繋がった箇所から淫らで湿った音が奏でられる。
 祐樹が腰を進めるとその音がより一層の熱を帯びてきた。
「聡の凝った蕾……。先端部分に当たってコリコリとした感触が……堪らなく良いです……」
 比較的浅い部分で抜き差しを繰り返すと、最愛の人が自ら弄っていると思しき腕の動きも大胆さを増している。
「んっ……。とても()ぃっ……。ああっ……」
 若木のように反りかえった背中と幸福な断末魔の声、そして祐樹の手には真珠の放埓がばら撒かれていた。
「……祐樹……すまない……一緒に頂点を極められなくて……」
 荒い呼吸の中で紡がれた謝罪の言葉が充足した律儀さを感じさせる。
 別に謝ることではないだろうと思いながら最愛の人に告げる言葉を探した。
「私は先ほど聡の極上の口から喉で一回逝きましたので、ノーカウントですよ。それに愛の交歓の時には必ず一緒というルールはないのです……。ただ、聡との愛の行為の時には同じ時に絶頂を極めたいなと勝手に思っていまして、偶々(たまたま)同じになっていただけなので気になさらないで下さいね。それに(おのれ)の快楽に素直な姿が、とても素敵で、とても好ましいです」
 先端部分で凝った蕾を味わいながら微細に動かすと繋がった部分から濡れた肌が奏でる水音が寝室に愛の花を咲かせているようだった。
「それを聞いて安心した……。ただ……快楽に素直な点が分からない……な……」
 二人して悦楽の頂点を極めたその後の束の間のインターバルといったところだろうか。身体を繋げたままで激しく求め合うのではなくて、こうやって会話を交わす時間も宝石のように貴重な時間だった。
「潔さと言い換えても良いかと思いますけれど……先ほど『腕は二本しかないので自分で弄って下さい』とか申し上げたでしょう?ああいう時って躊躇する人が多いのです。本当は触れたくて触れたくて堪らないのに、やせ我慢というか恰好を付けてパートナーが愛撫してくれるのを待つというタイプの人なのですけれど。
 そういうパートナーにも見栄を張っている態度は逆に興醒めしてしまうのですよ、少なくとも私はね。聡にはそういう点が一切ないのも好きな理由の一つです。己の快楽に忠実に従っている姿に興奮します」
 祐樹が話している間に熱く荒い息もかなり収まってきたようなので先端部分を凝った蕾に強く押しあてた。
「あっ……。祐樹っ……、そこを衝かれるとっ……()過ぎてっ……ただっ……」
 甘く熱い濡れた声が寝室に小さく響いている。
「尖りに直結している場所ですよね、ココは……。この愛の営みの形は手が自由になるので尖りも愛しましょうか?」
 最愛の人は紅色に染まった長い首を左右に振っている。絶頂の際に滴ったと思しき汗の雫が束の間煌めいてはシーツへと落ちている様子も絶品だった。
「いや……祐樹が言ってくれたように弄れる時には自分でするのでっ……。そういう私が好きでいてくれるのだろう……。だったら祐樹に委ねるのではなくて……自分でする……のでっ……」
 健気な言葉を紡ぐ最愛の人への愛しさが募る。
「それは嬉しいです……。もっと淫らで大胆な姿を見せて下さいね……。ああ、花園の奥へとお望みでしたけれども、そろそろ愛の交歓を本格的に再開しても良いですか?聡の天国よりも気持ちの良い花園は焦れているような動きで中へと(いざな)ってくれていますけれど……」
 青い絹よりも艶やかさを放っている紅色の首が上下に動いた。その仕草も紅色と銀色の粉を撒いたように綺麗だった。
「あっ……祐樹っ……開かれる感じがっ……堪らなく……()ぃっ……」
 熱く厚いシルクというよりベルベットという感じで祐樹を包み込んでくれる花園の感触は筆舌に尽くしがたいほど気持ちが良い。しかも花びらが何枚も重なったような感じである花びらは強く、また異なる花びらは弱い力を祐樹の最も敏感な場所に加えてくれるのも。
 強いて欠点を探すなら良すぎて即座に放ってしまいたくなる点だろうか。贅沢な悩みだとは我ながら思ってしまうけれども。
 一旦、しどけなく開いた門まで引くと、汗の雫で貼りついた青色のシルクの生地が最愛の人の肢体に密着して綺麗なラインを描いているのを見るだけで欲望が(たぎ)ってしまう、即座に真珠の放埓を撒き散らしたくなるほどに。
 最愛の人のやや細い腰を両手で掴んだ。当然ながら女性のような丸みではなく四角い腰のラインも絵に描いたように綺麗に浮かび上がっている。
「ゆ……祐樹っ……来て欲しっ……私の中にっ……」
 薔薇色の言葉を紡ぐ最愛の人の声も普段以上に熱がこもっているような気がした。促されるままに花園を強く穿(うが)つと熱くて厚いベルベットの感触が祐樹の欲情の象徴を狂おしく包んでくれる。
「祐樹っ……とてもっ……()っ……」
 身体だけでなく精神までの繋がりを示すかのように湿った音が寝室を愛の色に染めていくようだった。腰を固定して根本(ねもと)まで埋め込むと最愛の人の下半身がしなやかに反って(さら)に奥へと導かれた。
 奥処の奥には天国以上の場所が有ることは知っていたけれども、その場所へと招いてくれたのだろう。先端部分を其処(そこ)に密着させると祐樹のためだけに誂えたようにピタリと密着して精緻さを増した動きで祐樹を天国よりも更に上の場所に連れて行ってくれるような気がする場所だった。
「あっ……祐樹っ……。其処(そこ)……とてもっ……。ただっ……もうっ……」
 甘く熱い声が限界を訴えている。
「私もです。……今度こそ、一緒に……」
 奥処の奥へと真珠の放埓をばら撒くのは普段以上に最高……と思った瞬間に、しなやかな肢体が優雅かつ淫らに反って震えている。声もなく絶頂を極めたらしいのは分かったものの。





--------------------------------------------------
二個のランキングに参加させて頂いています。
クリック(タップ)して頂けると更新のモチベーションが劇的に上がりますので、どうか宜しくお願い致します!!

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村




小説(BL)ランキング

2ポチ有難うございました<m(__)m>











































腐女子の小説部屋 ライブドアブログ - にほんブログ村




PVアクセスランキング にほんブログ村