽ばたきと共に飛鳥が一直線に疾風のように下りて来たことを確認して腕を伸ばした。
 百戦錬磨と思しき鳥なのでビニール袋の破り方くらい知っていそうだった。それに最新の学説では恐竜から進化したのが鳥だそうで、知性も持ち合わせていると書いてあった記憶がある。
「今はスーツとシャツに覆われていますが、貴方の二の腕の細さと形の良さは手術室ナースの密かな憧れの的だそうですよ。
 彼女達だけではなくて、もちろん私もその点『にも』惹かれていますが。
 指の長さと形の良さが一目惚れの原因でしたが、しなやかに伸びた二の腕の方が細いのはある意味少年めいていて、庇護欲をそそります。
 肌を隠すモノがないという点では病院内でも自宅でも変わりがないのはとても残念です。
 職業上仕方のないことでは有りますが……」
 以前は自分が努力して得たモノの方が、生まれつき持ち合わせている身体とか容姿よりも重要だと頑なに信じ込んでいた。しかし、今は祐樹が褒めてくれるのなら何だってとても嬉しい。
「そうなのか?手術室のナースが何を言っているかは知らないが、この世に一人しかいない最愛の祐樹の視線を奪えるのならとても嬉しい。……祐樹の熱い体温と乾いた指で触れてくれたなら、もっと幸せなのだが……」
 あっという間に――ドラマで観た鳥はもっと上品にパンを啄んでいたような気もするが現実はこんなものなのだろう――メロンパンが無くなってしまっていた。
 その代わり祐樹の熱の帯びた眼差しが二の腕を直接焼くように見つめていて、身体の奥に妖しい熱が花のように開いていく。その甘く切ない疼きに背筋を震わせた。










 リアバタに拍車がかかってしまいまして、出来る時にしか更新出来ませんが倒れない程度には頑張りたいと思いますので何卒ご理解頂けますようにお願い致します。
 
【お詫び】
 リアル生活が多忙を極めておりまして、不定期更新になります。
 更新を気長にお待ち下さると幸いです。
 本当に申し訳ありません。


◆私信◆

ここを知っているリア友様へ。

例の件、今日が締め切りです(泣)連絡下さいませ~!

        こうやま みか拝

気分は下剋上 学会準備編 131

「他ならぬ貴方からのプレゼントですので大切に着ます。本当に有難うございます。
 さて、困りましたね……。こんなに意外でかつ高価な物を頂いてしまっては、次のデートプランを想定し直したほうが良いのかも知れません」
 祐樹の輝く瞳がさらに眩しさを増して自分の瞳を釘付けにしてくるようだった。
「いや、祐樹の誘いならばどんな場所だってとても嬉しい。だから考えていた通りの場所で構わない」
 どんなに疲労困憊していても滅多に顔色にも表情にも出ない祐樹の笑みが少しだけ影を帯びているのは昼夜を問わない激務のせいだろう。普段でも病院一の激務を誇る祐樹の時間を――次のステージへと飛翔するためとはいえ――さらに奪ってしまっていることに微かな罪悪感を覚えながらも相変わらず眩しい笑みを浮かべる祐樹へと微笑みを返した。
 二人きりで街を逍遥するだけで薔薇色のシャンパンの泡が心の中に甘く弾けるような幸せを感じつつ、普段よりもことさらゆっくりと歩みを進めた。
「先ほどあの店でいきなり英語に切り替えたのはどういう意図があってのことだ?」
 祐樹の歩みも病院内の速足モードではなくて、自分に合わせてくれているのも胸が炭酸色の泡立っては弾けていくような気がした。
「ああ、そのことですか。試着室から出てきた時以降、貴方は呼び名を間違えていらしたので……。あのような高級ブランドの店長クラスとなると英語も堪能な人が多いと思いますし、客も日本人ばかりではない――まあ、ほとんどが日本人でしょうが、例外も多そうです――と咄嗟に判断致しまして。店とはいえ公共の場所ですし、あまり目立ったことはしないほうが良いかと」
 そういえば、正装した祐樹の水際立った凛々しさと生気に満ちた佇まいに見惚れてしまっていて、他のことへの配慮が不可能になっていたことを甘く淡く思い出して頬を染めてしまう。
「そういえば、そうだったな。配慮不足で済まない……」
 無意識下に刷り込まれてしまった「永遠の恋人」の名前をつい呼んでしまった些細な失態を取り繕ってくれた祐樹の優しさに、甘い笑みを浮かべてしまう。
「地下鉄に乗っても良いですか?」
 帰宅ラッシュの時間帯なので――といっても大阪のような人工物ばかりではなく、木々にはスズメがびっしりと並んで夜の支度をしているのが京都らしい、鳴き声が耳に心地よく響く――道路も地下鉄も混んでいるだろうが、隣に祐樹が居てくれさえすればどこでも自分にとっては天国だ。
「それは構わないが、どこに行くのだ」
 購入した衣類や靴は既に自宅へと送付済みなので二人とも普段の通勤鞄を下げているだけだったので勤め帰りのサラリーマンの波の中に居てもさほど目立たないだろう、多分。
「出町柳ですが……。四条大橋からではなくてあちらの橋から見る賀茂川の流れも素敵らしいですよ」
 祐樹が唇をいたずらっ子のように弛めて輝く笑みを零している。何が何だかよく分からないが、こうして何気ない場面で言葉を交わしながら散策するのも自分にとっては蜜のような甘い極上の時間だったのでこの時間が少しでも長く続けばいいと思いながら大きく頷いた。
「そうか、それは楽しみだ…」
 案の定地下鉄は混んでいたものの、奇跡的に二人して並んで座れたことにも――ラッシュ時の混雑のせいで距離感が近くても誰も気には留めないだろうから――薔薇色の泡が心の中にふうわりと溶けていくようだった。
「すみません、少しだけ肩を貸してください。直ぐ起きますので」
 隣に座った祐樹がそう告げると直ぐに肩へと心地よい重みが掛かって、その多幸感に酩酊したようになる。
 常に睡眠不足なのは職業上仕方ないことではあったが、休める時には休んでいると祐樹は常々言っていたものの、誰かに寄り掛かって眠るということはしないと聞いていた。
 それだけ気を許してくれるのだと思うとそれだけで心が甘く熱く蕩けていきそうで。
 それに自分と過ごすプライベートな時間でも祐樹の方が起きている時間は明らかに長かったし、こうして安らかな呼吸を肩の上、耳の下で聞いているとそれだけで何だか祐樹の特別な存在――言葉では散々聞かされていたし、今となっては全く疑う余地すら持っていなかったが――に成れたような確かな重みを感じて唇に浮かべた淡い笑みを他人に見せないように慌てて下を向いた。
 普通の――といってもドラマの中でしか知らないが――会社勤めの人間が酒食を済ませないで帰る時間帯なので地下鉄の車内には酔った人間の姿はなかったものの、皆がどこか疲労を滲ませている感じだったので肩に凭れかかって眠る祐樹の姿もそれほど奇異には映っていないのだろう。
「ゆ……」
 車内アナウンスの声が祐樹の伝えた駅名を知らせたので控えめに声をかけようとしたら、パチリといった感じで祐樹の瞳が明るく輝いて自分だけを見つめてきた。
「ああ、お陰様ですっきりしました。久しぶりに充分熟睡した気分です。疲れも取れましたし……。その分ご不便をお掛けしたようですが」
 他人の目と耳がある――といっても殆どの乗客がスマホを操作していたりヘッドフォンを付けていたりしていたが――ので祐樹の言葉のどこまでが本当なのかは分からなかったが、先ほどまでの微かな影のようなものは確かに消えていた。
「降りましょう。ああ、あそこにコンビニがありますので必要なものを買って参ります。何かリクエストはありますか?」
 祐樹の言う「必要なもの」が何なのかさっぱり分からなかったが、別に止める理由もなかった。
「いつもの紅茶が強いて言えば飲みたいかな……」
 自宅でも二人だけのお祝いの準備は考え付く限りではしてあったし、夕食は家で摂ることも祐樹には告げてあるのでそうそう長居はしないだろう。
 ただ、どこであっても二人だけで過ごす時間は宝石よりも貴重だったが。
「了解です。少し待っていて下さいね」
 速足で歩く祐樹の後姿――少なくとも自分を同行させる気がないことくらいは分かる――の広い背中に見惚れていると、少しの時間しか要せずにコンビニの店内から出てきた祐樹は悪戯っ子の瞳の輝きが一際眩しく瞳を射抜く。
 ただ、コンビニのビニール袋から手渡されたモノが意外過ぎて思わず目を見開いてしまったが。
「これは……」
 何故、この時間にこのようなモノを殊更購入したのか意味不明で、ただ祐樹の生気に満ちた笑みに釣られて手に取ってしまったが。
「そのうち、そうですね、5分以内に意味が分かるかと思いますよ。
 その時までのお楽しみです。紅茶はもう片方の手でお持ちになった方が良いですよ」
 祐樹の意外と柔らかな唇が意味有り気な言葉を紡ぐ。
 自分の判断よりも祐樹の方が勝っていることは充分承知していたので、祐樹が手渡してくれたモノを手に持って恋人と肩を並べて歩き出した。
 四条大橋の眺めよりも何となく古都らしい古びた情緒が漂う橋の方へと。
 祐樹が手渡してくれたモノの意図はまだまだ不明だが、きっと五分以内には判明するだろうし、ただ本当に何故こんなシロモノを購入したのか頭の中で色々考えたが、多分正解には辿り着けそうにないのも、束の間の恋人同士のそぞろ歩きには相応しい気がした。










 リアバタに拍車がかかってしまいまして、出来る時にしか更新出来ませんが倒れない程度には頑張りたいと思いますので何卒ご理解頂けますようにお願い致します。
 
【お詫び】
 リアル生活が多忙を極めておりまして、不定期更新になります。
 更新を気長にお待ち下さると幸いです。
 本当に申し訳ありません。


◆私信◆
ここを知っているリア友さんへ。
お願いした件、どうなっているか教えて下さい。
明日が確か締切だったので、宜しくお願い致します。
連絡お待ちしています。

        こうやま みか拝

気分は下剋上 学会準備編130

「とても良くお似合いでいらっしゃいますね。
 私共のスーツは直輸入品で御座いますから袖口やスラックスの裾などはお直しが必要なお客様が圧倒的なのですが――ここだけの話しですけれども――その必要もなくていらっしゃいます」
 責任者と思しき男性が、あながちお世辞でもない感じで感嘆の響きを重厚そうな声に加えているのをどこか遠くで聞きながら、夜の漆黒の闇の中に月光の仄かな白と青の光りを纏ったジャストフィットしたスーツと、新雪のような真っ白い少し大きめのワイシャツ姿を惚れ惚れと眺めてしまって、唇を動かすのも忘れて魅入ってしまう。
「ワイシャツはワンサイズダウンしても良い感じなのですが……」
 自分の表情を何だか子供めいた感じで確かめた――何事にも目敏い祐樹なだけに、感嘆の余り声が出ないこともお見通しなのだろう――後に店員さんに向き直ってそう聞いている。
「いや祐樹、今あちらで流行っているのは、大きめのワイシャツを着こなして、プレゼンとか講演の熱が入った時にジャケットを脱ぐことだそうだから、それで大丈夫だろう。
 後はネクタイとカフスボタンだな……。
 カフスは無難にプラチナで良いと思うが……、ネクタイはこの中から祐樹が一番好きなのを選んでくれれば……」
 見惚れて絶句していた唇がやっと――といっても動かすのには努力を要した、祐樹の予想以上の衣装映えのせいで――動いてくれて、現実的なアドバイスが出来たのも自分にとっては奇跡のような感じだったが。
「赤単色だと……アメリカの、ここ一番の時に着用するパワータイと呼ばれるものなのでまずそちらを試着してみては?」
 太陽の赤――祐樹が普段から纏っている自分を惹き付けて止まない生気に満ちたオーラの色でもある――を髣髴とさせるネクタイを、先程から紅色に染まっている指で丁寧に持ち上げて祐樹へと渡した。
 祐樹と指が一瞬触れて、それだけで紅い電流が指を幸せな感じで震わせる。
「そうですか?スーツが黒ですので、赤は最も印象的でしょうね……。ここで結んでも構わないでしょうか?」
 祐樹が試着室ではなく――ネクタイだけなら別に人目を憚ることもない――店員さんに確かめてから手技を思わせる鮮やかかつ大胆な指の動きでネクタイを結んでいくのを、感嘆のあまり言葉が出ないまま息を殺して見詰めていた。
 アメリカの学会だけではなくて――祐樹には未だ知らせていないが何百万部記念パーティにもネクタイとかワイシャツは未定だがスーツは着回しを予定していて――あそこの宴会場は暖炉の炎を再現した照明を大きな十字架に模して掲げて貰う予定だった、あくまでも二人の真の関係を知らない招待客が9割以上なので医学の神でもある、アスクレーピオスの杖に似た形に似せるようにデザインは若干異なっていたが――二人だけのテーブルの背後にオレンジの荘厳な光が祐樹の黒いジャケットと赤いネクタイはとても良く映えるだろうと思うと魂が震えるほど嬉しくてならない。
 医局などで祐樹の白衣姿を垣間見た時も均整の取れた長身とか凛々しくて頼もしい顔にともすれば視線が釘付けになるのを理性で抑えてきたが、今は店内スタッフという人目が有るにも関わらず、祐樹のかっちりとしたスーツ姿から目が離せない。
「赤だけというのと、こちらの銀色のラインが効果的に入ったタイではどちらが良いでしょうかね?
 こちらも試着してみた方が?」
 何故か英語に切り替えた祐樹が自分の瞳を覗き込んで、満足そうな笑みを緩く浮かべている。
 スーツやスラックスとは異なってネクタイは別に結ばなくてもワイシャツに当てるだけでだいたいの雰囲気は分かるので何故祐樹がそんなことを言い出したのか意図不明だった。
 ただ、そちらのネクタイを締めた姿も見てみたかったので大きく頷くだけが精一杯だ。
 祐樹の節ばった長い指がネクタイを解いて次のネクタイを締めるのをただただ見ては感嘆のため息を漏らしてしまう。
「お客様、もし宜しければこちらのベルトを使って下さいませ。
 全体的な感じを掴むのもアメリカのビジネスシーンでは重要で御座います。
 あちらでは見た目が日本よりも遥かに重要視されますので、一分の隙のない服装の方が宜しいでしょう」
 黒子のように音もなく近付いてきた他のスタッフが黒革の細身のベルトを捧げるような感じで祐樹へと差し出した。
「有難う御座います。では少々失礼致します」
 漆黒の上着を脱いでベルトを締めた後に、ハワイのキラウエア火山――当然行ったことはないものの、何度もテレビで観たことがある――のマグマのような赤色とオレンジ色の中間の色のネクタイ――自分が選んだ三本の中の一つだ――を手早く結んで自分の方を見た。
 ベルトを締めたことによってウエストの位置の高さが際立っているし、その上ややゆったりした純白のワイシャツに赤いネクタイを締めた祐樹は普段よりも凛々しさと頼もしさが加わった眉目秀麗な顔に輝くような笑みを浮かべているのを恍惚とした気分で見詰めた。
「如何ですか?似合いますか?」
 何故か祐樹は流暢な英語で話しかけ続けている。祐樹の言動には何か理由があるのは経験則で知っていたが、このようなお店では店長クラスは英語を解することを自分だけでなく祐樹も知っている――何しろ二人で家でのまったりデートの時に二人してビジネス雑誌で読んだ覚えが有る――のに何故英語なのか分からなかったものの、英語で返答することにした。
「とても似合っている。ネクタイはどちらが良いだろう。もう一本も締めてみて……そしてジャケットを羽織ってみてくれないか?」
 祐樹の白衣姿も最高に自分を惹き付けてやまないものの、内面も外見も申し分ない祐樹には夜を彷彿とさせる漆黒の正装もとても似合っていて、瞬きすることすら忘れて見入ってしまう。
「良いですよ。今日は最愛の貴方の言いなりになる日ですから……。
 ベッドの中で……だとてっきり思っていましたが」
 ネクタイを几帳面に結び終わって漆黒のジャケットと純白のワイシャツ、そして太陽と月を思わせるネクタイ姿に息と瞬きを忘れて見詰めていると、早口の英語と共にうなじの辺りを指で意味有り気に辿られて……、殊更弱い場所でもなかったハズの場所に妖しい欲情の薔薇色の電流が奔った。
 殊更フレンドリーに振る舞うのは、ネイティブ顔負けの英語で話している――実際アメリカ人はこの程度のスキンシップは普通に行うことも経験則で知っていた――からだろうか?
「ネクタイは、数本替えを持って行った方が良いので、全部購入するのが良いかと思うのだが?」
 個人的に気に入ったのは、赤単色だけのものではなくて、祐樹の太陽のオーラに良く似合う赤とオレンジが絶妙な感じでキラウエア火山の溶岩のような鮮やかで生気に満ちたシロモノだったが。
「持って行くと貴方が仰るからにはこれはアメリカの学会用ですよね、もしかしなくても……。
 そんなことまでお気を遣って下さって有難う御座います。
 そういえば大阪での突然の休暇の時に買って下さったメガネももしかして……。
 補助線を引いて考えれば良いと貴方がアドバイスを下さいましたが、あれはもしかしてそのために買って下さったのですか?有難う御座います。貴方のなさることには何らかの意味があるとは思っていましたが、あの時は学会に招待されたばかりで……それも貴方の機転の賜物でしたのに、それ以上のことを即座に考えて下さっていたとは……。
 考え得る限り最高の、いや至高の人生の伴侶を見つけた私は生まれてきた甲斐が有ったと普段から思っていましたが、想定を遥かに凌駕する貴方の愛情に心の底から満たされる想いです。
 もっと大きな講演とか、国際公開手術などだと貴方も共に行って下さるのに、それだけが心残りですが、そう遠くない日に二人して世界のステージに立てるようにこれからも精一杯頑張りますのでその日まで待っていて下さいね」
 誠実さと真摯さが混じった祐樹の輝く眼差しとか生気に満ちた笑みに魂が満たされて、そして身体が祐樹を求めて乾いていく。
「取り敢えず全部下さい」
 会話を日本語に改めて店長と思しきスタッフに声をかけた。
 それにしても祐樹は何故英語を話しだしたのだろうかが少し気になっていたものの、二人きりになったら教えてくれるだろう。










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        こうやま みか拝

気分は下剋上 学会準備編 129

「私にとってこの世界で唯一無二の貴方に私の名前が載っていることが、ご自分のことよりも嬉しいと伺って天にも昇る気持ちですよ。
 それだけ私のことを大切に思って下さっている証拠なのですから。
 コーヒーは何時でも飲めますし、そして百貨店では何を購入するのかは存じませんが、きっと私用の物を買って下さるのでしょう?そちらが楽しみですので今回はコーヒーはナシに致します。
 さ、参りましょうか?ああ、トレーを返却して参りますね」
 祐樹の長い腕が一人分のトレーを持って店内へと軽やかに歩みを進めている。広い背中とか長い脚を――他の客に不自然さを感じさせないように気を付けて――惚れ惚れと見送った。
 この日のために厳選に厳選を重ねた祐樹の学会デビューのための服装のことや、そして(似合うだろうな)と思った一式――を試着した祐樹の姿を見てみたいというワクワク感が、薔薇色の幸福感に鮮やかな色を加えて胸の中にシャンパンの黄金色の泡が心地よく胸の中を弾いていく。
「え、この店ですか?貴方御用達のお店ではなくて……」
 僅かに戸惑った感じの声が並んで歩く祐樹の自分よりも高い位置にある唇から洩れた。
「色々考えたのだが、祐樹にはこちらのブランドの方がより相応しいと思って……。
 思いついた当初は同じブランドで色違いにしようと漠然と考えていたのだが、祐樹の全体的な雰囲気にしっくり馴染むのはこちらではないかと思って……。
 それに、日本でもそのきらいはあるが、アメリカでは着ているモノで判断されるし、祐樹の若さ――あちらでは見た目が若過ぎると減点対象なので――祐樹の溌剌さとかバイタリティ溢れる魅力を最大限に引き出す方が良いと思って。
 それに、森技官御用達のブランドよりもこちらの方がより『アメリカ人の正式な格好』として認知されているので」
 百貨店の――いわゆる高級ブランドだけが集まっているフロアは当然ながらそんなに買い物客も居ない――人の耳を気にせず会話が出来る。
「ああ、何となく貴方の意図が分かってきたような気が致します。
 学会用の服を買って下さるのですよね?
 あの折鶴勝負では――私が引け目を感じないように――学会用の服装を一式購入して下さる目的だったのですね。
 私はてっきり……」
 この階では、一つ一つの高級ブランドの店舗が独立して店を構えているといった感じなので、通路に出ている店員さんはいないし、何しろ単価が高いこともあってフロアを歩むお客さんらしい人も見たところ7人しか居ない。
「てっきり、愛の行為で私が望むような身体の位置をリクエストすると思っていたのだろう。
 それはそれで魅力的だが、今は祐樹が最高に学会で――悪目立ちではなくて――最も聴衆に対してインパクトを与える服装とか全体の雰囲気などを考えていた。
 神様がご褒美にくれたような休暇の日にアメリカから内々の招待が来た後からずっとどんな格好をすればあちらの学会で好まれるかを……」
 祐樹の黒曜石よりも眩い瞳の輝きが自分の瞳を射抜いている。そして唇には極上の笑みを刻んでいて、それだけで薔薇色の眩暈がしそうなほどの多幸感に包まれる。
「有難う御座います。
 もしかしてあの時に伊達メガネを買って下さったのも、その一環ですか?あの時は、何故こんなモノを買って下さるのか全く分からなかったのですが……。メガネをかけると実年齢よりも高く見えるな……と漠然と思っていたのですが、それ以上のことは――色々有り過ぎて――考えて居ませんでした。『ローマの休日ごっこ』の方が楽しかったせいもあって……」
 大阪梅田の出来事の中で自転車にただ乗っているだけなのに、あんな痴態を晒してしまったことを思い出してしまって顔から火が出るほどの恥ずかしさと、祐樹のたゆみない愛の仕草のせいで身体が祐樹だけに反応してしまうようになった誇らしさと相俟って魂までも上気してしまっている。
「トイレに行って顔を洗ってきても良いか?」
 頬が紅に染まっている――祐樹一人に見られるのは全く構わない――のを冷水を浴びて少しでも緩和したくて。
「いいえ、大丈夫でしょう。あの店はアメリカのエクゼクティブというか職業的に恵まれたポジションに居る人御用達ですよね。
 森技官のお気に入りのお店はハリウッド俳優なども好んで着ると何かで読んだことがありますので、柔らかい職業――もちろんその道ではトップを張っている人達です――にも向いているとか。しかし貴方が向かっている店舗はビジネスマンに好まれているとか。
 そういう服を選んで下さったのでしょう?
 ただ、値段はこのフロアに店舗を構えるだけあって、貴方御用達のフランス老舗ブランドとそう変わらないと。
 貴方にはピンと来ないかもしれませんが……。このフロアで買い物をする時にはそこいらの吊るしのスーツを買うのとでは客の興奮度が異なりますので、そういう意味で『普段と異なる』客には慣れていると思いますよ。
 それに個人的に貴方のそういうお顔を見ていたいというのも偽らざる本心です。ですからそのままで店に入りましょう」
 祐樹の潜めた低い声が脊髄を薔薇色の電流を伴って身体を奔っていく。
 その幸せな震えを周囲に分からないように隠しながらも祐樹と並んで店内に入った。
 頬が上気しているのも「高価」な買い物に興奮している風を装って。
「予約しておいた香川です。電話でお願いしていたものを試着しに来ました」
 フレンドリーな笑みを浮かべながらも慇懃無礼な態度で店に迎え入れられて、一通りの挨拶を交わした後でそう告げた。
「このスーツ一式ですか……。何だかお葬式のようですね……」
 祐樹が瞳の輝きをより強めながら唇には可笑しそうな笑みを刻んでいる。
 確かに漆黒の夜に似たスーツはお葬式の時に着用しても全く違和感はない。
「ネクタイの色でお葬式ではないとアピールする積もりで……。
 ネクタイは……」
 落ち着いた感じの中年男性が予め頼んでいたネクタイを数本ベルベット張りの革のトレー(?)に恭しく並べて捧げ持ってきてくれた。
「ネクタイは後で試着することにして、スーツとワイシャツを着てみますね」
 試着室に別のスタッフが恭しく捧げ持った漆黒の闇の中にも月の仄かな光が宿ったようなスーツと純白のワイシャツを持っている。どんなことにも物怖じしない祐樹はスタッフを執事のように従えながら試着室の方へと消えていった。
「如何ですか?」
 試着室の重厚なカーテンが開き、自分がセレクトした服に身を包んだ祐樹が姿を現した。
 その姿を見て、思わず感嘆のため息を零してしまっていた。











どのバナーが効くかも分からないのですが(泣)貼っておきます。気が向いたらポチッとお願いします!!更新の励みになります!!


◇◇◇


暑いですね。
熱中症とか夏バテにはくれぐれもお気を付け下さい。

私は仕事の忙しさに拍車がかかってしまいまして(泣き)更新頻度も下がりますし、その上いつ更新出来るかも全く分かりません。
リアル生活有ってのブログなので、気長に待って下されば幸いです。



最後まで読んで下さいまして感謝です!!

        こうやま みか拝

気分は下剋上 学会準備編 128

「ウソをつき通すにはある程度のリアリティを混ぜる必要がありますので、私の頭の中に思い描いている『理想の恋人』――性別は当然異なりますが――は大輪の紅い薔薇を彷彿とさせる美人で、しかも控え目では有りますが理知的な人というイメージです。
 その上、仕事は大変出来るものの、それをひけらかさない謙虚でストイックな感じを見る者に与えるといった控え目さも持ち合わせた恋人像を聞かれる度に答えていますよ。
 もちろん、他ならぬ貴方のことですが。
 この女優さんよりももっと綺麗ですね……。何度も申し上げている通り私は面食いですから、その辺りももっと自信を持たれても良いかと思います。貴方は自己評価が低すぎるのです。しかしその逆よりも更に好ましいのは言うまでもないことですので……。
 明日の百貨店は仰せの通り何も言わずにお付き合いしますが……」
 祐樹の真剣かつ真摯な瞳の輝きに悪戯っぽい光が加わった。
 言葉に出して具体的に好きな点を挙げられると幸せ色の煌めきの泡が胸の中で大きく膨らんでは弾けていく。その気持ちをなるべく笑顔に乗せて伝えようとしたが、上手く伝わっているかは自分でも自信はなかった。
 ただ、何事にも目敏い上に世界で一番自分のことを分かってくれている祐樹なので、気持ちを読み取ってくれているという安心感めいたものも芽生えているのも事実だったが。
「そうして貰えると有り難いな。一切口出しはナシという方向で……」
 見た目よりも柔らかい祐樹の唇が笑いの形に口角を上げてくれているのをうっとりとしながら見上げていると、おもむろに顎を持ち上げられて触れるだけの口づけが降ってきた。
「承りました。待ち合わせはいつものカフェで良いですか?
 そして、百貨店での用事が済んだら少しの間だけ私の散歩に付き合って頂けたら嬉しいです」
 悪戯っぽく微笑む祐樹は職場で絶対に見せない類いの少年めいた感じが強くなる。
 頼りになる医師として患者に慕われている祐樹の凛とした姿も大好きだったが、プライベートで垣間見せるこういう表情は自分だけの特別なモノだと思うとよりいっそう薔薇色の幸せ色に包まれてしまって、何でも言うことを聞きたくなる。
 明日は二人だけのお祝い――祐樹に報告していない数々とか渡せていない手作りのマフラーも含めて――色々と準備はしていたものの、少しだけなら大丈夫だろう。
 夕食は自宅で摂るということも告げているので祐樹も遠出を考えてはいないだろうし。
「それは構わないが……。嵩張るに」
 「荷物を持っているが構わないのか」と言いかけた時に祐樹のポケットからダースベイダーの着信音が鳴り響いた。
「すみません。あちらに向かわなければ……。貴方は逃げませんし、逃がさない自信も有りますが……。私を待っている患者さんは命が危ない状況なので……。
 折り鶴有難う御座います。一生モノの宝物が増えてとても嬉しいです。
 では明日、例のカフェで」
 白衣の裾を鮮やかに翻して控室を出た祐樹の広い背中が視界から消えるまで見送って自分も祐樹が折ってくれた折鶴をこの上もない幸せな気持ちで眺めた後にポケットに丁寧に仕舞った。
 きっちりと定時で上がれる――黒木准教授では対応出来ないほどの容態急変などのごく一部の例外を除いて――自分とは異なって患者さんに捉まったり医局の影の束ね役の関係上相談事を受けたりする関係上遅れるのは仕方ない祐樹のために普段よりはゆっくりした足取り――ただし人目がなければスキップしたい気持ちを抑えながら――京都の中心街を歩んでいると大型書店がやけに目に入ってきた。
 京都の地図は当然暗記しているし、書店は好きな場所の一つなので普段でも自ずと目に入ってきてはいたが、今頃大学病院の出版科の人達が必死で製本作業に勤しんでいるに違いない本が本屋さんに並ぶどころか、これらの書店で祐樹と二人並んでのサイン会を催せるのかと思うと感慨もひとしおなので。
 あの書店は確か一階の広場、こちらの書店は二階のバルコニーと、以前は全く他人事のように眺めていた著名作家のサイン会の様子をまざまざと思い出して、あの場に座れる、しかも生涯でただ一人のパートナーと思い定めているかけがえのない祐樹と並んで……と考えると思わず唇に笑みを浮かべてしまう。不自然ではない程度ではあったものの。
 昨日手術控室で別れたきり、今日の予定は何一つ話す時間がなかったので祐樹の散歩がどのようなモノかは全く分かっていなかったが、祐樹だって百貨店に連れて行かれて何を買うのか知らせていないので条件は同じハズだし、そもそも祐樹は自分の嫌がることどころか気が進まないことも何一つ強いられたこともなかったのでその点も信頼している。
 どんなサプライズなのかは祐樹と合流してからのお楽しみとして取っておこうと思いながらいつも待ち合わせに使っているカフェに着いて無難にコーヒーを注文してから屋外の席へと座った。この辺りは待ち合わせ場所として二人の間では定着しているので、大体の位置は祐樹も分かるだろう。
 昼前に届いた国際外科学会の機関誌を機械的にめくりながら祐樹を待つことにする。
 祐樹が出席予定の学会も載っていて、講演者の名前に「Yuuki Tanaka」という文字と略歴に視線が釘付けになって、思わず笑みを浮かべてしまっていたら、肩を控え目に叩かれた。
「お待たせ致しました。ああ、もう告知されているのですね……」
 オーダーせずに直接テーブルに来たのだろう。祐樹の満面の笑みが真夏の太陽よりも眩い輝きを放って自分を包み込んでくれるようだった。
 視線は自分と本に交互に注がれていたが。
「いや、祐樹と一緒にどこかへ行くのが楽しみで待ったという自覚はないな……。
 それに祐樹の名前がこの機関誌に載っているのは初めてなので、自分のこと以上に嬉しかったし。
 飲み物はオーダーしなくても良いのか?」
 別に急ぐ理由はない――お祝いの食事は既に用意してあって温めるモノだけを大急ぎでオーブンやレンジで用意すれば事足りる。
 祐樹はチラリと腕時計に目を落とした後に自分だけを見詰めて唇を笑みの形のままで開いた。この店で何回も待ち合わせをしているというのに、会うたびに鼓動が高まるのはどうやら一生続きそうだったが。
 時間を気にするようなことでもあるのだろうかとやや怪訝に思いながら祐樹の返答を待った。










 リアバタに拍車がかかってしまいまして、出来る時にしか更新出来ませんが倒れない程度には頑張りたいと思いますので何卒ご理解頂けますようにお願い致します。
 
【お詫び】
 土曜日しか更新の時間が取れません……。それまでは原稿書く時間がホントにないもので……。しかもさらに激務の予定が……(泣)
 更新を気長にお待ち下さると幸いです。
 本当に申し訳ありません。
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