「ゆ……祐樹っ……。もっとっ……強く……触れて……欲しっ……」
 最愛の人の素肌が紅葉(もみじ)に負けないほど紅く染まっている。そして葉っぱで(こす)っていたルビーの尖りは切なく震えては煌めきを深くしている。これだけの些細な愛撫なのに愛の交歓の残り火が(くすぶ)っていたせいか、紅色に染まった素肌からは汗の雫まで浮いている。
「強くですか……。ああ、あそこに良い物が有りますよ……秋の庭園に相応しい趣きを添えるために置いてあるのかも知れないですが、ね?」
 最愛の人が二つの尖りを強い力で愛されるのが好きなことくらい当然把握している。
「祐樹……?え……」
 紅葉の葉を首筋にヒタリと貼り付けて胸の尖りには拾って来た「松ぼっくり」を当てた。
 ごつごつした無骨さのある茶色のモノをルビーのように煌めく場所に当てて動かすと、紅色の嬌声が切れ切れに夜の空気に溶けていく。繊細な煌めきを放つルビーの蠱惑が松ぼっくりとは素敵なコントラストを描いていて目にも耳にも心地よい。
「これも一応は有機物ですよね?聡の極上の花園に()れても問題はなさそうなのですが……?」
 絶対に最愛の人は嫌がると思っていたし、祐樹的にも嫌がって欲しいコトをわざと煽るように言った。「え……?」
 艶めいた眼差しが当惑めいた光を放って揺れている。
「『おとなのおもちゃ』がお嫌いなのは承知しています。でもこれはその(たぐい)のモノではありませんし……。それに、私が丹精を込めて開花させた花園はこの程度の大きさは難なく受け入れますよね。花園の中にも……秋を感じさせてあげるのも一興でしょう……」
 松ぼっくりは祐樹の(てのひら)に載るほどの大きさだったし、所謂(いわゆる)「おとなのおもちゃ」の中でもこういった凸凹の有るタイプのモノが売られているし、好む人が多いのも知っていた。
「私の愛情と欲情の象徴もヒタリと包み込んで下さる最高の場所ですが、あいにくこういったゴツゴツした感触はないでしょう……?一回味わってみるのも良いかと思うのですが……」
 もう片方の尖りをギュッと()まんで強く捻りながら、紅色の耳朶(みみたぶ)を甘く噛んで(そそのか)すように告げる。
「あっ……」 
 しなやかな肢体がヒクリと震えると辺りが紅色に染まっていくような錯覚を覚えるほど色っぽい。
「想像してみてください……。聡の極上の花びら達がこのゴツゴツ感を味わっている感触を……。そして薔薇色に染まった、そして中には真珠の放埓まで宿した場所にコレが(はい)るのを……。きっと花園の中は何時(いつ)もと異なる悦楽を感じることが出来ますし、それに花園にばら撒いた真珠の放埓がこの凸凹(でこぼこ)にも宿ってくれますよ。きっと綺麗でしょうね……。それに薔薇色の花園の門が茶色のモノを飲み込んで行く様子はきっと物凄く綺麗で、そして壮絶に淫らだと思います。旅行の醍醐味は、いつもと異なる体験をすることも含まれますよね……。花園の中に(はい)った松ぼっくりだと一生の宝物(たからもの)になりますし……」
 祐樹が言葉を紡ぐと具体的に想像したのだろう、紅色に染まった肢体がより色を濃くしている。上半身だけ中途半端に乱しているので浴衣の禁欲的な紺色と瑞々しい紅色の対比も壮絶な色香を纏っていた。
「ここも……期待しているのでは……?」
 座ったままの状態なので花園の入り口には指も届かないが、背筋からつーっと指を滑らせて双丘の上のほうまで辿るとしなやかな若木のように反った肢体が胸の尖りを誇示しているかのようだった。
「ああ、こちらの(ほう)が物欲しげですよね……」
 松ぼっくりを掌に載せたままで、胸の尖り全体にかけて円を描くように愛した。
「あっ……ゆ……祐樹っ……()っ……。とても感じるっ……。ただ、祐樹しか……身体の中に……迎え入れたくはないのでっ……」
 悦楽を追うように開き切った紅色の唇から健気な言葉が嬌声と共に紡がれる。断ってくれて本当に良かったと内心では思ったが、そんなことはおくびにも出さずに不満そうな表情を繕った。
「お詫びというか……その代わりというか……。祐樹のを口で愛するというのは……どうだろう……?」
 いくら人が居ないとはいえ、一応公共の場所だ。そんな場所でそんなコトをして貰えるとは思ってもみなかった。 
 祐樹のリクエストに応えられなかった罪悪感からかな?と思ったが、僅かに開いた唇から紅い舌がチラリと覗いて、乾いた唇を湿らせている。
 本当にそうしたいのだろうなと思わせる期待に満ちた仕草だった。
「それは嬉しいですが……。ただ、愛の交歓の名残は有りますよ?」
 普段、口での愛撫は何もしていない時で、最愛の人の花園の中に(はい)った後とかは真珠の放埓をばら撒く前であっても行ってはいない。今回はそれを思いっきりばら撒いた状態で洗ってもいないので抵抗が有るのではないかと不安を覚えた。
 ただ、紅色の唇が祐樹の欲情と愛情の象徴を愛してくれるということとか、東屋(あずまや)に人が近づいて来るかも知れないというリスクというか背徳感で背筋が熱く震えたが。






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