腐女子の小説部屋

創作BL小説を綴っています。ご理解の有る方【18歳以上】のみ歓迎致します

2017年07月

気分は下剋上 蛍光 11

イメージ 1

蛍の乱舞の下でいつもよりも艶やかさを増した素肌を手早く拭って甘く香る肢体に浴衣をさらりと着せ掛けた。
「愛の交歓の後の色香と蛍の仄かな瞬きの乱舞の灯火以外何も身に纏っていない聡もとても魅惑的でずっと眺めていたいのですが紺色の禁欲的な浴衣を乱す悦びも与えてくださいませんか?」
白い毛氈の上で紅色に艶めいた素肌が乱れ飛ぶ蛍の光りで神秘的な美しさを添えていたが、紅色の指が幾分気だるげな甘さを蛍の光りに映えさせながら紺色の浴衣を身に着けていく様子も壮絶な色香を放っていて、魅入られて魂が「憧れ」てーー最愛の人に寄って行きそうな錯覚を抱く。古文的な意味での「あくがれ」を実感したような古代めいた感慨だった。
端整で怜悧な容貌にも愛の行為の後の甘やかな艶めきと仄かな笑みを含んだ唇も乱れ飛ぶ蛍の光で幻想的な煌めきを飾りにしてさらに神秘的な大輪の花のような感じで艶めいている。実際の沙羅双樹の花ではなく、昔の日本人が夢見た空想かつ理想的な花の「沙羅双樹」の花の盛りのような神的な艶めきは多分蛍や旧家めいた作りの部屋の雰囲気のせいだろう。
「裕樹、蚊帳だ。初めて見た」
部屋に先に入った最愛の人が「見返り美人」の絵よりも鮮やかな笑みを浮かべて裕樹の方を振り返った。
「私も実物を拝見するのは初めてですよ。ただ、蚊帳が有るならこの扉は開けておいても大丈夫ですね。
聡の蜜よりも甘い素肌に寄って来る蛍はこの二人だけの空間の外でしか瞬かないでしょうから、愛の交歓を彩ることは出来ても邪魔することは不可能ですから」
蚊帳を釣る作業は具体的には知らないが、薄く透ける白い布に覆われた二人だけの空間を強調してくれそうで胸が期待に高まる。この旅館の顧客へのもてなしだろうが、行き届いているのかぞんざいなのかは意見が分かれるだろう。ただ、最愛の人もとても満足そうな笑みを瞬かせていたので全く問題ではなかったが。
「蚊帳の中で愛を交わすのは素敵でしょうね。しかも乱れ飛ぶ蛍の光の仄かな瞬きの下で。
二組みの布団がこんなに近くに敷いてあるのも何だか私達の愛を象徴しているようで……。道後温泉では『夜這い』の密会気分でしたが、この空間だと旧家の屋敷で公認の恋人同士のようで嬉しいです」
布団が密着しているのは多分蚊帳の総面積のせいだろうが、この際そんなことはどうでも良い。
薄い布地をそっと捲って最小限の空間を作って最愛の人の耳元で囁く。
「蚊がそんなに居るとも思えませんが、素早く入って布を下ろしてしまいましょう。それが蚊を入れないためには最良かと存じますし、それに二人だけの狭い場所、しかもこの上もなく愛し合う二人に相応しい白くて涼やかな風が愛の交歓の熱を冷ましてくれそうな趣きですし」
神妙そうな、それでいて楽しそうな無垢な笑みと浴衣から花の芯のように艶めいた甘い素肌が精緻な対照で照り映えていた。
普段よりもさらにしなかやかな身のこなしで蚊帳の中へと入る最愛の人の動作を飽かず見惚れた後に裕樹も素早く入ってごく薄い布を下ろした。
白い布団の上に紺色の浴衣に包まれた最愛の人をゆっくりと押し倒して、帯はわざと解かずに浴衣の襟の合わせ目を開いて淡く紅色に艶めいた素肌を徐々に露わにしていく。
部屋に迷い込んだ蛍の光を受けて紅く艶めく胸の尖りもいつも以上に儚げな慎ましい煌めきを放っていた。蛍の光よりも裕樹の愛を求めて焦がれたような趣きだったので、唇で確かめずにはいられない衝動に駆られてしまって性急に唇を落とした。










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◇◇◇
都合により、一日二話しか更新出来ないーーもしくは全く更新出来ないかもーーことをお詫びすると共に、ご理解とご寛恕をお願いいたします。
やっとリアバタがー段落ついたので、次回更新分からは毎日更新を目指します!(目指すだけかも……(泣)

諸般の事情で、クライマックス近くにも関わらず中断してしまっていた「気分は、下剋上」夏 ですが(プロットは流石に覚えていましたが、ちょっとした登場人物の名前などその場で思いついた名前とかは忘れてしまっていたため、復習に時間がかかりましたが、「ドライブ~」か「震災編」が終了次第再開する予定ですのでもう暫くお待ちくだされば嬉しいです。
あと、熱烈リクエストがあった「蛍の光の下のデート」も超短編で書こうかと目論んでいます!ただ、ストーリー性が強いのは「夏」なので、そちらを優先したいのですが、予定は未定(泣)

気分は下剋上 ドライブデート 127

最後の一本になってしまった線香花火を最愛の人の綺麗な指に手渡して火を点けた。
「セミの幼虫用にはそこいらで拾える木の枝で充分ですよ。ああ、カブト虫などと異なって少し歩いて探さないといけないので、懐中電灯は用意してくださったら嬉しいです」
線香花火の煌めきよりも綺麗な笑みが夜の闇に浮かび上がった。
「裕樹と遠足気分を味わえるのだ、な。しかも夕方なのだろう?」
花火よりも弾んだ透明な声にふとした違和感を抱いた。二人きりの時間を大切にしてくれている最愛の人だったが、何だかそれだけではない期待感めいたニュアンスも含まれていたのでなおさらだった。ただ、最愛の人の決して幸せではない寂しい過去を裕樹が根掘り葉掘り聞く気分にもなれなかったので、視線だけで話しの続きは促したがごく弱い感じに留めておいた。話したくなければそれでも良かったし、話たいのであれば聞こうという曖昧な視線の先に若干は寂しそうな煌めきを含みながらもそれでも嬉しそうな無垢な眼差しを線香花火と裕樹の顔に交互に当てていたのも儚げな印象を与える、線香花火のせいだけではなく。
「小学生の高学年からだったと記憶しているが、母の体の具合がーー今思えばあの時から心臓疾患を抱えていて、無理やりにでも入院させれば良かったのかも知れないーー良くないのは子供心に分かっていたので、昼間の遠足はともかく、宿泊を伴った学校行事は全て断っていた。母から目を離してはいけないような気がして。だから林間学校などの思い出を話すクラスメートの話しか聞いていないし、楽しそうだとは当時から思っていたが、自分とは縁のないモノだと思っていて……。
ただ、裕樹が夜の山でセミの幼虫探しを提案してくれて、とても嬉しい」
最愛の人の過去は大まかな話としては聞いていたが、ここまで具体的に話してくれたことはなかったような気がする。今までは言葉の端々でそれとなく察するだけだったので。
「それでは、夜のセミの幼虫探しはことさらゆっくりと行いましょうか?夜の木立の中をあちこち歩き回るのもきっと楽しいですよ」
下手な同情の言葉はこんなにも儚げな笑顔を見せる最愛の人には返って失礼かもしれなかったのでーーそして花火の煌めきよりも期待感に弾んだ表情の方が彼の気持ちをよりいっそう雄弁に物語っているような気もしたしーー敢えて快活な感じの声と笑いを実際よりも強く表現した積もりだった、成功しているかどうかは分からなかったが。
「そうだな。裕樹と一緒ならどこに行っても楽しいが、セミの幼虫探しとかは、林間学校でも有ったようなので……。裕樹と二人で出来るのならとても嬉しい」
小さな火玉が今にも落ちそうになっているのを心許なげに見入っている最愛の人の少し寂しさを伴った透明に弾んだ笑みは花火の煌めきに似て多彩な印象だった。
「そうですね。そういうご事情でしたら、新神戸駅に有るホテルの安っぽさは却って貴方には良いかと思います。貴方には相応しくないかなとも思っていたのですが、公立高校の修学旅行にも利用されるホテルなのでーーもちろん神戸はあまり旅行先には選ばれず、全国区で人気なのは京都なのですがーー」
公立高校の限られた予算内の悲しさでーー大学時代の同級生とか医局に居る人達は修学旅行が海外だったとか、一流老舗ホテルに泊まっただとかの体験談が何かの拍子に出ることも有ったのでおおよそのことは知っていたがーー裕樹が修学旅行で泊まったホテルもあんな感じのチープな感じだったし、林間学校はバンガローだった。
「そうか、それはとても楽しみだ」
小さな火玉が今にもポトリと落ちそうな儚げな最後の名残りのように煌めく一瞬を狙って最愛の人に誓いの口付けを落とした。
花火独特の香りが残っている海岸の風景に相応しく触れるだけの瞬きのようなキスだったが。











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あと、熱烈リクエストがあった「蛍の光の下のデート」も超短編で書こうかと目論んでいます!ただ、ストーリー性が強いのは「夏」なので、そちらを優先したいのですが、予定は未定(泣)

気分は下剋上《震災編》157

一瞬驚愕めいた目の光を宿した後に、裕樹の瞳に暖炉の火のような暖かく自分を包み込んでくれるものへと変化していくのを自分の目で確かめるのと同時にポロシャツに包まれた広い肩にーー左腕の怪我には障らないように配慮はしたがーー縋って唇を重ねた。
裕樹の見た目よりもずっと柔らかい唇を唇で感じると魂までもが裕樹の暖かい太陽の光で染まっていくような、そして生気に満ちた裕樹の頼もしさですっぽりと包まれているような酩酊感に恍惚としてしまう。
自分ほど正確な体内時計は持ち合わせていない裕樹だったが、紅いゴンドラが最も高く上がっていることくらいは分かったのだろう首を傾けて唇の表面だけの接吻を続けてくれるのも嬉しかった。多分ポラロイド写真はこの瞬間に撮られているだろうが、それすら嬉しい記念写真だ。裕樹のお母様に送るのは熟慮を要するが。
「貴方からの情熱的なキスーーしかも写真に残るような時間を見計らってーーを頂けるとは思ってもいませんでしたよ。この観覧車にお連れして良かったです。一生の想い出がまた一つ増えましたから、ね。
しかし、羞恥心のお強い貴方がこんな昼間のアルコールよりもずっと酔いが回りそうな情熱的なキスを、しかも高い場所とはいえガラスに包まれただけの開いた空間、その上写真まで撮られているのが分かった上でなさってくださったことに純粋に感動致しました。どういう心境の変化なのですか?」
裕樹の極上の笑みが眼差しと唇に浮かんで凛とした中にも愛おしそうな光りを放っていて、太陽の光よりもずっと眩しかった。
「こんなに楽しい『ローマの休日』ごっこのお礼と、そしてこういう機会がこれっきりかと思うと記念に残したくて。映画の王女様は新聞記者と交わることのない一生を歩んでいったのだろうし、それを考えると私の方が惚れ直した最高の恋人の裕樹とずっと一緒にいられるので比べるのも失礼かも知れないがとても幸せな一生だろうが……」
キスの甘い余韻の残る唇を懸命に動かした。遠くに大阪と奈良の境の生駒山ーーと案内板に書いてあったのと同じ形をしているし方向的にも合っているので多分正解なのだろうーーの緑色が、ゴンドラの紅い色と対比してとても綺麗な眺めだったが、そんなものに気を取られたのはごく一瞬で、裕樹の心の底から嬉しそうに笑う整った容貌ーーしかも前髪を上げたせいで理知的な印象がより色濃くなったーーを見詰めてしまう。
「写真を受け取ったら永久保存の宝物にしましょうね、二人の共有物の。
そしてもう一枚は是非貴方から母に送ってやってください。きっと母も喜ぶと思います」
今更の集中に頬がさらに上気して、多分紅色に染まっているだろう、確かめる勇気はとても出なかったが。
「二人の共有物の宝物には完全に同意するが……裕樹のお母様に送り付けるのは……どうだろう?」
恋人だと以前に紹介されたし、一緒に住んでいることも当然ご存知なので具体的には分からないものの、二人がどういう熱い夜を過ごしているかは漠然と想像なさっているような気がするし、以前明石海峡大橋をバックにピンクの薔薇の花束を抱いて笑みを浮かべた自分の写真、しかも室内の雰囲気から一般家庭ではなくホテルの一室だということも丸分かりのを送った時にはとても喜んでくださったが、今回のはどうだろうか。
「裕樹……あまり露骨なモノは、私は個人的に嬉しいものの裕樹のお母様はどうお思いになるのか分からないので……恥ずかしい」
裕樹が皮肉で不敵な笑みを唇に刻んでいた。自分にはーー少なくとも恋人同士になってからはーー向けられたことのない表情だったが、医局の部屋を通りすがった時とか、ケンカ友達の厚労省の森技官と対峙している時にはよく浮かべているし、裕樹にはそういう表情もとても似合って横から眺めるのは大好きだったが。
「私の母はこの程度で動じることはないでしょう、むしろ大喜びするかと思います。研修医時代だったと記憶していますがーーそして貴方の真意が全く分かっていなかった頃かとーー内情というか実質的な勤務内容はどうであれ、外部の人間には一応社会的ステータスの高い職業ですよね。ですから田舎町では評判になってしまって、見合い話が持ち込まれたコトも有ったのです」
そういう習慣が日本に有るということはドラマで観た覚えはあったものの、丸っきりの他人事というか自分とは別の世界の風習だと思っていたが、裕樹にもそういう話が有ったのかと驚きに目を見開いてしまった。天涯孤独の自分とは異なって、裕樹のお母様はご町内にも色々な人脈をお持ちなのは何となく分かっていたが、そして性的嗜好が一般的でないことを除けばーーそしてそんなことは見た目では分からない。実際病院内で裕樹には「情熱的な美人の恋人がいる」というウワサが自分の耳に入るくらいなので、かなり流布しているのだろうし「美人」という点ーー男には使わない言葉だろうーーを除けば概ね正解なので笑って流していたが、過去にそういう話が有ったというのは驚愕と動揺の事実で、喉が妙に乾いた感じで裕樹の次の言葉を待つしかなかった。











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気分は下剋上《震災編》156

「分かりました。先ほど拝見した素肌の色も普段通りの艶めいた色に紅く染まっていましたし貴方にも『ローマの休日』ごっこが良く効いたようですね。このリングもチェーンに付けて…………胸のルビーの尖りの上で水晶のような綺麗な音と共に唇や指とは異なる薔薇色の悦楽に……感じるままに声を上げてくださいね」
厚い生地越しとは思えない黄金色の悦びの稲妻が柔らかい布の感触と裕樹の熱い囁きを貪欲に取り込んで背筋を奔って身体の奥の火照りをさらに煽ったのは、チェーンしか身に着けていない自分の胸の尖りを強く擦る紅色や白の琥珀とプラチナのリング、そしてチェーンの微細な動きまでありありと想像してしまったからだろう。
「……裕樹『も』、『ローマの休日』ごっこを楽しんでいてくれたのか?」
二人きりの空間、しかも高さはどの建物よりも上に来ていたとはいえ、陽光を強化ガラス越しに取り込んだ密室でこれ以上熱いため息以上の声は出したくなかったので、懸命に話題を模索してしまった。
「当たり前ですよ。普段のデートすら人目を気にしないといけない不自由な身の上ですからね。平日の昼間の公道、しかも別人になりきってのデートを最愛の人と出来るチャンスはそうそう巡って来ないでしょう。まあ、海外に行けば話は別でしょうが。日本だと、映画の王女様みたいに人生一度きりのチャンスしか巡っって来ない特別なデートなのですから」
裕樹が望むなら裕樹の前髪をいじることくらい自分にとっては何でもない作業なので、別人デートは可能なような気はしたが。裕樹曰く前髪を無造作に下ろした自分は印象がかなり異なるらしいし、裕樹だって男らしく理知的な端整な容貌がさらに強調されてよりいっそう魅惑的だし、印象はかなり異なっていたのも事実なのだが。
「別人になりきってなら……別に他の日にも可能だろう?」
裕樹が映画の登場人物の新聞記者のように「一日限定の恋人」と諦めないことくらいは自分にだって分かるし、自分があの王女様だったら一瞬の躊躇もなく王女の地位は捨てるだろう。
王女ほどではないものの、母校の大学病院に年齢には不釣り合いな教授職のポストを与えられたものの、裕樹に振られた場合は即座にアメリカの元の病院か、もしくは英語が通じるーードイツ語が医学界の主流を占めていたのは過去の話で現在は英語が共通言語なのでーーヨーロッパのどこかの国の病院に逃げていたに違いなかったので。
教授職に拘る大学病院の医師の方が圧倒的に多いことも知っているし、今はカウンセリング業務に熱心に勤しんでいるはずの不定愁訴外来の呉先生経由で恋人の森技官の話を聞いた覚えがあった。「教授になるために一番早い手段として法医学を専攻しました」という某旧国立大の教授の話を。法医学は確かに「人の命を救うためや病気を治すため」に医学部を選ぶ人間が圧倒的なので成り手がなかなか居ないのも医師だけがアクセス出来るサイトには書いてあった。王女様の具体的な生活など考えたこともなかったが「人が羨む境遇」という点では自分と同じのような気がする。
そんなことを胸甘く熱い疼きから注意を逸らすために考えていたら、横に座った裕樹の笑みがごく僅かではあるものの苦い笑みを含んで見詰めていることにやっと気付くという体たらくだった。「馬鹿になる」という今日のデートの目的は果たされているかもしれないが、裕樹の苦みの笑みの意味を考えて、ちなみに胸の尖りには裕樹の指が強く弾く動きを自分が許可してからずっと続いていたので、微細で甘美な電流はずっと背筋から身体の奥を甘美な毒のように蓄積されていて空中にいるという実際の浮遊感とは異なった魂がこの身から離れるような真紅の薔薇色の陶酔に酔いしれてしまっていた。
「ああ、そうか。二人して同じニュースに出てしまったし。同じ映像が繰り返し放映されていたので、あれが全国に流れたとなると、本当に今日一日だけの『休日』なのだな」
病院の名前を売ることに熱心な斎藤病院長の思惑で今まで自分だけがビジネス雑誌などのメディアに露出したことも有ったので心臓病に関心の有る人間が一方的にこちらの顔と名前を知っていることはあったが、テレビに二人して出てしまった以上、その伝播力はビジネス雑誌の比ではないころくらい自分ですら分かるので、裕樹ならなおさらだろう。咄嗟の判断力とか臨機応変に見事な対処が出来る点は裕樹の方が断然優れていたので。
頭の隅で七分三十秒経過というアラームが微かに鳴った瞬間に自分でも思い掛けない衝動に駆られて、実行に移してしまっていた。
裕樹の目には驚きの色と愛おしそうな色彩が混じっていたのが印象的だったが。











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気分は下剋上 蛍光 10

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清らかなお湯に濡れて真紅の薔薇のように艶めく胸の尖りを蛍火が空中から仄かな光の瞬きで飾るのは大歓迎だったが、ルビーの煌めきはに直接触れるのはーー裕樹だけの子供じみた独占欲だと我ながら呆れてしまうがーー裕樹の指や唇だけにしたかった。
歯と舌、そして指で強めにルビーを甘く噛みながら弾く。
「ああっ」
慎ましやかな嬌声混じりのため息は空中を乱舞している蛍ーー発音器官を持ち合わせていないーーが恋い焦がれて啼いているような錯覚すら抱くほど幽玄の絢爛豪華さだった。
もう片方の手をお湯に浸けて若木のしなやかな艶やかさで仄かに光っている素肌を辿って、先ほど最愛の人の指が自ら開いて見せてくれた場所に行き着いてしどけなく開いた門から二本の指をゆっくりと裕樹だけの天国に忍び込ませる。最も感じやすい蕾の辺りは注意深く避けて。
「お湯が入って不快ならばそう仰ってくださいね」
濡れたルビーに熱い息を吹きかけると、愛の交歓で艶やかな紅さに染まった肢体が乱舞する蛍の瞬きを飾りにして仄かな光を放ちながらしなやかな若木のように撓むのも夢のように綺麗だった。
「暑過ぎないお湯なので、むしろ花園の熱を冷ましてくれる感じだ。それに裕樹の指の感触も心地良い。もう少し奥処まで来て欲しいくらいだ」
裕樹のばら撒いた白珠の粒を指先で集めて門の外へと出す動きなのは最愛の人も分かっているのだろう。指を包み込む厚く濡れた真紅の花びらの密着感は相変わらず精緻かつ絶妙の動きで迎え入れてくれていた。
「このお湯だと私の聡への愛情と熱情の証しでもある白珠が白い泡のように煌めきながらお湯の中をシャンパンの泡みたいに立ち上っていく様子が拝見出来るのに、この位置では不可能なのが残念です」
蛍の光に煌めいている透明なお湯の表面も、そしてそのお湯から胸の尖りのルビーから上の部分を出している最愛の人の仄かな蛍の光の瞬きに染まった艶めいた素肌も幽玄の艶やかさを纏っている。
ただ、お湯の中で白珠の雫が滔々と湛えられて、悠然たる大河のように石畳の上を流れていく天然の贅沢さーーしかも蛍の仄かな瞬きが無数に乱舞して、テレビでしか観たことがない曜変天目茶碗を彷彿とさせる綺麗さも加わっているーーだったが、さらに綺麗なのは白珠のうたかたを深海を思わせる綺麗な水に零しては立ち上っていく最愛の人と裕樹との愛の行為の名残りだろうから。
幼い頃に読んだ竜宮城の美しさよりもきっと二人の愛の証しの白珠の煌めきの方が綺麗で儚いだろうから。
「裕樹が私にくれた愛の証しなので……私も出来るなら見たいが……無理だろうな。第一蛍の乱舞の光や満点の星の煌めきがあるとはいえ、この暗さだし……」
銀河まで見えるこの豪華な星空の下でも最愛の人の煌めきと甘やかさの混じる声が最も輝いて聞こえるのは言うまでもなかったが。
「あの辺りの石畳にお湯が流れて行く様子もとても綺麗ですよ、尤も聡のお顔や肢体には敵いませんが」
白珠のうたかたをほぼ花園から清らかなお湯へと移し終えてーー二人の愛の行為は数え切れないほど交わしていたので大体のことはきっと最愛の人よりも裕樹の方が詳しいはずだーー蛍の乱舞が薔薇色に染まった濡れた肌を豪華に彩る幾分華奢な肩を抱いて向きを変えた。
「本当だ。黒い石が僅かな湯気を伴った水分で艶めいた上に蛍の光が瞬いていてまるで曜変天目のようだな、テレビでしか観たことはないが」
最愛の人も同じ感想を抱いてくれたのが妙に嬉しかった。
「私も同じように考えました、よ。最愛の人が同じ感想を持ってくださると、親近感がわきますね。身を焦がすような愛情に加えて」
艶やかな唇に唇を重ねながら清らかな水と蛍の乱舞に照らされた奇跡のような煌めきに見入った。
「さて、と。夜はまだまだ長いので蛍の求愛行動に負けないように、私達も愛の交歓の続きを致しましょうか?」
蛍の舞い散る空間に立ち上って最愛の人に手を伸ばした。










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